駐車場の寸法基準早見表|車路5.5m・はり下2.3m・勾配17%
駐車場の計画で最初に効くのは車路5.5m(一方通行なら3.5m)とはり下2.3m。どちらも駐車場法施行令の数値です。屈曲部の内法半径5m、スロープ17%、照度10ルクスまで、令で決まっているものだけを並べました。
🅿️ 駐車場 判断即答ボックス
このページについて
駐車場の計画で最初に効いてくるのが車路の幅員5.5mとはり下2.3mです。どちらも駐車場法施行令が定める技術的基準で、路外駐車場(道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設で一般公共の用に供されるもの。駐車場法第2条第二号)のうち、駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上のものに義務づけられます(同法第11条)。ここでは令の数値をそのまま引ける形にまとめました。駐車マス自体の寸法は駐車場法施行令にはなく、自治体の条例や設計指針によります。
表1: 車路の幅員(駐車場法施行令第8条)
| 車路の区分 | 幅員 | 自動二輪車専用駐車場の場合 |
|---|---|---|
| その他の車路(対面通行) | 5.5m以上 | 3.5m以上 |
| 一方通行の車路 | 3.5m以上 | 2.25m以上 |
| 一方通行で、車路に接して駐車料金の徴収施設が設けられ、かつ歩行者の通行に供しない部分 | 2.75m以上 | 1.75m以上 |
※ 「その他の車路」は一方通行でない車路、つまり対面通行の車路です。迷ったら5.5mと覚えておいて、一方通行にできる計画なら3.5mまで詰められる、という順で考えると間違えにくくなります。
表2: 建築物である路外駐車場の構造(令第8条第三号・第9条)
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 車路のはり下の高さ | 2.3m以上 |
| 駐車の用に供する部分のはり下の高さ | 2.1m以上(第9条) |
| 屈曲部 | 自動車を内法半径5m以上で回転させることができる構造 (自動二輪車専用は3m以上/ターンテーブルがあるものを除く) |
| 傾斜部(スロープ)の縦断勾配 | 17%を超えないこと |
| 傾斜部の路面 | 粗面とし、または滑りにくい材料で仕上げる |
| 避難階段 | 直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に駐車部分を設けるときは、建築基準法施行令第123条第1項・第2項の避難階段またはこれに代わる設備 |
| 防火区画 | 給油所その他火災の危険のある施設を附置する場合は、耐火構造の壁または特定防火設備で区画 |
※ 車路2.3m・駐車部分2.1mと、車路のほうが高く取られているのは、走行中の車高変動と、天井設備までの余裕を見込むためです。ハイルーフ車が入れるかどうかは、この2.3mとは別に、実際の有効高さ(標識の表示値)で判断します。
表3: 出入口を設けられない場所(令第7条第1項第一号)
| 設けられない道路・部分 |
|---|
| 道路交通法第44条第1項各号に掲げる道路の部分(交差点、横断歩道、踏切、安全地帯の側端等) |
| 横断歩道橋(地下横断歩道を含む)の昇降口から5m以内の道路の部分 |
| 幼稚園・小学校・保育所・児童公園・児童館等の出入口から20m以内の部分 (歩道や中央分離のない道路では、反対側およびその左右20m以内も含む) |
| 橋 |
| 幅員が6m未満の道路 |
| 縦断勾配が10%を超える道路 |
※ あわせて、駐車の用に供する部分の面積が6,000㎡以上の路外駐車場では、出口と入口を分離した構造とし、それらの間隔を道路に沿って10m以上とすることが求められます(中央分離帯等で車線が分離されている場合を除く)。隅切りをする場合、切取線の長さは1.5m以上です。
表4: 換気・照明・警報(令第12条〜第14条)
| 設備 | 基準 |
|---|---|
| 換気装置 | 内部の空気を床面積1㎡につき毎時14㎥以上直接外気と交換する能力 (窓その他の開口部で換気に有効な部分の面積がその階の床面積の1/10以上である階を除く) |
| 照明装置 | 車路の路面: 10ルクス以上 |
| 駐車の用に供する部分の床面: 2ルクス以上 | |
| 警報装置 | 自動車の出入および道路交通の安全を確保するために必要な警報装置 |
出口付近の見通し(令第7条第1項第五号)
出口には視認性の基準があります。出口から一定距離後退した車路の中心線上1.4mの高さにおいて、道路の中心線に直角に向かって左右それぞれ60度以上の範囲で、その道路を通行する者の存在を確認できるようにしなければなりません。後退距離は、自動二輪車専用駐車場で1.3m、その他の路外駐車場で2mです。
1.4mという高さは運転者の目線、60度という角度は歩行者や自転車が視界に入る範囲を想定したものです。壁や塀、植栽で視界が塞がれる計画は、この条文で弾かれます。
駐車マスの寸法は法令にない
よく聞かれる「駐車ますは2.5m×6.0m」といった数字は、駐車場法施行令には規定がありません。標準的な寸法は、各自治体の駐車場条例、建築物における駐車施設の附置義務条例、あるいは設計指針によって定められています。同じ日本でも自治体によって幅2.3m・2.5mなど差があり、車種区分(小型・普通・大型)の扱いも異なります。
計画の際は、必ず所在地の自治体の条例・要綱を確認してください。本ページが扱うのは、全国共通で適用される駐車場法施行令の数値です。用途地域による建物の制限は用途地域、トラックの寸法はトラック荷台寸法で確認できます。
間違えやすいポイント
- 車路の幅を一律5.5mだと思う — 一方通行なら3.5m、料金徴収施設に接する一方通行部分なら2.75mまで詰められます。
- はり下2.3mを駐車部分にも適用する — 駐車部分は2.1m以上(第9条)。2.3mは車路の基準です。
- 駐車マスの寸法を法令の数字だと思う — 駐車場法施行令に駐車ますの規定はなく、自治体の条例・指針によります。
- 幅員6m未満の道路に出入口を設ける — 原則として設けられません(国土交通大臣の認定がある場合を除く)。
- スロープの勾配を急にしすぎる — 縦断勾配は17%以下。路面も粗面または滑りにくい仕上げが必要です。
よくある質問
Q1. 駐車場の車路の幅は何m必要?
A. 対面通行は5.5m以上、一方通行は3.5m以上です(令第8条第二号)。一方通行で料金徴収施設に接し歩行者用でない部分は2.75m以上。自動二輪車専用はそれぞれ3.5m・2.25m・1.75m以上です。
Q2. 駐車場のはり下の高さの基準は?
A. 車路2.3m以上・駐車部分2.1m以上です(令第8条第三号イ・第9条)。実際の入庫可否は天井設備を含む有効高さの表示で確認します。
Q3. 駐車場のスロープの勾配は何%まで?
A. 17%以下です(令第8条第三号ハ)。路面は粗面または滑りにくい材料で仕上げます。17%はおよそ1/5.9、角度で約9.6度です。
Q4. 駐車場の出入口を設けられない場所は?
A. 幅員6m未満の道路、縦断勾配10%超の道路、橋、横断歩道橋の昇降口から5m以内、学校・保育所等の出入口から20m以内、交差点・横断歩道等です(令第7条第1項第一号)。
Q5. 駐車ますのサイズは法律で決まっている?
A. 駐車場法施行令には規定がありません。2.5m×6.0mなどの数値は自治体の条例・指針によるもので、幅2.3m・2.5mなど差があります。所在地の条例を必ず確認してください。
Q6. 駐車場の照明の明るさの基準は?
A. 車路の路面10ルクス以上・駐車部分の床面2ルクス以上です(令第13条)。換気は床面積1㎡につき毎時14㎥以上(令第12条。有効開口が床面積の1/10以上ある階は除く)。
Q7. 駐車場の出口の見通しはどこまで必要?
A. 出口から2m後退(自動二輪車専用は1.3m)した車路中心線上高さ1.4mで、左右60度以上の範囲の通行者を確認できることです(令第7条第1項第五号)。
関連する早見表
出典・参考
- 駐車場法施行令(昭和32年政令第340号) — 第7条(自動車の出口及び入口に関する技術的基準)、第8条(車路に関する技術的基準。幅員・はり下2.3m・屈曲部内法半径5m・縦断勾配17%)、第9条(駐車の用に供する部分の高さ2.1m)、第10条(避難階段)、第11条(防火区画)、第12条(換気装置 毎時14㎥/㎡)、第13条(照明装置 車路10ルクス・駐車部分2ルクス)、第14条(警報装置)。e-Gov法令検索の条文で確認
※ 本ページは駐車場法施行令の基準値を引くための早見表です。駐車ますの寸法、附置義務台数、車種区分などは自治体の条例・要綱によって異なります。実際の計画・確認申請は、所在地の自治体および設計者の判断によってください。駐車場法の技術的基準は、法の適用を受ける路外駐車場に義務づけられるものです。
最終更新: 2026-09-14