照度基準早見表|事務所・工場・学校・住宅の推奨照度lx(JIS Z 9110)
照明設計・職場環境の定番参照値、JIS Z 9110の推奨照度(維持照度)を施設別に一覧。事務室750lx・会議室500lx・工場の精密作業1500lx・教室300lx——「この部屋は何ルクス必要?」が3秒で引けます。lxとlmの違い、維持照度の意味、2024年改正(Z 9125への移行)もこのページで確認できます。
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このページについて
照度基準の代表格JIS Z 9110(照明基準総則)は、施設・場所ごとの推奨照度(維持照度=使用期間中に下回らないよう維持すべき平均照度)を定めています。本ページは2011年版の主要な値の抜粋です。2024年12月の改正で屋内照明の具体基準はJIS Z 9125(屋内作業場の照明基準)へ集約される体系変更がありました。実務の目安として本表の値は引き続き広く使われていますが、契約・法規要件が絡む設計では最新規格の該当条文を確認してください。
表1: 施設別の推奨照度(JIS Z 9110:2011)
| 施設 | 場所・作業 | 推奨照度 (lx) |
|---|---|---|
| 事務所 | 事務室・設計室・製図室 | 750 |
| 事務所 | 会議室 | 500 |
| 事務所 | 受付 | 300 |
| 事務所 | 便所・洗面所 | 200 |
| 事務所 | 階段 | 150 |
| 事務所 | 廊下 | 100 |
| 工場 | 精密な視作業(細かい組立・検査) | 1,500 |
| 工場 | やや精密な視作業(選別等) | 750 |
| 工場 | 普通の視作業(一般製造) | 500 |
| 工場 | 粗な視作業 | 200 |
| 工場 | ごく粗な視作業 | 100 |
| 学校 | 図書閲覧室 | 500 |
| 学校 | 教室 | 300 |
| 学校 | 体育館 | 300 |
| 住宅 | 書斎・勉強 | 750 |
| 住宅 | 居間(読書) | 500 |
| 住宅 | 台所(調理台) | 300 |
| 住宅 | 居間(団らん) | 200 |
※ 値は作業面(机上0.8m等)での維持照度。同じ室でも作業の性質で局部的に照度を上げる運用(全般照明+局部照明)が前提です。労働安全衛生規則(事務所衛生基準規則)には作業区分別の最低照度が別途あり、法的義務はそちらが根拠になります。
lx・lm・cd — 光の単位の関係
| 単位 | 何を表すか | 使いどころ |
|---|---|---|
| lm(ルーメン) | 光源が出す光の総量(光束) | 電球・照明器具のカタログ(→電球口金の「60W形相当=810lm」) |
| lx(ルクス) | 面に届いた光の密度。1lx=1lm/m² | 照度基準・照度計の読み |
| cd(カンデラ) | 特定方向への光の強さ(光度) | スポットライト・車のランプの配光 |
※ ざっくり換算の目安: 部屋の必要光束(lm) ≒ 床面積(m²) × 目標照度(lx) ÷ 照明率等の係数。正式には保守率・照明率を用いた光束法で計算します(照明メーカーの設計資料参照)。
よくある間違い
- lmとlxの混同 — 器具の明るさ(lm)を照度(lx)と読み違えると設計になりません。lxは「その面にどれだけ届いたか」です。
- 基準値=新設時の設計値だと思う — 推奨照度は「維持すべき値」。新設時はランプ劣化・汚れを見込んで保守率で割り増して設計します。
- 部屋全体を精密作業の照度にする — 全般照明は普通レベル、検査台だけ局部照明で1500lx、が経済的な定石です。
- JISの推奨照度を法的義務と混同 — 法的義務は労働安全衛生規則等の最低照度。JISの推奨照度はそれより高い快適・能率側の目安です。
- スマホアプリの照度計で正式判定 — 目安には便利ですが精度未保証。環境測定は校正された照度計(JIS C 1609)で。
- 照度だけで照明の質を判断 — まぶしさ(グレア)・演色性(Ra)・色温度も快適性を左右します。数字はlxだけではありません。
照度基準のしくみ
推奨照度は「その作業を無理なく続けられる明るさ」を、視作業の細かさ・対象のコントラスト・作業時間から整理したもので、国際的にはCIE(国際照明委員会)の体系とISO 8995をベースに、日本ではJIS Z 9110が長く総則の役割を担ってきました。値が150-300-500-750-1500と飛び飛びなのは、人間の明るさ感覚が対数的(照度が1.5〜2倍でやっと一段明るいと感じる)ため、等比的な段階で刻んでいるからです。
規格の体系は2020年代に再編が進み、2024年12月の改正でJIS Z 9110は総則的な位置づけを残しつつ、屋内作業場の具体的な照度要件はJIS Z 9125(ISO 8995系)へ集約されました。もっとも、事務室750lx・廊下100lxといった代表値は実務の共通言語として定着しており、オフィスビルの仕様書・照明メーカーの設計資料では引き続きこの水準が使われています。照明の実現側(何台の器具でその照度を出すか)は光束法・逐点法という設計計算の世界で、光源の明るさ(lm)は電球口金のページ、色の見え方は演色性・色温度の領域になります。
よくある質問
Q1. 事務所の照度基準は何ルクス?
A. JIS Z 9110の推奨照度で事務室・設計製図室は750lx、会議室は500lx、受付300lx、階段150lx、廊下100lxです。なお労働安全衛生規則の事務所衛生基準では作業区分ごとの最低照度(一般的な事務作業300lx以上等)が別に定められています。
Q2. 工場の照度基準は?
A. 作業の細かさで段階分けされており、精密な視作業1500lx、やや精密750lx、普通の視作業500lx、粗な作業200lx、ごく粗な作業100lxが目安です(JIS Z 9110)。検査台だけ局部照明で照度を上げる「全般+局部」の組合せが実務の定石です。
Q3. lx(ルクス)とlm(ルーメン)の違いは?
A. lmは光源が出す光の総量、lxは照らされる面に届いた光の密度(1lx=1lm/m²)です。同じ電球でも近づけば照度は上がり、広い部屋では下がります。器具カタログはlm、照度基準はlxで書かれます。
Q4. 維持照度とはどういう意味?
A. ランプの劣化や汚れで照度は低下するため、「使用期間中にこの値を下回らないように維持すべき平均照度」として定義された値です。新設時は保守率で割り増して明るく設計します。基準面は机上0.8m・床面など場所の性質で決まります。
Q5. JIS Z 9110は改正された?
A. 2024年12月に改正され、屋内照明の具体基準はJIS Z 9125へ集約される体系変更がありました。本ページの数値はZ 9110:2011の推奨照度で、実務の目安として引き続き参照されていますが、最新の設計基準・契約要件ではZ 9125系の該当条文を確認してください。
Q6. 照度はどうやって測る?
A. 照度計を作業面(机上など基準面)に置き、測定点を格子状に取って平均する方法がJIS C 7612(照度測定方法)に規定されています。スマホアプリは目安止まりで、正式な確認は校正された照度計で行います。
関連する早見表
出典・参考
- JIS Z 9110:2011 — 照明基準総則(施設別の推奨照度・維持照度の定義。本表の数値の出典)
- JIS Z 9125 — 屋内作業場の照明基準(2024年改正後の屋内基準の移行先)
- 労働安全衛生規則・事務所衛生基準規則 — 作業場所の最低照度(法的義務側)
※ 掲載値はJIS Z 9110:2011の推奨照度(維持照度)の抜粋です。法的義務としての最低照度は労働安全衛生法令、最新の設計基準はJIS Z 9125系を確認してください。照明設計(器具台数・配置)は照明率・保守率を用いた計算によります。
最終更新: 2026-08-05