スペック早見表

空気の物性 早見表(温度別の密度・粘度・動粘度・熱伝導率・音速)

1気圧の乾き空気の物性は温度で決まります。20℃なら密度1.2041kg/m³・粘性係数18.13μPa·s・動粘性係数15.06mm²/s。米国標準大気1976の式で計算した、−20〜100℃(5℃刻み)の密度・粘性係数(粘度)・動粘性係数(動粘度)・熱伝導率・音速の表です。

🌬️ 空気の物性 判断即答ボックス

20℃の空気1m³の質量は?約1.204kg1気圧・乾き空気(密度1.2041kg/m³)
40℃の空気は20℃より何%軽い?約6.4%軽い密度1.1272÷1.2041(1気圧)
ダクトのレイノルズ数に使う値(20℃)は?動粘性係数 15.06mm²/s粘性係数(18.13μPa·s)と取り違えない
温度が上がると空気の粘度は?大きくなる20℃ 18.13 → 100℃ 21.73μPa·s(水とは逆)
気温が1℃上がると音速は?約0.6m/s速くなる0〜40℃の平均。20℃で343.2m/s
気圧(絶対圧)が2倍になると?密度2倍・動粘性係数1/2理想気体の場合。粘性係数・熱伝導率・音速は本書の式では温度だけで決まる
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表1: 1気圧の乾き空気の物性(温度別)

温度
℃
密度
kg/m³
粘性係数
(粘度)
μPa·s
動粘性係数
(動粘度)
mm²/s
熱伝導率
W/(m·K)
音速
m/s
−201.394416.1511.580.02253319.0
−151.367416.4112.000.02293322.1
−101.341416.6612.420.02334325.2
−51.316416.9112.850.02374328.3
01.292317.1613.280.02414331.3
51.269017.4113.720.02454334.3
101.246617.6514.160.02493337.3
15
(本書の海面)
1.225017.8914.610.02533340.3
201.204118.1315.060.02572343.2
251.183918.3715.520.02611346.1
301.164418.6115.980.02650349.0
351.145518.8416.450.02688351.9
401.127219.0816.920.02727354.7
451.109519.3117.400.02765357.6
501.092319.5417.880.02803360.4
551.075719.7618.370.02841363.1
601.059519.9918.870.02879365.9
651.043920.2119.360.02916368.6
701.028720.4319.860.02953371.4
751.013920.6520.370.02991374.0
800.999520.8720.880.03028376.7
850.985621.0921.400.03064379.4
900.972021.3121.920.03101382.0
950.958821.5222.450.03138384.6
1000.946021.7322.980.03174387.2

1気圧(101.325kPa)の乾き空気(水蒸気を含まない空気)の値です。粘性係数のμPa·sは10⁻⁶Pa·s、動粘性係数のmm²/sは10⁻⁶m²/sです(例: 20℃の動粘性係数15.06mm²/s=1.506×10⁻⁵m²/s)。15℃の行は、出典の米国標準大気1976(以下、本書)が海面の値として示す値(密度1.2250kg/m³・粘性係数1.7894×10⁻⁵Pa·s・動粘性係数1.4607×10⁻⁵m²/s・熱伝導率2.5326×10⁻²W/(m·K)・音速340.294m/s)と同じ条件です。50〜100℃の行は、本書の表の範囲(最高47.5℃)を超えるため、同じ式で計算した値です。

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使い方

  • 風量(体積)を質量に直す — 質量流量=体積流量×密度。1,000m³/hの空気は、20℃なら1,204kg/h、40℃なら1,127kg/hです。同じ体積でも温度が高いほど軽くなります(40℃は20℃より約6.4%軽い)。
  • レイノルズ数を出す — Re=流速×代表長さ÷動粘性係数。20℃の空気が内径200mmのダクトを5m/sで流れると、Re=5×0.2÷(1.506×10⁻⁵)≒66,400です。ダクトの径と風速はダクトサイズで。
  • 表にない温度の密度 — 1気圧なら 密度=1.2041×293.15÷(温度℃+273.15) で求められます(理想気体の式。表の値はこの式と一致します)。
  • 気圧が違うとき — 密度は気圧(絶対圧)に比例し、動粘性係数は気圧に反比例します。標高の高い場所の気圧は標高別の気圧で引きます。粘性係数・熱伝導率・音速は、このページの式では温度だけで決まります。
  • 音の波長 — 波長=音速÷周波数。20℃で1,000Hzの音の波長は343.2÷1,000≒0.343mです。

空気の物性の求め方(原理)

  • 密度 — 乾き空気を理想気体とみなし、密度=圧力×平均分子量÷(気体定数×絶対温度)で求めます(本書 Eq.(42))。平均分子量は28.9644kg/kmol、気体定数は8314.32J/(kmol·K)で、1kgあたりに直すと287.05J/(kg·K)です。
  • 粘性係数(粘度) — μ=β·T3/2÷(T+S)(本書 Eq.(51)。β=1.458×10⁻⁶kg/(s·m·K1/2)、サザーランドの定数S=110.4K、Tは絶対温度)。気体の粘性係数は温度とともに大きくなります(20℃ 18.13 → 100℃ 21.73μPa·s)。液体の水は逆に小さくなります(水の物性)。
  • 動粘性係数(動粘度) — 粘性係数÷密度です(本書 Eq.(52))。密度が温度とともに下がるので、粘性係数より大きく増えます(20℃ 15.06 → 100℃ 22.98mm²/s)。
  • 熱伝導率 — 本書が表の作成に採用した経験式 Eq.(53)で計算しています。
  • 音速 — 音速=√(γ×気体定数×絶対温度÷平均分子量)で、比熱比γ=1.40(本書 Eq.(50))。温度だけで決まり、1℃あたり約0.6m/s(0〜40℃の平均で0.59m/s)ずつ速くなります。

間違えやすいポイント

  • 粘性係数と動粘性係数の取り違え — 単位が違います(Pa·sとm²/s)。レイノルズ数に使うのは動粘性係数です。20℃では粘性係数18.13μPa·s、動粘性係数15.06mm²/sで、数字が似ているので単位で見分けます。
  • 桁の取り違え — 表のμPa·sとmm²/sは、どちらも10⁻⁶の単位です。20℃の粘性係数は1.813×10⁻⁵Pa·s、動粘性係数は1.506×10⁻⁵m²/sです。
  • 湿った空気に使う — 表は乾き空気の値です。水蒸気の気体定数(461.526J/(kg·K)、IAPWS-IF97)は乾き空気(287.05J/(kg·K))より大きいので、同じ温度・圧力では水蒸気を含む空気のほうが密度が小さくなります。
  • 圧縮空気にそのまま使う — 表は1気圧の値です。圧縮空気の密度は、理想気体とみなして絶対圧(ゲージ圧+大気圧)に比例させて求めます。

よくある質問

Q1. 20℃の空気の密度は?

A. 1気圧・乾き空気で1.2041kg/m³です。0℃で1.2923、40℃で1.1272、100℃で0.9460kg/m³です。空気1m³の質量は20℃で約1.204kgです。

Q2. 空気の動粘性係数(動粘度)は?

A. 1気圧・20℃で15.06mm²/s(1.506×10⁻⁵m²/s)です。粘性係数18.13μPa·sを密度1.2041kg/m³で割った値です。

Q3. 温度が上がると空気の粘度はどうなる?

A. 大きくなります。粘性係数は20℃で18.13μPa·s、100℃で21.73μPa·s(約1.20倍)です。液体の水とは逆で、水の粘度は温度が上がると小さくなります。

Q4. 空気中の音速は?

A. 20℃で343.2m/s、0℃で331.3m/s、40℃で354.7m/sです。米国標準大気1976の式(比熱比1.40)による計算値で、温度だけで決まります。本書は、この式による計算値が実験値とわずかに違うことがあるとしています。

Q5. 気圧が違うときの密度・動粘性係数は?

A. 密度は気圧(絶対圧)に比例し、動粘性係数は反比例します。例えば20℃でゲージ圧0.5MPa(絶対圧0.601325MPa、1気圧の約5.93倍)なら、理想気体とみなすと密度は約7.15kg/m³、動粘性係数は約2.54mm²/sです。粘性係数・熱伝導率・音速は、このページの式では温度だけで決まります。

Q6. 湿った空気の密度は表と違う?

A. 表は水蒸気を含まない乾き空気の値です。同じ温度・圧力では、水蒸気を含む空気のほうが密度は小さくなります。水蒸気の気体定数(461.526J/(kg·K))が乾き空気(287.05J/(kg·K))より大きい、つまり同じ体積あたりの質量が小さいためです。

Q7. ダクトのレイノルズ数はどう計算する?

A. Re=流速×内径÷動粘性係数です。20℃の空気が内径200mmのダクトを5m/sで流れると、Re=5×0.2÷(1.506×10⁻⁵)≒66,400です。温度が上がると動粘性係数が大きくなり、Reは小さくなります。

Q8. 空気の比熱やプラントル数は載っている?

A. 載せていません。このページは、出典の米国標準大気1976の式で計算でき、本書に載っている値と照合できる項目(密度・粘性係数・動粘性係数・熱伝導率・音速)に限っています。本書の式で比熱にかかわるのは、音速の式の比熱比γ=1.40だけです。

関連する早見表

出典・参考

  • U.S. Standard Atmosphere, 1976(NOAA-S/T 76-1562、NASA-TM-X-74335) — 米国海洋大気庁(NOAA)・米国航空宇宙局(NASA)・米国空軍、1976年10月。Part 1: Table 2(p.2)と本文p.3〜4(定数R*・P0・γ)、1.2.4節(p.9、平均分子量M0)、1.3.4節 Eq.(42)(p.15、密度)、1.3.10節 Eq.(50)(p.18、音速)、1.3.11〜1.3.13節 Eq.(51)〜(53)と定数β・S(p.19、粘性係数・動粘性係数・熱伝導率)、Table 10(p.20、海面の値)。Part 4: Table III(ジオポテンシャル高度・メートル単位、p.98・100・102)で計算値を照合。PDF末尾にNASAが添付した正誤表(Errata Sheet。2015年に読者が寄せた指摘で、本書の著者による正誤ではない) — NASA Technical Reports Server(公開PDF)(2026年10月24日取得)
  • IAPWS R7-97(2012) IAPWS-IF97 — 国際水・蒸気性質協会(IAPWS)。Eq.(1)(水の気体定数R=0.461526kJ/(kg·K)。湿った空気についての説明に使用) — iapws.org 公開PDF

※ 表の値は、米国標準大気1976の式と定数を当サイトがプログラム(倍精度)で計算した値です。乾き空気を理想気体とし、圧力は1気圧(101,325Pa)、温度は℃+273.15Kとしています。

※ 照合: 15℃の行は本書Table 10の海面の値(15℃・101,325Pa)と、表示の桁までのすべての項目で一致します。本書Table IIIの16の高さ(気温−27.25〜47.5℃)で、音速・粘性係数・熱伝導率の比(κ/κ0)が本書の値と最後の桁±1以内で一致することを確認しています。Table IIIの熱伝導率の欄そのものは、Eq.(53)の値の1/1000の数字になっている(PDF末尾の正誤表の指摘のとおり)うえ、Eq.(53)とTable 10の値より約0.14%大きいため、このページはEq.(53)とTable 10に合わせています。サザーランドの定数Sは、Eq.(51)の説明(p.19)では110.4K、Table 2とp.4では110Kです。Table 10・Table IIIの値は110.4Kで再現でき(PDF末尾の正誤表も110.4Kとしている)、110.4Kを使っています。

※ 本書の表(Table III)の気温は、低い側は約−86℃(高度86km付近)まであり、高い側は47.5℃(ジオポテンシャル高度−5,000m′)までです。このページの50〜100℃の行は、本書の表の範囲を超えるため同じ式で計算した値です。本書は、粘性係数の式は経験的なもので非常に高い温度・低い温度では成り立たないこと、音速の式による計算値は実験値とわずかに違うことがあることを述べています。

※ 丸め: 密度は小数第4位まで、粘性係数・動粘性係数は小数第2位まで(μPa·s・mm²/s)、熱伝導率は小数第5位まで、音速は小数第1位までで、いずれもその下の桁を四捨五入しています。

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 本ページの値は基準となるモデルの計算値で、実際の空気(湿度・組成・圧力)では値が変わります。機器・設備の設計や安全にかかわる判断は、原典と有資格者・メーカーの資料の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-24