濃度換算ツール
質量%・体積%・mol/L(モル濃度)・ppm・ppb・mg/L・g/Lの相互換算。希釈計算と主要薬品の市販濃度・調製計算も収録(密度1g/mLの希薄水溶液を仮定)。
基本換算
換算結果
※密度1g/mLの希薄水溶液を仮定。濃溶液・有機溶媒では密度補正が必要。
%・ppm・ppb・mg/L 対応早見表
| 質量% | ppm | ppb | mg/L(≒) | g/L(≒) |
|---|---|---|---|---|
| 1% | 10,000 | 10,000,000 | 10,000 | 10 |
| 0.1% | 1,000 | 1,000,000 | 1,000 | 1 |
| 0.01% | 100 | 100,000 | 100 | 0.1 |
| 0.001% | 10 | 10,000 | 10 | 0.01 |
| 0.0001% | 1 | 1,000 | 1 | 0.001 |
| 0.00001% | 0.1 | 100 | 0.1 | 0.0001 |
※mg/L・g/L欄は密度1g/mLの希薄水溶液の場合。「%→ppmは小数点を4桁ずらす(×10,000)」と覚えると速い。
モル濃度(mol/L)換算
分子量と密度から モル濃度 ↔ 質量% を換算します。
計算式: mol/L = (質量% × 密度 × 10) ÷ 分子量
希釈計算 (C1V1 = C2V2)
濃溶液から所定濃度の希釈液を調製する量を計算します。
必ず水に酸を少しずつ加える(逆順厳禁)。濃硫酸の希釈は特に注意。
主要薬品の市販濃度
| 薬品 | 分子量 (g/mol) | 市販濃度 (質量%) | 密度 (g/mL) | モル濃度 (mol/L) | 用途・備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 塩酸 HCl | 36.46 | 35〜37% | 1.17〜1.19 | 11.3〜12.0 | 金属洗浄・分析・酸化還元滴定 |
| 濃硫酸 H2SO4 | 98.08 | 96〜98% | 1.84 | 18.0〜18.4 | 脱水剤・電池液・分析 |
| 希硫酸 | 98.08 | 10〜35% | 1.07〜1.26 | 1.1〜4.5 | 滴定標準・洗浄 |
| 濃硝酸 HNO3 | 63.01 | 60〜70% | 1.37〜1.42 | 13.0〜15.8 | 金属溶解・酸化剤・分析 |
| 過塩素酸 HClO4 | 100.46 | 60〜70% | 1.54〜1.67 | 9.2〜11.6 | 分析・滴定基準液 |
| リン酸 H3PO4 | 98.00 | 85% | 1.69 | 14.7 | 化学処理・食品酸味料 |
| 酢酸(氷酢酸) CH3COOH | 60.05 | 99%以上 | 1.05 | 17.4 | 有機合成・滴定基準 |
| 水酸化ナトリウム NaOH(固形) | 40.00 | 純度97%以上 | 2.13(固体) | — | 苛性ソーダ・脱脂・中和 |
| NaOH 30%水溶液 | 40.00 | 30% | 1.33 | 9.97 | 液体苛性ソーダ・市販工業品 |
| 水酸化カリウム KOH | 56.11 | 純度85%以上 | 2.04(固体) | — | 苛性カリ・電池 |
| アンモニア水 NH3 | 17.03 | 28% | 0.90 | 14.8 | 分析・冷媒・洗浄 |
| 過酸化水素 H2O2 | 34.01 | 30〜35% | 1.11〜1.13 | 9.8〜11.6 | 酸化漂白・消毒(6%超は劇物) |
| エタノール C2H5OH | 46.07 | 99.5%(無水) | 0.79 | 17.1 | 溶媒・消毒(消毒用は76.9〜81.4vol%) |
| メタノール CH3OH | 32.04 | 99.5% | 0.79 | 24.6 | 溶媒・燃料(劇物) |
| ホルマリン HCHO | 30.03 | 37%(メタノール含) | 1.09 | 13.4 | 標本固定・消毒(劇物) |
※密度・モル濃度は20℃の代表値。実際の調製時は試薬瓶のラベル(濃度・密度・分析値)を必ず確認してください。
調製の逆引き表(1Lあたりの採取量の目安)
| 調製したい溶液(1L) | 原料 | 採取量の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 mol/L 塩酸 | 35%塩酸(11.3mol/L) | 約89mL | 水で1Lに定容 |
| 0.1 mol/L 塩酸 | 35%塩酸(11.3mol/L) | 約8.9mL | 滴定用は標定してファクターを求める |
| 1 mol/L 硫酸 | 98%硫酸(18.4mol/L) | 約54mL | 必ず水に酸を少しずつ加える |
| 0.5 mol/L(1N) 硫酸 | 98%硫酸(18.4mol/L) | 約27mL | H2SO4は2価のため1N=0.5mol/L |
| 1 mol/L 硝酸 | 70%硝酸(15.8mol/L) | 約63mL | ドラフト内で調製 |
| 1 mol/L 水酸化ナトリウム | 固形NaOH(純度97%) | 約41g | 40.0g÷0.97≒41.2g。溶解熱とCO2吸収に注意 |
| 1 mol/L アンモニア水 | 28%アンモニア水(14.8mol/L) | 約68mL | 揮発しやすいため使用直前に調製 |
※採取量は上表の代表濃度からの概算(必要mol数÷原液のmol/L)。正確な濃度が必要な滴定用途では、JIS K 8001に基づくファクター標定または市販の容量分析用標準液を使用してください。
濃度表記の定義
| 表記 | 定義 | 用途 |
|---|---|---|
| 質量% (w/w%) | 溶質の質量÷溶液全体の質量×100 | 固体・液体の混合比、市販薬品濃度 |
| 体積% (v/v%) | 溶質の体積÷溶液全体の体積×100 | 液体同士の混合比、アルコール度数 |
| 質量/体積% (w/v%) | 溶質の質量(g)÷溶液体積(mL)×100 | 医薬・生化学(生理食塩水0.9%等) |
| モル濃度 (mol/L, M) | 溶質のモル数÷溶液体積(L) | 化学反応・滴定・分析の基本 |
| 質量モル濃度 (mol/kg, m) | 溶質のモル数÷溶媒質量(kg) | 束一的性質(沸点上昇等) |
| ppm (parts per million) | 百万分率 (1ppm = 0.0001%) | 水質・大気汚染基準 |
| ppb (parts per billion) | 十億分率 (1ppb = 0.001ppm) | 環境基準・微量分析 |
| mg/L | 1L中のmg数 | 水質基準・栄養成分 |
| 規定度 (N, 当量濃度) | 溶質の当量数÷溶液体積(L) | 酸塩基滴定 (HCl 1N=1mol/L、H2SO4 1N=0.5mol/L) |
濃度の表し方と換算の原理
濃度は、溶質が溶媒や溶液にどれだけ含まれるかの割合です。質量%・体積%・モル濃度(mol/L)・ppmなど複数の表し方があり、目的に応じて使い分けます。これらを相互に換算するには、密度や分子量の情報が必要になります。
モル濃度は化学反応の量論(物質量)を扱うのに便利で、質量%は調製が簡単という利点があります。このため分野によって慣用される単位が異なります。
希釈の計算は、溶質の量が変わらないことからC1V1=C2V2で求められます。溶液の体積は温度で変化するため、濃度は基準温度(20℃など)で規定されます。試薬ラベルの値を確認するのが確実です。
実務で本当に起きる取り違え
「%」が3種類あることが最大の罠です。試薬瓶の「塩酸35%」は質量%(w/w)、消毒用エタノールの「76.9〜81.4%」は体積%(v/v)、生理食塩水の「0.9%」は質量/体積%(w/v)で、それぞれ分母が違います。希薄水溶液なら差はわずかですが、密度1.18の35%塩酸ではw/w%とw/v%が2割近くずれます(35w/w%=約41w/v%)。手順書に「%」とだけ書かれていたら、どの%なのかを計算より先に確認してください。
C1V1=C2V2を質量%のまま体積で使うと、狙いの濃度からずれます。この式が厳密に成り立つのはmol/Lやw/v%など「体積あたり」の濃度だけです。例えば35%塩酸286mLを水714mLに加えて調製すると、密度差(原液1.18に対し希釈液は約1.05)のため実際は約11%となり、狙いの10%より1割ほど濃くなります(密度が水より大きい酸では濃い側、アンモニア水のように密度が水より小さい溶液では薄い側にずれます)。厳密に作るなら質量ベース(35%塩酸286gに水714gを加える)にするか、mol/Lに直してから体積で計算します。またエタノールと水は混合で体積が縮み、50mL+50mLは約96mLにしかなりません。メスフラスコで「全量を1Lに定容する」操作が、体積の足し算に頼らない確実な方法です。
同じppmでも、水質と大気では基準が違います。水質分析のppmは質量比(mg/kg≒mg/L)ですが、大気汚染や作業環境測定のppmは体積(モル)比で、大気中CO2の濃度(420ppm台)も体積比です。ガス濃度をmg/m3へ直すには分子量と温度の補正が必要で、単純に1ppm=1mg/m3とはなりません。また海水(密度約1.02〜1.03)のように密度が1g/mLでない試料では、1mg/L=1mg/kgの近似が2〜3%ずれることにも注意してください。
よくある質問
Q. 質量%とmol/Lはどう変換する?
A. mol/L = (質量% × 密度 × 10) ÷ 分子量。例: 35%塩酸(密度1.18g/mL, 分子量36.46) → (35×1.18×10)÷36.46 = 11.33 mol/L。
Q. ppmとmg/Lの関係は?
A. 希薄水溶液(密度≒1g/mL)では 1ppm ≒ 1mg/L。厳密には 1ppm = 1mg/kg で、密度1の水溶液で同値。海水・濃溶液では密度補正が必要。
Q. 希釈計算の式は?
A. C1×V1 = C2×V2(濃度×体積=希釈後濃度×希釈後体積)。例: 35%塩酸から10%溶液を1000mL作る場合、必要な原液量 V1 = (10×1000)÷35 = 286mL を 714mLの水に加える(必ず水→酸の順)。
Q. 市販薬品の濃度は?
A. 塩酸=35%(11.3mol/L)・濃硫酸=98%(18.4mol/L)・濃硝酸=70%(15.8mol/L)・NaOH固形=純度97%以上・アンモニア水=28%(14.8mol/L)が一般的。
Q. 濃硫酸の希釈順序は?
A. 必ず「水に酸を少しずつ加える」。逆順(酸に水)は急激な発熱で突沸の危険があり厳禁。希釈時は撹拌しながら徐々に。
Q. w/w%とw/v%はどう違う?
A. w/w%は溶液100gあたりの溶質g、w/v%は溶液100mLあたりの溶質g。生理食塩水0.9%はw/v%で、1Lに9gのNaCl(0.154mol/L)。密度1g/mL付近の希薄水溶液ではほぼ一致するが、35%塩酸(密度1.18)では約41w/v%に相当し2割近くずれる。
Q. 規定度(N)とmol/Lの換算は?
A. N = mol/L × 価数。1価のHCl・NaOHは1N=1mol/L、2価のH2SO4は1N=0.5mol/L。現行JISではmol/L表記が基本で、規定度は古い手順書や現場の慣用に残る表記。
関連する早見表
- 肥料希釈計算早見表 — 液肥・農薬の希釈倍率計算
- 純アルコール量早見表 — 度数と量からの換算
- 点滴滴下速度早見表 — 輸液の投与速度計算
- 危険物UN番号早見表 — 薬品輸送の危険物分類
- 尺貫法換算早見表 — 長さ・重さ・体積の単位換算
出典・参考
- JIS K 0050「化学分析方法通則」
- JIS K 8001「試薬試験方法通則」
- 日本薬局方(医薬品試薬の規格)
- 化学便覧(日本化学会)
- 各試薬メーカー(富士フイルム和光純薬・関東化学・キシダ化学・林純薬)製品安全データシート
- 本表の市販濃度・密度・モル濃度の数値はJIS K 0050:2019・JIS K 8001:2017および各試薬メーカー公表の試薬規格値と照合(2026-07-18)
※薬品の取扱は安全第一。劇物・毒物は資格者管理下で。希釈順序・換気・保護具の遵守をお願いします。
最終更新: 2026-07-18