スペック早見表

高圧ガスボンベの色早見表|酸素=黒・アセチレン=褐色・炭酸=緑(容器保安規則)

工場・溶接・実験室で使う高圧ガス容器(ボンベ)の塗色の早見表。容器保安規則第10条が定める7区分が色から即座に判別できます。色は第一の目安であり、最終確認は必ず容器のガス名表示と刻印で。取扱い・貯蔵の判断は高圧ガス保安法令と供給者の指示によってください。

🛢️ ボンベの色 即答ボックス

酸素米国は緑なので注意
アセチレン褐色(かっ色)溶接・溶断
液化炭酸(CO2)シールドガス・飲料
水素可燃性・左ねじ
窒素・アルゴン等ねずみ色「その他」扱い・文字で確認
最終確認刻印+ガス名表示色だけで断定しない

このページについて

高圧ガス容器の塗色は、高圧ガス保安法にもとづく容器保安規則第10条で定められた法定の識別です。個別に色を持つのは6種類だけで、それ以外のガスはすべて「その他」=ねずみ色に入ります。つまり色で特定できるのは6種までで、ねずみ色の容器はガス名表示を読むしかありません。本ページは識別の早見表です。充填・移動・貯蔵・廃棄などの取扱いは、高圧ガス保安法令・販売店・充填事業者の指示に必ず従ってください。

表1: 容器の塗色区分(容器保安規則第10条)

よく使う:
ガスの種類塗色色見本(近似)性質・主な用途
酸素ガス黒色支燃性。溶接・溶断、医療
水素ガス赤色可燃性(左ねじ)。燃料電池・実験
液化炭酸ガス(CO2)緑色不燃性。溶接シールド・飲料・消火
液化アンモニア白色毒性・可燃性(バルブは右ねじの例外)。冷凍・肥料
液化塩素黄色毒性。水処理・化学
アセチレンガスかっ色(褐色)可燃性(左ねじ)。ガス溶接・溶断
その他の高圧ガス
窒素・アルゴン・ヘリウム・LPガス・混合ガス等
ねずみ色色では特定不可。ガス名表示で確認

※ 塗色は容器外面の見やすい箇所に、表面積の1/2以上。あわせてガス名の明示、可燃性には「燃」、毒性には「毒」の文字表示が規定されています。色見本はディスプレイの近似です。

表2: 色以外の識別要素

識別要素内容
ガス名の文字表示「酸素」「窒素」等の名称を明示。ねずみ色容器では事実上これが本体
「燃」「毒」の表示可燃性ガス=「燃」、毒性ガス=「毒」の文字
容器肩部の刻印充填ガス種の記号、容器記号番号、内容積、耐圧試験圧力・検査日など
バルブのねじ方向可燃性ガスは左ねじが原則(アンモニア・ブロムメチル等は右ねじの例外)。調整器が合わない=規格違いのサイン

よくある間違い

  • 色だけで中身を断定する — ねずみ色は「その他」全部の色。窒素もアルゴンもヘリウムも同じ色です。ガス名表示と刻印が正。
  • 米国式の色感覚を持ち込む — 米国では酸素=緑が慣行。日本の緑=炭酸ガスと真逆に近いので、輸入設備・海外資料では要注意。
  • 医療用と工業用を色で区別しようとする — 日本の塗色区分はガス種で決まり、用途では変わりません(酸素は医療用も黒)。
  • 可燃性ボンベの調整器を力ずくでねじ込む — 左ねじです。合わないのは逆ねじか規格違いのサイン。
  • 塗り直し・色あせの容器を推測で使う — 判別できない容器は使わず、供給者へ照会。
  • 配管の識別色と混同する — 配管はJIS Z 9102の別体系(ガス=うすい黄、水=青)。配管識別色の早見表と使い分けを。

塗色区分のしくみ

個別の色を与えられた6種には共通点があります。事故時の危険が大きく、取り違えが致命的になるガスだということです。支燃性の酸素、可燃性の水素・アセチレン、毒性の塩素・アンモニア——これらは一目で分かる必要がある。一方、窒素やアルゴンのような不活性ガスは「その他」に束ねられました。色の資源は有限なので、危険度の高いものに優先配分した、という設計です。

それでも色はあくまで一次スクリーニングで、法体系は文字表示・刻印・ねじ方向という多重の識別を重ねています。特にバルブの左ねじは「間違った組み合わせは物理的に接続できない」というフールプルーフで、色覚や照明に頼らない最後の砦です。識別色の思想は電線の色配管の識別色とも通じますが、ボンベは中身が高圧ガスであるぶん、色+文字+刻印+ねじの四段構えになっています。

よくある質問

Q1. 酸素ボンベは何色?

A. 黒色です(容器保安規則第10条)。米国では酸素=緑の慣行があり日本と逆転しているため、輸入機器・海外資料では色でなく表示で確認を。

Q2. 緑色のボンベの中身は?

A. 日本では液化炭酸ガス(CO2)です。溶接シールドや飲料用途で頻出。米国の緑=酸素とは意味が違います。

Q3. ねずみ色のボンベは何が入っている?

A. 個別色のない「その他」の高圧ガス全部です。窒素・アルゴン・ヘリウム・LPガス等が該当し、色では特定できません。ガス名表示と刻印で確認します。

Q4. 塗色はどのくらい塗る決まり?

A. 容器外面の見やすい箇所に表面積の1/2以上(容器保安規則第10条)。ガス名の明示、「燃」「毒」の文字表示も併せて規定されています。

Q5. 可燃性ガスのバルブが左ねじって本当?

A. 原則そのとおりです。水素・アセチレン・LPガス等は左ねじ、ただしアンモニア・ブロムメチル等は右ねじの例外。合わない接続は無理にねじ込まないでください。

Q6. 色が薄れて判別できないボンベはどうする?

A. 推測で使わず、肩部の刻印とガス名表示を確認し、不明なら充填事業者・販売店へ照会してください。確認できない容器の開栓は厳禁です。

関連する早見表

出典・参考

  • 高圧ガス保安法第46条・容器保安規則第10条 — 容器の表示(塗色区分・表面積1/2以上・ガス名/燃/毒の文字)
  • 高圧ガス保安協会(KHK)・充填事業者の公開資料 — 塗色一覧・容器刻印・バルブねじ方向の解説

※ 本ページはボンベの識別のための早見表です。高圧ガスの充填・移動・貯蔵・消費・廃棄は高圧ガス保安法令の規制対象であり、取扱いの判断は法令・都道府県・高圧ガス保安協会・販売店の指示に必ず従ってください。色は経年で変わり得ます——最終確認は常に刻印とガス名表示で。

最終更新: 2026-08-20