スペック早見表

Vベルト早見表|M・A・B・C・D形の断面寸法と呼び番号の読み方(JIS K 6323)

工場のポンプ・送風機・コンプレッサで使う一般用Vベルト(JIS K 6323)の断面5種類の寸法と、「A33」「B45」といった型番(呼び番号)の読み方を一覧。呼び番号は長さのインチ表示(A33≒838mm)です。交換ベルトの型番確認、摩耗ベルトの断面の見分け、細幅Vベルト(3V/5V/8V)との違いまで1ページで確認できます。

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A形上幅12.5×厚さ9.0mm小型機械の定番
B形上幅16.5×厚さ11.0mm中負荷の定番
呼び番号長さのインチ表示A33 → 33×25.4≒838mm
V角度40度M〜D形共通(JIS K 6323)
断面の見分け上幅を測る10/12.5/16.5/22/31.5mm
複数本掛け全本同時交換1本だけ交換はNG

このページについて

Vベルトはモーターの動力をプーリ経由で機械に伝える伝動ベルトで、断面が台形(V形)をしていることからこの名があります。本ページはJIS K 6323:2008(一般用Vベルト)に基づく断面寸法と呼び方の早見表です。適用範囲は一般の動力伝達用で、自動車用ベルトは含まれません。プーリ側の溝はJIS B 1854(一般用Vプーリ)に規定されています。

表1: Vベルトの断面寸法(JIS K 6323:2008)

上幅bt=ベルト上面の幅、厚さh=断面の高さ。V角度は40度。負荷が大きいほどM→A→B→C→Dと大きい断面を使います。

よく使う:
種類上幅 bt
(mm)
厚さ h
(mm)
V角度
(度)
使われ方の目安
M形10.05.540小型機械・軽負荷(換気扇・小型ポンプ等)
A形12.59.040小〜中型機械の定番(ポンプ・農機等)
B形16.511.040中負荷の定番(送風機・コンプレッサ等)
C形22.014.040大型機械・重負荷
D形31.519.040大出力の産業機械

※ JIS K 6323:2008に規定される断面はM・A・B・C・Dの5種類です。それより大きいE形などは旧規格・メーカー規格の系列です。

表2: 呼び番号と長さの対応(読み方)

呼び番号は長さのインチ表示で、呼び番号×25.4mmがおおよその長さです。JISの呼び方は「一般用Vベルト A 80」または長さmm表示の「A 2032」。正確な長さと許容差はJIS K 6323の表(呼び番号20〜330)によります。

呼び番号の例長さの目安
(呼び番号×25.4mm)
型番表記の例
20約508mmA20・B20 など
33約838mmA33(小型機械で頻出)
45約1143mmB45 など
60約1524mmA60・B60 など
80約2032mmJISの例示: A 80(=A 2032)
100約2540mmB100・C100 など
120約3048mmC120 など
150約3810mmC150・D150 など

※ ベルト側面には「A33」のように種類+呼び番号が印刷されています。交換時はこの印刷をそのまま読むのが最も確実です(消えている場合は上幅の実測+プーリ溝の確認)。

よくある間違い

  • 呼び番号をmm長さと誤読する — A33は「33cm」でも「330mm」でもなく、33インチ≒838mmです。
  • 断面違いのベルトをプーリに掛ける — A用プーリにB形は掛かりません(逆も不可)。滑り・脱落・溝の異常摩耗の原因です。
  • 複数本掛けの1本だけ交換 — 新旧の伸び差で新しい1本に荷重が集中し早期破断します。全本同時交換が原則です。
  • 細幅Vベルト(3V/5V/8V)と一般用(A/B/C)の混同 — 別系列・別プーリです。型番の頭の記号で系統を確認してください。
  • 摩耗したベルトの幅で断面を判定する — 使用品は痩せています。プーリ溝の幅・角度も合わせて確認します。
  • こじ入れ(ドライバー等でプーリに無理に掛ける) — 心線(抗張体)が切れて早期破断します。軸間距離を縮めて掛けるのが正しい方法です。
  • 張りの管理をしない — 緩みは滑り・発熱・鳴き、張りすぎは軸受損傷の原因。メーカーのたわみ量管理に従います。

Vベルトのしくみと規格の背景

Vベルトが平ベルトより大きな動力を伝えられるのは、台形断面がプーリのV溝に食い込む「くさび効果」で、同じ張力でも大きな摩擦力を得られるためです。断面のV角度は40度に規格化されていますが、プーリ側の溝角度はベルトが曲がったときの断面変形を見込んで、径に応じて40度よりわずかに小さい値(JIS B 1854の規定)が使われます。ベルトとプーリが別規格でペアになっているのはこのためです。

動力を受け持つのはゴムではなく、ベルト内部に埋め込まれた心線(抗張体)です。ゴムはくさび効果と摩擦を受け持つ役割分担で、心線が一度でも折れ癖・こじりで損傷すると、外観が無事でも寿命が大きく縮みます。取り付け時に「こじ入れ禁止」なのはこのためです。

規格はベルト本体がJIS K 6323(一般用Vベルト)、プーリ溝がJIS B 1854(一般用Vプーリ)。呼び番号のインチ表示は、ベルト伝動が米国由来の技術として普及した歴史の名残で、JISでも呼び番号(インチ)とmm表示長さの併記が認められています。設計段階の選定(伝動容量・本数・軸間距離の計算)はベルトメーカーの設計資料(技術便覧)に体系化されており、本ページはその入口となる寸法・呼び方の確認用です。

よくある質問

Q1. Vベルトの「A33」はどういう意味?

A. Aが断面の種類(上幅12.5mm×厚さ9.0mm)、33が呼び番号で長さのインチ表示です。33×25.4≒838mmがベルトの長さに相当します。JIS K 6323の呼び方は「一般用Vベルト A 80」のように種類+呼び番号(または長さmm表示でA 2032)と定められています。交換時は使用中のベルトに印刷された型番をそのまま読むのが確実です。

Q2. 断面の種類(M・A・B・C・D)はどう見分ける?

A. ベルト上面の幅(上幅)を測るのが確実です。M形=10.0mm、A形=12.5mm、B形=16.5mm、C形=22.0mm、D形=31.5mm(いずれもJIS K 6323の規定値)。摩耗したベルトは幅が痩せていることがあるため、プーリ溝の幅も合わせて確認します。角度はいずれも40度です。

Q3. AベルトとBベルトは太さが違うだけ? 混用できる?

A. できません。断面が違えばプーリの溝形状も違うため、A用プーリにBベルトを掛けると正しく溝に収まらず、滑り・異常摩耗・脱落の原因になります。ベルトはプーリ溝(JIS B 1854)とセットで断面種類を合わせるのが大前提です。

Q4. 2本掛け・3本掛けのベルトは1本だけ交換していい?

A. 1本だけの交換は避け、全本数を同時に交換するのが原則です。新旧のベルトでは伸びが違うため、新しい1本だけが張って荷重を受け、早期に切れます。同時交換でも、メーカーはセット販売品(長さを揃えたもの)の使用を推奨しています。

Q5. 細幅Vベルト(3V・5V・8V)や自動車用ベルトも同じ規格?

A. 別規格です。JIS K 6323は「一般用」Vベルトの規格で、自動車用は適用範囲から除かれています。細幅Vベルト(3V/5V/8V)は同じ伝動ベルトでも断面が細く背が高い別系列で、プーリも専用です。リブ付きのリブベルト(自動車補機用など)も別物です。型番の系統(A/B/C…か3V/5V…か)を最初に確認してください。

Q6. Vベルトの張り(テンション)はどう決める?

A. スパン中央を規定の力で押したときのたわみ量で管理するのが一般的で、適正値は機器・ベルトメーカーの技術資料に軸間距離と断面種類ごとに示されています。張りすぎは軸受の早期損傷、緩すぎは滑り・発熱の原因です。本ページは寸法規格の早見表のため張力の数値は扱いません。メーカーの設計資料に従ってください。

関連する早見表

出典・参考

  • JIS K 6323:2008 — 一般用Vベルト(断面M/A/B/C/Dの寸法・V角度40度・呼び番号と長さ・呼び方)
  • JIS B 1854 — 一般用Vプーリ(溝の形状・寸法)

※ 掲載値はJIS K 6323:2008の規定に基づく基準値です。長さの正確な値と許容差は規格の表(呼び番号20〜330)、伝動容量・本数の選定はベルトメーカーの設計資料を確認してください。細幅Vベルト・自動車用ベルトは本ページの対象外です。

最終更新: 2026-07-28