スペック早見表

ケーブルラック早見表|幅・種類・支持間隔・許容積載と占積率

ケーブルラックの標準幅(100〜600mm)、はしご形/トレー形の使い分け、支持間隔・許容積載質量の目安、占積率の考え方、付属品を一覧化。電気設備・プラント・ビルの幹線ルート設計で必要な確認に即答します。支持間隔・許容積載はメーカーのカタログ値で必ず確認してください。

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標準幅100〜600mm100/150/200/300/400/500/600(以降800/1000/1200)
はしご形放熱に優れる桟(ラング)構造。太い電力ケーブル・幹線向き
トレー形底板付き細径・制御・光ケーブルが桟の隙間から落ちない
支持間隔(目安)水平2m以下垂直3m以下。積載・耐震はメーカー確認
占積率余裕を残す将来増設で2割程度あけるのが一般的(内線規程)
接地D種/C種金属ラックは使用電圧に応じ接地・ボンディング

このページについて

ケーブルラックは、電力ケーブルや制御・通信ケーブルをまとめて支持・敷設するための金属(または樹脂)製の配線材で、工場・プラント・ビル・電気室の幹線ルートに広く使われます。本ページは、標準幅・種類(はしご形/トレー形)・支持間隔・許容積載・占積率・付属品を引くための早見表です。

「ラックの幅はいくつがある?」「はしご形とトレー形はどう使い分ける?」「支持間隔はどれくらい?」「どこまでケーブルを入れてよい?」といった、設計・施工・積算で頻発する確認に即答できる構成です。支持間隔・許容積載質量は製品・スパン・耐震条件で変わる目安のため、最終値はメーカーのカタログを確認してください。

下の入力欄に「はしご形」「トレー形」「300」「600」などと入力すると、表1〜2の行を絞り込めます(未入力で全表示)。

よく使う:

表1: ケーブルラックの標準幅と収容の目安

呼び幅(内のり)収容の目安
100mm制御ケーブルの分岐、少数の細径ケーブル
150mm制御・計装ケーブルの支線、小規模ルート
200mm制御・動力の分岐、中小規模ルート
300mm標準的な幹線ルート(電力+制御の混在も)
400mm動力幹線、多条数のルート
500mm大規模幹線、条数の多いルート
600mm大規模幹線、電気室・受変電まわりの主幹線

※ 呼び幅はこのほか800・1000・1200mmもあります。幅は「ケーブル外径の合計+相互間隔+将来余裕(占積率)」から選定します。上の収容目安は一般的な使い分けの目安で、実際の本数はケーブル外径により変わります。

表2: 種類(はしご形・トレー形)の特徴と向き不向き

種類構造特徴向いている用途
はしご形左右のサイドレール(親桁)を桟(ラング)で連結。底は開放通気・放熱に優れ軽量。桟の間からケーブルを支持・固定しやすい太い電力ケーブル、多量の電力幹線、屋外
トレー形(有孔)底板に多数の穴(パンチング)放熱・水抜きと落下防止を両立。細物が桟の隙間から落ちない細径の制御・計装・光ファイバケーブル、多条数の細物
トレー形(無孔)穴のない底板(ソリッド)粉じん・水滴・小動物から保護。放熱は劣る粉じん・屋外・保護を優先する箇所の細径ケーブル

※ 材質は用途・環境で選びます。一般環境は溶融亜鉛めっき鋼、腐食環境・屋外はステンレスや樹脂、軽量化にはアルミなどが使われます(いずれも一般的な選定の目安)。

表3: 支持間隔・許容積載の目安(メーカー確認)

項目一般的な目安備考
水平部の支持間隔2m以下積載質量・スパンにより変わる。メーカー値を確認
垂直部の支持間隔3m以下立ち上げ・立ち下げ部。同上
曲がり部(エルボ)・分岐部(T字)近傍に支持を追加付属品の前後で支持点を確保
末端・接続部・ラック相互の継目支持を設ける片持ち区間を長くしない
許容積載質量製品ごとに規定幅・スパン別の許容積載曲線をカタログで確認

※ 支持間隔・許容積載質量は製品の種類・幅・スパン・材質・耐震条件で大きく変わる目安です。数値は一般的な一例で、設計・施工の際はメーカーのカタログ値(許容積載曲線)と耐震設計指針を必ず確認してください。ケーブルの自重に加え、施工時の作業荷重も考慮します。

占積率の考え方(内線規程)

占積率は、ケーブルの断面積の合計をラックの断面積で割った割合の目安で、詰め込みすぎを避けるための指標です。ラックにケーブルを敷設するときは、次の点に配慮します。

  • 電力ケーブルは原則として単層(1段)に整然と並べる。相互に離隔をとり、放熱を確保します。
  • 多段積み・密着配列にする場合は許容電流を低減します(電流減少係数)。段数・条数に応じた低減率は内線規程・メーカー資料を確認します。
  • 制御・計装・弱電ケーブルは束ね・多段配置が可能ですが、占積率に余裕を残します。
  • 将来の増設に備え、余裕(一般に2割程度)を残すのが実務上の目安です。

※ 占積率・許容電流の低減は内線規程に基づく目安です。電力ケーブルの配列・低減率は使用ケーブル・敷設条件で変わるため、内線規程の該当条項とメーカー資料を確認してください。許容電流は電線許容電流の早見表もあわせて参照します。

表4: 主な付属品(ルートを組む部材)

付属品用途
直線材直線ルートの基本材(定尺のラック本体)
水平エルボ(90°/45°)同一平面での曲がり
垂直エルボ(内曲げ/外曲げ)立ち上げ・立ち下げの曲がり
T字分岐3方向への分岐
十字分岐4方向への分岐
レジューサ幅の異なるラック同士の接続(幅変更)
伸縮(自在)継手温度変化・地震時の伸縮を吸収
カバー(蓋)上部からの落下物・日射・雨からの保護
エンドキャップ末端のふさぎ

※ 付属品の呼称・寸法・接続方法はメーカーにより異なります。同一メーカー・同一シリーズで組み合わせるのが基本です。

使い方・選び方のポイント

使用場面

工場・プラント・ビル・電気室の幹線ケーブルルートの設計・積算・施工、ケーブル敷設と支持金物の計画に使います。

選定の手順

①ケーブルの種類(電力/制御/光)と条数・外径を把握する ②はしご形(太い電力ケーブル)かトレー形(細径・制御・光)かを選ぶ ③外径の合計+相互間隔+将来余裕(占積率)からラック幅を選ぶ ④ルートに合わせて付属品(エルボ・T字・レジューサ)を組む ⑤支持間隔と許容積載をメーカーのカタログ値で確認する ⑥金属ラックは使用電圧に応じてC種・D種接地を施す。

よくある間違い

  • 占積率の超過(詰め込みすぎ) — 放熱が悪化して許容電流が下がり、増設もできなくなります。余裕(2割程度)を残します。
  • 支持間隔を一律に決める — 積載質量・幅・曲がり部で必要な支持は変わります。メーカーの許容積載曲線で確認します。
  • 許容積載質量の見落とし — 幅とスパンで許容値が変わります。ケーブル自重に加え施工時の作業荷重も見込みます。
  • 接地忘れ — 金属ラックは使用電圧に応じてC種(300V超)・D種(300V以下)接地が必要で、継目はボンディングします。
  • はしご形に細径・光ケーブルを直置き — 桟の隙間から脱落・損傷します。トレー形にするか底板・仕切りを使います。

ケーブルラックの原理と選定の背景

ケーブルは通電時に発熱するため、密集させたり多段に積んだりすると放熱条件が悪くなり、許容電流が下がります。だから電力ケーブルは原則として単層に並べて相互に離隔をとり、内線規程は多段積み時の電流減少係数を定めています。占積率に余裕を残すのは、放熱の確保と将来の増設という二つの目的があります。詰め込みは短期的には省スペースでも、温度上昇と保守性の悪化という代償を伴います。

種類の使い分けは、支持のしかたと保護のバランスで決まります。はしご形は桟構造で通気がよく、重い電力ケーブルを桟ごとに固定できるため幹線に適します。トレー形は底板があるため、細い制御ケーブルや光ファイバケーブルが桟の隙間から落ちるのを防げます。設置環境(屋外・腐食・粉じん)に応じて材質(溶融亜鉛めっき鋼・ステンレス・アルミ・樹脂)や有孔/無孔を選ぶことで、放熱と保護を両立させます。

よくある質問

Q1. ケーブルラックの標準の幅は?

A. 100・150・200・300・400・500・600mmが標準的な系列で、さらに800・1000・1200mmもあります。使用するケーブルの外径の合計に、相互間隔と将来増設分の余裕(占積率)を見込んで選定します。

Q2. はしご形とトレー形の違いは?

A. はしご形は左右のサイドレール(親桁)を桟(ラング)でつないだ構造で通気・放熱に優れ、太い電力ケーブルや幹線に向きます。トレー形は底板(有孔または無孔)が付き、細径の制御ケーブルや光ファイバケーブルが桟の隙間から落ちないため、細物・多条数の配線に向きます。

Q3. ケーブルラックの支持間隔はどれくらい?

A. 一般的な目安は水平部で2m以下、垂直部で3m以下です。曲がり部(エルボ)や分岐部(T字)の近く、末端・接続部には支持を追加します。許容積載質量や耐震条件により必要な支持間隔は変わるため、メーカーのカタログ値(スパン別の許容積載)を必ず確認してください。

Q4. 占積率とは何ですか。何割まで入れてよいですか?

A. 占積率は、ケーブルの断面積の合計をラックの断面積で割った割合の目安です。将来の増設に備えて余裕(一般に2割程度)を残すのが実務上の目安です。電力ケーブルは放熱のため原則として単層(1段)に並べ、多段積みや密着配列にする場合は許容電流を低減します(内線規程)。

Q5. 金属製ケーブルラックに接地は必要ですか?

A. 必要です。金属製ケーブルラックは、使用電圧300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事を施し、継目はボンディングで電気的に連続させます。詳細は接地工事の早見表を参照してください。

Q6. 電力ケーブルを多段に積んでもよいですか?

A. 積むことは可能ですが、放熱条件が悪くなるため許容電流を電流減少係数で低減する必要があります。原則は単層配列で相互に離隔をとります。多条数で段積みする場合は内線規程の低減率とメーカー資料を確認してください。

Q7. トレー形の有孔(パンチング)と無孔の違いは?

A. 有孔(パンチング)は底板に多数の穴があり通気・放熱と水抜きに優れます。無孔(ソリッド)は底板に穴がなく、粉じん・水滴・小動物からケーブルを保護しますが放熱は劣ります。用途と設置環境で選びます。

関連する早見表

出典・参考

  • 公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)・電気設備工事監理指針(国土交通省) — ケーブルラックの標準幅・種類(はしご形/トレー形)・支持間隔(水平2m以下・垂直3m以下)などの施工標準
  • JIS C 8471(電気設備用ケーブルトランキング及びダクティングシステム) — ケーブルトレー・ダクトシステムの一般要求事項に関する日本産業規格
  • 内線規程(JEAC 8001) — ケーブルラック配線、電力ケーブルの配列・多段積み時の許容電流の低減(電流減少係数)、占積率の考え方(目安)
  • 電気設備の技術基準の解釈(経済産業省) — 金属製ケーブルラックの接地(C種・D種)、ケーブル配線に関する規定

※ 本ページの標準幅・種類・付属品は業界で一般的な区分に基づく整理です。支持間隔・許容積載質量は製品・幅・スパン・材質・耐震条件で変わる目安であり、設計・施工の際はメーカーのカタログ値と最新の内線規程・関連基準の原文を必ず確認してください。占積率・許容電流の低減は内線規程に基づく目安です。

最終更新: 2026-07-15