固定荷重 早見表(屋根・天井・床・壁 — 施行令第84条)
建築物の固定荷重は実況に応じて計算するのが原則ですが、建築基準法施行令第84条の表に掲げる部分は単位面積当たり荷重×面積で計算できます。例えば瓦ぶき(ふき土なし)は屋根面1m²につき640N、木造の畳敷の床は340Nです。表の全項目と、厚さ・勾配で変わる値の計算表を並べました。
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表1: 建築物の部分の固定荷重 — 施行令第84条の表
| 部分 | 種別 | N/m² | kgf/m² 目安 | 含むもの・含まないもの(備考) |
|---|---|---|---|---|
| 屋根 屋根面につき | 瓦ぶき ─ ふき土がない場合 | 640 | 65.3 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない |
| 瓦ぶき ─ ふき土がある場合 | 980 | 99.9 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない | |
| 波形鉄板ぶき ─ もやに直接ふく場合 | 50 | 5.1 | もやを含まない | |
| 薄鉄板ぶき | 200 | 20.4 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない | |
| ガラス屋根 | 290 | 29.6 | 鉄製枠を含み、もやを含まない | |
| 厚形スレートぶき | 440 | 44.9 | 下地及びたるきを含み、もやを含まない | |
| 木造のもや 屋根面につき | もやの支点間の距離が2m以下の場合 | 50 | 5.1 | — |
| もやの支点間の距離が4m以下の場合 | 100 | 10.2 | — | |
| 天井 天井面につき | さお縁 | 100 | 10.2 | つり木、受木及びその他の下地を含む |
| 繊維板張、打上げ板張、合板張又は金属板張 | 150 | 15.3 | つり木、受木及びその他の下地を含む | |
| 木毛セメント板張 | 200 | 20.4 | つり木、受木及びその他の下地を含む | |
| 格縁 | 290 | 29.6 | つり木、受木及びその他の下地を含む | |
| しっくい塗 | 390 | 39.8 | つり木、受木及びその他の下地を含む | |
| モルタル塗 | 590 | 60.2 | つり木、受木及びその他の下地を含む | |
| 床 床面につき | 木造の床 ─ 板張 | 150 | 15.3 | 根太を含む |
| 木造の床 ─ 畳敷 | 340 | 34.7 | 床板及び根太を含む | |
| 木造の床・床ばり ─ 張り間が4m以下の場合 | 100 | 10.2 | — | |
| 木造の床・床ばり ─ 張り間が6m以下の場合 | 170 | 17.3 | — | |
| 木造の床・床ばり ─ 張り間が8m以下の場合 | 250 | 25.5 | — | |
| コンクリート造の床の仕上げ ─ 板張 | 200 | 20.4 | 根太及び大引を含む | |
| コンクリート造の床の仕上げ ─ フロアリングブロック張 | 150 | 15.3 | 仕上げ厚さ1cmごと(厚さのcmの数値を乗じる) | |
| コンクリート造の床の仕上げ ─ モルタル塗、人造石塗及びタイル張 | 200 | 20.4 | 仕上げ厚さ1cmごと(厚さのcmの数値を乗じる) | |
| コンクリート造の床の仕上げ ─ アスファルト防水層 | 150 | 15.3 | 厚さ1cmごと(厚さのcmの数値を乗じる) | |
| 壁 壁面につき | 木造の建築物の壁の軸組 | 150 | 15.3 | 柱、間柱及び筋かいを含む |
| 木造の建築物の壁の仕上げ ─ 下見板張、羽目板張又は繊維板張 | 100 | 10.2 | 下地を含み、軸組を含まない | |
| 木造の建築物の壁の仕上げ ─ 木ずりしっくい塗 | 340 | 34.7 | 下地を含み、軸組を含まない | |
| 木造の建築物の壁の仕上げ ─ 鉄網モルタル塗 | 640 | 65.3 | 下地を含み、軸組を含まない | |
| 木造の建築物の小舞壁 | 830 | 84.6 | 軸組を含む | |
| コンクリート造の壁の仕上げ ─ しっくい塗 | 170 | 17.3 | 仕上げ厚さ1cmごと(厚さのcmの数値を乗じる) | |
| コンクリート造の壁の仕上げ ─ モルタル塗及び人造石塗 | 200 | 20.4 | 仕上げ厚さ1cmごと(厚さのcmの数値を乗じる) | |
| コンクリート造の壁の仕上げ ─ タイル張 | 200 | 20.4 | 仕上げ厚さ1cmごと(厚さのcmの数値を乗じる) |
※ 単位面積当たり荷重は条文の値(1m²につきニュートン)で、屋根は屋根面、天井は天井面、床は床面、壁は壁面の面積に乗じます。kgf/m²はN/m²を9.80665で割り小数第1位に四捨五入した目安の計算値です。「1cmごと」の行は1cm当たりの値で、厚さに応じた値は表2です。条文の表記「しつくい」は「しっくい」と書いています。木造のもやの距離・床ばりの張り間の境目は条文どおり「以下」です(床ばりは張り間8mを超える場合の値は表にありません)。
表2: 仕上げ厚さ別の固定荷重(計算値)
| コンクリート造の仕上げ | 1cm | 2cm | 3cm | 4cm | 5cm | 6cm | 8cm | 10cm |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 床 フロアリングブロック張 1cmあたり150 | 150 | 300 | 450 | 600 | 750 | 900 | 1,200 | 1,500 |
| 床 モルタル塗・人造石塗・タイル張 1cmあたり200 | 200 | 400 | 600 | 800 | 1,000 | 1,200 | 1,600 | 2,000 |
| 床 アスファルト防水層 1cmあたり150 | 150 | 300 | 450 | 600 | 750 | 900 | 1,200 | 1,500 |
| 壁 しっくい塗 1cmあたり170 | 170 | 340 | 510 | 680 | 850 | 1,020 | 1,360 | 1,700 |
| 壁 モルタル塗・人造石塗 1cmあたり200 | 200 | 400 | 600 | 800 | 1,000 | 1,200 | 1,600 | 2,000 |
| 壁 タイル張 1cmあたり200 | 200 | 400 | 600 | 800 | 1,000 | 1,200 | 1,600 | 2,000 |
※ 単位N/m²。表1の1cm当たりの値に厚さ(cm)を乗じて当サイトが計算しました(丸めなし)。アスファルト防水層は条文では「厚さ」、ほかは「仕上げ厚さ」1cmごとです。
表3: 勾配屋根の水平投影面積1m²あたりの値(計算値)
| 屋根の種別 | 1寸 | 2寸 | 3寸 | 4寸 | 5寸 | 6寸 | 8寸 | 10寸 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 屋根面積÷水平投影面積 | 1.005 | 1.020 | 1.044 | 1.077 | 1.118 | 1.166 | 1.281 | 1.414 |
| 瓦ぶき(ふき土なし) 屋根面につき640 | 643 | 653 | 668 | 689 | 716 | 746 | 820 | 905 |
| 瓦ぶき(ふき土あり) 屋根面につき980 | 985 | 999 | 1,023 | 1,055 | 1,096 | 1,143 | 1,255 | 1,386 |
| 厚形スレートぶき 屋根面につき440 | 442 | 449 | 459 | 474 | 492 | 513 | 563 | 622 |
| ガラス屋根 屋根面につき290 | 291 | 296 | 303 | 312 | 324 | 338 | 371 | 410 |
| 薄鉄板ぶき 屋根面につき200 | 201 | 204 | 209 | 215 | 224 | 233 | 256 | 283 |
| 波形鉄板ぶき(もやに直接) 屋根面につき50 | 50 | 51 | 52 | 54 | 56 | 58 | 64 | 71 |
※ 単位N/m²。表1の屋根の値は屋根面につきの値です。屋根伏図などの水平投影面積で荷重を拾うときの目安として、屋根面積÷水平投影面積(=√(10²+寸²)÷10)を乗じて当サイトが計算し、1N/m²未満を四捨五入しました。10寸は45度です。もや(木造なら表1の50・100)は含みません。勾配の換算は勾配換算へ。
表4: 固定荷重Gを使う荷重の組合せ — 施行令第82条の表
| 力の種類 | 想定する状態 | 一般の場合 | 多雪区域の場合 |
|---|---|---|---|
| 長期 | 常時 | G+P | G+P |
| 積雪時 | G+P+0.7S | ||
| 短期 | 積雪時 | G+P+S | G+P+S |
| 暴風時 | G+P+W | G+P+W | |
| G+P+0.35S+W | |||
| 地震時 | G+P+K | G+P+0.35S+K |
※ Gは第84条の固定荷重、Pは第85条の積載荷重、Sは第86条の積雪荷重、Wは第87条の風圧力、Kは第88条の地震力によって生ずる力です。多雪区域は第86条第2項ただし書により特定行政庁が指定する区域です。暴風時に建築物の転倒・柱の引抜き等を検討する場合、Pは実況に応じて積載荷重を減らした数値によります。積載荷重の値は積載荷重 早見表へ。
使い方
- 部分と種別を選ぶ — 屋根・木造のもや・天井・床・壁から、仕様に合う種別の値を引きます。
- 備考で何が含まれるかを確かめる — 屋根の値は下地・たるきを含みますがもやを含みません。木造の壁の仕上げは軸組を含みません(小舞壁は軸組を含む)。重ならないように足し合わせます。例: 木造の床で畳敷(床板・根太を含む)340に床ばり(張り間4m以下)100を足すと440N/m²、木造の壁で軸組150に鉄網モルタル塗640を足すと790N/m²です(当サイトの計算例)。
- 1cmごとの値は厚さを掛ける — コンクリート造の床のモルタル塗3cmなら200×3=600N/m²(表2)。
- 面積を掛ける — 屋根は屋根面の面積に掛けます。水平投影面積で拾うなら表3の値を使います(例: 瓦ぶき(ふき土なし)・4寸勾配で689N/m²)。
- 表にない部分は実況で計算する — 鉄筋コンクリートの床版・壁の本体、鉄骨、設備機器などは表にありません。
※ 本ページは条文の数値を引くための早見表です。構造計算・設計・法令適合の判断は、原典を確認し、建築士など有資格者と所管行政庁・確認検査機関の確認のうえで行ってください。第84条は実況に応じた計算が原則で、表の値は表に掲げる部分について使うことができる値です。
間違えやすいポイント
- 屋根の値にもやが入っていると思う — 瓦ぶき・薄鉄板ぶき・厚形スレートぶき・ガラス屋根・波形鉄板ぶきは、いずれももやを含みません。木造のもやは支点間の距離2m以下で50、4m以下で100N/m²です。
- 「1cmごと」の値をそのまま使う — コンクリート造の床の仕上げ(板張を除く。アスファルト防水層を含む)と壁の仕上げの値は1cm当たりです。厚さ(cm)を掛けます。コンクリート造の床の板張200は床面1m²当たりの値です。
- 木造の壁の軸組を二重に数える・数え忘れる — 仕上げ(下見板張など)は軸組を含まず、小舞壁(830)は軸組を含みます。
- 水平投影面積に屋根面の値を掛ける — 勾配があるほど屋根面積は大きくなります(4寸で約1.077倍、10寸で約1.414倍)。
- 積載荷重と取り違える — 人や家具の荷重は積載荷重(第85条)で、固定荷重とは別に組み合わせます(表4)。
固定荷重の位置づけ
施行令第83条は、建築物に作用する荷重及び外力として、固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力を採用し、実況に応じて土圧・水圧・震動・衝撃による外力も採用することとしています。第84条は、固定荷重は実況に応じて計算するのを原則としつつ、表に掲げる部分は単位面積当たり荷重に面積を乗じて計算できる、としています。構造計算では、固定荷重によって生ずる力Gを、積載荷重などと第82条の表のとおり組み合わせて使います。
よくある質問
Q1. 瓦屋根の固定荷重は?
A. ふき土なし640N/m²、ふき土あり980N/m²(屋根面につき)です。下地・たるきを含み、もやを含みません(施行令第84条)。
Q2. 天井の固定荷重は?
A. さお縁100、合板張など150、木毛セメント板張200、格縁290、しっくい塗390、モルタル塗590N/m²です(つり木・受木等の下地を含む)。
Q3. 木造の床の固定荷重は?
A. 板張150、畳敷340N/m²です。床ばりは張り間4m以下100、6m以下170、8m以下250N/m²です。
Q4. 木造の壁の固定荷重は?
A. 軸組150N/m²に、仕上げ(下見板張など100、木ずりしっくい塗340、鉄網モルタル塗640)を加えます。小舞壁は軸組込みで830N/m²です。
Q5. モルタル塗やタイル張の固定荷重は?
A. コンクリート造の床・壁の仕上げのモルタル塗・人造石塗・タイル張は、仕上げ厚さ1cmごとに200N/m²で、厚さ(cm)を掛けます。3cmなら600N/m²です(フロアリングブロック張は1cmごとに150、壁のしっくい塗は170)。天井のモルタル塗590・木造の壁の鉄網モルタル塗640は1m²当たりの値で、厚さは掛けません。
Q6. 屋根の固定荷重は水平投影面積に掛ける?
A. 表の値は屋根面につきです。水平投影面積あたりにすると、瓦ぶき(ふき土なし)は4寸勾配で約689、10寸で約905N/m²です(計算値)。
Q7. 表にない部分の固定荷重はどうする?
A. 実況に応じて計算します(第84条本文)。表の値を使えるのは表に掲げる部分だけです。
Q8. 固定荷重は構造計算でどう組み合わせる?
A. 長期はG+P、短期は積雪時G+P+S・暴風時G+P+W・地震時G+P+Kです(第82条)。多雪区域は別の組合せもあります。
関連する早見表
出典・参考
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号) — 第84条(固定荷重)の表、第83条(荷重及び外力の種類)、第82条(保有水平耐力計算・荷重の組合せの表) — e-Gov法令検索の現行条文(令和7年政令第377号による改正、2025年12月1日施行)で確認。令和8年政令第284号(2026年11月1日施行)でこれらの条に変更がないことも確認
※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。条文は改正されることがあるため、最新の原典を確認してください。
※ 表1・表4は条文の表の転記です(N/m²の値は丸めなし。種別の表記は一部を読みやすく整理)。kgf/m²、表2・表3は当サイトの計算値です(丸めは各表の注記のとおり)。
※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。
最終更新: 2026-10-19