石膏ボード規格 早見表|厚さ・サイズ・種類記号(JIS A 6901)
石膏ボード(せっこうボード・プラスターボード・PB)の規格をJIS A 6901(せっこうボード製品)に基づいて整理。GB-R(普通)・GB-S(耐水)・GB-F(強化)などの種類記号、9.5/12.5/15mmの厚さ系列、3×6版(910×1820mm)などの版サイズ、ビスピッチの一般値まで、内装下地の選定に必要な情報を一覧表示します。
📌 まず結論:石膏ボードの基本
| 項目 | 値・内容 |
|---|---|
| 標準的な厚さ | 9.5mm(天井・一般) / 12.5mm(壁の主流) / 15mm(遮音・防火強化) |
| 標準サイズ | 3×6版(サブロク) = 910×1820mm が最も流通 |
| 規格 | JIS A 6901(せっこうボード製品) |
| 代表的な種類記号 | GB-R(普通) / GB-S(耐水=シージング) / GB-F(強化=防火性向上) |
| ビスピッチの一般値 | 周辺部200mm・中間部300mm程度(壁の場合) |
※「耐水(GB-S)」と「強化(GB-F)」は別物。耐水は防水処理、強化は防火性向上です(混同に注意)。
このページについて
石膏ボードは、焼せっこうを心材としてボード用原紙で被覆した板材で、住宅・ビル・店舗の壁・天井下地として最も広く使われる建材です。本ページではJIS A 6901(せっこうボード製品)で規定される種類記号・厚さ系列・版サイズを軸に、実務で使うビスピッチの一般値やGLボンド工法の概要まで整理しています。
内装大工・軽鉄ボード工・建築士・現場監督から、部屋の壁に棚を付けたいDIYユーザーまで、「GB-Fってどのボード?」「壁は9.5mmと12.5mmどっち?」「サブロクの寸法は?」といった疑問に即答できる構成です。
種類記号一覧(JIS A 6901)
下の入力欄に「GB-S」「耐水」「強化」などと入力すると行を絞り込めます(絞り込みなしでも全行表示)。
| 記号 | 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| GB-R | せっこうボード | 両面をボード用原紙で被覆した標準品。最も流通量が多い | 壁・天井の下地全般 |
| GB-S | シージングせっこうボード | 心材と原紙に防水処理を施した耐水タイプ。直接水がかかる場所には不可 | 洗面所・台所など多湿箇所の下地 |
| GB-F | 強化せっこうボード | 心材にガラス繊維などの無機質繊維を混入し、火災時のひび割れ・脱落を抑制 | 防火・耐火性能が必要な壁・天井 |
| GB-St(A) GB-St(B) | 構造用せっこうボード | 強化せっこうボードの性能に加え、くぎ側面抵抗を規定した耐力面材(A種・B種) | 耐力壁の面材 |
| GB-L | せっこうラスボード | 表面に凹(くぼ)みを付けた塗り壁下地用ボード | せっこうプラスター塗り壁の下地 |
| GB-D | 化粧せっこうボード | 表面に化粧加工(印刷・シート張り・塗装など)を施したボード | 壁・天井の仕上げ(張ったまま現しで使用) |
| GB-NC | 不燃積層せっこうボード | 表面に不燃性の原紙を用いた薄手のボード | 天井・壁の仕上げ・重ね張り |
| GB-R-H | 普通硬質せっこうボード | 心材を高密度化し、硬さ・耐衝撃性を高めたもの | 廊下・共用部など衝撃を受けやすい壁 |
| GB-S-H | シージング硬質せっこうボード | 硬質タイプに防水処理を加えたもの | 多湿箇所で耐衝撃性も必要な下地 |
| GB-F-H | 強化硬質せっこうボード | 硬質タイプに無機質繊維を混入したもの | 防火性と耐衝撃性の両方が必要な壁 |
※ オレンジ網掛けは特に流通量の多い3種。製品固有の性能(遮音等級・ホルムアルデヒド等級など)は各製品の仕様値を確認してください。
厚さ・版サイズ一覧
厚さ系列と質量の目安
JIS A 6901のせっこうボード(GB-R)の厚さ系列は 9.5 / 12.5 / 15 / 16 / 18 / 21 / 25mm(ラスボード等ほかの種類の厚さは別途規定)。質量は製品により異なるため代表的な範囲の目安です。
| 厚さ | 単位面積質量の目安 | 3×6版1枚の質量目安 | 主な使いどころ |
|---|---|---|---|
| 9.5mm | 約6〜7kg/m² | 約10〜12kg | 天井・一般内壁の下地。軽く扱いやすい |
| 12.5mm | 約8〜9.5kg/m² | 約13〜16kg | 壁下地の主流。不燃材料に該当する厚さ |
| 15mm | 約10〜11.5kg/m² | 約16〜19kg | 遮音・防火の強化、重ね張りとの組合せ |
| 16 / 18 / 21 / 25mm | 製品による | 製品による | 強化・硬質系や特殊用途(JISの厚さ系列) |
版サイズ(幅×長さ)
| 呼び方 | 寸法 | 主な用途・備考 |
|---|---|---|
| 3×6版(サブロク) | 910×1820mm | 最も流通。尺モジュールの壁・天井 |
| 3×8版(サンパチ) | 910×2420mm | 天井高2.4m前後の壁を横継ぎなしで張れる |
| 3×9版 | 910×2730mm | 高天井の壁 |
| メーター版 | 1000×2000mm | メーターモジュールの住宅 |
※ 名称の「3×6」は尺(1尺≒303mm)由来。3尺×6尺≒910×1820mmです。
厚さの使い分け
- 9.5mm — 天井下地の定番。壁でも一般内壁(性能要求が低い間仕切)に使われます。軽いため天井作業の負担が小さいのが利点。
- 12.5mm — 壁下地の主流。厚さ12mm以上で不燃材料に該当するため、内装制限のかかる室でも使いやすい厚さです。
- 15mm — 遮音性・防火性を高めたい壁や、重ね張り(2枚張り)の構成で使われます。
- 16〜25mm — 強化・硬質系ボードや特殊用途向けの厚さです。
耐火・遮音性能が求められる間仕切壁は、「ボードの種類×厚さ×枚数(重ね張り)×下地」の組合せ全体で性能が決まります。具体的な構成は設計図書や認定仕様で指定されるため、指定された種類・厚さ・枚数を勝手に別のボードへ置き換えてはいけません(一般論として、同じ厚さでも普通品と強化品では防火上の扱いが異なります)。
施工の基礎
ビス留めの一般値
壁では周辺部(ボードの縁)200mm程度・中間部300mm程度のピッチが一般的な目安です。天井は壁より細かいピッチで留めるのが一般的です。ビスはボード用のラッパ頭ビスを使い、頭は原紙を破らない程度に沈めます(原紙を破ると保持力が大きく落ちます)。ビスの長さはボード厚さと下地(木・軽量鉄骨)への十分なのみ込みを考慮して選びます。
エッジ(端部)形状
ボードの長辺にはテーパーエッジ(継目処理のパテしろが付いた形状)、ベベルエッジ(面取り形状)、スクエアエッジ(直角)があり、継目処理(ジョイント工法・目透かし)に応じて使い分けます。クロス仕上げの壁ではテーパー/ベベルエッジ品をパテ処理するのが一般的です。
GLボンド工法(直張り工法)の概要
コンクリート躯体面に、せっこう系の直張り用接着材(通称GLボンド)を団子状に一定間隔で盛り付け、ボードを直接圧着して張る工法です。下地の軽鉄組みが不要で、躯体の不陸をボンドの厚みで調整できるのが利点。一方で、接着材が乾燥するまでの養生が必要なこと、湿気の影響を受けやすい場所への適用に注意が必要なことが実務上のポイントです。
石膏ボードが「燃えない」理由(原理・背景)
石膏ボードの心材である二水せっこう(CaSO₄・2H₂O)は、質量の約21%を結晶水として含んでいます。火災時に加熱されると、この結晶水が熱分解して水蒸気として放出され、その間ボードの温度上昇が抑えられます。つまり石膏ボードは「水を抱えた板」であり、これが安価な建材でありながら高い防火性能を持つ本質的な理由です。強化せっこうボード(GB-F)は、脱水後の心材がひび割れ・脱落しないようガラス繊維などで補強し、この効果を長く持続させたものです。
製造は、原料の焼せっこう(半水せっこう)に水を加えて練ったスラリーをボード用原紙で挟んで成形し、水和反応で再び二水せっこうに戻して硬化させる仕組みです。心材のせっこうは圧縮に強いものの脆いため、表裏の原紙が引張り・曲げを受け持つ複合材料として機能しています。ビスの保持力や切断のしやすさ(カッターで筋を入れて折る)も、この構造に由来します。
なお、せっこうは焼成・水和を繰り返せるためリサイクル性の高い材料で、新築現場の端材は再生利用が進んでいます。一方、埋立処分では硫化水素発生の問題があるため安定型処分場への埋立が禁止されており、廃棄ルートの管理が実務上重要です。
使い方・選び方のポイント
使用場面
内装下地の材料選定・数量拾い・発注(厚さ×版サイズ×種類記号)、防火・遮音性能が絡む間仕切の材料確認、DIYでの壁補修・棚取付けの下地理解に使います。
よくある間違い
①耐水(GB-S)と強化(GB-F)の混同 — 耐水は防水処理、強化は防火性向上で役割がまったく別です。②シージングボードを水がかり部に使う — 耐水タイプでも直接水がかかる場所には使えません。③化粧ボードの表裏・方向 — GB-Dは化粧面が仕上げになるため、表裏と柄方向を確認してから張ります。④不燃・準不燃の取り違え — 9.5mm品は準不燃、12mm以上(12.5mm品)が不燃です。
選び方のコツ
①場所で種類を選ぶ(一般部=GB-R、多湿部=GB-S、防火部=GB-F) ②性能で厚さを選ぶ(天井9.5mm・壁12.5mmを基準に、遮音・防火強化は15mmや重ね張り) ③モジュールで版サイズを選ぶ(尺モジュール=3×6版・3×8版、メーターモジュール=1000×2000mm)。
よくある質問
Q1. 石膏ボードの標準的な厚さは?
A. 最も流通しているのは9.5mmと12.5mmです。壁下地は12.5mm、天井は9.5mmが一般的です。JIS A 6901ではせっこうボード(GB-R)に9.5/12.5/15/16/18/21/25mmの厚さ系列が規定されています。
Q2. 3×6版(サブロク)のサイズは?
A. 910×1820mmです。ほかに3×8版(910×2420mm)、3×9版(910×2730mm)、メーターモジュール用の1000×2000mmなどがあります。
Q3. 耐水ボード(シージングせっこうボード)は浴室に使えますか?
A. 直接水がかかる場所には使えません。GB-Sは心材と原紙に防水処理を施したボードで、洗面所・台所など湿気の多い場所の下地が本来の用途です。浴室の水がかり部には適しません。
Q4. 強化せっこうボード(GB-F)は普通のボードと何が違いますか?
A. 心材にガラス繊維などの無機質繊維を混入し、火災時にひび割れや脱落を起こしにくくしたボードです。防火性能を高める用途で使われます。耐水性能は普通ボードと同等で、耐水ボード(GB-S)とは別物です。
Q5. 石膏ボードとプラスターボード(PB)は同じものですか?
A. 同じものです。英語のplasterboard(gypsum board)の呼び方の違いで、図面ではPBと略記されることが多いです。
Q6. 石膏ボードのビスピッチはどのくらいですか?
A. 壁では周辺部200mm程度・中間部300mm程度が一般的な目安です。天井は壁より細かいピッチで留めるのが一般的です。ビスの頭は原紙を破らない程度に沈めます。
Q7. 石膏ボードの端材は普通ゴミで捨てられますか?
A. 工事で発生した石膏ボードは産業廃棄物として処理します。埋立時に硫化水素が発生するおそれがあるため安定型処分場には埋め立てできず、管理型最終処分場での処分または再資源化ルートに乗せる必要があります。
Q8. 石膏ボードは不燃材料ですか?
A. 厚さによって扱いが変わります。建築基準法に基づく告示では、厚さ12mm以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さ0.6mm以下)が不燃材料、厚さ9mm以上のものが準不燃材料とされています。つまり9.5mm品は準不燃材料、12.5mm品は不燃材料に該当します。
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関連規格・出典
- JIS A 6901「せっこうボード製品」 — 種類記号・寸法・品質の規定
- 建築基準法に基づく不燃材料・準不燃材料の告示区分(厚さ12mm以上/9mm以上)
※ 質量・ビスピッチ等の「目安」と記載した値は業界で一般的に用いられる概算値です。設計・施工では設計図書と各製品の仕様値を優先してください。
最終更新: 2026-07-03