スペック早見表

バルブ規格早見表|仕切弁・玉形弁・ボール弁・バタフライ弁の種類と選び方

配管用バルブの種類ごとの構造・開閉方式・圧力損失・流量調整の可否・用途を一覧化。全開全閉用の仕切弁、流量調整向きの玉形弁、90°で速いボール弁、大口径向きのバタフライ弁、逆流を防ぐ逆止弁の違いに即答します。接続形式・呼び圧力・材質の選び方までまとめた早見表です。

🔧 バルブの種類 即答ボックス

仕切弁全開・全閉用流量調整に不向き / 全開時の圧力損失は小
玉形弁(グローブ)流量調整向きS字流路で圧力損失は大 / 締切性が良い
ボール弁90°で速い基本はON/OFF / 全開時の圧力損失は小
バタフライ弁大口径・省スペース薄型・軽量 / 円板を90°回転
逆止弁(チェッキ)逆流防止一方向のみ / 流体圧で自動開閉
面間寸法JIS B 2002具体的な寸法値は規格の寸法表を参照

このページについて

バルブ(弁)は配管内の流体を「止める・流す・絞る・逆流を防ぐ」ための機器で、目的に合った種類を選ぶことが基本です。同じ「開閉できる弁」でも、仕切弁で流量を絞るとキャビテーションで傷んだり、逆止弁を締切に使えなかったりと、種類ごとに向き・不向きがあります。本ページはその種類・接続形式・呼び圧力・材質の一般特性を一覧化した早見表です。

「仕切弁と玉形弁はどっち?」「流量調整はどの弁?」「ボール弁とバタフライ弁の使い分けは?」「5Kと10Kの違いは?」といった選定時の確認に即答します。具体的な面間寸法・圧力-温度基準などの数値は各規格の寸法表を参照してください。

下の入力欄に「仕切弁」「調整」「ボール」「逆流」などと入力すると、種類の表の行を絞り込めます(未入力で全表示)。

よく使う:

表1: バルブの種類と特性

種類構造・開閉方式圧力損失(全開時)流量調整主な用途
仕切弁
(ゲートバルブ)
弁体が流路を垂直に横切って上下(ハンドル多回転)不向き(全開/全閉用)水・油・ガスの遮断、常時全開のライン
玉形弁
(グローブバルブ)
弁体が弁座に垂直に接離、S字流路(ハンドル多回転)向く(絞り・調整)流量の調整・締切、蒸気・温水
ボール弁貫通穴のあるボールを90°回転(レバー)不向き(基本ON/OFF)中小口径の開閉、水・ガス・薬品
バタフライ弁円板(ディスク)を90°回転(レバー/ギヤ)中(小〜中)可(ある程度)大口径の開閉・調整、空調・上下水
逆止弁
(チェッキ弁)
流体圧で自動開閉、スイング式/リフト式中(形式による)不可(逆流防止専用)ポンプ吐出側の逆流・ウォーターハンマ防止

※ 圧力損失・流量調整の可否は一般的な傾向です。同じ種類でも構造(仕切弁のウェッジ形/複弁形、ボール弁のフルボア/レデューストボアなど)により差があります。

表2: 接続(端部)形式

接続形式特徴主な適用
ねじ込み形管用テーパねじ(Rc/R)でねじ込む。安価・着脱が容易小口径(おおむね50A以下)・低〜中圧
フランジ形ボルトでフランジを締結。着脱・保守が容易中〜大口径・中〜高圧(寸法はフランジ規格参照)
溶接形配管に溶接(突合せ溶接BW/差込み溶接SW)。漏れが少ない高温・高圧、分解しない配管
ウエハ形2枚のフランジ間に挟み込む薄型構造バタフライ弁・薄型逆止弁、省スペース

表3: 呼び圧力の区分(JIS 5K/10K/16K/20K)

呼び圧力圧力の目安主な使い分け
5K約0.5MPa相当(目安)低圧の給排水・空調など
10K約1.0MPa相当(目安)一般設備配管で最も普及
16K約1.6MPa相当(目安)中圧の水・油・蒸気
20K約2.0MPa相当(目安)蒸気・やや高圧のライン

※ 呼び圧力(K)は圧力区分を表す記号です。実際に使用できる最高圧力は流体温度と本体材質によって変わり(圧力-温度基準)、常温以外では低下します。バルブとフランジの呼び圧力は原則そろえます。フランジ側の具体寸法はフランジ規格を参照してください。

表4: 本体材質と適用の目安

材質(代表記号)主な適用流体温度の目安備考
青銅鋳物
(CAC406 ほか、旧BC6)
水・給湯・油・空気(一般用)〜約220℃(目安)給水・小口径バルブに多用(JIS B 2011 青銅弁)
黄銅
(C37系 ほか)
水・給水(低温)低温向き(目安)快削・鍛造黄銅。小型弁の本体・部品
ねずみ鋳鉄
(FC200 ほか)
水・油・空気・低圧蒸気〜約220℃(目安)安価・大口径向き。衝撃や急な温度変化に弱い(JIS B 2031 ねずみ鋳鉄弁)
鋳鋼
(SCPH2 ほか)
高温・高圧の蒸気・油高温域に対応発電・プラント等の高温高圧ライン
ステンレス鋼
(SUS304/SUS316 ほか)
薬品・食品・純水・海水など広い温度域耐食性・耐熱性が高い

※ 温度・適用流体は一般的な目安です。個々の製品の最高使用圧力・温度・適合流体は、規格の圧力-温度基準表とメーカー仕様で必ず確認してください。

面間寸法について(JIS B 2002)

バルブの面間寸法(端から端までの取付け長さ)は、既設と同じ長さの弁に交換したり、配管の割付けを決めたりするときに必要になります。この寸法はJIS B 2002「バルブの面間寸法」で、弁の種類・接続形式・呼び径・呼び圧力ごとに規定されています。

※ 本ページでは分類と一般特性のみを扱います。具体的な面間寸法の数値は、同規格の寸法表またはメーカーの寸法図を参照してください。

使い方・選び方のポイント

使用場面

配管設計・施工、設備の保守・弁の交換、機械の油圧・空圧回路の弁選定などで、目的に合った弁種・接続形式・呼び圧力・材質を選ぶときに使います。

選定の手順

①その弁で何をするか(遮断・流量調整・逆流防止)を決める → 遮断中心なら仕切弁・ボール弁、調整なら玉形弁、逆流防止なら逆止弁 ②口径と設置スペースで絞る(大口径・省スペースならバタフライ弁) ③接続形式を配管に合わせる(小口径ねじ込み/中大口径フランジ/高温高圧は溶接) ④流体と使用圧力・温度から呼び圧力と材質を選ぶ ⑤面間寸法・圧力-温度基準を規格とメーカー仕様で確認する。

よくある間違い

  • 仕切弁で流量調整する — 仕切弁は全開・全閉用です。中間開度で絞るとキャビテーションや振動で弁体・弁座が損傷します。流量調整は玉形弁を使います。
  • 開閉方向の思い込み — 一般に手前(反時計回り)に回すと開、時計回りで閉(右閉め)です。ハンドルの開閉方向・全開状態は現物と表示で確認します。
  • 逆止弁・玉形弁の取付け向き — 逆止弁や玉形弁は流れ方向(矢印)や取付姿勢に指定があります。逆向きに付けると機能しません。
  • バルブとコックの混同 — コックは90°回転式の簡易な開閉弁の呼び方で、ボール弁も広義にはコックに含まれます。用途に合う構造かで選びます。
  • 呼び圧力を常温の使用圧力と同一視する — 呼び圧力は圧力区分の記号で、高温では使用できる圧力が下がります。圧力-温度基準で確認します。

種類ごとの向き・不向きの背景

弁の性格は流路の形で決まります。仕切弁やボール弁は全開時に流路がほぼまっすぐに抜けるため圧力損失が小さく、遮断(全開・全閉)に向く一方、中間開度では弁体の一部だけが流れに突き出し、局所的な高速流や渦で振動・エロージョン・キャビテーションを起こしやすく、流量調整には不向きです。玉形弁は弁体が弁座に垂直に接離するS字流路のため圧力損失は大きいものの、開度に応じて隙間を細かく変えられ、絞り・調整と確実な締切に適します。

バタフライ弁は円板を回すだけの薄型構造で、大口径になるほどフランジ形の仕切弁より軽量・省スペース・低コストにでき、開閉やある程度の調整に使われます。逆止弁は弁体が流体の圧力そのもので開き、逆流時には自重や流体圧で閉じて逆流を止める自動弁で、ポンプ停止時の逆流やウォーターハンマの防止に用います。こうした流路と作動の違いが、そのまま用途の向き・不向きになっています。

よくある質問

Q1. 仕切弁(ゲートバルブ)と玉形弁(グローブバルブ)の違いは?

A. 仕切弁は弁体が流路を垂直に横切って上下し、全開時は流路がまっすぐで圧力損失が小さく、全開・全閉(遮断)の用途に向きます。中間開度での流量調整は振動やエロージョンが起きやすく不向きです。玉形弁は弁体が弁座に垂直に接離するS字流路で圧力損失は大きい反面、流量の絞り・調整に向き、締切性も良好です。

Q2. バルブで流量を調整したいときはどの弁を選びますか?

A. 流量調整には玉形弁(グローブバルブ)が基本です。仕切弁やボール弁は中間開度での使用に向かず、仕切弁を絞って使うと振動やキャビテーション、弁体・弁座の損傷を招きます。大口径ではバタフライ弁もある程度の調整に使われますが、精密な調整には玉形弁や専用の調整弁を用います。

Q3. ボール弁とバタフライ弁はどう使い分けますか?

A. ボール弁は貫通穴のあるボールを90°回して開閉し、全開時の圧力損失が小さく開閉が速いため、中小口径のON/OFFに広く使われます。バタフライ弁は円板を90°回す薄型・軽量構造で、大口径でも省スペース・低コストにでき、大径配管の開閉やある程度の流量調整に向きます。

Q4. 逆止弁(チェッキ弁)とは何ですか?

A. 流体を一方向にだけ流し、逆流を防止する弁です。ポンプ停止時の逆流やウォーターハンマの防止などに使われ、流体の圧力で自動的に開閉します。代表的な形式にスイング式・リフト式があり、取付けには流れ方向(矢印)と取付姿勢の指定があります。

Q5. バルブの接続形式にはどんな種類がありますか?

A. 主にねじ込み形(管用テーパねじ、小口径向き)、フランジ形(ボルト締結、中〜大口径・保守性が良い)、溶接形(突合せ・差込み溶接、高温高圧で漏れが少ない)、ウエハ形(2枚のフランジ間に挟み込む薄型、バタフライ弁など)があります。口径・圧力・保守性で選びます。

Q6. バルブの呼び圧力5K・10K・16K・20Kの違いは?

A. 呼び圧力はバルブ・フランジの圧力区分を表す記号で、数字が大きいほど高い圧力に対応します。10Kが一般設備配管で広く使われ、5Kは低圧、16K・20Kは中〜やや高圧向けです。実際に使用できる圧力は流体の温度と本体材質によって変わるため、規格の圧力-温度基準表で確認してください。

Q7. バルブとコックの違いは何ですか?

A. コックは円錐(テーパプラグ)や球を90°回して開閉する弁の一種で、構造が簡単で開閉が速いのが特徴です。広義にはボール弁もコック(ボールコック)に含まれます。一般に「バルブ」は仕切弁・玉形弁など弁体で流れを制御する機器全般を指し、「コック」はその中でも90°回転式の簡易な開閉弁を指す呼び方です。

Q8. バルブの面間寸法はどこで決まっていますか?

A. バルブの面間寸法(端から端までの取付け長さ)はJIS B 2002「バルブの面間寸法」で、種類・接続形式・呼び径・呼び圧力ごとに規定されています。具体的な寸法値は同規格の寸法表を参照してください。本ページでは分類と一般特性のみを扱います。

関連する早見表

出典・参考

  • JIS B 2002 バルブの面間寸法
  • JIS B 2011 青銅弁
  • JIS B 2031 ねずみ鋳鉄弁

※ 本ページはバルブの分類と一般特性をまとめたものです。呼び圧力・材質の適用範囲、面間寸法などの具体的な数値は、設計・選定の際に最新の該当規格およびメーカー仕様を必ず確認してください。

最終更新: 2026-07-15