スペック早見表

鋼材のF値(基準強度)・許容応力度 早見表

SS400・SN400B・STKR400などは厚さ40mm以下でF=235N/mm²(40mm超100mm以下は215)、SN490B・SM490A・STKR490などは厚さ40mm以下でF=325N/mm²(40mm超100mm以下は295)。SS490は275・255と別の値です。平成12年建設省告示第2464号のF値と、建築基準法施行令第90条の式で計算した長期・短期の許容応力度を並べました。

🏗️ 鋼材のF値 判断即答ボックス

SS400・板厚20mmF = 235 N/mm²厚さ40mm以下。SN400B・STKR400も同じ
SS400・板厚50mmF = 215 N/mm²厚さ40mm超100mm以下
SN490B・板厚25mmF = 325 N/mm²40mmを超えると295
F=235の長期許容引張り156.7 N/mm²F/1.5(圧縮・曲げも同じ)
F=235の長期許容せん断90.5 N/mm²F/(1.5√3)
構造用鋼材の短期許容応力度長期の1.5倍F=235なら引張り235・せん断135.7
広告

このページについて

建築の構造計算で使う鋼材の基準強度F(F値)は、平成12年建設省告示第2464号で鋼材の種類と厚さごとに決められています。許容応力度は、建築基準法施行令第90条の式でFから求めます(構造用鋼材は長期がF/1.5、短期が長期の1.5倍。鉄筋は上限つき)。告示の表を種類ごとにまとめ、式で計算した値を並べました。

表1: 鋼材等の基準強度F — 告示第2464号 第1

区分鋼材の種類F 厚さ40mm以下
N/mm²
F 厚さ40mm超100mm以下
N/mm²
炭素鋼 構造用鋼材SS400、SM400A・B・C、SN400A・B・C、SNR400A・B、SMA400AW・AP・BW・BP・CW・CP、STK400、STKR400、STKN400W・STKN400B、SSC400、SWH400・SWH400L、SKK400、SHK400・SHK400M※1235215
炭素鋼 構造用鋼材
めっき鋼板
SGH400、SGC400、CGC400、SGLH400、SGLC400、CGLC400280(厚さの区分なし)
炭素鋼 構造用鋼材SHK490M315―(表に記載なし)
炭素鋼 構造用鋼材SS490275255
炭素鋼 構造用鋼材SM490A・B・C、SM490YA・YB、SN490B・C、SNR490B、SMA490AW・AP・BW・BP・CW・CP、STK490、STKR490、STKN490B、SKK490325295
炭素鋼 構造用鋼材
めっき鋼板
SGH490、SGC490、CGC490、SGLH490、SGLC490、CGLC490345(厚さの区分なし)
炭素鋼 構造用鋼材SM520B・SM520C35540mm超75mm以下 335
75mm超100mm以下 325
炭素鋼 構造用鋼材SS540375―(表に記載なし)
炭素鋼 構造用鋼材
デッキプレート
SDP1T・SDP1TG205―(表に記載なし)
炭素鋼 構造用鋼材
デッキプレート
SDP2・SDP2G・SDP3235―(表に記載なし)
炭素鋼 ボルト黒皮185(厚さの区分なし)
炭素鋼 ボルト仕上げ 強度区分4.6・4.8240(厚さの区分なし)
炭素鋼 ボルト仕上げ 強度区分5.6・5.8300(厚さの区分なし)
炭素鋼 ボルト仕上げ 強度区分6.8420(厚さの区分なし)
炭素鋼 リベット鋼—235(厚さの区分なし)
炭素鋼 鋳鋼SC480、SCW410・SCW410CF235(厚さの区分なし)
炭素鋼 鋳鋼SCW480・SCW480CF275(厚さの区分なし)
炭素鋼 鋳鋼SCW490CF315(厚さの区分なし)
ステンレス鋼 構造用鋼材SUS304A、SUS316A、SDP4、SDP5235(厚さの区分なし)
ステンレス鋼 構造用鋼材SUS304N2A、SDP6325(厚さの区分なし)
ステンレス鋼 ボルトA2-50・A4-50210(厚さの区分なし)
ステンレス鋼 鋳鋼SCS13AA-CF235(厚さの区分なし)
鋳鉄—150(厚さの区分なし)
丸鋼SR235・SRR235235(厚さの区分なし)
丸鋼SR295295(厚さの区分なし)
異形鉄筋SDR235235(厚さの区分なし)
異形鉄筋SD295A・SD295B295(厚さの区分なし)
異形鉄筋SD345345(厚さの区分なし)
異形鉄筋SD390390(厚さの区分なし)
溶接金網鉄線の径が4mm以上のもの295(厚さの区分なし)

単位はN/mm²。平成12年建設省告示第2464号 第1 第一号の表から、鋼材の並びを読みやすく入れ替えて転記しました(数値と区分の組合せは告示のとおり)。構造用ケーブルのFは数値ではなく、JISの破断荷重から求める式で定められています。表にないJIS品や国土交通大臣の認定品は、大臣が指定した数値によります(第1 第二号)。
※1 国土交通省の告示データベースの本文では、この行の表記が「SHK400K」となっています。同じ告示の定義の文と第2の表ではSHK400Mです。

広告

表2: 構造用鋼材の許容応力度 — 施行令第90条 表1

F長期 圧縮・引張り・曲げ
F/1.5
長期 せん断
F/(1.5√3)
短期 圧縮・引張り・曲げ
長期×1.5
短期 せん断
長期×1.5
このFになる主な鋼材
205136.778.9205118.4SDP1T・SDP1TG
215143.382.8215124.1SS400・SN400B・STKR400などの厚さ40mm超100mm以下
235156.790.5235135.7SS400・SN400B・SM400A・STK400・STKR400などの厚さ40mm以下、SDP2・SDP3、鋳鋼SC480・SCW410、SUS304A・SUS316A
25517098.1255147.2SS490の厚さ40mm超100mm以下
275183.3105.8275158.8SS490の厚さ40mm以下、鋳鋼SCW480
280186.7107.8280161.7めっき鋼板のSGH400・SGC400など
295196.7113.5295170.3SN490B・SM490A・STKR490などの厚さ40mm超100mm以下
315210121.2315181.9SHK490M、鋳鋼SCW490CF
325216.7125.1325187.6SN490B・SM490A・STK490・STKR490などの厚さ40mm以下、SM520B・Cの75mm超100mm以下、SUS304N2A・SDP6
335223.3128.9335193.4SM520B・Cの厚さ40mm超75mm以下
345230132.8345199.2めっき鋼板のSGH490・SGC490など
355236.7136.6355205.0SM520B・Cの厚さ40mm以下
375250144.3375216.5SS540の厚さ40mm以下

単位はN/mm²。炭素鋼・ステンレス鋼の構造用鋼材と鋳鋼に共通の式です。短期は条文のとおり長期の値の1.5倍で、圧縮・引張り・曲げはFと、せん断はF/√3と同じ値になります。値は式の計算値を小数第2位で四捨五入しています(割り切れる値は整数)。柱の座屈などを考える許容応力度は、この表とは別に国土交通大臣が定めます(施行令第94条)。

表3: ボルト・リベットの許容応力度 — 施行令第90条 表1・告示第1451号

種類F長期 引張り長期 せん断短期 引張り短期 せん断
炭素鋼ボルト 黒皮185123.3―185―
炭素鋼ボルト 仕上げ 4.6・4.8240160120
F/2
240180
炭素鋼ボルト 仕上げ 5.6・5.8300200120
告示第1451号
300180
炭素鋼ボルト 仕上げ 6.8420280161.7
F/(1.5√3)・告示第1451号
420242.5
リベット鋼235156.7117.5
F/2
235176.3
ステンレス鋼ボルト A2-50・A4-5021014080.8
F/(1.5√3)
210121.2

単位はN/mm²。長期引張りはF/1.5、短期は長期の1.5倍。仕上げボルトのせん断はF/2ですが、Fが240を超えるものは告示第1451号により、Fが180√3(約311.8)以下なら長期120、超えるならF/(1.5√3)です。黒皮ボルトのせん断は施行令の表に値がありません(―)。高力ボルト(摩擦接合)は別の規定です(施行令第92条の2、告示第2466号)。

表4: 鉄筋・溶接金網の許容応力度 — 施行令第90条 表2

種類F長期 圧縮長期 引張り
せん断補強以外
長期 引張り
せん断補強
短期 圧縮短期 引張り
せん断補強以外
短期 引張り
せん断補強
丸鋼 SR235・SRR235235155155156.7235235235
丸鋼 SR295295155155195295295295
異形鉄筋 SDR235235156.7156.7156.7235235235
異形鉄筋 SD295A・B 径28mm以下295196.7196.7195295295295
異形鉄筋 SD295A・B 径28mm超295195195195295295295
異形鉄筋 SD345 径28mm以下345215215195345345345
異形鉄筋 SD345 径28mm超345195195195345345345
異形鉄筋 SD390 径28mm以下390215215195390390390
異形鉄筋 SD390 径28mm超390195195195390390390
溶接金網(鉄線の径4mm以上)295―196.7196.7―295※2295

単位はN/mm²。長期はF/1.5、短期はFですが、条文の上限で頭打ちになります(長期: 丸鋼は155、異形鉄筋は径28mm以下215・径28mm超195、せん断補強は195。短期のせん断補強: 丸鋼295、異形鉄筋390)。上限に達していない値は計算値を小数第2位で四捨五入しています。※2 床版に用いる場合に限ります。

使い方

  • ①鋼材の記号と厚さから、表1でFを引く — 同じSS400でも、厚さ40mmを超えると235から215に下がります。
  • ②表2〜表4で、そのFの許容応力度を引く — 常時の荷重による応力は長期、積雪時・暴風時・地震時は短期の値と比べます。ただし多雪区域では、積雪時にも長期の組合せ(固定荷重+積載荷重+積雪荷重の0.7倍)で確かめます(施行令第82条)。
  • ③保有水平耐力計算などで使う材料強度は施行令第96条によります(構造用鋼材は圧縮・引張り・曲げF、せん断F/√3)。告示第2464号 第3のただし書により、炭素鋼の構造用鋼材、丸鋼及び異形鉄筋のうち表に掲げるJISに定めるものは、材料強度の基準強度をFの1.1倍以下の数値にできます。ステンレス鋼の構造用鋼材、鋳鋼、ボルトなどは含まれません。

間違えやすいポイント

  • SS490をSM490と同じ325にする — SS490のFは275(厚さ40mm以下)で、SM490・SN490Bの325とは違います。
  • 厚さ40mmを超える板にも235・325を使う — SS400・SN400Bなどは215、SN490B・SM490Aなどは295、SS490は255に下がります。SM520B・Cは40mm超で335、75mm超でさらに325です。
  • めっき鋼板に厚さの区分を当てる — SGC400などのめっき鋼板は厚さによらず280(SGC490などは345)です。
  • ボルトの強度区分と高力ボルトを混同する — 表1のボルトは強度区分4.6〜6.8の普通ボルトです。F10Tなどの高力ボルトは別の告示で決まっています。

長期・短期と1.5・√3の意味

長期許容応力度は、常時かかる荷重(固定荷重+積載荷重。多雪区域では積雪荷重の0.7倍を加えた組合せも)に対して使う値で、構造用鋼材ではFを1.5で割って余裕を持たせています。短期許容応力度は、地震・暴風・積雪のように一時的にかかる荷重に対して使う値で、構造用鋼材では長期の1.5倍、つまり引張り・圧縮・曲げではF自体になります。鉄筋は、短期が原則としてFである一方、長期には上限があるため(表4。せん断補強は短期にも上限があります)、短期が長期の1.5倍にならないことがあります。せん断が√3で割られているのは、鋼材がせん断で降伏する応力を、引張りで降伏する応力の1/√3とみなす考え方(ミーゼスの降伏条件)によるものです。

よくある質問

Q1. SS400のF値(基準強度)は?

A. 平成12年建設省告示第2464号で、SS400のFは厚さ40mm以下で235N/mm²、40mmを超え100mm以下で215N/mm²です。SN400A・B・C、SM400A・B・C、STK400、STKR400なども同じ値です。

Q2. SN490BのF値は?

A. 告示第2464号で、SN490BのFは厚さ40mm以下で325N/mm²、40mmを超え100mm以下で295N/mm²です。SM490A・B・C、STK490、STKR490なども同じ値です。

Q3. 鋼材の長期許容応力度の計算式は?

A. 建築基準法施行令第90条で、構造用鋼材の長期許容応力度は圧縮・引張り・曲げがF/1.5、せん断がF/(1.5√3)です。F=235なら156.7N/mm²と90.5N/mm²になります(小数第2位を四捨五入)。

Q4. 構造用鋼材の短期許容応力度は?

A. 施行令第90条 表1で、構造用鋼材の短期許容応力度は長期許容応力度の1.5倍とされています。F=235なら圧縮・引張り・曲げが235N/mm²、せん断が135.7N/mm²です。鉄筋(同条 表2)は短期がFで長期に上限があるため、1.5倍にならないことがあります(例: SD345の径28mm以下は長期215N/mm²、短期345N/mm²)。

Q5. STKR400(角形鋼管)のF値は?

A. 告示第2464号で、STKR400のFは厚さ40mm以下で235N/mm²、40mmを超え100mm以下で215N/mm²です。STKR490は325N/mm²と295N/mm²です。

Q6. SS490とSM490のF値は同じ?

A. 同じではありません。告示第2464号で、SS490は厚さ40mm以下275N/mm²・40mm超100mm以下255N/mm²、SM490A・B・Cは325N/mm²・295N/mm²です。

Q7. 材料強度とF値の関係は?

A. 施行令第96条で、構造用鋼材の材料強度は圧縮・引張り・曲げがF、せん断がF/√3です。告示第2464号 第3のただし書により、炭素鋼の構造用鋼材、丸鋼及び異形鉄筋のうち表に掲げるJISに定めるものは、材料強度の基準強度をFの1.1倍以下の数値とすることができます。ステンレス鋼の構造用鋼材などは含まれません。

Q8. ボルトの強度区分4.6のF値は?

A. 告示第2464号で、仕上げボルトの強度区分4.6・4.8は240N/mm²、5.6・5.8は300N/mm²、6.8は420N/mm²です。黒皮ボルトは185N/mm²です。

関連する早見表

  • H形鋼 — 寸法・重量
  • 形鋼 — アングル・チャンネル・角パイプ
  • STK鋼管 — 寸法・重量・断面係数
  • 金属材料 — SS400などの引張強さ・硬さ
  • 高力ボルト — F10T・S10Tの標準ボルト張力
  • 鉄筋 — D6〜D51の単位重量

出典・参考

  • 平成12年建設省告示第2464号「鋼材等及び溶接部の許容応力度並びに材料強度の基準強度を定める件」(最終改正 平成19年国土交通省告示第623号) — 第1 第一号の表(鋼材等の許容応力度の基準強度)、第1 第二号・第三号、第3(材料強度の基準強度)。国土交通省 告示・通達データベース掲載の本文(PDF)
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号、令和7年政令第377号による改正・2025年12月1日施行の時点) — 第82条(長期・短期の荷重の組合せ)、第90条 表1・表2(鋼材等の許容応力度)、第92条の2(高力ボルト接合)、第94条(補則)、第96条(鋼材等の材料強度)。e-Gov法令検索
  • 平成12年建設省告示第1451号「炭素鋼のボルトのせん断に対する許容応力度及び材料強度を定める件」 — 第一・第二。国土交通省 告示・通達データベース掲載の本文(PDF)

※本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改正・改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 表2〜表4の許容応力度は、施行令第90条・告示第1451号の式で当サイトが計算した値です(小数第2位を四捨五入)。計算書でどの桁まで使うかは、設計の取り決めに合わせてください。

※ 本ページは数値を引くための早見表です。構造設計・構造計算の判断は、施行令・告示の原典と建築士など有資格者の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-07