スペック早見表

木材の基準強度 早見表(Fc・Ft・Fb・Fsと許容応力度)

木材の基準強度は平成12年建設省告示第1452号で樹種・等級ごとに決まっていて、無等級材のすぎならFc17.7・Ft13.5・Fb22.2・Fs1.8N/mm²です。許容応力度は施行令第89条の式で長期1.1F/3・短期2F/3です。無等級材とJASの目視等級・機械等級の値と、計算した許容応力度を並べました。

🪵 木材の強度 判断即答ボックス

無等級のすぎで曲げを見るならFb 22.2N/mm²長期8.14・短期14.80
無等級のひのきで圧縮を見るならFc 20.7N/mm²長期7.59・短期13.80
許容応力度にするなら長期1.1F/3・短期2F/3施行令第89条第1項
積雪時の構造計算なら長期×1.3・短期×0.8第82条第一号〜第三号による場合
浴室・基礎ぐいなど常時湿潤なら70%に低減施行令第89条第3項
すぎをJASの機械等級E70にするとFb 29.4N/mm²無等級22.2より大きい(告示第二号)
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表1: 無等級材の基準強度 — 告示第1452号 第五号

区分樹種Fc
圧縮
Ft
引張り
Fb
曲げ
Fs
せん断
針葉樹あかまつ、くろまつ及びべいまつ22.217.728.22.4
からまつ、ひば、ひのき、べいひ及びべいひば20.716.226.72.1
つが及びべいつが19.214.725.22.1
もみ、えぞまつ、とどまつ、べにまつ、すぎ、べいすぎ及びスプルース17.713.522.21.8
広葉樹かし27.024.038.44.2
くり、なら、ぶな、けやき21.018.029.43.0

※ 単位N/mm²。無等級材は告示で「日本農林規格に定められていない木材」とされるもので、樹種だけで値が決まります。樹種のくくりは告示の表のとおりです(例: すぎ・えぞまつ・とどまつ・べいすぎ・スプルースは同じ値)。たる木・根太など荷重を分散して負担する目的で並列して設けた部材(並列材)は、Fbに構造用合板又は同等以上の面材を張る場合1.25、その他の場合1.15を乗じた数値とすることができます。

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表2: 無等級材の許容応力度(計算値)— 施行令第89条

樹種長期 1.1F/3短期 2F/3
圧縮引張り曲げせん断圧縮引張り曲げせん断
あかまつ・くろまつ・べいまつ8.146.4910.340.8814.8011.8018.801.60
からまつ・ひば・ひのき・べいひ・べいひば7.595.949.790.7713.8010.8017.801.40
つが・べいつが7.045.399.240.7712.809.8016.801.40
もみ・えぞまつ・とどまつ・べにまつ・すぎ・べいすぎ・スプルース6.494.958.140.6611.809.0014.801.20
かし9.908.8014.081.5418.0016.0025.602.80
くり・なら・ぶな・けやき7.706.6010.781.1014.0012.0019.602.00

※ 単位N/mm²。表1の基準強度に施行令第89条第1項の表の式(長期1.1F/3、短期2F/3)を当てはめて当サイトが計算し、小数第3位を四捨五入しました。木材の繊維方向の値です。並列材の割増し、積雪時・常時湿潤の補正(表3)は含みません。

表3: 許容応力度の式と補正

場合長期短期根拠
通常1.1F/32F/3施行令第89条第1項の表
積雪時の構造計算(第82条第一号〜第三号による)表の数値×1.3
=1.43F/3
表の数値×0.8
=1.6F/3
第89条第1項ただし書
かた木で特に品質優良なものを、しやち・込み栓の類に使う第1項の表の数値の2倍まで増大できる第89条第2項
基礎ぐい・水槽・浴室その他これらに類する常時湿潤状態にある部分第1項・第2項による数値の70%
通常なら=0.77F/3
同70%
通常なら=1.4F/3
第89条第3項
並列材の曲げ(無等級材・目視等級)Fb×1.25(構造用合板等の面材を張る場合)、Fb×1.15(その他)とすることができる告示第1452号 第一号・第五号
並列材の曲げ(機械等級)Fb×1.15(構造用合板等の面材を張る場合のみ)同 第二号
材料強度(保有水平耐力計算などで使う値)Fc・Ft・Fb・Fsそのもの。第82条の5第二号による積雪時は×0.8。第89条第2項・第3項を準用施行令第95条

※ Fは基準強度(Fc・Ft・Fb・Fs)。「=1.43F/3」などは当サイトが式を整理したものです。第82条の表で積雪時の組合せは、長期が多雪区域のG+P+0.7S、短期がG+P+Sです。

表4: 目視等級区分の構造用製材(JAS)の基準強度 — 告示第1452号 第一号

樹種区分等級FcFtFbFs
あかまつ甲種構造材1級27.020.433.62.4
2級16.812.620.4
3級11.49.014.4
乙種構造材1級27.016.226.4
2級16.810.216.8
3級11.47.211.4
べいまつ甲種構造材1級27.020.434.22.4
2級18.013.822.8
3級13.810.817.4
乙種構造材1級27.016.227.0
2級18.010.818.0
3級13.88.413.8
からまつ甲種構造材1級23.418.029.42.1
2級20.415.625.8
3級18.613.823.4
乙種構造材1級23.414.423.4
2級20.412.620.4
3級18.610.817.4
ダフリカからまつ甲種構造材1級28.821.636.02.1
2級25.218.631.2
3級22.216.827.6
乙種構造材1級28.817.428.8
2級25.215.025.2
3級22.213.222.2
ひば甲種構造材1級28.221.034.82.1
2級27.621.034.8
3級23.418.029.4
乙種構造材1級28.216.828.2
2級27.616.827.6
3級23.412.620.4
ひのき甲種構造材1級30.622.838.42.1
2級27.020.434.2
3級23.417.428.8
乙種構造材1級30.618.630.6
2級27.016.227.0
3級23.413.823.4
べいつが甲種構造材1級21.015.626.42.1
2級21.015.626.4
3級17.413.221.6
乙種構造材1級21.012.621.0
2級21.012.621.0
3級17.410.217.4
えぞまつ及びとどまつ甲種構造材1級27.020.434.21.8
2級22.817.428.2
3級13.810.817.4
乙種構造材1級27.016.227.0
2級22.813.822.8
3級13.85.49.0
すぎ甲種構造材1級21.616.227.01.8
2級20.415.625.8
3級18.013.822.2
乙種構造材1級21.613.221.6
2級20.412.620.4
3級18.010.818.0

※ 単位N/mm²。製材の日本農林規格(令和7年農林水産省告示第195号)に適合する構造用製材の目視等級区分によるものです(円柱類は、すぎ・からまつ・ひのきに限る)。Fsは樹種ごとに区分・等級によらず同じ値です。同じ等級ではFcは甲種・乙種で同じで、FtとFbは乙種の方が小さい値です。並列材の割増しは表1と同じ(1.25/1.15)です。

表5: 機械等級区分の構造用製材(JAS)の基準強度 — 告示第1452号 第二号

樹種等級FcFtFb
あかまつ・べいまつ・ダフリカからまつ・べいつが・えぞまつ・とどまつE709.67.212.0
E9016.812.621.0
E11024.618.630.6
E13031.824.039.6
E15039.029.448.6
からまつ・ひのき・ひばE5011.48.413.8
E7018.013.222.2
E9024.618.630.6
E11031.223.438.4
E13037.828.246.8
E15044.433.055.2
すぎE5019.214.424.0
E7023.417.429.4
E9028.221.034.8
E11032.424.640.8
E13037.227.646.2
E15041.431.251.6

※ 単位N/mm²。告示第二号の表のFsの欄には数値がなく「樹種に応じ、前号の表の基準強度による。」とあるため、機械等級のFsは表4(第一号)の樹種の値によります(あかまつ・べいまつ2.4、からまつ・ダフリカからまつ・ひば・ひのき・べいつが2.1、えぞまつ・とどまつ・すぎ1.8)。あかまつ等のグループはE70からです。同じ等級でも樹種のグループで値が違います(E70のFb: あかまつ等12.0、からまつ・ひのき・ひば22.2、すぎ29.4)。

表6: 機械等級区分の許容応力度(計算値)

樹種等級長期 1.1F/3短期 2F/3
圧縮引張り曲げ圧縮引張り曲げ
あかまつ・べいまつ・ダフリカからまつ・べいつが・えぞまつ・とどまつE703.522.644.406.404.808.00
E906.164.627.7011.208.4014.00
E1109.026.8211.2216.4012.4020.40
E13011.668.8014.5221.2016.0026.40
E15014.3010.7817.8226.0019.6032.40
からまつ・ひのき・ひばE504.183.085.067.605.609.20
E706.604.848.1412.008.8014.80
E909.026.8211.2216.4012.4020.40
E11011.448.5814.0820.8015.6025.60
E13013.8610.3417.1625.2018.8031.20
E15016.2812.1020.2429.6022.0036.80
すぎE507.045.288.8012.809.6016.00
E708.586.3810.7815.6011.6019.60
E9010.347.7012.7618.8014.0023.20
E11011.889.0214.9621.6016.4027.20
E13013.6410.1216.9424.8018.4030.80
E15015.1811.4418.9227.6020.8034.40

※ 単位N/mm²。表5の値から表2と同じ式・丸めで当サイトが計算しました。せん断は表4の樹種のFsから求めます(例: Fs=1.8なら長期0.66・短期1.20、2.1なら長期0.77・短期1.40、2.4なら長期0.88・短期1.60)。

このページにない木材の基準強度

  • 枠組壁工法構造用製材・たて継ぎ材(2×4材) — 告示第1452号 第三号(樹種群S-P-F・DFir-Lなどと区分・等級の表、寸法型式による係数)。MSR枠組材・MSRたて継ぎ材は第四号。2026年5月29日施行の改正(令和8年国土交通省告示第336号)で、第三号に樹種群JS A・JS Tが加わり、第四号はFb等級ごとの表に改められました。全区分は原典を確認してください。
  • 国土交通大臣が指定した木材 — 告示第1452号 第六号(指定した数値)。
  • 構造用集成材・構造用単板積層材(LVL)などの基準強度と、木材のめり込みに対する基準強度 — 平成13年国土交通省告示第1024号 第3。

使い方

  1. 材の区分を確かめる — 製材のJASに適合する構造用製材なら目視等級(表4)か機械等級(表5)、日本農林規格に定められていない木材は無等級材(表1)です。
  2. 樹種と等級でFc・Ft・Fb・Fsを引く — 機械等級のFsは表4の樹種の値です。
  3. 許容応力度にする — 長期は1.1F/3、短期は2F/3(表2・表6)。例: すぎE70の曲げは長期10.78・短期19.60N/mm²。
  4. 補正を確かめる — 積雪時、常時湿潤の部分、並列材、しやち・込み栓(表3)。

※ 本ページは告示・条文の数値を引くための早見表です。構造計算・部材の選定・法令適合の判断は、原典を確認し、建築士など有資格者と所管行政庁・確認検査機関の確認のうえで行ってください。座屈・めり込み・接合部などは別の規定によります。

間違えやすいポイント

  • JASの等級材の値を無等級材に使う — 表4・表5の値は製材のJASに適合する構造用製材のものです。日本農林規格に定められていない木材は表1の無等級材の値です。
  • 機械等級の数字が同じなら樹種によらず同じ強度と思う — E70のFbは、すぎ29.4、からまつ・ひのき・ひば22.2、あかまつ等12.0と大きく違います。
  • 短期を長期の1.5倍にする — 鋼材と違い、木材は長期1.1F/3・短期2F/3で、短期は長期の約1.82倍(2÷1.1)です。
  • 積雪時に通常の長期・短期をそのまま使う — 第82条第一号〜第三号による積雪時の構造計算では、長期×1.3・短期×0.8です。
  • 湿潤な部分で70%を忘れる — 基礎ぐい・水槽・浴室など常時湿潤状態にある部分は70%にします。

基準強度と許容応力度の関係

基準強度Fは、木材の種類と品質ごとに国土交通大臣が定める圧縮・引張り・曲げ・せん断の強さの基準値で(施行令第89条第1項の表)、構造計算で比べる許容応力度はFから式で求めます。木材の長期の係数1.1/3(約0.37)が短期の2/3より大きく下げてあるのは、木材が長い時間荷重を受け続けると、短い時間の荷重より小さい力で壊れやすい性質(荷重継続時間の影響)を考えたもの、と一般に説明されます(当サイトによる説明。条文に理由は書かれていません)。

よくある質問

Q1. 無等級材のすぎの基準強度は?

A. Fc17.7・Ft13.5・Fb22.2・Fs1.8N/mm²です(告示第1452号 第五号)。曲げの許容応力度は長期8.14・短期14.80N/mm²です。

Q2. 木材の許容応力度の計算式は?

A. 長期は1.1F/3、短期は2F/3です(施行令第89条)。Fは告示第1452号の基準強度です。

Q3. ひのきの基準強度は?

A. 無等級材はFc20.7・Ft16.2・Fb26.7・Fs2.1N/mm²です。JASの甲種構造材1級は30.6・22.8・38.4・2.1、機械等級E90は24.6・18.6・30.6です。

Q4. べいまつの基準強度は?

A. 無等級材はFc22.2・Ft17.7・Fb28.2・Fs2.4N/mm²です。JASの甲種構造材1級は27.0・20.4・34.2・2.4です。

Q5. 甲種構造材と乙種構造材で基準強度はどう違う?

A. FcとFsは同じで、FtとFbは乙種の方が小さい値です。すぎ1級なら甲種Fb27.0、乙種Fb21.6N/mm²です。

Q6. 機械等級E70の基準強度は樹種で違う?

A. 違います。E70のFbはすぎ29.4、からまつ・ひのき・ひば22.2、あかまつ等12.0N/mm²です。Fsは、第二号の表のFsの欄に数値がなく、第一号の表の樹種ごとの値によります。

Q7. 浴室など湿気の多い部分の許容応力度は?

A. 常時湿潤状態にある部分(基礎ぐい・水槽・浴室など)は70%にします(施行令第89条第3項)。

Q8. たる木・根太の曲げの基準強度は割り増せる?

A. 並列材は、面材を張ればFb×1.25、その他は×1.15にできます(無等級材・目視等級)。機械等級は面材を張る場合の×1.15のみです。

関連する早見表

出典・参考

  • 木材の基準強度Fc、Ft、Fb及びFsを定める件(平成12年建設省告示第1452号) — 第一号(目視等級区分)・第二号(機械等級区分)・第五号(無等級材)の表、第三号・第四号・第六号 — 国土交通省 告示・通達データベース(平成27年国土交通省告示第910号による改正までの版)で確認
  • 同告示のその後の改正: 令和2年国土交通省告示第821号 第四条(第三号・第四号。第一号・第二号・第五号・第六号は改正なし。新旧対照表)、令和7年国土交通省告示第771号 第四条(第一号の製材の日本農林規格の告示番号。新旧対照表)、令和8年国土交通省告示第336号 第一条(第三号・第四号、2026年5月29日施行。新旧対照表・技術的助言)— 国土交通省「建築基準法等に基づく告示の制定・改正について」の掲載資料で確認。改正経過は国立国会図書館「日本法令索引」で確認
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号) — 第82条(荷重の組合せ・積雪時)、第89条(木材の許容応力度)、第95条(木材の材料強度) — e-Gov法令検索の現行条文(令和7年政令第377号による改正、2025年12月1日施行)で確認。令和8年政令第284号(2026年11月1日施行)でこれらの条に変更がないことも確認
  • 特殊な許容応力度及び特殊な材料強度を定める件(平成13年国土交通省告示第1024号) 第3 — 集成材等・めり込みの基準強度の所在のみ(上記の新旧対照表で確認。数値は載せていません)

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。告示・条文は改正されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 表1・表4・表5は告示の表の転記です(樹種の並びと区分は告示のとおり、数値の丸めなし)。表2・表6は施行令第89条の式で当サイトが計算し、小数第3位を四捨五入した値です。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-19