スペック早見表

特定建設作業の騒音・振動 早見表(規制基準・作業時間・届出)

指定地域で特定建設作業(くい打機・さく岩機・一定以上のバックホウなど)を行うときの基準は、敷地の境界線で騒音85dB・振動75dBを超えないこと。第1号区域では午後7時〜翌日午前7時は作業せず、1日10時間まで、どちらの区域も連続6日まで・日曜休日は不可で、開始の7日前までに市町村長へ届け出ます。

🔊 特定建設作業 判断即答ボックス

騒音の大きさは敷地境界で85dBまで85dBを超えないこと(告示第1号・区域共通)
振動の大きさは敷地境界で75dBまで75dBを超えないこと(振動規制法施行規則別表第一)
第1号区域で作業できる時間は午前7時〜午後7時・1日10時間第2号区域は午前6時〜午後10時・14時間
同じ場所で何日続けられる?連続6日まで日曜日その他の休日は不可(災害時等を除く)
届出はいつまでに・どこへ?開始の日の7日前・市町村長騒音規制法・振動規制法 各第14条
その日のうちに終わる作業なら特定建設作業に当たらない開始した日に終わる作業は除く(両施行令第2条)
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このページについて

騒音規制法・振動規制法では、くい打機・さく岩機・バックホウなど政令で定める作業を特定建設作業とし、都道府県知事(市の区域は市長)が指定した地域(指定地域)の中で行うときに、作業開始前の届出と、音や振動の大きさ・作業時間などの基準を定めています。騒音の基準は環境大臣の告示、振動の基準は振動規制法施行規則別表第一にあり、大きさの値以外はほぼ同じ形です。両方を区域の区分ごとに並べました。

表1: 特定建設作業の規制基準(騒音・振動)

基準第1号区域第2号区域騒音の告示/振動則別表第一
騒音の大きさ
敷地の境界線で
85dBを超えないこと告示 第1号
振動の大きさ
敷地の境界線で
75dBを超えないこと別表第一 第1号
作業をしない時間帯(夜間)午後7時〜翌日の午前7時午後10時〜翌日の午前6時第2号/第2号
1日の作業時間10時間を超えないこと14時間を超えないこと第3号/第3号
作業期間同じ場所で連続して6日を超えないこと第4号/第4号
日曜日その他の休日作業しないこと第5号/第5号

※ 騒音は「特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準」(昭和43年厚生省・建設省告示第1号)、振動は振動規制法施行規則第11条・別表第一によります。条文は、騒音・振動が基準の大きさを超えるもの、又は夜間・休日等に行われる作業に伴って発生するもの「でないこと」という書き方で、表はその言い換えです。作業をしない時間帯以外は、第1号区域で午前7時〜午後7時(12時間)、第2号区域で午前6時〜午後10時(16時間)です(当サイトの計算)。第2号〜第5号には災害時などの例外があります(表3)。大きさの基準を超える作業について改善勧告・命令をするときは、1日の作業時間を第3号の時間未満4時間以上の範囲で短縮させることができます(告示本文ただし書・振動規制法施行規則第11条ただし書)。振動については、施行通知(第4の2(2))が、くい打機をアースオーガーと併用する作業では打撃時間が短くなることから、この4時間を6時間と解するとしています。

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表2: 第1号区域と第2号区域

区域内容(指定地域のうち)
第1号区域次のいずれかに当たる区域として、都道府県知事(市の区域は市長)が指定した区域
イ 良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域
ロ 住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
ハ 住居と商業・工業等の用に併せて供され、相当数の住居が集合しているため、騒音(振動)の発生を防止する必要がある区域
ニ 学校、保育所、病院・入院施設のある診療所、図書館、特別養護老人ホーム、幼保連携型認定こども園の敷地の周囲おおむね80mの区域内
第2号区域指定地域のうち、第1号区域以外の区域

※ 騒音は告示の別表、振動は振動規制法施行規則別表第一の付表で、区分の書き方は同じです(ハの「騒音」が「振動」になるだけ)。どの場所がどの区域に当たるかは、指定・公示をした都道府県・市に確認してください。

表3: 基準が適用されない場合(ただし書)

場合夜間
第2号
1日の時間
第3号
連続日数
第4号
休日
第5号
災害その他非常の事態の発生により緊急に行う必要がある場合○○○○
人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に行う必要がある場合○○○○
鉄道又は軌道の正常な運行を確保するため特に必要な場合○——○
道路法第34条の占用許可に夜間・休日に行う条件が付された場合、第35条の協議で同意された場合○——○
道路交通法第77条第3項の使用許可に夜間・休日に行う条件が付された場合、第80条第1項の協議でそうされた場合○——○
変電所の変更の工事で、近接する電気工作物の機能を停止させないと従事者の安全が確保できない場合———○
作業を開始した日に終わる場合(騒音のみ)—○——

※ ○はその号のただし書に書かれている場合です。騒音(告示)と振動(施行規則別表第一)で同じで、「作業を開始した日に終わる場合」だけは騒音の第3号にしかありません。なお、開始した日に終わる作業は、両法の施行令第2条ただし書で特定建設作業そのものから除かれています。第1号(大きさ)にはただし書がありません。

表4: 特定建設作業の種類

法号作業対象の条件・除かれるもの
騒音1くい打機・くい抜機・くい打くい抜機を使用する作業もんけん、圧入式くい打くい抜機、くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く
騒音2びょう打機を使用する作業—
騒音3さく岩機を使用する作業作業地点が連続的に移動する作業は、1日の2地点間の最大距離が50mを超えないものに限る
騒音4空気圧縮機を使用する作業電動機以外の原動機で定格出力15kW以上のものに限る。さく岩機の動力として使う作業を除く
騒音5コンクリートプラント・アスファルトプラントを設けて行う作業混練容量0.45m³以上のコンクリートプラント、混練重量200kg以上のアスファルトプラント。モルタル製造用のコンクリートプラントを除く
騒音6バックホウを使用する作業原動機の定格出力80kW以上。環境大臣が指定するもの(低騒音型)を除く
騒音7トラクターショベルを使用する作業原動機の定格出力70kW以上。同上を除く
騒音8ブルドーザーを使用する作業原動機の定格出力40kW以上。同上を除く
振動1くい打機・くい抜機・くい打くい抜機を使用する作業もんけん・圧入式くい打機、油圧式くい抜機、圧入式くい打くい抜機を除く
振動2鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業—
振動3舗装版破砕機を使用する作業作業地点が連続的に移動する作業は、1日の2地点間の最大距離が50mを超えないものに限る
振動4ブレーカー(手持式のものを除く)を使用する作業同上(連続的に移動する作業は50mを超えないものに限る)

※ 騒音は騒音規制法施行令別表第二、振動は振動規制法施行令別表第二。どちらも作業を開始した日に終わるものは除きます(各施行令第2条)。くい打機等は両法の対象ですが、除かれる機械が違います(アースオーガー併用のくい打ちは騒音でだけ除外=振動では対象、圧入式くい打機・油圧式くい抜機は振動でだけ除外=騒音では対象)。ブレーカー(手持式を除く)は条文では振動の別表第二第4号にだけ名前がありますが、騒音でも第3号のさく岩機を使用する作業として届出の対象に扱う自治体があります(例: 大阪市環境局の特定建設作業届出一覧表)。扱いは現場の市町村に確認してください。バックホウ・トラクターショベル・ブルドーザーで除かれる「環境大臣が指定するもの」は、平成9年建設省告示第1536号にもとづき平成10年建設省告示第1188号で低騒音型建設機械として指定されたもの等です(平成9年環境庁告示第54号。現場の通常の作業で機械から10m離れた地点の騒音が80dBを超えないとみなされるもの)。

表5: 届出・勧告・罰則

項目騒音規制法振動規制法
届出の期限・届出先特定建設作業の開始の日の7日前までに市町村長へ(第14条第1項)
届出事項氏名・住所、施設・工作物の種類、場所と実施の期間、騒音の防止の方法、工事名・発注者、作業の種類、機械の名称・型式・仕様、作業の開始・終了の時刻、下請負人、現場責任者氏名・住所、施設・工作物の種類、作業の種類・場所・実施期間・作業時間、振動の防止の方法、工事名・発注者、機械の名称・型式・仕様、下請負人、現場責任者
届出書・添付書類様式第九の届出書。場所の付近の見取図と、特定建設作業の工程を明示した工事工程表を添付(第14条第3項・施行規則第10条)
災害等で緊急に行う場合7日前までの届出の規定は適用されず、速やかに届け出る(第14条第1項ただし書・第2項)
改善勧告・命令基準に適合しないことで周辺の生活環境が著しく損なわれると市町村長が認めるとき、騒音・振動の防止の方法の改善又は作業時間の変更を勧告し、従わないときは命令できる(第15条)
罰則命令違反 5万円以下の罰金(第30条)/届出をせず・虚偽 3万円以下の罰金(第31条)/緊急時の届出をせず・虚偽 1万円以下の過料(第33条)命令違反 30万円以下の罰金(第25条)/届出をせず・虚偽 10万円以下の罰金(第26条)/緊急時の届出をせず・虚偽 3万円以下の過料(第28条)

※ 届出事項は各法第14条第1項と各施行規則第10条第2項の要約です。施行通知(騒音: 昭和44年、振動: 昭和51年)では、届出義務者は元請負人とされ、勧告・命令の内容に工法の変更や工事(作業)の中止は含まれないとされています。

表6: 測定のしかた(告示の備考・施行規則別表第一の備考)

項目騒音振動
dBの意味音圧レベル(計量法別表第二)振動加速度レベル(計量法別表第二)
測定器計量法第71条の条件に合格した騒音計。A特性・速い動特性(FAST)同条の条件に合格した振動レベル計。鉛直方向を、鉛直振動特性で
値の決め方変動しない→指示値/周期的・間欠的で最大値がほぼ一定→最大値の平均/不規則・大幅→90%レンジの上端/周期的・間欠的で最大値が一定でない→最大値の90%レンジの上端変動しない→指示値/周期的・間欠的→最大値の平均/不規則・大幅→5秒間隔100個等の80%レンジの上端
暗騒音・暗振動—対象と暗振動の指示値の差が10dB未満なら補正: 差3dB→3dB、4〜5dB→2dB、6〜9dB→1dBを減じる

※ 騒音の測定方法は、告示の備考で当分の間 JIS Z 8731 の騒音レベル測定方法によるとされています。

使い方

  1. 指定地域かを確かめる — 現場が騒音・振動の指定地域か、第1号区域か第2号区域かを、都道府県・市の公示で確認します。
  2. 特定建設作業に当たるかを見る — 表4で、使う機械と条件(定格出力・移動距離など)を当てはめます。その日のうちに終わる作業は除かれます。
  3. 工程を基準に合わせる — 表1の時間帯・1日の時間・連続日数・休日に収まるように組みます。
  4. 7日前までに届け出る — 表5の事項をまとめ、市町村長へ届け出ます。

間違えやすいポイント

  • 騒音と振動の値を取り違える — 敷地の境界線で騒音は85dB、振動は75dBです。
  • バックホウは振動の届出も要ると思う — 振動規制法施行令別表第二の4作業に、バックホウは挙げられていません。騒音は定格出力80kW以上(低騒音型の指定を除く)が対象です。
  • 「1日10時間」を作業時間帯と混同する — 第1号区域は午後7時〜翌日午前7時に作業をしないことと、1日10時間を超えないことの両方が基準です。
  • 騒音と振動で対象の作業が同じと思う — くい打機等は両方ですが除かれる機械が違い、さく岩機・空気圧縮機・バックホウ等は騒音だけ、鋼球による破壊・舗装版破砕機は振動だけの特定建設作業です(表4)。ブレーカーは振動の別表で名指しされ、騒音でもさく岩機として扱われることがあります(表4の注)。届出もそれぞれの法の第14条によります。
  • 特定建設作業に当たらなければ規制はないと思う — 両法は、指定地域内の特定建設作業以外の作業について、自治体が条例で必要な規制を定めることを妨げないとしています(騒音規制法第27条第2項・振動規制法第23条第2項)。現場の自治体の条例も確認してください。

規制のしくみ

指定地域は都道府県知事(市の区域は市長)が指定し(両法第3条)、届出の受理と改善勧告・命令は市町村長が行います(第14条・第15条)。第15条第1項は、基準に適合しないことにより周辺の生活環境が著しく損なわれると市町村長が認めるときに、改善勧告ができると定めています。罰則は、届出をしない・虚偽の届出をした場合や、改善命令に違反した場合などに定められています(表5)。

よくある質問

Q1. 特定建設作業の騒音の規制基準は何dB?

A. 敷地の境界線で85dBを超えないことです(告示第1号)。振動は75dBです(振動規制法施行規則別表第一)。

Q2. 特定建設作業は何時から何時までできる?

A. 第1号区域は午前7時〜午後7時で1日10時間まで、第2号区域は午前6時〜午後10時で14時間までです。災害時などの例外があります。

Q3. 特定建設作業の届出はいつまでにどこへ?

A. 開始の日の7日前までに市町村長へ届け出ます(両法第14条)。緊急時は速やかに届け出ます。施行通知では元請負人が届け出るとされています。

Q4. バックホウを使う工事は特定建設作業?

A. 騒音は定格出力80kW以上のバックホウ(低騒音型の指定を受けたもの等を除く)が対象です(騒音規制法施行令別表第二第6号)。振動の特定建設作業には挙げられていません。

Q5. 1日で終わる作業も届出が必要?

A. 作業を開始した日に終わるものは、両法の施行令第2条で特定建設作業から除かれています。条例の定めは自治体で確認してください。

Q6. 日曜日や休日に特定建設作業はできる?

A. 日曜日その他の休日に行われる作業に伴うものでないことが基準です(第5号)。災害時、鉄道の運行確保、道路の占用・使用許可の条件などの例外があります(表3)。

Q7. 第1号区域と第2号区域の違いは?

A. 第1号区域は住居系の区域や、学校・病院・入院施設のある診療所等の周囲おおむね80mの区域として指定された区域、第2号区域はそれ以外の指定地域です。

関連する早見表

出典・参考

  • 特定建設作業に伴つて発生する騒音の規制に関する基準(昭和43年厚生省・建設省告示第1号、最終改正 平成27年環境省告示第66号) — 本文ただし書・第1号〜第5号・備考・別表 — 環境省 法令・告示・通達で確認
  • 騒音規制法(昭和43年法律第98号) — 第2条第3項・第3条・第14条・第15条・第27条・第30条〜第33条 — e-Gov法令検索の現行条文(令和8年法律第22号による改正、2026年7月1日施行)で確認。騒音規制法施行令(昭和43年政令第324号) 第2条・別表第二(令和3年政令第346号による改正、2022年12月1日施行)、騒音規制法施行規則(昭和46年厚生省・農林省・通商産業省・運輸省・建設省令第1号) 第10条(令和3年環境省令第3号による改正、2021年4月1日施行)も同様
  • 振動規制法(昭和51年法律第64号) — 第2条第3項・第3条・第14条・第15条・第23条・第25条〜第28条 — e-Gov法令検索の現行条文(令和4年法律第68号による改正、2025年6月1日施行)で確認。振動規制法施行令(昭和51年政令第280号) 第2条・別表第二(令和3年政令第346号による改正)、振動規制法施行規則(昭和51年総理府令第58号) 第10条・第11条・別表第一(令和3年環境省令第3号による改正)も同様
  • 騒音規制法施行令別表第二第六号、第七号及び第八号の規定に基づく…環境大臣が指定するバックホウ等(平成9年環境庁告示第54号、平成12年環境庁告示第78号改正) — 環境省 法令・告示・通達で確認
  • 騒音規制法の施行について(昭和44年1月30日 厚生省環30号ほか)第3、振動規制法の施行について(昭和51年12月1日 環大特154号)第4(第4の2(2)を含む) — 環境省(騒音)・環境省(振動)で確認
  • 大阪市環境局「建設業のみなさんへ(特定建設作業の届出と規制のあらまし)」 — 特定建設作業届出一覧表(ブレーカーを使用する作業の扱い) — 大阪市で確認(自治体の運用の例)

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。e-Gov法令検索の改正履歴で、騒音規制法・振動規制法と各施行令・施行規則に未施行の改正がないことを確認しています。改正されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 表1〜表6は条文・告示の転記と要約で、数値の丸めはしていません。作業できる時間帯の長さ(12時間・16時間)は、作業をしない時間帯から当サイトが計算したものです。

※ 本ページは基準の数値を引くための早見表で、条文の読み方は当サイトの整理です。指定地域・区域の区分の確認、届出の要否と内容、条例による規制は、現場の市町村(騒音・振動の担当課)に確認のうえで判断してください。設計・施工・法令適合の判断は、原典と有資格者・所管行政庁の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-19