スペック早見表

普通公差(一般公差)早見表|JIS B 0405の精級f・中級m・粗級c・極粗級v

図面に公差が書かれていない寸法は、表題欄の普通公差で許容差が決まります。中級mなら30〜120mmで±0.3、6〜30mmで±0.2。JIS B 0405の3つの表(長さ・面取り部・角度)をそのまま並べました。

📐 普通公差 判断即答ボックス

公差指示のない寸法表題欄の等級で決まるJIS B 0405-m などの記載を探す
中級m・30超120以下±0.36超30以下は±0.2
精級f・6超30以下±0.1中級の半分
C面・R面の寸法表1ではなく表2f・mは同値(±0.2/±0.5/±1)
角度の区分短い方の辺の長さ角度の大きさではない
H7・g6が付いた寸法普通公差はかからない個別指示が優先

このページについて

図面の寸法に公差が書かれていないとき、その寸法は「どこまでズレてよいか」を表題欄の普通公差(一般公差)が決めています。根拠はJIS B 0405-1991(ISO 2768-1の翻訳)で、精級f・中級m・粗級c・極粗級vの4等級。中級mが指示されている図面がもっとも多く、加工・検査の現場では「30〜120で±0.3」のような読み方が日常的に必要になります。はめあい公差(H7・g6など)とは別の規格である点に注意してください。

表1: 面取り部分を除く長さ寸法の許容差(JIS B 0405 表1)

よく使う:
公差等級0.5以上
3以下
3超
6以下
6超
30以下
30超
120以下
120超
400以下
400超
1000以下
1000超
2000以下
2000超
4000以下
f 精級±0.05±0.05±0.1±0.15±0.2±0.3±0.5
m 中級±0.1±0.1±0.2±0.3±0.5±0.8±1.2±2
c 粗級±0.2±0.3±0.5±0.8±1.2±2±3±4
v 極粗級±0.5±1±1.5±2.5±4±6±8

単位はmm。基準寸法の区分は「0.5以上3以下」から始まります(0.5mm未満の寸法には普通公差を適用せず、個々に指示する)。精級fの2000超4000以下、極粗級vの0.5以上3以下は規定がありません。

表2: 面取り部分の長さ寸法の許容差(JIS B 0405 表2)

公差等級0.5以上3以下3超6以下6を超えるもの
f 精級・m 中級±0.2±0.5±1
c 粗級・v 極粗級±0.4±1±2

単位はmm。対象はかどの丸み(R)とかどの面取り(C)の寸法です。精級と中級が同じ値、粗級と極粗級が同じ値になっているのがこの表の特徴で、表1の感覚で読むと外します。C面・R面の指示は面取り・C面R面もあわせて確認してください。

表3: 角度寸法の許容差(JIS B 0405 表3)

公差等級10以下10超50以下50超120以下120超400以下400を超えるもの
f 精級・m 中級±1°±30′±20′±10′±5′
c 粗級±1°30′±1°±30′±15′±10′
v 極粗級±3°±2°±1°±30′±20′

区分は対象とする角度の短い方の辺の長さ(mm)です。角度そのものの大きさではありません。短い辺が長いほど許容差は小さくなります(±1°→±5′)。′は分で、1°=60′。

図面での指示のされ方

普通公差は、図面の表題欄またはその近くに「JIS B 0405-m」「一般公差 JIS B 0405-中級」のように記載されて初めて適用されます。等級記号は f(精級)・m(中級)・c(粗級)・v(極粗級)。社内標準で「普通公差は中級による」と決めている工場も多く、その場合は個別図面に書かれていないこともあります。

普通公差が適用されない寸法もあります。JIS B 0405では、括弧内に指示した参考寸法と、長方形の枠内に指示した理論的に正しい寸法には適用しないと定めています。また、個々に公差が直接指示された寸法は当然そちらが優先です。

適用範囲は金属の除去加工または板金成形によって製作した部品の寸法で、金属以外の材料に適用してもかまいません。鋳造品には別にJIS B 0403(鋳造品−寸法公差方式)があり、仕上げ面と未仕上げ面の間の寸法では、問題となる2つの普通公差のうち大きいほうを適用します。

はめあい公差との違い

混同されやすいのですが、両者は別の規格です。

  • 普通公差(JIS B 0405) — 公差の指示がない寸法に、あとからまとめてかかる公差。図面全体に1つの等級が適用される。
  • はめあい公差(JIS B 0401 / H7・g6など) — 軸と穴を組み合わせるために、その寸法だけに個別指示する公差。すきま・しめしろを設計する。

φ20H7と書かれた穴に普通公差はかかりません。逆に、はめあいに関係しない外形寸法は、いちいち公差を書かずに普通公差へ委ねるのが図面のセオリーです。穴・軸のはめあい値ははめあい公差 一覧表で引けます。幾何公差の指示がない場合の普通幾何公差はJIS B 0419が受け持ちます(幾何公差記号)。

間違えやすいポイント

  • 面取り部を表1で読む — C面・R面は表2です。中級なら6mm超で±1と、表1よりかなり緩くなります。
  • 角度を「角度の大きさ」で区分する — 表3の区分は短い方の辺の長さです。
  • 精級fと中級mを表2・表3で別扱いする — 面取り部と角度では、fとmは同じ値です。
  • 等級指示がないのに普通公差を当てにする — 表題欄に記載がなければ、社内標準や取り決めの確認が必要です。
  • はめあい公差と混ぜる — 個別指示(H7・g6等)がある寸法に普通公差はかかりません。

よくある質問

Q1. 図面に公差が書いていない寸法はどこまで許される?

A. 表題欄の普通公差の等級で決まります。中級mなら6超30以下=±0.2、30超120以下=±0.3、120超400以下=±0.5(JIS B 0405表1)。等級の記載がなければ社内標準の確認が必要です。

Q2. 普通公差の中級(m)とは何mmの誤差?

A. 寸法区分ごとに変わります。中級mは±0.1(3以下・6以下)/±0.2(30以下)/±0.3(120以下)/±0.5(400以下)/±0.8(1000以下)/±1.2(2000以下)/±2(4000以下)です。

Q3. 面取り(C面)の普通公差は長さと同じ表を使う?

A. 違います。表2を使います。f・mが同値で±0.2/±0.5/±1、c・vが同値で±0.4/±1/±2(区分は0.5〜3・3超6以下・6超)。

Q4. 角度の普通公差はどう読む?

A. 短い方の辺の長さで区分します(角度の大きさではない)。f・mは±1°/±30′/±20′/±10′/±5′、cは±1°30′/±1°/±30′/±15′/±10′、vは±3°/±2°/±1°/±30′/±20′です。

Q5. 普通公差とはめあい公差(H7・g6)の違いは?

A. 普通公差は指示のない寸法に図面全体でかかる公差、はめあい公差(H7・g6)はその寸法だけに個別指示する公差です。個別指示がある寸法に普通公差はかかりません。

Q6. 普通公差が適用されない寸法はある?

A. あります。括弧内の参考寸法枠内の理論的に正しい寸法は対象外です。未仕上げ面と仕上げ面の間の寸法は、2つの普通公差のうち大きいほうを適用します。

Q7. 普通公差の等級はどう選べばいい?

A. JISは「個々の工場で通常に得られる加工精度を考慮して選ぶ」としています。機能上より厳しい/緩い公差が要る寸法は、個別に指示するのが本来の使い方です。

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出典・参考

  • JIS B 0405-1991「普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差」(ISO 2768-1:1989の翻訳) — 表1(面取り部分を除く長さ寸法の許容差)・表2(面取り部分の長さ寸法の許容差)・表3(角度寸法の許容差)の全数値、適用範囲、参考寸法・理論的に正しい寸法への不適用、公差等級の選び方

※ 本ページは規格値を引くための早見表です。実際の採否判定は、その図面に指示された等級と社内の検査基準によってください。普通公差は図面または関連文書にこの規格が引用されているときに適用されます。

最終更新: 2026-09-14