エンジンオイル粘度早見表|0W-20・5W-30の意味と選び方
エンジンオイルの粘度表示(SAE粘度グレード)の読み方を一覧化。0W-20の「0W」は低温側性能、「20」は高温側粘度です。Wグレードごとの外気温目安、高温側グレードの動粘度(SAE J300)、API・ILSACの品質規格、0W-8/0W-16など近年の低燃費グレード、粘度の選び方まで、オイル選び・整備・カー用品店での確認に即答します。
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このページについて
エンジンオイルの缶に書かれた「0W-20」「5W-30」は、SAE(米国自動車技術者協会)のSAE J300で定められた粘度グレードです。ハイフンの前(0W・5Wなど)が低温側、後ろ(20・30など)が高温側のグレードで、両方を表示するオイルをマルチグレードオイルと呼びます。本ページはこの粘度表示の読み方と、代表的なグレードの特徴・使い分けを一覧化した早見表です。
「0W-20と5W-30はどっちが柔らかい?」「0W-16って何?」「SN・SPの意味は?」「寒冷地では何を選ぶ?」といった、オイル交換・カー用品店・整備現場で頻発する確認に即答できる構成です。粘度の選択は車両の取扱説明書に記載された指定粘度が絶対の基準である点を前提にお読みください。
下の入力欄に「0W-20」「5W」「ディーゼル」「低燃費」などと入力すると、表1の行を絞り込めます(未入力で全表示)。
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表1: 代表的なSAE粘度グレード早見表
| 粘度グレード | 低温始動性の目安 ※1 | 高温側の硬さ | 特徴・主な用途 |
|---|---|---|---|
| 0W-8 | 約-35°Cまで | 極めて柔らかい | 最新の低燃費グレード(2015年J300追加)。ハイブリッド車など指定車専用 |
| 0W-16 | 約-35°Cまで | 非常に柔らかい | 低燃費グレード(2013年J300追加)。指定車専用 |
| 0W-20 | 約-35°Cまで | 柔らかい | 現在の国産低燃費車の主流粘度 |
| 0W-30 | 約-35°Cまで | 標準 | 寒冷地対応+標準的な高温粘度 |
| 5W-20 | 約-30°Cまで | 柔らかい | 低燃費車向け。0W-20指定車の許容粘度に含まれる場合あり |
| 5W-30 | 約-30°Cまで | 標準 | 幅広い車種で指定される定番粘度 |
| 5W-40 | 約-30°Cまで | やや硬い | 欧州車・ターボ車・スポーツ走行で多い |
| 10W-30 | 約-25°Cまで | 標準 | 従来からの定番。旧年式車にも |
| 10W-40 | 約-25°Cまで | やや硬い | スポーツ走行・過走行車で選ばれることが多い |
| 15W-40 | 約-20°Cまで | やや硬い | ディーゼル・商用車・建機で多い |
| 20W-50 | 約-15°Cまで | 硬い | 旧車・空冷エンジンなど高温油膜重視の用途 |
| 20W-60 | 約-15°Cまで | 非常に硬い | 旧車・競技など高温油膜を最重視する用途(流通は少なめ) |
※1 低温始動性の目安はSAE J300のCCS(コールドクランキング)試験温度に基づく一般的な目安です。実際の始動可否は車両・バッテリー状態などで変わります。「特徴・主な用途」欄も一般的な傾向であり、実際の選択は必ず車両の取扱説明書の指定に従ってください。
表2: 低温側(W)グレードと外気温の目安
| Wグレード | CCS試験温度(SAE J300) | 使用できる外気温の下限目安 |
|---|---|---|
| 0W | -35°C | -35°C程度まで(目安) |
| 5W | -30°C | -30°C程度まで(目安) |
| 10W | -25°C | -25°C程度まで(目安) |
| 15W | -20°C | -20°C程度まで(目安) |
| 20W | -15°C | -15°C程度まで(目安) |
| 25W | -10°C | -10°C程度まで(目安) |
※ SAE J300ではWグレードごとに、上記温度でのCCS粘度の上限と、さらに5°C低い温度でのポンピング粘度(MRV)の上限が定められています。「外気温の下限目安」は試験温度から導かれる一般的な目安です。
表3: 高温側グレードの動粘度(SAE J300)
| 高温側グレード | 100°C動粘度 (mm²/s) | HTHS粘度の下限 ※2 (mPa·s) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 8 | 4.0以上 6.1未満 | 1.7 | 2015年追加の低粘度グレード |
| 12 | 5.0以上 7.1未満 | 2.0 | 2015年追加の低粘度グレード |
| 16 | 6.1以上 8.2未満 | 2.3 | 2013年追加の低粘度グレード |
| 20 | 6.9以上 9.3未満 | 2.6 | 低燃費車の主流 |
| 30 | 9.3以上 12.5未満 | 2.9 | 標準的なグレード |
| 40 | 12.5以上 16.3未満 | 3.5 (0W-40・5W-40・10W-40) 3.7 (15W-40・20W-40・25W-40) | Wグレードにより下限が異なる |
| 50 | 16.3以上 21.9未満 | 3.7 | 高温油膜重視 |
| 60 | 21.9以上 26.1未満 | 3.7 | 競技用途など |
※2 HTHS粘度=150°C・高せん断条件下の粘度。高温高負荷時の油膜保持性の指標です。数値はSAE J300の規定値ですが、J300は改定されることがあるため厳密な設計・開発用途では最新の原文を確認してください。
表4: API規格(品質規格)とILSAC規格の対応
粘度とは別に、オイルには品質の世代を表す規格があります。ガソリン車用のAPI規格はS系で、アルファベットが後ろになるほど新しい世代です。
| API規格(ガソリン用) | 導入時期 | 対応するILSAC規格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| SJ | 1996年 | GF-2 | 旧世代 |
| SL | 2001年 | GF-3 | 旧世代 |
| SM | 2004年 | GF-4 | 旧世代 |
| SN | 2010年 | GF-5 | 長く流通した世代 |
| SN PLUS | 2018年 | — | SNにLSPI(低速早期着火)対策を追加 |
| SP | 2020年 | GF-6A / GF-6B | LSPI対策・タイミングチェーン摩耗防止を強化 |
| SQ | 2025年 | GF-7A / GF-7B | 最新世代 |
※ GF-6B・GF-7Bは0W-16専用の区分です(GF-6A・GF-7Aは0W-20以上の従来粘度)。さらに低粘度の0W-8・0W-12には日本発のJASO GLV-1(2019年制定)が対応します。API規格は上位互換が基本ですが、旧車では指定規格・粘度との適合を確認してください。ディーゼル車用はAPI C系(CK-4など)やJASO DH-2・DL-1で、ガソリン用S系とは別規格です。
使い方・選び方のポイント
大前提: メーカー指定粘度が絶対基準
使用できる粘度・品質規格は車両の取扱説明書(オーナーズマニュアル)に指定されています。複数の粘度が併記されている場合はその範囲内で選択できますが、指定外の粘度は燃費・油圧制御・保証に影響するおそれがあり、使用しないのが原則です。
指定範囲内での選び方(一般的な目安)
- 寒冷地・冬期 — 低温側は数字が小さいほど有利。指定範囲に0W系があれば0W系が安心です(目安)。
- 過走行車(目安10万km超) — 指定範囲内でやや高粘度側(例: 0W-20と5W-30が併記なら5W-30)を選ぶと油膜・油圧が安定しやすいとされます(あくまで目安。まず指定範囲を確認)。
- スポーツ走行・高速連続走行 — 油温が上がる用途では高温側グレードが大きいものが選ばれる傾向がありますが、これも指定範囲内が前提です(目安)。
- 品質規格 — 粘度だけでなくAPI/ILSAC規格(SP・GF-6以降など)が車両の要求を満たすかも確認します。
よくある間違い
- 「硬い=高性能」という誤解 — 粘度は硬さの区分であって性能の優劣ではありません。低粘度指定のエンジンに硬いオイルを入れると、燃費悪化や油圧制御(可変バルブ機構など)への影響のおそれがあります。
- 指定外粘度の使用 — 0W-16指定車に10W-40を入れる、逆に高粘度指定の旧車に0W-8を入れる、はいずれも不適切です。指定粘度(併記があればその範囲)を守るのが原則です。
- ディーゼル用規格との混同 — 乗用ディーゼル(DPF付き)にはJASO DL-1など専用規格の指定が多く、ガソリン用(API S系)とは別物です。トラック等はDH-2・API C系。指定規格を確認してください。
- 「0W」をゼロ粘度と誤解 — 0Wの0は粘度がゼロという意味ではなく、低温側グレードの区分名です。WはWinterの頭文字です。
- 粘度グレードと品質規格の混同 — 「0W-20」は粘度、「SP」「GF-6」は品質の世代です。どちらか一方だけでは適合判断はできません。
交換時期の一般論とシビアコンディション
交換時期は車種・メーカーごとに取扱説明書・メンテナンスノートで指定されており、それが唯一の基準です。一般的な目安としては、ガソリン車(自然吸気)で15,000kmまたは1年、ターボ車で5,000kmまたは6か月などとされる例があります(いずれも目安)。
次のようなシビアコンディションに該当する使い方では、標準の半分程度に短縮するのが一般的な目安とされています。
- 短距離走行の繰り返し(1回8km程度以下)
- 悪路(凹凸路・砂利道・雪道など)の走行が多い
- 山道・登降坂路の走行が多い(ブレーキ・エンジンへの負荷大)
- 低速走行・アイドリング状態が多い(渋滞・宅配など)
※ シビアコンディションの定義・短縮幅はメーカーごとに定められています。上記は一般的な例であり、必ず自車のメンテナンスノートを確認してください。
粘度表示のしくみと低粘度化の背景
粘度は「流れにくさ」の指標で、オイルは温度が下がるほど硬く、上がるほど柔らかくなります。エンジンオイルには「冷間始動時はすぐ流れて各部に行き渡り、高温運転時は油膜を保つ」という相反する性質が求められます。これを両立させたのがマルチグレードオイルで、粘度指数向上剤などの添加剤により、低温では0W・5Wの流動性、高温では20・30・40の粘度を確保しています。SAE J300は低温側をCCS粘度(始動性)とMRV粘度(ポンプ吸い上げ性)で、高温側を100°C動粘度とHTHS粘度(150°C高せん断)で区分しています。
近年の潮流は低粘度化です。粘度が低いほどエンジン内部の攪拌・摩擦抵抗が減って燃費が向上するため、燃費規制の強化とともに指定粘度は10W-30→5W-30→0W-20へと下がり、さらに0W-16(2013年J300追加)、0W-12・0W-8(2015年追加)が登場しました。これらの超低粘度オイルは、それを前提に油圧系や軸受を設計したエンジンでのみ成立するもので、ILSAC GF-6B/GF-7B(0W-16)やJASO GLV-1(0W-8・0W-12)といった専用規格が整備されています。
一方で、高負荷・高油温の用途(スポーツ走行・牽引・欧州の高速連続走行など)では高温側の油膜保持が重視され、HTHS粘度の高いオイルが指定される場合があります。つまり「どの粘度が良いか」はエンジンの設計と使い方で決まるものであり、車両メーカーの指定がその答えです。
よくある質問
Q1. 0W-20の「0W」と「20」は何を意味しますか?
A. 「0W」は低温側の性能グレードです。WはWinter(冬)の頭文字で、数字が小さいほど低温での始動性・流動性に優れます。「20」は高温側の粘度グレードで、100°Cでの動粘度などにより区分され、数字が大きいほど高温で粘度が高い(硬い)オイルです。ハイフンで両方を表示するものをマルチグレードオイルと呼びます(SAE J300)。
Q2. 5W-30指定の車に0W-20を入れてもいいですか?
A. 原則としてやめてください。使用できる粘度は車両の取扱説明書に指定されており、指定粘度がその車の絶対的な基準です。取扱説明書に複数の粘度(例: 0W-20と5W-30の両方)が記載されている場合は、その範囲内で選べます。指定外の粘度は油膜や油圧、燃費、保証に影響するおそれがあります。
Q3. 粘度が高い(硬い)オイルほど高性能ですか?
A. いいえ、これはよくある誤解です。粘度は「硬さ」の区分であって性能の優劣ではありません。低粘度指定のエンジンは低粘度オイルを前提に油路やポンプ、クリアランスが設計されており、硬いオイルを入れると燃費悪化や油圧制御への影響が生じるおそれがあります。エンジンに合った粘度が最適な粘度です。
Q4. 0W-16や0W-8とはどんなオイルですか?
A. 燃費向上を目的とした低粘度グレードで、SAE J300に高温側グレード16は2013年、8と12は2015年に追加されました。ハイブリッド車など指定車専用で、指定のない車に使うと油膜不足のおそれがあります。0W-16にはILSAC GF-6B/GF-7Bが、0W-8・0W-12にはJASO GLV-1(2019年制定)が対応する規格です。
Q5. API SPやILSAC GF-6とは何ですか?
A. 粘度とは別の「品質規格」です。API規格はガソリン車用がS系(SN・SP・SQなど)で、アルファベットが後ろになるほど新しい世代です。ILSAC規格(GF-5・GF-6・GF-7)は日米の自動車工業会による省燃費性能を含む規格で、API規格とおおむね対応します(SN=GF-5、SP=GF-6、SQ=GF-7)。オイル選びでは粘度と品質規格の両方を確認します。
Q6. 寒冷地ではどの粘度を選べばいいですか?
A. 低温側は0Wが最も低温に強く、目安として0Wは-35°C程度、5Wは-30°C程度、10Wは-25°C程度の外気温まで始動性が確保されるとされます(CCS試験温度に基づく目安)。ただし選択はあくまで取扱説明書の指定粘度の範囲内で行ってください。指定に0W系が含まれていれば寒冷地では0W系が有利です。
Q7. エンジンオイルの交換時期の目安は?
A. 交換時期は車種・メーカーごとに取扱説明書やメンテナンスノートで指定されており、それが基準です。一般的な目安としてはガソリン車(自然吸気)で15,000kmまたは1年、ターボ車で5,000kmまたは6か月などとされる例があり、短距離走行の繰り返し・悪路・山道走行などのシビアコンディションでは標準の半分程度に短縮するのが目安とされています。
関連する早見表
出典・参考
- SAE J300(Engine Oil Viscosity Classification) — 粘度グレードの区分(CCS粘度・MRV粘度・100°C動粘度・HTHS粘度)
- API(米国石油協会)のエンジンオイルサービス分類に関する公開情報 — S系規格(SJ〜SQ)の世代
- ILSAC規格(GF-5・GF-6A/6B・GF-7A/7B)に関する公開情報 — 省燃費オイル規格とAPI規格の対応
- JASO(日本自動車技術会規格)の公開情報 — GLV-1(超低粘度ガソリン車用)、DL-1・DH-2(ディーゼル車用)
※ 本ページの粘度区分値はSAE J300の規定に基づきますが、規格は改定されることがあります。低温始動性の外気温・選び方・交換時期は一般的な目安です。実際のオイル選択・交換時期は、必ずお乗りの車両の取扱説明書・メンテナンスノートの記載を優先してください。
最終更新: 2026-07-11