スペック早見表

はめあい・公差 早見表(JIS B 0401)・計算ツール

基準寸法1〜500mmの範囲でIT5〜IT11公差等級の基本公差値、主要はめあい記号の上下偏差、穴基準/軸基準の使い分け、すきまばめ・中間ばめ・しまりばめの分類と用途推奨を収録。

はめあい 公差計算(JIS B 0401)

計算式・出典

JIS B 0401-2:2016準拠。適用範囲: φ3〜500mm。穴径 = 基準寸法 + 上偏差/下偏差。最大すきま = 穴最大 − 軸最小(正値=すきま、負値=しめしろ)。r6/s6は50mm超のJIS細分区分(50-65 / 65-80 / 80-100 / 100-120 / 120-140 / 140-160 / 160-180 / 180-200 / 200-225 / 225-250 / 250-280 / 280-315 / 315-355 / 355-400 / 400-450 / 450-500)に対応しています。

よく使う:

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IT基本公差値表(JIS B 0401-1 / 単位:μm)

IT5=精密加工・IT6=精密機械・IT7=一般精密・IT8=普通機械・IT9=非精密・IT10=粗加工・IT11=鋳物/鍛造程度。

基準寸法
(mm)
IT5IT6IT7IT8IT9IT10IT11
≤3461014254060
3-6581218304875
6-10691522365890
10-1881118274370110
18-3091321335284130
30-501116253962100160
50-801319304674120190
80-1201522355487140220
120-18018254063100160250
180-25020294672115185290
250-31523325281130210320
315-40025365789140230360
400-50027406397155250400

穴基準と軸基準

基準記号基本偏差使い分け
穴基準(Hole-based)H下偏差 EI = 0穴を H で作り、軸側で公差調整。穴加工は高コスト・困難のため最も一般的
軸基準(Shaft-based)h上偏差 es = 0軸を h で作り、穴側で公差調整。既製軸(シャフト材等)を使う場合に選ぶ

主要はめあいの分類と用途(穴基準H7)

分類記号例特徴代表用途
すきまばめ
(Clearance)
H7/c9大すきま高温・粉塵環境の滑動軸
H7/d8, H8/d9中大すきま一般すべり軸受、動きの大きい箇所
H8/f7, H7/f7中すきま注油軸受、一般機械の軸
H7/g6小すきま(精密)精密摺動、位置決めピン
H7/h6最小すきま(ルーズフィット)軽い滑動・位置合わせ、汎用標準
中間ばめ
(Transition)
H7/js6+/- 対称、手で組立可軽荷重・振動小の歯車
H7/k6僅かな締代歯車・プーリ・カップリングの軸、最も一般的
H7/m6, H7/n6中締代、木槌で組立軽圧入、振動多い連結
しまりばめ
(Interference)
H7/p6軽圧入軸受外輪、位置固定
H7/r6, H7/s6中圧入小型歯車・カップリング固定、プレス圧入
H7/u6, H8/x8強圧入・焼嵌め車輪・歯車大型・鋼板接合

H7公差・主要はめあいの上下偏差値(代表寸法例)

単位: μm。上偏差/下偏差。H=穴, 小文字=軸。+は大きい方に, −は小さい方にズレることを意味します。

記号3-6mm10-18mm18-30mm30-50mm50-80mm80-120mm120-180mm
H7(穴)+12/0+18/0+21/0+25/0+30/0+35/0+40/0
H8(穴)+18/0+27/0+33/0+39/0+46/0+54/0+63/0
h6(軸)0/-80/-110/-130/-160/-190/-220/-25
f7(軸)-10/-22-16/-34-20/-41-25/-50-30/-60-36/-71-43/-83
g6(軸)-4/-12-6/-17-7/-20-9/-25-10/-29-12/-34-14/-39
js6(軸)±4±5.5±6.5±8±9.5±11±12.5
k6(軸)+9/+1+12/+1+15/+2+18/+2+21/+2+25/+3+28/+3
m6(軸)+12/+4+18/+7+21/+8+25/+9+30/+11+35/+13+40/+15
n6(軸)+16/+8+23/+12+28/+15+33/+17+39/+20+45/+23+52/+27
p6(軸)+20/+12+29/+18+35/+22+42/+26+51/+32+59/+37+68/+43
r6(軸)※+23/+15+34/+23+41/+28+50/+34+60/+41 (〜65)
+62/+43 (65〜)
+73/+51 (〜100)
+76/+54 (100〜)
+88/+63 (〜140)
+90/+65 (140〜160)
+93/+68 (160〜)
s6(軸)※+27/+19+39/+28+48/+35+59/+43+72/+53 (〜65)
+78/+59 (65〜)
+93/+71 (〜100)
+101/+79 (100〜)
+117/+92 (〜140)
+125/+100 (140〜160)
+133/+108 (160〜)

※ r6/s6は50mm超でJISが寸法区分をさらに細分するため、該当セルは細分値を併記しています(括弧内は適用範囲mm)。

※ 出典: JIS B 0401-2:2016 基本公差・基本サイズ公差クラスの表。上記は代表寸法範囲のみ。他の範囲は規格を参照してください。

※ 180mm超〜500mmの寸法許容差は、ページ上部の計算ツール(φ3〜500mm対応)で確認できます。

はめあいの計算例(H7/k6, φ30)

φ30 を H7/k6 で組み合わせた場合の解析:

  • 穴 30H7: +21/0 → φ30.000 ~ φ30.021
  • 軸 30k6: +15/+2 → φ30.002 ~ φ30.015
  • 最大すきま = 30.021 − 30.002 = +0.019 (19μm, すきま)
  • 最大しめしろ = 30.000 − 30.015 = −0.015 (15μm, しめしろ)
  • すきま/しめしろが混在 → 中間ばめに分類

IT等級の使い分け目安

IT等級加工方法用途
IT01〜IT4ラップ・超精密研削ゲージ・測定器
IT5精密研削・ホーニング精密機械の嵌合部
IT6精密研削・精密旋削軸受取付部・精密歯車
IT7旋削・研削・リーマー一般機械の嵌合部(最多)
IT8旋削・フライス・ドリル+リーマー普通の機械部品
IT9旋削・フライス一般機械、非嵌合部
IT10〜IT11粗加工・プレス・鋳造寸法精度不問の部品
IT12〜IT18鋳物・鍛造まま粗素材

用途別はめあい選択ガイド

機械設計で標準的に使われる組み合わせの目安です。要求機能(回転・位置決め・固定)から逆引きで選べます。荷重・温度・分解頻度によって最適解は変わるため、最終決定は個別条件で検討してください。

用途推奨はめあい特徴代表用途例
回転・摺動H7/g6・H7/f7すきまばめ。適度なすきまで回転・滑動でき、潤滑油膜を保持できるすべり軸受と軸、摺動ブッシュ、スピンドルの案内部
位置決め・取外しありH7/h6最小すきま(ルーズフィット)。手で抜き差しでき、がたを抑えて位置合わせできる位置決めスリーブ、分解・交換前提のカップリング・治具部品
軽圧入・キー併用H7/k6・H7/m6中間ばめ。わずかなすきま/しめしろが混在し、木槌程度で組立可。トルク伝達はキーで受ける歯車・プーリ・カップリングの軸取付(キー併用)
圧入H7/p6しまりばめ(軽圧入)。プレスで圧入し、確実に位置固定できるすべり軸受ブッシュ・カラーの圧入固定、治具用固定ブシュの圧入
焼きばめ・強固定H7/r6・H7/s6しまりばめ(中〜強圧入)。焼きばめ・冷やしばめや強力プレスで組立て、分解は想定しない車輪と車軸、大型歯車・カップリングの永久固定

※ 具体的なすきま・しめしろ量は、ページ上部の計算ツールまたは上下偏差値表で確認できます。

普通公差(一般公差)JIS B 0405 早見表

図面に個別の公差指示がない寸法に自動で適用される許容差です。どの等級を使うかは図面の表題欄に「JIS B 0405-m」のように記載して指定します(精級f / 中級m / 粗級c / 極粗級v の4段階)。数値はJIS B 0405-1991の公表値。単位mm、許容差は「±」です。

等級(精級f・中級m・粗級c・極粗級v)で下の3表をまとめて絞り込めます(未選択で全表示)。

等級で絞る:

表1: 削り加工の長さ寸法の一般公差(JIS B 0405-1991 表1)

公差等級0.5-33-66-3030-120120-400400-10001000-2000
精級 f±0.05±0.05±0.1±0.15±0.2±0.3±0.5
中級 m±0.1±0.1±0.2±0.3±0.5±0.8±1.2
粗級 c±0.2±0.3±0.5±0.8±1.2±2±3
極粗級 v±0.5±1±1.5±2.5±4±6

※ 列見出しは基準寸法の区分(mm、「〜を超え〜以下」)。極粗級vの0.5-3区分はJISに規定がありません(—)。0.5mm未満の寸法は個別に許容差を指示します。

表2: 面取り部分(かどの丸み・面取り高さ)の一般公差(表2)

公差等級0.5-33-66超
精級 f±0.2±0.5±1
中級 m±0.2±0.5±1
粗級 c±0.4±1±2
極粗級 v±0.4±1±2

※ 面取り部分は精級fと中級mが同値、粗級cと極粗級vが同値です。単位mm、基準寸法区分の読み方は表1と同じです。

表3: 角度寸法の一般公差(表3)

公差等級短辺≤1010-5050-120120-400400超
精級 f±1°±0°30′±0°20′±0°10′±0°5′
中級 m±1°±0°30′±0°20′±0°10′±0°5′
粗級 c±1°30′±1°±0°30′±0°15′±0°10′
極粗級 v±3°±2°±1°±0°30′±0°20′

※ 区分は角度をなす2辺のうち短い方の辺の長さ(mm)。許容差は角度(°=度・′=分)。角度寸法も精級fと中級mは同値です。

※ 出典: JIS B 0405-1991「普通公差—第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差」(ISO 2768-1)。最終更新: 2026-07-15。

公差とはめあいの設計思想

どんな加工にも必ずばらつきがあるため、機能を保証できる寸法の許容範囲を決める必要があります。これが公差です。公差をきつくするほど機能は安定しますが加工コストが急増し、緩くするほど安価ですが機能不良のリスクが上がる、というトレードオフの中で最適点を選ぶのが公差設計です。

はめあいは、軸と穴それぞれの公差の組み合わせで「すきま」や「しめしろ」を作り出す仕組みです。回転・摺動には適度なすきま、固定・トルク伝達にはしめしろ、位置決めには中間ばめを選びます。穴は工具径で寸法が決まり調整しにくいため、穴の公差を基準(H)に固定して軸側で調整する「穴基準」が量産では合理的です。

IT等級は精度のグレードを段階化したもので、等級が小さいほど高精度・高コストです。機能に本当に必要な等級だけを選び、過剰な精度を避けることが、設計者に求められるバランス感覚になります。

使い方・選び方のポイント

使用場面

軸と穴の組み合わせ設計、図面への公差記入、部品の互換性・組立性の確保に使います。「どれくらいのすきま・しめしろにするか」を機能から決める場面が中心です。

よくある間違い

すきまばめとしまりばめの取り違えが代表的な間違いです。

  • 回転部にしまりばめを使う: 組めない・焼き付くおそれがある
  • 穴基準(H)と軸基準(h)の方式を混在させる
  • IT等級を必要以上に厳しくして加工コストを上げてしまう

方式の混在や過剰なIT等級指定も、実務で多い失敗です。

選び方のコツ

機能から選びます。

  • 回転・摺動部: すきまばめ(H7/g6H7/f7)
  • 位置決めでがたを嫌う部分: 中間ばめ(H7/k6H7/js6)
  • 固定・トルク伝達: しまりばめ(H7/p6H7/s6)が目安

量産では穴基準(H基準)に統一すると工具・管理が楽になります。

よくある質問

Q. 穴基準と軸基準の違いは?

A. どちらの部品を基準(偏差ゼロ)に固定し、もう一方で公差を調整するかの違いです。

  • 穴基準(Hole-based): 穴をH(下偏差=0)基準とし、軸で調整するのが一般的
  • 軸基準(shaft-based): 軸をh(上偏差=0)基準とし、既製軸を使う場合に用いる

穴加工は軸加工より高コストなため、多くの場合は穴基準を採用します。

Q. H7/h6とH7/p6はどう違う?

A. H7/h6はすきまばめ(ルーズフィット、軽荷重の滑動可)、H7/p6はしまりばめ(圧入必要、強固な固定)です。用途に応じて選択します。

Q. 用途からはめあいを選ぶ目安は?

A. 要求機能から逆引きするのが基本です。

  • 回転・摺動: H7/g6・H7/f7(すきまばめ)
  • 位置決め・取外しあり: H7/h6(最小すきま)
  • 軽圧入・キー併用: H7/k6・H7/m6(中間ばめ)
  • 圧入: H7/p6、焼きばめ・強固定: H7/r6・H7/s6(しまりばめ)

あくまで標準的な目安であり、荷重・温度・分解頻度に応じて調整します。

Q. 図面に公差の指示がない寸法はどう扱う?

A. 個別の公差指示がない寸法には「普通公差(一般公差)」が適用されます。JIS B 0405-1991は削り加工の長さ寸法に精級f・中級m・粗級c・極粗級vの4等級を規定し、どの等級を使うかは図面の表題欄に「JIS B 0405-m」のように記載して指定します。表題欄にも記載がない場合は、社内標準や中級(m)を目安に発注先へ確認してください。

関連する早見表

出典・参考

JIS B 0401-1:2016(製品の幾何特性仕様—長さに関わるサイズ公差のISO コード方式—基礎), JIS B 0401-2:2016(穴及び軸の公差クラス並びに基礎サイズ許容差の表), ISO 286-1:2010, ISO 286-2:2010

JIS B 0401-1:2016 / JIS B 0401-2:2016(日本産業標準調査会 制定規格)

※ 上下偏差の全範囲はJIS B 0401-2原文を参照してください。本表は代表範囲のみ抜粋。

最終更新: 2026-07-15