スペック早見表

ボルト強度区分早見表

強度区分(4.6〜12.9)の引張強度・降伏点・主な用途を検索できます。M6〜M24の保証荷重早見表と参考締付トルクの目安表も掲載しています。

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一覧表(全8件)

強度区分引張強度
(N/mm²)
降伏点
(N/mm²)
材質用途
4.6400240低炭素鋼一般ボルト
4.8400320低炭素鋼汎用
5.6500300中炭素鋼汎用
5.8500400中炭素鋼汎用
6.8600480中炭素鋼汎用
8.8800640調質鋼高強度ボルトの主力
10.91000900調質合金鋼構造・機械
12.912001080調質合金鋼最高強度。脆性注意

強度区分別 保証荷重早見表(M6〜M24)

保証荷重(proof load)は、ボルトが永久変形を起こさずに耐えられることを保証する荷重です。JIS B 1051 / ISO 898-1 に規定される保証荷重応力に、並目ねじの有効断面積を掛けて求めます。締付軸力の上限目安や強度設計の基準値として使われます。

呼び径
(並目)
有効断面積
(mm²)
4.8
(kN)
8.8
(kN)
10.9
(kN)
12.9
(kN)
M620.16.2311.716.719.5
M836.611.321.230.435.5
M1058.018.033.648.156.3
M1284.326.148.970.081.8
M1411535.766.795.5112
M1615748.791.1130152
M1819259.5115159186
M2024576.0147203238
M2230393.9182251294
M24353109212293342

保証荷重応力(JIS B 1051 / ISO 898-1): 4.8=310 N/mm²、8.8=580 N/mm²(M16超は600 N/mm²)、10.9=830 N/mm²、12.9=970 N/mm²。表の値は「保証荷重応力 × 有効断面積」の計算値を有効数字3桁に丸めたものです。並目ねじが対象です。

参考締付トルクの考え方(T = K × F × d)

締付トルク T は「T = K × F × d」で概算できます。K はトルク係数(表面状態・潤滑で変動、目安 0.2)、F は目標軸力(N)、d はねじの呼び径(m)です。同じトルクでも摩擦条件によって得られる軸力は大きく変わるため、K の値が結果を左右します。

下表は「トルク係数 K=0.2、軸力 F=保証荷重の70%」という条件で上式から計算した目安トルクです。

呼び径
(並目)
8.8
(N·m)
10.9
(N·m)
12.9
(N·m)
M69.814.016.4
M823.834.039.8
M1047.167.478.8
M1282.1118137
M14131187219
M16204292341
M18290402469
M20412569665
M22560775905
M247129841150

注意: 上表はあくまで計算上の参考値であり、推奨・規定トルクではありません。トルク係数 K は潤滑・めっき・座面の状態により 0.1〜0.3 程度まで大きく変動し、同じトルクでも軸力が数十%変わります。実務では JIS B 1083(ねじの締付け通則)などの締付規格、機器メーカー・ボルトメーカーの指定トルクを必ず優先してください。重要保安部品・構造部材では指定の締付管理方法(トルク法・回転角法など)に従ってください。

強度区分の数字の意味

ボルトの強度区分は、ISO 898-1 / JIS B 1051 で定められた引張強さと降伏点の等級です。「8.8」などの数字は、小数点の前が引張強さ(×100 N/mm²)、小数点以下が降伏点と引張強さの比を表します。例えば8.8なら引張強さ800N/mm²、降伏点は8×0.8×100=640N/mm²。降伏点とは、それを超えると材料が永久変形を始める応力のことで、締結では降伏点以下の軸力で使うのが原則です。これが締付けで与えてよい力の上限を決めます。

一般的な用途には4.8、強度が必要な機械や構造部には8.8以上、自動車・建設機械・鉄骨など高い負荷がかかる箇所には10.9や12.9といった高張力ボルトが使われます。強度区分が高いほど細く軽く設計できますが、価格が上がり、硬くなる分だけ脆性的に壊れやすくなります。とくに衝撃や繰り返し荷重がかかる場所では水素脆化による遅れ破壊に注意が必要で、用途に対して過剰な強度を選ぶより、必要な強度に見合った区分を正しく選ぶことが、安全で長持ちする締結につながります。

また、強度区分が高いボルトでも、適切なトルクで締めなければ本来の強度を発揮できません。締めすぎは破断、緩すぎは脱落の原因になります。締付トルクは、目標とする軸力を強度区分とねじ径から逆算して決めるのが正しい手順です。

ステンレスボルトは鋼ボルトとは別系統で、「A2-70」のように材質記号と強度の組み合わせで表記します。A2はSUS304相当の材質、70は引張強さ700N/mm²を意味します。耐食性が必要な屋外・水回りではステンレスが選ばれます。

使い方・選び方のポイント

使用場面

締結部の強度設計、ボルトの選定、適正な締付トルクの決定に使います。

よくある間違い

強度区分の数字の意味の誤解、用途に対して過剰な強度の選定、トルク管理の不足に注意します。

選び方のコツ

①用途の荷重・安全率で区分を選ぶ(一般4.8/機械8.8/高張力10.9・12.9) ②ステンレスはA2-70などで表記 ③締付トルクは強度区分とサイズから決める。

よくある質問

Q. 12.9と10.9はどちらが強いですか?

A. 引張強度は12.9(1200 N/mm²)の方が高いですが、脆性(割れやすさ)も増すため、締付管理や水素脆性への配慮が必要です。

Q. 推奨締付トルクはどう決めればよいですか?

A. 強度区分・摩擦係数・軸力目標から算出します。メーカー指定がある場合はそちらを優先してください。

Q. ボルトの「8.8」とはどういう意味?

A. 引張強さ800N/mm²、降伏点640N/mm²を表します。小数点前の8が引張強さ(×100)、8×0.8で降伏点(640)が分かる仕組みです。

Q. 強度区分4.8と8.8の違いは?

A. 4.8は引張400N/mm²、8.8は引張800N/mm²で約2倍の強度。高強度が必要な構造部や機械には8.8以上、一般用途には4.8が使われます。

Q. 10.9や12.9はどんな用途?

A. 10.9(引張1000N/mm²)、12.9(引張1200N/mm²)は高張力ボルトと呼ばれ、自動車・建設機械・鉄骨構造など高い強度が必要な箇所に使われます。

Q. ステンレスボルトの強度表記は?

A. ステンレスは「A2-70」のように材質記号+強度で表記。A2はSUS304相当、70は引張強さ700N/mm²を意味し、鋼ボルトの数字表記とは別系統です。

Q. 保証荷重(proof load)とは何ですか?

A. ボルトが永久変形(降伏)を起こさずに耐えられることを保証する荷重で、JIS B 1051 / ISO 898-1 に規定される保証荷重応力にねじの有効断面積を掛けて求めます。締付軸力はこの値を超えないように設定するのが基本です。

関連する早見表

出典・参考

JIS B 1051, ISO 898-1, JIS B 1083

最終更新: 2026-07-04