スペック早見表

オイルシール寸法早見表|内径×外径×幅の標準組合せ(JIS B 2402-1)

オイルシールは内径×外径×幅で呼びます。同じ軸径でも外径が複数ある(軸径25なら40・47・52)のが選定でつまずく原因なので、JIS B 2402-1の標準組合せを全87通り並べました。軸とハウジングに必要な公差・面粗さも一緒に置いています。

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呼び方内径×外径×幅例: 25×40×7
軸径25のとき外径は40・47・52外径はハウジングを実測
軸径の許容差h11以内JIS B 0401-2
ハウジング穴径H8緩いと外周漏れ
軸の面粗さ0.1〜0.32μmRa鏡面にしすぎない
ハウジング穴深さb+1.2(b≦10)b>10 は b+1.5

このページについて

オイルシールは「内径×外径×幅」の3つの数字で呼ぶ部品です。JIS B 2402-1が標準の組合せを定めており、軸径6〜480mm・ハウジング内径16〜530mmの範囲をカバーします。現物が潰れていて寸法が読めないとき、ハウジングを新規に設計するとき、この表で近い組合せを探すのが早道です。実際の選定は使用条件(回転数・温度・圧力・流体)を含めてメーカーのカタログで確認してください。本ページはばね入り回転軸用オイルシールを対象としています。

表1: オイルシールの呼び寸法 — JIS B 2402-1 表1

よく使う:
軸径 d1外径 D幅 b
6167
6227
7227
8227
8247
9227
10227
10257
12247
12257
12307
15267
15307
15357
16307
18307
18357
20357
20407
22357
22407
22477
25407
25477
25527
28407
28477
28527
30427
30477
30528
32458
32478
32528
35508
35528
35558
38558
38588
38628
40558
40628
42558
42628
45628
45658
50688
50728
55728
55808
60808
60858
658510
659010
709010
709510
759510
7510010
8010010
8011010
8511012
8512012
9012012
9512012
10012512
11014012
12015012
13016012
14017015
15018015
16019015
17020015
18021015
19022015
20023015
22025015
24027015
26030020
28032020
30034020
32036020
34038020
36040020
38042020
40044020
45050025
48053025

単位はmm。JIS B 2402-1:2013 表1の全組合せ(87通り)。同じ軸径に複数の外径があるのがこの表の特徴で、たとえば軸径25なら外径40・47・52の3通りがあります。幅bは軸径が大きくなるにつれ7→8→10→12→15→20→25と段階的に増えます。

表2: 軸とハウジングに必要な条件

項目規定値
軸径の許容差JIS B 0401-2のh11以内
ハウジング穴径の公差等級JIS B 0401-2のH8
軸の表面粗さ0.1〜0.32μmRa および 0.8〜2.5μmRz
ハウジング穴の表面粗さ1.6〜3.2μmRa および 6.3〜12.5μmRz
(外周金属の場合は0.4μmRa・3.2μmRz程度まで小さくするのが望ましい)
ハウジング穴深さ(最小)b≦10のとき b+1.2/b>10のとき b+1.5
ハウジング面取り長さb≦10のとき0.7〜1.0/b>10のとき1.0〜1.3
ハウジング穴隅の丸み(最大)b≦10のとき0.50/b>10のとき0.75
使用圧力ゲージ圧0〜30kPaの低圧条件

※ 軸の表面にはきず及び機械加工によって生じるリード目があってはならないとされ、仕上げは送りをかけないプランジ研削が望ましいとされています。リード目(旋削の送り跡が螺旋状に残ったもの)は、回転によってポンプのように油を送り出し、漏れの原因になります。

表3: 軸端の面取り(組付け時にリップを切らないために)

軸径の呼び寸法 d1面取り後の径 d2(最大)
d1≦10d1−1.5
10<d1≦20d1−2.0
20<d1≦30d1−2.5
30<d1≦40d1−3.0
40<d1≦50d1−3.5
50<d1≦70d1−4.0
70<d1≦95d1−4.5
95<d1≦130d1−5.5
130<d1≦240d1−7.0
240<d1≦480d1−11.0

単位はmm。軸端には表の値以上の面取りを行い、かえり・鋭い角・機械加工による粗い筋目があってはなりません。面取りの角部(R部)には0.3〜0.5mm程度の丸みをつけることが望ましいとされています。この面取りが不足すると、挿入時にリップが切れて最初から漏れます。

呼び方と構造の区分

寸法表示コードは軸径の呼び寸法とシール外径の呼び寸法から成ります。規格の例では、軸径φ6・外径φ16なら「006」「016」という3桁ずつの表記になります。市販品のカタログでは「TC 25 40 7」のように、型式記号+内径+外径+幅で書かれるのが一般的です。

構造は6タイプに分類されます。タイプ1=ばね入り・外周ゴム、タイプ2=ばね入り・外周金属、タイプ3=ばね入り組立形・外周金属、タイプ4〜6はそれぞれに保護リップ(ダストリップ)が付いたものです。外周ゴムはハウジング側の面粗さが多少粗くても密着しやすく、外周金属は圧入時の変形に強いという違いがあります。ばねなしオイルシールは規格の附属書JAで参考として扱われています。

軸受まわりの寸法はベアリング寸法、静的なシールはOリングの規格、面粗さの記号は表面粗さで引けます。

間違えやすいポイント

  • 外径が1通りだと思い込む — 同じ軸径に複数の外径があります(軸径25なら40・47・52)。ハウジング側を必ず実測してください。
  • ハウジング穴をH8以外で加工する — 緩ければ外周から漏れ、きつすぎればシールが変形します。
  • 軸を仕上げすぎる・粗くしすぎる — 規定は0.1〜0.32μmRa。鏡面にすると油膜が保持できず、かえって不利になります。
  • リード目のある軸を使う — 旋削の送り跡は回転方向によって油を外へ送り出します。プランジ研削が望ましいとされる理由です。
  • 面取りなしの軸に押し込む — リップが切れて初期漏れになります。角部のRも忘れずに。
  • 圧力のかかる場所に使う — この規格が想定するのはゲージ圧0〜30kPaの低圧条件です。

よくある質問

Q1. オイルシールのサイズはどう読む?

A. 内径(軸径)×外径×幅の順です。「25×40×7」なら軸径25・外径40・幅7mm。規格の寸法表示コードは軸径と外径の呼び寸法から成り、φ6×φ16なら「006」「016」となります。

Q2. 同じ軸径でオイルシールの外径が何種類もあるのはなぜ?

A. 規格が1つの軸径に複数の標準外径を規定しているためです。軸径25なら外径40・47・52、軸径35なら50・52・55。軸径だけでは決まらないので、ハウジング穴を実測してください。

Q3. オイルシールを入れる穴の公差は?

A. ハウジング穴径はH8、軸径はh11以内です(JIS B 0401-2)。緩ければ外周漏れ、きつければシールが変形してリップの当たりが崩れます。

Q4. 軸の表面はどこまで仕上げればいい?

A. 0.1〜0.32μmRa(0.8〜2.5μmRz)です。下限がある点が重要で、鏡面にすると油膜が保てません。リード目は禁止で、送りをかけないプランジ研削が望ましいとされます。

Q5. ハウジングの穴の深さはどれくらい必要?

A. 最小でb≦10ならb+1.2b>10ならb+1.5です。面取り長さは0.7〜1.0(b≦10)/1.0〜1.3(b>10)、穴隅の丸みの最大は0.50/0.75です。

Q6. 軸端の面取りはどのくらい必要?

A. 軸径ごとに規定があり、d1≦10でd1−1.5、20〜30でd1−2.5、40〜50でd1−3.5など段階的に大きくなります。角部には0.3〜0.5mmの丸みをつけるのが望ましいとされます。面取り不足はリップ切れ=初期漏れの原因です。

Q7. オイルシールは圧力がかかる場所に使える?

A. 規格が想定するのはゲージ圧0〜30kPaの低圧条件です。これを超える圧力では耐圧仕様やメカニカルシールなど別方式の検討が必要で、選定はメーカーに確認してください。

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出典・参考

  • JIS B 2402-1:2013「オイルシール−第1部:寸法及び公差」(ISO 6194-1を基とする) — 表1(呼び寸法の全組合せ)、表2(軸端の面取り)、表3(ハウジングの寸法)、6.2(軸径の許容差h11以内)、6.3.1(軸の表面粗さ0.1〜0.32μmRa・0.8〜2.5μmRz)、7.2(ハウジング穴径の公差等級H8)、7.3(ハウジング穴の表面粗さ)、9(寸法表示コード)、適用範囲(軸径6〜480mm・ハウジング内径16〜530mm・ゲージ圧0〜30kPa・構造6タイプ)

※ 本ページは規格の寸法を引くための早見表です。材質(ニトリルゴム・フッ素ゴム等)・使用温度・周速・流体に応じた選定は、メーカーのカタログと技術資料で確認してください。シール外径の許容差は外周ゴム/外周金属の別や種別によって異なり、規格では受渡当事者間の協定によるとされている項目があります。

最終更新: 2026-09-14