スペック早見表

H形鋼 寸法・重量・断面性能早見表|JIS G 3192 規格一覧

JIS G 3192(熱間圧延形鋼)に基づくH形鋼の寸法(H×B×t₁×t₂)・断面積・単位質量kg/m・断面二次モーメントIx/Iy・断面係数Zx/Zyを、細幅・中幅・広幅の3系列・39断面で一覧表示。H-200×100×5.5×8=20.9kg/m、H-300×300×10×15=93.0kg/mなどの頻出サイズから、呼称の読み方・本数分の重量計算・SS400/SM490など材質規格との関係まで、鉄骨工事・構造設計・積算の現場で必要な情報をまとめています。

📌 即答:呼称の読み方とよく使う代表サイズ

H-200 × 100 × 5.5 × 8 は順に H(せい・高さ)200mm × B(フランジ幅)100mm × t₁(ウェブ厚)5.5mm × t₂(フランジ厚)8mm を表します。断面の上下の横板がフランジ、それをつなぐ縦板がウェブです。

寸法 H×B×t₁×t₂ (mm)単位質量 (kg/m)系列
H-150×75×5×714.0細幅
H-200×100×5.5×820.9細幅
H-250×125×6×929.0細幅
H-300×150×6.5×936.7細幅
H-400×200×8×1365.4細幅
H-100×100×6×816.9広幅
H-200×200×8×1249.9広幅
H-300×300×10×1593.0広幅

※ 重量(kg) = 単位質量(kg/m) × 長さ(m) × 本数。例:H-200×100×5.5×8 の6m材10本 = 20.9×6×10 = 1254kg

このページについて

H形鋼(Hがたこう)は断面がH形の熱間圧延形鋼で、鉄骨造の梁・柱をはじめ土木・プラント・架台など幅広く使われる代表的な構造用鋼材です。寸法・断面積・単位質量はJIS G 3192「熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差」で規定されています。本ページでは同規格の寸法表から、流通量が多く広く使われる39断面を細幅・中幅・広幅の系列別に収録しました。

「H-250×125は1mあたり何kg?」「6m材を10本吊るとき何トン?」「198×99と200×100はどう違う?」といった、鉄骨工事・構造設計・積算・鋼材手配の現場で頻発する疑問に即答できる構成です。

H形鋼 寸法・単位質量・断面性能一覧(JIS G 3192)

寸法は H(せい)×B(フランジ幅)×t₁(ウェブ厚)×t₂(フランジ厚)。単位質量は断面積×0.785(鋼の密度7850kg/m³)による規格値。Ix/Iy=断面二次モーメント(強軸/弱軸)、Zx/Zy=断面係数(強軸/弱軸)で、いずれもJIS G 3192付表(断面特性)の公表値。オレンジ網掛けは特に流通量の多い頻出サイズ。

寸法 H×B×t₁×t₂ (mm)r (mm)断面積 (cm²)単位質量 (kg/m)Ix (cm⁴)Iy (cm⁴)Zx (cm³)Zy (cm³)系列
H-100×50×5×7811.859.3018714.837.55.91細幅
H-125×60×6×8816.6913.140929.165.59.71細幅
H-150×75×5×7817.8514.066649.588.813.2細幅
H-175×90×5×8822.9018.01,21097.513821.7細幅
H-198×99×4.5×7822.6917.81,54011315622.9細幅
H-200×100×5.5×8826.6720.91,81013418126.7細幅
H-248×124×5×8831.9925.13,45025527841.1細幅
H-250×125×6×9836.9729.03,96029431747.0細幅
H-298×149×5.5×81340.8032.06,32044242459.3細幅
H-300×150×6.5×91346.7836.77,21050848167.7細幅
H-346×174×6×91352.4541.211,00079163891.0細幅
H-350×175×7×111362.9149.413,500984771112細幅
H-396×199×7×111371.4156.119,8001,450999145細幅
H-400×200×8×131383.3765.423,5001,7401,170174細幅
H-446×199×8×121382.9765.128,1001,5801,260159細幅
H-450×200×9×141395.4374.932,9001,8701,460187細幅
H-496×199×9×141399.2977.940,8001,8401,650185細幅
H-500×200×10×1613112.388.246,8002,1401,870214細幅
H-596×199×10×1513117.892.566,6001,9802,240199細幅
H-600×200×11×1713131.710375,6002,2702,520227細幅
H-148×100×6×9826.3520.71,00015013530.1中幅
H-194×150×6×9838.1129.92,63050727167.6中幅
H-244×175×7×111355.4943.66,040984495112中幅
H-294×200×8×121371.0555.811,1001,600756160中幅
H-340×250×9×141399.5378.121,2003,6501,250292中幅
H-390×300×10×1613133.310537,9007,2001,940480中幅
H-582×300×12×1713169.213398,9007,6603,400511中幅
H-588×300×12×2013187.2147114,0009,0103,890601中幅
H-594×302×14×2313217.1170134,00010,6004,500700中幅
H-100×100×6×8821.5916.937813475.626.7広幅
H-125×125×6.5×9830.0023.683929313446.9広幅
H-150×150×7×10839.6531.11,62056321675.1広幅
H-200×200×8×121363.5349.94,7201,600472160広幅
H-250×250×9×141391.4371.810,7003,650860292広幅
H-300×300×10×1513118.593.020,2006,7501,350450広幅
H-350×350×12×1913171.913539,80013,6002,280776広幅
H-400×400×13×2122218.717266,60022,4003,3301,120広幅
H-414×405×18×2822295.423292,80031,0004,4801,530広幅
H-428×407×20×3522360.7283119,00039,4005,5701,930広幅

※ r はウェブとフランジの付け根の丸み(フィレット半径)。Ix・Zxは強軸(曲げに強い向き)まわり、Iy・Zyは弱軸まわりの値で、断面二次モーメントはたわみ・剛性の検討に、断面係数は曲げ応力度の検討に使います。本表はJIS G 3192の寸法表のうち代表断面を抜粋したものです。規格には本表以外の断面もあります。

細幅・中幅・広幅の3系列

細幅系列(B ≈ H/2〜H/3)

フランジ幅Bがせい Hのおおむね1/2〜1/3の細長い断面です(100×50〜600×200)。曲げに効く方向へ材料を集中させた断面で、主に梁(大梁・小梁)に使われます。流通量が最も多く、H-200×100・H-300×150・H-400×200は鉄骨造の定番サイズです。

中幅系列(B ≈ H/2〜2H/3)

細幅と広幅の中間のプロポーションです(148×100〜594×302)。梁にも柱にも使われ、細幅より横方向(弱軸)の剛性に余裕があります。呼称は150×100・200×150・300×200・600×300のようにキリのよい数字で呼ばれますが、実寸は表のとおり148×100・194×150などになるものが多い点に注意してください。

広幅系列(H ≈ B)

せいと幅がほぼ等しい正方形に近い断面です(100×100〜400×400系列)。どの方向にも曲げ剛性のバランスが良いため、主にに使われます。H-414×405やH-428×407は呼称400×400系列の厚肉タイプで、単位質量が200kg/mを超える重量級断面です。なお、広幅をHW・中幅をHM・細幅をHNと略記することもあります。

重量計算のしかた(本数分の重量)

H形鋼の重量は表の単位質量から次の式で計算します。

重量(kg) = 単位質量(kg/m) × 長さ(m) × 本数

  • 例1:H-200×100×5.5×8(20.9kg/m)の6m材を10本 → 20.9 × 6 × 10 = 1254kg(約1.25t)
  • 例2:H-300×300×10×15(93.0kg/m)の12m材を1本 → 93.0 × 12 = 1116kg(約1.12t)
  • 例3:H-400×200×8×13(65.4kg/m)の9m材を4本 → 65.4 × 9 × 4 = 2354.4kg(約2.35t)

※ 単位質量は「断面積(cm²) × 0.785」で計算された規格値です(鋼の密度7850kg/m³)。玉掛け・運搬計画では切断代・プレート類の付加重量も別途見込んでください。

断面係数の使い方(曲げ応力度 σ=M/Z)

梁の曲げの検討では、部材に生じる最大曲げモーメントMを断面係数Zで割って曲げ応力度 σ = M / Z を求め、鋼材の許容曲げ応力度以下であることを確認します。例えばH-300×150×6.5×9(Zx=481cm³)にM=50kN・mが作用する場合、σ = 50×10⁶N・mm ÷ 481×10³mm³ ≒ 104N/mm² となり、SS400の長期許容曲げ応力度156N/mm²(=基準強度F235÷1.5)を下回るのでこの断面で成立する見込み、という使い方です。通常の梁はフランジを上下にした強軸まわりで使うためZxを用い、たわみの検討には断面二次モーメントIxを使います。なお実際の設計では横座屈・せん断・たわみ・接合部の検討も必要で、上式はあくまで断面選定の第一歩です。

なぜH形なのか(原理・背景)

梁に荷重がかかると、曲げ応力は断面の上下の縁で最大になり、断面の中心(中立軸)付近ではほぼゼロになります。H形鋼は応力が大きい上下端にフランジとして材料を集中させ、応力の小さい中央部は薄いウェブでつなぐことで、同じ重量の無垢材や角材よりはるかに大きな曲げ剛性・曲げ耐力を得る断面です。ウェブはせん断力の伝達を受け持ちます。この「材料を必要な場所にだけ置く」合理性が、H形鋼が鉄骨造の主役であり続ける理由です。

H形鋼は製鉄所で鋼片を1000℃超に加熱し、ユニバーサル圧延機で連続的に成形する熱間圧延品です。フランジの内外面が平行で厚さが一定なため、I形鋼(フランジ内面にテーパーがある)よりもボルト接合や溶接の納まりが良く、接合部の設計が容易です。JIS G 3192はこうした熱間圧延形鋼の形状・寸法・断面積・単位質量と、その許容差(製造上のばらつきの許容範囲)を定めています。

なお、同規格は2014年の改正でフィレット半径(r)の規定が見直され、一部サイズの断面積・単位質量が改正前とわずかに変わりました。例えばH-200×100×5.5×8は現行規格で20.9kg/mですが、古い便覧には旧断面に基づく21.3kg/mが載っていることがあります。積算や構造計算で新旧の値が混在しないよう注意が必要です。

使い方・選び方のポイント

使用場面

鉄骨造の梁・柱の部材選定、鋼材の発注・見積り、トラック積載や玉掛けの重量計算、構造計算の断面仮定に使います。

よくある間違い

類似断面の取り違え:198×99と200×100、298×149と300×150、396×199と400×200は呼称が同じ系列の別断面で、質量が1〜2割違います。図面のt₁×t₂まで確認します。②新旧規格値の混在:2014年改正前の資料は単位質量がわずかに大きい値(例:H-200×100=21.3kg/m)で載っていることがあります。③寸法規格と材質規格の混同:JIS G 3192は寸法の規格であり、SS400/SM490などの材質は別規格です。

選び方のコツ

①梁は細幅・柱は広幅を起点に検討 ②指定は必ずH×B×t₁×t₂の4寸法で ③重量は「kg/m × 長さ × 本数」で即算 ④材質(SS400/SM490/SN400など)を寸法とセットで明記。

よくある質問

Q1. H-200×100×5.5×8 はどう読みますか?

A. 順に「H(せい・高さ)200mm × B(フランジ幅)100mm × t₁(ウェブ厚)5.5mm × t₂(フランジ厚)8mm」を表します。単位質量は20.9kg/mです。せい×幅だけの「H-200×100」という省略呼称も使われますが、同じ系列に別断面があるため、正式にはt₁×t₂まで指定します。

Q2. H形鋼1本の重量はどう計算しますか?

A. 「単位質量(kg/m)×長さ(m)」で計算します。例えばH-300×300×10×15(93.0kg/m)の12m材なら93.0×12=1116kg(約1.12t)です。複数本ならさらに本数を掛けます。

Q3. 細幅・中幅・広幅の違いは何ですか?

A. せい(H)に対するフランジ幅(B)の比率による系列の呼び分けです。細幅はBがHのおおむね1/2〜1/3で主に梁(はり)に、広幅はH≒Bの正方形に近い断面で主に柱に、中幅はその中間で梁・柱兼用に使われます。

Q4. 古い資料と単位質量が微妙に違うのはなぜですか?

A. JIS G 3192の2014年改正でフィレット半径(r)の規定が見直され、一部サイズの断面積・単位質量が変わったためです。例えばH-200×100×5.5×8は現行規格では20.9kg/mですが、改正前の断面に基づく古い便覧・資料では21.3kg/mと記載されていることがあります。どちらの値で拾うか、関係者間で基準を揃えることが重要です。

Q5. H形鋼とI形鋼の違いは何ですか?

A. どちらも断面がH(I)形の形鋼ですが、H形鋼はフランジの内外面が平行で厚さが一定なのに対し、I形鋼はフランジ内面に勾配(テーパー)があります。H形鋼のほうがボルト接合・溶接がしやすく、現在の鉄骨造の主流はH形鋼です。

Q6. 「SS400のH形鋼」とはどういう意味ですか?

A. 寸法・形状はJIS G 3192(熱間圧延形鋼)で決まり、材質(鋼種)はSS400(JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材)、SM490(JIS G 3106 溶接構造用圧延鋼材)、SN400/SN490(JIS G 3136 建築構造用圧延鋼材)など別の規格で決まります。「SS400のH-300×150」のように寸法と材質を組み合わせて指定します。単位質量はどの鋼種でも同じです。

Q7. H-198×99とH-200×100はどう違いますか?

A. どちらも「呼称200×100」の細幅系列ですが別断面です。H-198×99×4.5×7は17.8kg/m、H-200×100×5.5×8は20.9kg/mで、質量が約15%違います。298×149と300×150、396×199と400×200なども同様の関係で、見積り・構造計算での取り違えに注意が必要です。

関連する早見表

関連規格・出典

  • JIS G 3192「熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差」 — H形鋼の寸法・断面積・単位質量の規定(本表の出典)
  • JIS G 3101(SS400等)・JIS G 3106(SM490等)・JIS G 3136(SN400/SN490等) — 材質(鋼種)の規格

※ 単位質量は断面積(cm²)×0.785(鋼の密度7850kg/m³)による規格上の計算値です。実務では必ず最新の規格票・ミルシートを確認してください。

最終更新: 2026-07-04