スペック早見表

ダクトサイズ早見表|スパイラルダクト径と風量・風速

換気・空調ダクトの径選定に。スパイラルダクト標準径(φ100〜400mm)の断面積と、風速4・6・8m/s時に流せる風量(m³/h)を一覧化。風量計算式・推奨風速の目安・角ダクトの相当直径換算・換気回数による必要風量の求め方まで、現場で頻発する確認業務にまとめて答えます。

💨 即答: 風量(m³/h) = 断面積(m²) × 風速(m/s) × 3600

φ100 × 4m/s約113 m³/h断面積 0.00785 m²
φ150 × 6m/s約382 m³/h断面積 0.01767 m²
φ200 × 6m/s約679 m³/h断面積 0.03142 m²
φ250 × 8m/s約1,414 m³/h断面積 0.04909 m²
居室系の分岐ダクト風速 3〜6 m/s一般的な設計目安
幹線ダクト風速 6〜9 m/s低速ダクト方式の目安

※ 断面積(m²)=π×(内径m÷2)²。上記風量はすべて計算値です。風速の範囲は法規値ではなく設計目安です。

このページについて

ダクトの径選定は「必要風量」と「許容できる風速」の2つで決まります。風量Q(m³/h)・断面積A(m²)・風速v(m/s)の関係は Q=A×v×3600 というシンプルな算術で、迷う要素はありません。本ページはこの式をスパイラルダクトの標準径(φ100〜400mm)についてあらかじめ計算し、風速4・6・8m/sの3通りの風量を一覧表にしたものです。

あわせて、低速ダクト方式で一般的に使われる設計風速の目安(居室系分岐3〜6m/s・幹線6〜9m/s等)、角ダクト→丸ダクトの相当直径換算式、換気回数から必要風量を求める考え方を収録しています。表の数値は算術による計算値、風速の範囲は設計目安であることを明記します。実施設計では圧力損失計算と機器仕様(機外静圧)の確認を必ず行ってください。

スパイラルダクト標準径×風速別風量 一覧表

風量(m³/h)=断面積(m²)×風速(m/s)×3600 による計算値。呼び径は一般に流通するスパイラルダクトの標準径(内径ベース)です。

よく使う:
呼び径
(mm)
断面積
(m²)
風量 @4m/s
(m³/h)
風量 @6m/s
(m³/h)
風量 @8m/s
(m³/h)
φ1000.00785113170226
φ1250.01227177265353
φ1500.01767254382509
φ1750.02405346520693
φ2000.03142452679905
φ2250.039765738591,145
φ2500.049097071,0601,414
φ3000.070691,0181,5272,036
φ3500.096211,3852,0782,771
φ4000.125661,8102,7143,619

※ 表にない風速の風量は比例計算で求められます(例: 5m/sなら@4m/sの値×1.25)。継手・フレキ・フィルタ等の圧力損失により実際に出る風量は送風機の能力(P-Q特性)で決まります。

推奨風速の目安(低速ダクト方式)

以下はダクト設計で一般的に用いられる設計風速の目安であり、法規で定められた値ではありません。騒音・圧力損失・スペースの条件に応じて調整します。

部位・用途設計風速の目安
(m/s)
備考
居室につながる分岐ダクト3〜6吹出口に近いほど低めに。騒音対策の基本
幹線(主)ダクト6〜9一般空調の低速ダクト方式の目安
騒音を特に嫌う室(寝室・会議室等)への系統3〜5以下低め設定+消音対策を併用
機械室・シャフト内など騒音許容区間〜10程度スペース優先で高めに取ることがある
住宅の24時間換気(φ100前後)2〜4程度低風速にすると圧損・騒音に余裕が出る

※ 風速を上げるほどダクトは細くできますが、圧力損失(風速のほぼ2乗で増加)と気流音が増えます。

🧮 簡易計算ツール: 径と風速 → 風量

ダクト内径と風速を入力すると、断面積と風量(m³/h・m³/min)を計算します。

※ 計算式: 断面積A=π×(内径÷2)²、風量Q=A×風速×3600。スパイラルダクトは呼び径≒内径として扱えます。入力可能範囲: 内径25〜2000mm・風速0.1〜20m/s。

角ダクト → 丸ダクトの換算(相当直径)

長方形(角)ダクトを丸ダクトと比較するときは、摩擦損失が等しくなる「相当直径 De」に換算します。長辺a・短辺b(同一単位)として:

De = 1.30 × (a×b)0.625 ÷ (a+b)0.25(ASHRAEの等摩擦相当直径式)

角ダクト寸法
(mm)
相当直径 De
(mm・計算値)
近い丸ダクト標準径
200 × 150約189φ200
200 × 200約219φ225
250 × 200約244φ250
300 × 200約266φ300(余裕側) / φ250(不足側)
400 × 250約343φ350

※ 相当直径は「同じ摩擦損失になる丸ダクト径」であり、断面積が等しいという意味ではありません。単純な水力直径の式 2ab÷(a+b) は風速比較用の簡便式で、アスペクト比が大きいほど等摩擦式との差が開きます。扁平な角ダクトほど同じ断面積でも圧損・材料面で不利になるため、アスペクト比は4:1以下が望ましいとされます(目安)。

換気回数から必要風量を求める

必要風量(m³/h) = 部屋の容積(m³) × 換気回数(回/h)。換気回数は「1時間に部屋の空気が何回入れ替わるか」を表します。シックハウス対策の常時換気(24時間換気)では、建築基準法(施行令第20条の8)により住宅等の居室で0.5回/h以上の機械換気量が必要です。

部屋の例容積
(m³)
0.5回/hの必要風量
(m³/h)
2回/hの必要風量
(m³/h)
床面積10m² × 天井高2.4m241248
床面積20m² × 天井高2.5m5025100
床面積50m² × 天井高2.7m13568270

※ 表は計算値。0.5回/hは住宅等の居室のシックハウス対策換気の法定下限、2回/hは倉庫・作業場などで使われる換気回数の一例(用途ごとの適正回数は目安であり施設条件によります)。火気使用室・特殊建築物には別途の換気規定があります。

実務の注意点: 騒音とフレキダクト

  • 圧力損失は風速のほぼ2乗で増える — 圧損は動圧(ρv²/2)にほぼ比例するため、風速を2倍にすると直管・継手の圧損は約4倍。送風機の必要静圧・消費電力・騒音がまとめて悪化します。
  • 騒音対策は「風速を下げる」が最優先 — 居室に近い区間ほど風速を落とし、必要に応じて消音ボックス・内貼りダクトを併用します。吹出口の選定風量を超えると気流音が急増します。
  • フレキシブルダクトは圧損が大きい — 内面の凹凸により同径のスパイラルダクト(平滑管)より摩擦損失が大きく、つぶれ・急な曲げ・たるみでさらに増大します。フレキ区間は短くまっすぐ、吊りピッチを詰めてたるみを防止するのが基本です。
  • 実風量は送風機のP-Q特性で決まる — 表の風量は「その風速が出たときの値」です。経路の圧損合計が機外静圧を超えると設計風量は出ません。

風量・風速・ダクト径の関係(背景解説)

ダクト内を流れる空気の量は、連続の式(流量=断面積×流速)そのものです。単位時間あたりに断面を通過する空気の体積は「断面積×風速」で決まり、風速の単位がm/s、風量の慣用単位がm³/hなので3600を掛けて単位を揃えます。同じ風量なら、径を太くすれば風速が下がり、細くすれば風速が上がる——ダクト設計はこのトレードオフの調整です。

風速を決める制約は主に「騒音」と「圧力損失」です。ダクト内の摩擦損失や継手の局部損失は動圧(ρv²/2)に比例するため風速のほぼ2乗で増え、風切り音も風速とともに大きくなります。一方で風速を下げるほどダクトは太くなり、天井懐や材料費を圧迫します。一般空調で広く使われる低速ダクト方式では、幹線6〜9m/s・分岐3〜6m/s程度(目安)に収めることで、騒音・圧損・スペースのバランスを取っています。

スパイラルダクトは帯状の鋼板をらせん状に巻いて成形した円形ダクトで、同じ断面積の角ダクトより摩擦損失が小さく気密性・強度に優れるため、露出配管や換気設備で広く使われます。角ダクトと比較する場合は相当直径に換算して圧損を評価します。ダクトの板厚・接合などの仕様はJIS A 4009や公共工事の標準仕様書で規定されており、径の選定(本ページの範囲)とは別に確認が必要です。

使い方・選び方のポイント

使用場面

換気扇・全熱交換器のダクト径確認、系統ごとの風量割り付け、既設ダクトの能力確認(径と風速から逆算)、角ダクトからの置き換え検討に使います。手順は ①必要風量を決める(換気回数・機器仕様) ②許容風速を決める(部位ごとの目安) ③A=Q÷(v×3600)で必要断面積を求め、1つ上の標準径を選ぶ、の3ステップです。例: 必要風量200m³/h・風速6m/s以下なら必要断面積0.0093m²→φ125(0.01227m²)を選ぶと実風速は約4.5m/sに収まります。

よくある間違い

「風量の単位取り違え(m³/minとm³/h、60倍違う)」「呼び径を半径と混同」「フレキのつぶれ・急曲げを見込まず設計風量が出ない」「相当直径を断面積が等しい径と誤解」「風速目安を法規値と誤解(目安です)」が代表例です。また、表の風量はあくまで計算値で、実際に出る風量は経路圧損と送風機能力で決まる点に注意してください。

選び方のコツ

①迷ったら1サイズ太く(圧損は径5乗分の1に近い勢いで効き、騒音も下がる) ②居室に近い区間ほど低風速に ③フレキは「最後の接続部だけ短く」が原則 ④将来の風量増を見込むなら幹線に余裕を ⑤ダクト仕様(板厚・接合・保温)は標準仕様書で別途確認。

よくある質問

Q1. ダクトの風量はどう計算する?

A. 風量(m³/h)=ダクト断面積(m²)×風速(m/s)×3600 で計算します。例えばφ150(断面積 約0.0177m²)を風速6m/sで流すと 0.0177×6×3600≒382m³/h です。断面積は円形ダクトなら π×(内径m÷2)² で求めます。

Q2. ダクト内の風速はどのくらいが目安?

A. 低速ダクト方式の一般的な設計目安として、居室につながる分岐ダクトで3〜6m/s、幹線ダクトで6〜9m/s程度が広く使われています。あくまで設計目安であり、騒音を嫌う寝室・会議室ではさらに低め(3〜5m/s以下)に、機械室内など騒音が許容される区間では高めに設定されることもあります。

Q3. φ150のスパイラルダクトにはどのくらいの風量が流せる?

A. 断面積は約0.0177m²なので、風速4m/sで約254m³/h、6m/sで約382m³/h、8m/sで約509m³/hです(計算値)。流せる風量は「風速を何m/sまで許容するか」で決まるため、騒音・圧力損失の条件に合わせて設計風速を決めてから表を読み取ります。

Q4. 角ダクトを丸ダクトに換算するには?

A. 摩擦損失が等しくなる「相当直径」で換算します。長辺a・短辺bの角ダクトの相当直径Deは De=1.30×(a×b)0.625÷(a+b)0.25 で求められます(ASHRAEの等摩擦相当直径式)。例えば200×200mmの角ダクトはφ219mm相当、300×200mmはφ266mm相当です(計算値)。

Q5. 換気回数から必要風量を求めるには?

A. 必要風量(m³/h)=部屋の容積(m³)×換気回数(回/h)です。シックハウス対策の常時換気では、建築基準法(施行令第20条の8)により住宅等の居室で0.5回/h以上の換気量が必要です。例えば床面積10m²×天井高2.4mの部屋(容積24m³)なら 24×0.5=12m³/h以上となります。

Q6. フレキシブルダクトはスパイラルダクトと同じ風量を流せる?

A. 同じ呼び径でも、フレキシブルダクトは内面の凹凸により圧力損失がスパイラルダクト(平滑管)より大きくなります。さらに、つぶれ・急な曲げ・たるみがあると圧損は大幅に増えます。フレキ区間はできるだけ短くまっすぐ使い、風量に余裕を見た径選定と機外静圧の確認を行うのが実務の基本です。

Q7. 風速を上げるとどんなデメリットがある?

A. ダクトの圧力損失は風速のほぼ2乗に比例して増えるため、送風機の必要静圧・消費電力が増加します。また風切り音・吹出口の気流音も大きくなります。径を1サイズ上げると同じ風量でも風速が下がる(例: φ200→φ250で断面積約1.56倍、風速は約64%)ため、騒音・省エネの面では余裕のある径が有利です。

関連する早見表

出典・参考

  • JIS A 4009(空気調和及び換気設備用ダクトの構成部材) — ダクト構成部材の規格
  • 建築基準法施行令 第20条の8 — シックハウス対策の必要有効換気量(住宅等の居室 0.5回/h)
  • ASHRAE Handbook — Fundamentals — 角ダクトの等摩擦相当直径式
  • ダクト設計で一般的に用いられる設計風速(低速ダクト方式) — 本文の風速範囲は法規値ではなく設計目安です

※ 風量はすべて Q=A×v×3600 による計算値、風速の推奨範囲は一般的な設計目安です。実施設計では圧力損失計算・送風機のP-Q特性・法規(建築基準法の換気規定、火気使用室等)を必ず確認してください。

最終更新: 2026-07-08