同軸ケーブル 早見表(C-2V/S-C-FB/D系 全19型番)
同軸ケーブル 75Ω系(C-2V, S-C-FB) ・ 50Ω系(D-2V, D-FB) 全19型番について、特性インピーダンス・外径・減衰量(100MHz/500MHz/770MHz)・用途を収録。JIS C 3501準拠。
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型番の読み方
同軸ケーブルの型番は (接頭記号)+ 数字 + 特性記号 + 構造記号 の構成です。
| 位置 | 記号例 | 意味 |
|---|---|---|
| 接頭記号 | S | S=衛星放送対応(高周波対応)、無=一般 |
| 数字 | 5 | 絶縁体の外径区分(mm相当の概数) |
| 特性記号 | C / D | C=75Ω(映像・TV)、D=50Ω(無線・通信) |
| 構造記号 | 2V / FB / FV / FVV | 2V=ポリエチレン絶縁・1重シールド、FB=発泡PE・アルミ箔+編組2重シールド、FV=発泡PE・編組、FVV=発泡PE・2重編組 |
一覧表(全19型番)
減衰量は100m当たり(dB/100m)。周波数が高いほど減衰大きく、長距離敷設では慎重な選定が必要。
| 型番 | 特性Z | 外径 (mm) | 100MHz dB/100m | 500MHz dB/100m | 770MHz dB/100m | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.5C-2V | 75Ω | 4.8 | 15.5 | 21.5 | 27 | CCTV短距離・昔の屋内配線。現在は非推奨 |
| 3C-2V | 75Ω | 5.4 | 11 | 15 | 19 | TV屋内配線(短距離・15m以内) |
| 5C-2V | 75Ω | 7.4 | 7.5 | 10 | 13 | TV屋内配線(中距離)・旧BS |
| 7C-2V | 75Ω | 10 | 5.5 | 7.5 | 9.5 | 長距離敷設・集合住宅幹線 |
| 10C-2V | 75Ω | 13 | 4 | 5.5 | 7.2 | CATV幹線 |
| 12C-2V | 75Ω | 15.5 | 3.5 | 4.8 | 6.2 | CATV幹線・主幹 |
| S-3C-FB | 75Ω | 5.4 | 8.5 | 11.5 | 14 | BS/CSデジタル屋内 短距離 |
| S-4C-FB | 75Ω | 6.1 | 7 | 9.5 | 12 | BS/CS・地デジ標準屋内配線 |
| S-5C-FB | 75Ω | 7.7 | 5.5 | 7.5 | 9.5 | BS/CS中距離・集合住宅 |
| S-7C-FB | 75Ω | 10.3 | 4 | 5.5 | 7 | 集合住宅幹線・長距離 |
| S-10C-FB | 75Ω | 13 | 3 | 4 | 5.2 | CATV主幹・長距離 |
| S-12C-FB | 75Ω | 15.2 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | CATV基幹 |
| 3D-2V | 50Ω | 5.3 | 17 | 38 | 50 | アマ無線短距離 50Ω系 |
| 5D-2V | 50Ω | 7.5 | 11.5 | 26 | 33 | アマ無線中距離 |
| 8D-2V | 50Ω | 11.1 | 7.5 | 17 | 22 | アマ無線長距離 |
| 10D-2V | 50Ω | 13.1 | 6 | 13.5 | 17.5 | HF/VHF業務無線 |
| 5D-FB | 50Ω | 7.7 | 8 | 17.5 | 22 | 業務無線・屋外アンテナ給電 |
| 8D-FB | 50Ω | 11.1 | 5.5 | 12 | 15.5 | 業務無線・携帯基地局 |
| 10D-FB | 50Ω | 13.1 | 4.5 | 9.5 | 12.5 | 業務無線幹線 |
※ 減衰量は代表値。メーカー・ロットにより±10%程度の差異があります。
構造記号の違い
| 記号 | 絶縁体 | シールド | 周波数特性 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 2V | ポリエチレン充実 | 編組銅線1重 | 低周波向き(〜数百MHz) | 旧型TVアンテナ配線、CCTV |
| FB | 発泡ポリエチレン | アルミ箔+編組の2重 | 高周波特性◎(〜3GHz) | BS/CS/地デジ標準 |
| FV | 発泡ポリエチレン | 編組のみ | 中周波 | FBの簡易版 |
| FVV | 発泡ポリエチレン | 2重編組 | 高周波・高遮蔽 | 業務用・計測 |
用途別推奨
| 用途 | 推奨型番 | 理由 |
|---|---|---|
| 地デジ屋内配線(〜15m) | S-4C-FB | 770MHzで減衰小、標準品 |
| BS/CS屋内配線(〜30m) | S-4C-FB / S-5C-FB | 2150MHzまで対応必須 |
| 4K/8K衛星放送 | S-5C-FB以上 | 3224MHzまで対応の高性能版 |
| 集合住宅幹線 | S-7C-FB / S-10C-FB | 長距離の減衰を最小化 |
| CATV主幹 | S-10C-FB / S-12C-FB | CATVは770MHzまで |
| CCTV(アナログ) | 3C-2V / 5C-2V | 映像帯域(〜6MHz)では2V十分 |
| アマチュア無線HF/VHF | 5D-2V / 8D-2V | 50Ω、短距離なら2V可 |
| アマチュア無線UHF | 5D-FB / 8D-FB | UHFは減衰大きくFB推奨 |
| 携帯基地局・業務無線 | 8D-FB / 10D-FB | 高出力・長距離 |
コネクタとの対応
| コネクタ | 対応型番 | 用途 |
|---|---|---|
| F型 | C系(75Ω)全般 | TV・BS/CS受信。ネジ込み式。ねじ式と差し込み式あり |
| BNC | C系/D系両方 | 測定器・CCTV・業務映像 |
| N型 | D系(50Ω) | 業務無線・計測・基地局。防水性高 |
| SMA | D系(50Ω)細径 | Wi-Fi・小型無線機・計測 |
| TNC | D系(50Ω) | BNCネジ止め版、振動環境 |
| MP/M型 | D系(50Ω) | アマチュア無線HF/VHF |
RG規格(米国系)との対照
通販サイトや輸入機器の仕様書では、JIS系の型番ではなく米軍MIL規格由来の「RG番号」で表記されていることがあります。下表は特性インピーダンスと外径が近い型番の対照です。あくまで近似対応であり完全互換ではありません。外径が異なるため、圧着式コネクタや防水形F接栓は適合径を必ず確認してください。
| RG型番 | 特性Z | 外径 (約mm) | 近いJIS系型番 |
|---|---|---|---|
| RG-174/U | 50Ω | 2.8 | 1.5D-2V相当(機器内・短距離) |
| RG-58A/U | 50Ω | 5.0 | 3D-2V相当 |
| RG-59/U | 75Ω | 6.2 | 3C-2Vと5C-2Vの中間 |
| RG-6/U | 75Ω | 6.9 | S-5C-FB相当(衛星対応品が多い) |
| RG-8/U | 50Ω | 10.3 | 8D-2V相当 |
| RG-213/U | 50Ω | 10.3 | 8D-2V〜10D-2V級 |
| RG-11/U | 75Ω | 10.3 | 7C-FB相当 |
同軸ケーブルがノイズに強い理由とインピーダンス
同軸ケーブルは、中心導体を絶縁体と外部導体(シールド)が同心円状に取り囲む構造です。信号をケーブル内部に閉じ込めつつ、外部導体が外来ノイズを遮断するため、高周波信号を安定して伝送できます。
特性インピーダンス(50Ωや75Ω)は、導体の径と誘電体で決まる固有の値です。送受信機器のインピーダンスと整合させないと信号が反射して劣化するため、無線・計測は50Ω、テレビ・映像は75Ωと用途で使い分けます。
最小曲げ半径を守らないと、同心構造が崩れて特性インピーダンスが乱れ、伝送品質が劣化します。コネクタ(BNC/N/F型/SMA)も特性に合わせて選びます。
現場でよくある取り違え
「同じ5Cだから」と既設の5C-2Vを流用する——これがBS受信障害の定番原因です。5C-2VとS-5C-FBは数字が同じでも外径が7.4mmと7.7mmで異なり、F形接栓の適合リング径も別物です。さらに2V構造はBS・CS-IF帯(1032〜2072MHz)での使用を想定しておらず減衰が急増するため、「地デジは映るのにBSだけブロックノイズが出る」という症状の多くは、壁の中に残った2V系ケーブルが原因です。
型番のCとDの一字取り違えにも注意してください。S-5C-FB(75Ω)と5D-FB(50Ω)は外径がどちらも7.7mmで、シースの見た目ではほぼ区別がつきません。無線機に75Ω系をつなぐとVSWRは理論値で約1.5に悪化して送信出力の一部が反射で戻り、逆に50Ω系の5D-FBはF形接栓のピンを兼ねる中心導体が約1.8mmとS-5C-FB(約1.0mm)より太く、機器側のF端子には適合しません。切り売り品を買うときは必ず型番刻印の「C/D」を確認します。
減衰量の単位「dB/100m」の読み違えも多い失敗です。表の値は100m当たりなので、宅内配線の10mならその1/10(S-4C-FBの770MHzで約1.2dB)にすぎません。実際に支配的なのは分配器の損失で、2分配器1個で約4dB、4分配器で約8dBが加わります。受信レベルが足りないとき、ケーブルを太くする前に分配数とブースターの位置を見直す方が効果的な場合がほとんどです。
選定の手順
最初に接続機器側のインピーダンスを確認します。テレビ・レコーダー・ブースターは75Ω(C系)、無線機・測定器は50Ω(D系)で、ここを誤ると以降の選定がすべて無駄になります。次に通す周波数の上限を決めます。地デジのみなら710MHz(CATVパススルーは770MHz)まで、BS/CSなら2072MHzまで、新4K8K衛星放送の左旋まで通すなら3224MHz対応品が必要です。
太さは「距離×表の減衰量」で決めます。目安として、受信系ではアンテナからテレビまでの合計損失(ケーブル+分配器)を10dB程度に収めると安定します。例えばS-4C-FBを20m引くと770MHzで約2.4dB、これに2分配器の約4dBを足しても余裕がありますが、40mを超える幹線ではS-5C-FB以上に太くする価値が出てきます。最後に施工時の曲げ半径です。メーカー技術資料の目安は固定時で仕上外径の4倍以上、布設(引き入れ)時で10倍以上、余裕を見るなら6倍(S-5C-FBで半径約5cm)です。直角に折り曲げると発泡絶縁体が潰れてインピーダンスが乱れ、周波数が高いほど劣化が大きくなります。
よくある質問
Q. S-5C-FBとは?
A. S=衛星放送対応、5=外径サイズ区分、C=75Ω系、FB=発泡PE絶縁+アルミ箔+編組2重シールドの高性能構造。BS/CS/地デジの標準屋内配線です。
Q. 3C-2VとS-4C-FBどちらがよい?
A. 現在はS-4C-FB推奨。2V系は低周波用で、BS/CS(2-3GHz帯)では減衰が大きすぎて実用不可。新規工事はFB系一択です。地デジ(〜770MHz)でもFBが有利。
Q. 75Ωと50Ωの違いは?
A. 75Ω=映像・TV受信用途の標準(電圧伝送最適)、50Ω=無線・送信用途の標準(電力伝送最適)。混用不可、インピーダンス整合が必須。50Ω系にF型コネクタは付きません。
Q. 4K/8K放送は既存ケーブルで見られる?
A. 4K/8K放送は3224MHzまで使用(左旋円偏波)。既存のS-5C-FB等でも見られる可能性は高いですが、古いケーブルやFV系では信号レベル不足になることあり。新規はS-5C-FB 3224MHz対応品推奨。
Q. 5C-2VとS-5C-FBは同じ「5C」だから差し替えできる?
A. できません。外径が7.4mmと7.7mmで異なりF形接栓の適合径が別で、2V構造はBS・CS-IF帯(1032〜2072MHz)では減衰が大きすぎます。地デジだけなら映る場合もありますが、BS/CS/4K8Kを通すならFB系への張り替えが必要です。
Q. 同軸ケーブルの最小曲げ半径は?
A. メーカー技術資料では固定時で仕上外径の4倍以上、布設(引き入れ)時で10倍以上が目安です。余裕を見て6倍(S-5C-FBなら外径7.7mm×6=半径約46mm)を確保すると安心です。直角に折ると発泡絶縁体が潰れてインピーダンスが乱れ、BS帯以上で受信レベルが低下します。
関連する早見表
出典・参考
JIS C 3501(高周波同軸ケーブル), JCTEA STD-003(CATV同軸ケーブル), IEC 61196(同軸通信ケーブル)
参考: 同軸ケーブル・アンテナメーカー各社の公開技術資料を集約した参考値です。
※ 減衰量は代表値です。実際の使用ではメーカー仕様書・ロット個別値を参照してください。
本表の外径・特性インピーダンスはJIS C 3501:1993(高周波同軸ケーブル)の規定値および同軸ケーブルメーカー各社の公表技術資料と照合しました(2026-07-18)。
最終更新: 2026-07-18