足場の基準早見表|作業床の幅40cm・手すり85cm・壁つなぎ間隔(労働安全衛生規則)
足場の数字は労働安全衛生規則の条文そのものです。作業床の幅40cm、床材間のすき間3cm、手すり85cm——現場で確認を求められたときに、条文番号ごと引けるようにまとめました。単管とわく組で値が変わる壁つなぎの間隔も1枚に入れています。
🏗️ 足場 判断即答ボックス
このページについて
足場の寸法は「現場の慣習」ではなく労働安全衛生規則(安衛則)の条文そのもので決まっています。数字を覚え違えると、是正勧告だけでなく墜落事故に直結します。本ページは、くさび緊結式・単管・わく組のいずれでも共通して効いてくる作業床・手すり・壁つなぎ・資格の基準値を条文番号つきで引くための表です。個別の足場の設計・組立可否の判断は、足場の組立て等作業主任者と元請の施工計画によってください。
表1: 作業床の寸法基準(安衛則 第563条)
| 項目 | 基準値 | 条文・条件 |
|---|---|---|
| 作業床の幅 | 40cm以上 | 第563条第1項第二号イ(つり足場を除く) |
| 床材間のすき間 | 3cm以下 | 第563条第1項第二号ロ |
| 床材と建地とのすき間 | 12cm未満 | 第563条第1項第二号ハ |
| 手すり(手すり等)の高さ | 85cm以上 | 第552条第1項第四号イの定義を準用 |
| 中桟(中桟等)の高さ | 35cm以上50cm以下 | 第552条第1項第四号ロの定義を準用 |
| わく組足場の墜落防止設備 | 交さ筋かい+下桟15〜40cm または幅木15cm以上/手すりわく | 第563条第1項第三号イ |
| わく組足場以外の墜落防止設備 | 手すり等+中桟等 | 第563条第1項第三号ロ |
| 物体落下防止の幅木 | 高さ10cm以上 (メッシュシート・防網でも可) | 第563条第1項第六号 |
| 作業床が必要になる高さ | 2m以上 | 第563条第1項(一側足場を除く)・第518条 |
※ 第563条第1項第三号の墜落防止設備は「丈夫な構造で、たわみが生ずるおそれがなく、著しい損傷・変形・腐食がないもの」に限られます。作業の必要上一時的に取り外す場合の免除規定(同条第4項)は、墜落制止用器具を安全に取り付ける設備を設け、かつ使用させることなどが条件です。
表2: 壁つなぎ・控えの間隔(安衛則 第570条第1項第五号)
| 鋼管足場の種類 | 垂直方向 | 水平方向 |
|---|---|---|
| 単管足場 | 5m以下 | 5.5m以下 |
| わく組足場(高さ5m未満のものを除く) | 9m以下 | 8m以下 |
※ 対象は一側足場・本足場・張出し足場。引張材と圧縮材で構成する壁つなぎは、引張材と圧縮材の間隔を1m以内とすること(同号ハ)。数値を取り違えやすい表なので、垂直と水平で単管は垂直のほうが小さく、わく組は水平のほうが小さいと覚えると間違えにくくなります。
表3: 建地・布などの基準(安衛則 第571条第1項)
| 足場の種類 | 項目 | 基準値 |
|---|---|---|
| 単管足場 | 建地の間隔(けた行方向) | 1.85m以下 |
| 建地の間隔(はり間方向) | 1.5m以下 | |
| 地上第一の布 | 2m以下の位置 | |
| 建地間の積載荷重 | 400kgが限度 | |
| わく組足場 | 水平材 | 最上層+5層以内ごと |
| はりわく・持送りわく | 横振れ防止の措置 | |
| 高さ20m超・重量物積載時 | 主わく高さ2m以下 主わく間隔1.85m以下 |
※ 単管足場は、建地の最高部から測って31mを超える部分は鋼管を2本組とします(第571条第1項第三号。設計荷重が最大使用荷重を超えないことが確かめられた場合を除く)。
表4: 足場にかかわる資格・教育
| 場面 | 必要なもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 足場の組立て・解体・変更の作業 | 特別教育 | 安衛則第36条第三十九号(地上・堅固な床上の補助作業を除く) |
| つり足場・張出し足場・高さ5m以上の足場の組立て等 | 足場の組立て等作業主任者(技能講習) | 安衛法施行令第6条第十五号・安衛則第565条 |
| 高さ2m以上の足場の組立て等の作業 | 周知・立入禁止・悪天候時の中止・幅40cm以上の作業床 | 安衛則第564条 |
| 作業開始前の点検 | 点検者を指名し、墜落防止設備の取り外し・脱落の有無を確認 | 安衛則第567条第1項 |
| 悪天候・中震以上の地震・組立て変更の後 | 9項目の点検+結果と点検者氏名の記録・保存 | 安衛則第567条第2項・第3項 |
2024年から変わった「本足場の原則」
安衛則に第561条の2が加わり、幅が1m以上の箇所では本足場を使用しなければならないことになりました。つり足場を使うとき、障害物などで本足場が困難なときは除かれますが、「狭いから一側足場で」という従来の運用がそのまま通らない場面が出ています。
一側足場は第563条(作業床)の適用から除かれているため、幅40cm・すき間3cm・手すり85cmの基準は本足場側の話である点も混同しやすいところです。足場まわりでは単管パイプ規格で部材寸法を、フルハーネス規格で墜落制止用器具の選定を確認してください。
間違えやすいポイント
- 「すき間3cm」と「12cm」を取り違える — 3cmは床材どうし、12cmは床材と建地の間です。
- 手すり85cmを「1m」と覚えている — 条文は85cm以上。中桟は35〜50cmの範囲指定です。
- 壁つなぎの垂直・水平を逆にする — 単管は垂直5m/水平5.5m、わく組は垂直9m/水平8m。
- 特別教育と作業主任者を同じものと思う — 組立て作業そのものは特別教育、5m以上等では加えて作業主任者の選任が必要です。
- 点検記録を残していない — 悪天候・地震・組立て変更後の点検は記録し、足場を使う仕事が終わるまで保存が必要です。
よくある質問
Q1. 足場の作業床の幅は何cm以上必要?
A. 40cm以上です(安衛則第563条第1項第二号イ、つり足場を除く)。あわせて床材間のすき間3cm以下・床材と建地のすき間12cm未満。適用は一側足場を除く高さ2m以上の作業場所です。
Q2. 足場の手すりの高さは?
A. 85cm以上です(安衛則第552条第1項第四号イの定義)。足場では加えて中桟35〜50cmが必要。わく組足場は交さ筋かい+下桟15〜40cm(もしくは幅木15cm以上)、または手すりわくでも可です。
Q3. 壁つなぎの間隔は単管足場とわく組足場で違う?
A. 違います。単管足場=垂直5m・水平5.5m、わく組足場(高さ5m未満を除く)=垂直9m・水平8m(安衛則第570条第1項第五号イ)。単管は垂直が小さく、わく組は水平が小さい関係です。
Q4. 足場の組立てに資格は必要?
A. 必要です。作業者本人は特別教育(安衛則第36条第三十九号)。さらにつり足場・張出し足場・高さ5m以上では足場の組立て等作業主任者の選任が要ります(令第6条第十五号・則第565条)。
Q5. 単管足場の建地の間隔と積載荷重は?
A. けた行方向1.85m以下・はり間方向1.5m以下、地上第一の布は2m以下、建地間の積載荷重は400kgが限度(第571条第1項)。最高部から31mを超える部分の建地は2本組です。
Q6. 足場の点検はいつ必要?
A. その日の作業開始前に点検者を指名して墜落防止設備の取り外し・脱落を確認(第567条第1項)。加えて悪天候・中震以上の地震・組立て変更の後は9項目を点検し、結果と点検者氏名を記録・保存します(同条第2項・第3項)。
Q7. 一側足場はどんなときに使える?
A. 幅1m以上の箇所では本足場が原則です(安衛則第561条の2)。例外はつり足場を使うときと、障害物等で本足場が困難なとき。作業床の幅40cm等を定める第563条は一側足場を適用除外としており、適用条文自体が異なります。
関連する早見表
出典・参考
- 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号) — 第518条(作業床の設置等)・第552条(架設通路。手すり等・中桟等の定義)・第561条の2(本足場の使用)・第562条(最大積載荷重)・第563条(作業床)・第564条(組立て等の作業)・第565条(作業主任者の選任)・第567条(点検)・第570条(鋼管足場)・第571条(部材を用いる鋼管足場)・第36条(特別教育を必要とする業務)。e-Gov法令検索の条文で確認
- 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号) — 第6条第十五号(足場の組立て等作業主任者を選任すべき作業)
※ 本ページは条文の基準値を引くための早見表です。個別の足場の設計・組立可否・安全性の判断は、足場の組立て等作業主任者、元請の施工計画、足場メーカーの取扱説明書に従ってください。くさび緊結式足場など製品ごとの仕様(許容荷重・組立手順)は、各メーカーの指定が優先します。
最終更新: 2026-09-14