スペック早見表

ねじ込み管継手 早見表|エルボ・チーズ・ソケットの種類と呼び径対応(JIS B 2301)

ねじ込み式管継手の種類(エルボ・チーズ・ソケット・ニップル・ブッシング・ユニオン・キャップ・プラグ)と役割、呼び径1/8B(6A)〜4B(100A)の対応、管用ねじ(R/Rc/G)の違いを一覧表示。配管工事・設備保全・機械設計で「この継手は何に使う?」「1/2Bと15Aは同じ?」に即答できる構成です。

📌 即答: 主要ねじ込み継手の役割

継手役割(1行)
エルボ(90°)配管を90°方向転換する
45°エルボ配管を45°方向転換する(緩やかな曲げ・オフセット)
チーズ(T)T字形に枝管を分岐・合流させる
ソケット同径の管どうしを直線でつなぐ(めねじ×めねじ)
ニップル両端おねじの短管。めねじどうし(継手・機器)をつなぐ
ブッシングめねじ口径を小さい口径に変換する(おねじ×めねじ)
ユニオン管を回さずに着脱できる3部品構成の継手(保守用)
キャップ管端(おねじ)にかぶせて閉止する(めねじ)
プラグ継手のめねじ口をふさぐ栓(おねじ)

※ 呼び径は「1/2B=15A」のようにB呼び(インチ系)とA呼び(ミリ系)が併用されます(下の対応表参照)。ねじはJIS B 0203の管用テーパねじ(R/Rc)が基本です。

このページについて

ねじ込み管継手は、管端に切った管用テーパねじ(JIS B 0203)をねじ込んで接続する継手で、代表的な規格がJIS B 2301(ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手)です。溶接やフランジ接合に比べて工具だけで施工でき、水・空気・油などの一般配管で広く使われています。

本ページでは、継手14種の形状・用途、呼び径13段階(1/8B〜4B)のB呼び・A呼び・ねじ呼びの対応、管用ねじR/Rc/Gの違い、材質(可鍛鋳鉄)とSGP鋼管の組合せ、実務での注意点をまとめました。エルボの面間寸法など各部の詳細寸法はJIS B 2301の規格表を参照してください。

ねじ込み管継手の種類と用途 一覧

下の入力欄にキーワード(例: エルボ / 分岐 / 閉止 / おねじ)を入れると行を絞り込めます。

継手形状・ねじ構成主な用途径違い(異径)
エルボ(90°)L字形。めねじ(Rc)×めねじ(Rc)配管の90°方向転換あり(径違いエルボ)
45°エルボ45°曲がり。めねじ×めねじ緩やかな方向転換・配管のオフセット同径が一般的
ストリートエルボ片側おねじ(R)×片側めねじ(Rc)継手・機器のめねじ口から直接方向転換(省スペース)同径
チーズ(T・ティー)T字形。めねじ×3口枝管の分岐・合流あり(径違いチーズ)
径違いチーズ枝側(または通り側)の径が異なるT字形本管から細い枝管を取り出す本体が異径
クロス十字形。めねじ×4口4方向の分岐(使用頻度は低い)同径が一般的
ソケット筒形。めねじ×めねじ同径の管を直線接続・延長あり(径違いソケット)
径違いソケット両端の口径が異なる筒形。めねじ×めねじ管と管の間で配管径を縮小・拡大本体が異径
ニップル両端おねじ(R)の短管。鋼管製が一般的(JIS B 2302)めねじどうし(継手・バルブ・機器)の接続長さ各種(長ニップル)
六角ニップル中央に六角部を持つ両端おねじ工具で確実に締め付けたい箇所の接続径違い品もある
ブッシング外側おねじ(R)×内側めねじ(Rc)めねじ口径を小さい口径に変換(最短で縮径)本体が径変換用
ユニオンユニオンねじ・ユニオンつば・ユニオンナットの3部品構成ポンプ・バルブ等の前後。管を回さず着脱でき保守が容易同径
キャップめねじの袋形管端(おねじ)の閉止同径
プラグおねじの栓(四角頭・六角頭など)継手・機器のめねじ口の閉止同径

※ 面間寸法(中心から端面までの寸法)・各部肉厚などの詳細寸法はJIS B 2301の規格表を参照してください。

呼び径対応表(1/8B〜4B)

B呼び(インチ系)・A呼び(ミリ系)・管用テーパねじの呼び(JIS B 0203)・ねじ山数・対応するSGP鋼管の外径(JIS G 3452)の対応です。

B呼びA呼びねじの呼びねじ山数
(25.4mmにつき)
ピッチ
(mm)
SGP管外径
(mm)
1/8B6AR1/8280.90710.5
1/4B8AR1/4191.33713.8
3/8B10AR3/8191.33717.3
1/2B15AR1/2141.81421.7
3/4B20AR3/4141.81427.2
1B25AR1112.30934.0
1 1/4B32AR1 1/4112.30942.7
1 1/2B40AR1 1/2112.30948.6
2B50AR2112.30960.5
2 1/2B65AR2 1/2112.30976.3
3B80AR3112.30989.1
3 1/2B90AR3 1/2112.309101.6
4B100AR4112.309114.3

※ オレンジ網掛けは給水・エア配管などで特に頻出のサイズ。現場の分数読みは 1/8B=1分・1/4B=2分・3/8B=3分・1/2B=4分・3/4B=6分・1B=インチです。

管用ねじの基礎(R・Rc・Rp・G)

記号名称規格旧表記シール方式
R管用テーパおねじJIS B 0203PTねじ部でシール(テーパ1/16。シール剤・シールテープ併用)
Rc管用テーパめねじJIS B 0203PTねじ部でシール(Rおねじと組合せ)
Rp管用平行めねじ(テーパおねじ用)JIS B 0203PSRおねじと組み合わせてねじ部でシール
G管用平行ねじJIS B 0202PFねじ部ではシールしない(ガスケット・パッキンで密封)

シールテープの巻き方向

おねじの先端を手前(自分側)に向けて持ち、時計回り(ねじ込む方向と同じ向き)に巻きます。先端の1〜2山は残して巻き始め、軽く引っ張りながら重ねて巻きます。逆向きに巻くと、ねじ込むときにテープがめくれて漏れの原因になります。先端の山まで巻くと、切れたテープ片が配管内に混入するおそれがあるため残します。

テーパねじ(R×Rc)の組合せは、ねじ込むほどねじ面どうしが締まって密着しますが、ねじ山の螺旋に沿ったわずかな隙間は残るため、シールテープまたは配管用シール剤の併用が前提です。

材質の解説(可鍛鋳鉄とSGP鋼管)

JIS B 2301の継手の材料は可鍛鋳鉄(かたんちゅうてつ)です。鋳鉄は複雑な形状を鋳造で量産できる反面そのままでは脆いため、鋳造後に焼きなまし(焼鈍)を行って粘り(靭性)を持たせたものが可鍛鋳鉄で、熱処理の方法によって黒心可鍛鋳鉄(黒鉛化焼鈍)と白心可鍛鋳鉄(脱炭焼鈍)に分けられます。管継手には一般に黒心可鍛鋳鉄が用いられます。

表面処理では、溶融亜鉛めっきを施した白継手と、めっきなし(黒皮)の黒継手があります。相手となる配管用炭素鋼鋼管(SGP)にも白管(亜鉛めっき)と黒管があり、白管には白継手、黒管には黒継手を組み合わせるのが基本です。なお、両端おねじのニップルは鋼管から作られるものが一般的で、ねじ込み式鋼管製管継手(JIS B 2302)の区分になります。

実務での注意点

① ユニオンの締め順

ユニオンは両側の配管をそれぞれ先に固定し、最後にユニオンナットを締めて接続します。ナットを締めるときは相手側の部品を別のレンチで押さえ、共回り(供回り)でシール面や配管に無理な力が掛からないようにします。

② ステンレスとの電食(異種金属接触腐食)

ステンレス管・ステンレス継手と、炭素鋼・亜鉛めっき品を直接ねじ込むと、水を介した異種金属接触腐食(電食)で電位の卑な側(亜鉛・鉄)が優先的に腐食します。水質・温度・通水条件によって進行度は変わりますが、絶縁継手(絶縁ユニオン)を間に入れるのが代表的な対策です。

③ Gねじにシールテープを使う誤り

G(管用平行ねじ)はねじ部で密封しない機械的結合用のねじです。Gねじにシールテープを巻いても確実な止水にはならず、ガスケット・パッキンなどのシール面で密封するのが正しい使い方です。テーパおねじ(R)の相手はRcまたはRpに限られ、Gめねじとの組合せはシールの成立しない組合せです。

使い方・選び方のポイント

使用場面

水・空気・油などの一般配管の新設・改修、機器まわりの配管、設備保全での継手交換に使います。方向転換はエルボ、分岐はチーズ、直線接続はソケット・ニップル、縮径はブッシング・径違いソケット、閉止はキャップ・プラグ、着脱箇所はユニオンが基本の選択です。

よくある間違い

①Gねじ(平行)にシールテープを巻いて止水したつもりになる ②シールテープの逆巻き・先端までの巻き付け(テープ混入) ③ユニオンを入れずに機器を直結し、交換時に配管切断になる ④白管に黒継手を混用して防錆が不均一になる ⑤ブッシングの多段重ねで漏れポイントを増やす、に注意します。

選び方のコツ

①呼び径をそろえる(1/2B=15AのようにB呼びとA呼びは同じサイズ) ②流体と環境で白継手/黒継手・材質を選ぶ ③将来外す箇所にはユニオンを入れる ④径変換は一度に行う(径違いチーズ・径違いソケットの活用)。

ねじ込み継手の原理と背景

ねじ込み接合が密封できるのは、管用テーパねじが1/16のテーパ(こう配)を持つためです。ねじ込むほどおねじとめねじのフランク面が強く押し付けられ、金属どうしのくさび作用で締まっていきます。ただし、ねじ山の螺旋に沿った微小な漏れ道は幾何学的に必ず残るため、そこをシールテープやシール剤で埋めることで初めて気密・水密が完成します。「テーパねじ+シール材」で一組のシール機構という理解が実務の出発点です。

継手の材料に可鍛鋳鉄が選ばれてきたのは、エルボやチーズのような複雑な中空形状を鋳造で安価に量産でき、かつ焼きなましによって、ねじ込み時の締付け応力や配管系からの曲げ応力に耐える粘りを持たせられるためです。普通の鋳鉄(ねずみ鋳鉄)のままでは脆く、ねじ締結のような局部応力の掛かる用途には向きません。鋳造性と靭性の両立という要求に応えた材料が可鍛鋳鉄でした。

呼び径やねじがインチ系(1/2B、R1/2など)で残っているのは、管用ねじが19世紀イギリスのウィットワースねじ体系に由来し、それが国際規格(ISO 7-1)として引き継がれているためです。JIS B 0203もこの体系に対応しており、メートル法の日本でもB呼び(インチ系)とA呼び(ミリ系)が併用されています。どちらも同じサイズを指す別の呼び方であり、換算ではなく対応表で覚えるのが確実です。

よくある質問

Q1. 「1/2B」と「15A」は同じサイズ?

A. はい、同じ呼び径です。B呼びはインチ系(1/2Bは1/2インチ系列)、A呼びはミリ系の表し方で、JISでは同じサイズを2通りで呼びます。ねじで言えばR1/2に対応します。現場では分数読みも使われ、1/8B=1分(いちぶ)、1/4B=2分、3/8B=3分、1/2B=4分、3/4B=6分、1B=インチと呼ばれます。

Q2. R・Rc・Gねじの違いは?

A. Rは管用テーパおねじ、Rcは管用テーパめねじで、どちらもJIS B 0203(テーパ1/16)。ねじ部にシール剤やシールテープを併用してねじ面で密封します。Gは管用平行ねじ(JIS B 0202)で、ねじ部では密封できず、ガスケットやパッキンで密封する機械的結合用です。旧表記ではR/RcがPT、GがPFです。

Q3. シールテープはどちら向きに巻く?

A. おねじの先端を手前(自分側)に向けて持ち、時計回り(ねじ込む方向と同じ向き)に巻きます。先端の1〜2山は残して巻き始め、軽く引っ張りながら重ね巻きします。逆向きに巻くと、ねじ込むときにテープがめくれて漏れの原因になります。先端まで巻くと切れたテープが配管内に混入するおそれがあります。

Q4. チーズとティーは同じもの?

A. 同じT字形の分岐継手です。英語のtee(T)に由来し、日本の配管現場では慣用的に「チーズ」と呼ばれます。枝管を取り出す分岐・合流に使い、枝側の径が細い「径違いチーズ」もあります。

Q5. 径を小さくするにはブッシングと径違いソケットのどちらを使う?

A. ブッシングは外側がおねじ・内側がめねじの部品で、継手や機器のめねじ口を最短距離で縮小できます。径違いソケットは両端がめねじで、管と管の間で径を変えるときに使います。ブッシングの多段重ねはねじ接合部(漏れポイント)が増えるため、径差が大きい場合は径違いソケットや径違いチーズで一度に変換する方が確実です。

Q6. 白継手と黒継手の違いは?

A. 溶融亜鉛めっきの有無です。白継手はめっきあり(防錆)、黒継手はめっきなし(黒皮のまま)です。配管用炭素鋼鋼管(SGP)にも白管(亜鉛めっき)と黒管があり、白管には白継手、黒管には黒継手を組み合わせるのが基本です。めっきの有無が混在すると防錆性能が不均一になります。

Q7. ユニオンはどこに取り付ける?

A. ポンプ・バルブ・メーター・機器類など、将来取り外して点検・交換する箇所の前後に入れます。ユニオンはねじ・つば・ナットの3部品構成で、ナットを緩めるだけで管を回転させずに配管を切り離せます。ユニオンを入れずに機器を直結すると、交換時に配管の切断が必要になることがあります。

Q8. ステンレス配管に可鍛鋳鉄継手を直接つないでよい?

A. 異種金属接触腐食(電食)に注意が必要です。ステンレスと炭素鋼・亜鉛めっきが水を介して接触すると、電位の卑な側(亜鉛・鉄)が優先的に腐食します。水質や環境によって進行速度は変わりますが、対策として絶縁継手(絶縁ユニオン)を間に入れる方法が一般的です。

関連する早見表

関連規格・出典

  • JIS B 2301「ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手」 — エルボ・チーズ・ソケット等の種類・寸法
  • JIS B 0203「管用テーパねじ」 — R・Rc・Rpねじの基準寸法(ISO 7-1対応)
  • JIS B 0202「管用平行ねじ」 — Gねじ
  • JIS B 2302「ねじ込み式鋼管製管継手」 — ソケット・ニップル(鋼管製)
  • JIS G 3452「配管用炭素鋼鋼管」 — SGP管(呼び径・外径)

最終更新: 2026-07-03