地盤の許容応力度(地耐力) 早見表(建築基準法施行令第93条)
地盤の許容応力度は原則として地盤調査の結果から定めますが、施行令第93条の表に掲げる地盤なら表の数値を使えます。密実な砂質地盤は長期200kN/m²、粘土質地盤は長期20kN/m²で、短期は長期の2倍。t/m²換算と、地耐力で決まる基礎の構造(20・30kN/m²の境目)も並べました。
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このページについて
地盤の許容応力度(いわゆる地耐力)は、地盤が建物の重さを安全に支えられる1m²あたりの力です。建築基準法施行令第93条は、原則として国土交通大臣が定める方法で地盤調査を行い、その結果から定めることとし、ただし書で、表に掲げる地盤については表の数値を使ってよいとしています。その表と、値によって選べる基礎の構造を並べました。
表1: 地盤の種類ごとの許容応力度 — 建築基準法施行令第93条
| 地盤 | 長期に生ずる力に対する許容応力度 kN/m² | 短期に生ずる力に対する許容応力度 kN/m²(長期の2倍) | 長期の値で選べる基礎 平12建告第1347号 第1 |
|---|---|---|---|
| 岩盤 | 1,000 約101.97t/m² | 2,000 約203.94t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 固結した砂 | 500 約50.99t/m² | 1,000 約101.97t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 土丹盤 | 300 約30.59t/m² | 600 約61.18t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 密実な礫層 | 300 約30.59t/m² | 600 約61.18t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 密実な砂質地盤 | 200 約20.39t/m² | 400 約40.79t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 砂質地盤 (地震時に液状化のおそれのないものに限る) | 50 約5.10t/m² | 100 約10.20t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 堅い粘土質地盤 | 100 約10.20t/m² | 200 約20.39t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| 粘土質地盤 | 20 約2.04t/m² | 40 約4.08t/m² | 基礎ぐい・べた基礎 |
| 堅いローム層 | 100 約10.20t/m² | 200 約20.39t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
| ローム層 | 50 約5.10t/m² | 100 約10.20t/m² | 基礎ぐい・べた基礎・布基礎 |
単位は1m²につきキロニュートン(kN/m²=kPa)。短期の欄は、条文で長期の数値の2倍と定められているものを計算して書き入れたものです。t/m²(重量トン)は、1t/m²=9.80665kN/m²として当サイトが換算し、小数第2位に四捨五入した参考値です。右端の列は、表2の区分に長期の値を当てはめたものです。
表2: 地盤の長期許容応力度と基礎の構造 — 平成12年建設省告示第1347号 第1
| 地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度 | 用いることができる基礎の構造 |
|---|---|
| 20kN/m²未満 約2.04t/m²未満 | 基礎ぐいを用いた構造 |
| 20kN/m²以上30kN/m²未満 | 基礎ぐいを用いた構造、又はべた基礎 |
| 30kN/m²以上 約3.06t/m²以上 | 基礎ぐいを用いた構造、べた基礎、又は布基礎 |
建築基準法施行令第38条第3項にもとづく告示です。地盤を改良した場合は、改良後の許容応力度で判断します。木造の茶室・あずまや、延べ面積10m²以内の物置・納屋、門・塀、一定の仮設建築物、階数が1のコンテナ等を利用した建築物などは、基礎が荷重・外力に対して構造耐力上安全であることを確かめた場合に、この区分によらないことができます(第1第5項。2025年4月1日施行の令和7年国土交通省告示第215号で、それまで第1の各号にあった例外がこの項に移り、コンテナ等を利用した建築物が加わりました。改正前の例外には安全を確かめる条件がありませんでしたが、改正後は確かめた場合に限られます)。基礎について告示で定める基準に従った構造計算で安全を確かめた場合は、この区分は適用されません(令第38条第4項)。2025年4月1日施行の改正で、べた基礎・布基礎は地盤の強さにかかわらず鉄筋コンクリート造となりました(令和6年国土交通省告示第1005号。それまであった、強固な地盤で無筋コンクリート造を認める規定は削除)。
長期と短期の違い — 施行令第82条
- 長期に生ずる力 — 常時の状態で、固定荷重と積載荷重を合わせた力です(多雪区域では、積雪荷重の0.7倍を加えた積雪時の力も長期に含めます)。
- 短期に生ずる力 — 積雪時・暴風時・地震時に、固定荷重と積載荷重に積雪荷重・風圧力・地震力を加えた力です。
建物の重さのように長く作用する力には小さい長期の値を、地震のように一時的な力には大きい短期の値を使って、地盤に生じる力が許容応力度を超えないことを確かめます。
地盤調査の方法 — 平成13年国土交通省告示第1113号
第93条本文の「国土交通大臣が定める方法」は平成13年国土交通省告示第1113号で、第1に地盤調査の方法、第2以降に調査結果から許容応力度などを定める方法が定められています。第1の調査方法は、ボーリング調査、動的貫入試験(標準貫入試験を含む)、静的貫入試験、ベーン試験、土質試験、物理探査、平板載荷試験、載荷試験、くい打ち試験、引抜き試験の10種類です。
戸建住宅の地盤調査に使われるスクリューウエイト貫入試験(旧称スウェーデン式サウンディング試験)は、静的貫入試験に位置づけられます。2024年7月9日の告示改正で、試験方法のJIS A 1221の名称変更(2020年)に合わせて告示第2の中の試験名も改められ、同時に第1の「標準貫入試験」は「動的貫入試験」に改められました。試験結果から許容応力度を求める式と適用条件は、告示第1113号第2で確認してください。
間違えやすいポイント
- 「砂質地盤」と「密実な砂質地盤」を取り違える — 長期で50kN/m²と200kN/m²、4倍の差があります。
- 液状化のおそれがある砂質地盤に50kN/m²を使う — 表の「砂質地盤」は、地震時に液状化のおそれのないものに限られます。
- 短期の値で基礎の構造を選ぶ — 告示第1347号の20・30kN/m²の区分は、長期に生ずる力に対する許容応力度で判断します。
- kN/m²を10で割った値を正確なt/m²とみなす — kN/m²の値を10で割るとおよそのt/m²になりますが、30kN/m²は正確には約3.06t/m²です(9.80665で割る)。目安として1t/m²≒10kN/m²と扱う場合は、その丸めを意識してください。
- 古い資料の「無筋コンクリートの基礎」を使う — 2025年4月1日以降は、べた基礎・布基礎とも鉄筋コンクリート造です。
よくある質問
Q1. 地盤の許容応力度(地耐力)の表の数値は?
A. 長期で岩盤1,000、密実な砂質地盤200、ローム層50、粘土質地盤20kN/m²などで、短期はその2倍です。
Q2. 地盤の許容応力度の長期と短期の違いは?
A. 長期は常時、短期は積雪・暴風・地震時の力に対する値で、表では短期=長期の2倍です。
Q3. 表の数値を使えば地盤調査はいらない?
A. 原則は地盤調査の結果から定めることです。表の地盤に当たる場合は表の数値を使えますが、どの種類に当たるかは確かめる必要があります。
Q4. 地耐力30kN/m²は何t/m²?
A. 約3.06t/m²です(30÷9.80665)。20kN/m²は約2.04t/m²です。
Q5. 地耐力によって基礎の種類は決まる?
A. 長期で20未満は基礎ぐい、20〜30未満はくい又はべた基礎、30以上なら布基礎も可です(告示第1347号)。ただし、構造計算で基礎の安全を確かめた場合や、木造の茶室、延べ10m²以内の物置、門・塀、階数が1のコンテナ等を利用した建築物などで基礎の安全を確かめた場合は、この区分によらないことができます。
Q6. 液状化のおそれがある砂質地盤の許容応力度は?
A. 表の50kN/m²は使えません。地盤調査の結果に基づいて定めます。
Q7. スクリューウエイト貫入試験とスウェーデン式サウンディングの違いは?
A. 告示上は同じ試験で、名称が変わったものです(JIS A 1221自体は2020年版に改正)。JISの名称変更(2020年)に合わせ、告示第1113号第2の中の試験名が2024年7月9日に改められました。
関連する早見表
- 積載荷重 — 施行令第85条の床・基礎の荷重
- コンクリート配合 — 基礎のコンクリート
- 鉄筋早見表 — 基礎の鉄筋の重量・かぶり厚
- コンクリートブロック — ブロック塀の基礎と高さ
- 勾配換算 — 敷地・法面の勾配
出典・参考
- 建築基準法施行令 第93条(地盤及び基礎ぐい) — 本文・ただし書・表(地盤の種類ごとの長期・短期の許容応力度)。ほかに第38条第3項・第4項(基礎)、第82条第2号の表(長期・短期に生ずる力)。e-Gov法令検索(法令API)の現行条文(令和7年政令第377号による改正、2025年12月1日施行版)で確認
- 平成12年建設省告示第1347号(建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件) — 第1第1項(地盤の長期許容応力度による基礎の構造)・第3項・第4項・第5項(区分によらないことができる建築物)。現行の条文は、令和6年国土交通省告示第1005号の新旧対照表(第4条の改正後欄、2025年4月1日施行。PDF)と、令和7年国土交通省告示第215号の新旧対照表(第3条の改正後欄。2025年3月27日公布・4月1日施行。第1第5項を新設し、コンテナ等を利用した建築物を追加。PDF)で確認。同告示第215号の技術的助言 国住指第502号 令和7年4月1日(PDF)。参考: 国土交通省 告示データベース掲載本文は平成12年の制定時の本文で、その後の改正は反映されていません(現行の条文ではありません)
- 平成13年国土交通省告示第1113号(地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地盤調査の方法等を定める件) — 令和6年国土交通省告示第1005号 第8条(第1第二号・第2の名称改正)、国住指第276号 令和6年10月25日 技術的助言 第4・第6(PDF)、平成17年意見募集時の新旧対照条文の前文(PDF)、平成13年意見募集結果の国土交通省の考え方(静的貫入試験の位置づけ、PDF)、平成20年度建築基準整備促進補助金事業の報告(告示第1の調査方法の一覧、PDF)
※ 短期の値は、条文で長期の数値の2倍とされているものを計算して書き入れたものです。t/m²は1t/m²=9.80665kN/m²として当サイトが換算し、小数第2位に四捨五入した参考値です(条文の単位はkN/m²のみ)。
※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改正・改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。
※ 本ページは条文の数値を引くための早見表です。地盤の種類の判定・地盤調査・基礎の選定は建物の安全に直結します。設計・施工の判断は、原典(法令・告示)と特定行政庁の取扱いを確認し、建築士などの有資格者の確認のうえで行ってください。
※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。
最終更新: 2026-10-07