スペック早見表

電線の高さ・埋設深さ 早見表(架空電線・引込線・地中電線路)

低圧・高圧の架空電線は、道路を横断するなら路面上6m以上、鉄道・軌道を横断するならレール面上5.5m以上(電技解釈 第68条)。低圧の架空引込線は道路横断で路面上5m以上、地中電線を直接埋設するなら車両等の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他は0.6m以上です(第116条・第120条)。

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低圧・高圧の架空電線が道路を横断路面上6m以上第68条 68-1表
架空電線・引込線が鉄道を横断レール面上5.5m以上低圧・高圧とも
低圧引込線が道路を横断路面上5m以上技術上やむを得ない場合において交通に支障のないときは3m
低圧引込線(道路・鉄道・歩道橋以外)地表上4m以上技術上やむを得ない場合において交通に支障のないときは2.5m
高圧引込線(道路・鉄道・歩道橋以外)地表上3.5m以上も可ケーブル以外は下方に危険表示
直接埋設の深さ(重量物の圧力を受けるおそれがある場所)1.2m以上その他の場所は0.6m以上
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このページについて

電線を空中に張るときの地表・路面からの高さと、地中に埋めるときの埋設深さは、経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」(電技解釈)に具体的な数値があります。電柱と電柱の間の架空電線(第68条)、電柱から建物の取付け点までの架空引込線(第116条・第117条)、地中電線路(第120条)の数値を、条文の区分のまま並べました。電技解釈の高さ・深さの数値はすべて「以上」です。

表1: 低圧・高圧架空電線の高さ — 電技解釈 第68条 68-1表

区分(68-1表)高さ(以上)対象
道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合路面上6m低圧・高圧
鉄道又は軌道を横断する場合レール面上5.5m低圧・高圧
低圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合横断歩道橋の路面上3m低圧
高圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合横断歩道橋の路面上3.5m高圧
上記以外屋外照明用であって、絶縁電線又はケーブルを使用した対地電圧150V以下のものを交通に支障のないように施設する場合地表上4m対地電圧150V以下の屋外照明用
低圧架空電線を道路以外の場所に施設する場合地表上4m低圧
その他の場合地表上5m低圧・高圧

※ 第68条第1項「低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは、68-1表に規定する値以上であること。」 区分と高さは条文どおり、「対象」欄は区分の文言から当サイトが整理したものです。水面上に施設する場合は船舶の航行等に危険を及ぼさない高さ(第2項)、高圧架空電線を氷雪の多い地方に施設する場合は積雪上の高さを人や車両の通行等に危険を及ぼさない高さ(第3項)に保つこととされ、数値は定められていません。

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表2: 架空引込線の高さ — 電技解釈 第116条 116-1表・第117条

低圧架空引込線(第116条第1項第六号・116-1表)

区分(116-1表)高さ(以上)
道路(歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合技術上やむを得ない場合において交通に支障のないとき路面上3m
その他の場合路面上5m
鉄道又は軌道を横断する場合レール面上5.5m
横断歩道橋の上に施設する場合横断歩道橋の路面上3m
上記以外の場合技術上やむを得ない場合において交通に支障のないとき地表上2.5m
その他の場合地表上4m

高圧架空引込線(第117条第1項第四号)

場合高さ(以上)
原則第68条第1項に準じる(表1の高圧の値: 道路横断 路面上6m、鉄道・軌道横断 レール面上5.5m、横断歩道橋の上 路面上3.5m、その他 地表上5m)
道路を横断する場合・鉄道又は軌道を横断する場合・横断歩道橋の上に施設する場合以外地表上3.5mとすることができる。電線がケーブル以外のときは、電線の下方に危険である旨の表示をする
  • 低圧架空引込線の電線(第116条第1項第一号・第二号) — 絶縁電線又はケーブル。ケーブル以外は引張強さ2.30kN以上又は直径2.6mm以上の硬銅線(径間15m以下に限り1.38kN以上又は直径2mm以上の硬銅線)。
  • 低圧連接引込線(第116条第4項) — 引込線から分岐する点から100mを超える地域にわたらない、幅5mを超える道路を横断しない、屋内を通過しない。
  • 高圧架空引込線の電線(第117条第1項第一号) — 引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線を使う高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線、引下げ用高圧絶縁電線、又はケーブル。

表3: 地中電線路の埋設深さ — 電技解釈 第120条

施設方式場所・条件深さ・要件条項
直接埋設式車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所埋設深さ1.2m以上第4項第一号
その他の場所埋設深さ0.6m以上
管路式
電線共同溝(C.C.BOX)方式を含む
—深さの数値規定なし。管は、加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるもの第2項第一号
暗きょ式
キャブを含む
—深さの数値規定なし。暗きょは重量物の圧力に耐えるもの。防火措置(地中電線の耐燃措置又は自動消火設備)第3項

※ 地中電線路の電線はケーブルを使い、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設します(第1項)。直接埋設式の深さには、使用するケーブルの種類や施設条件等を考慮し、加わる圧力に耐えるよう施設する場合はこの限りでない、というただし書があります(第4項第一号)。また、一般用電気工作物又は小規模事業用電気工作物が設置された需要場所及び私道以外に施設する地中電線路を、日本電気技術規格委員会規格 JESC E6007(2021)「直接埋設式(砂巻き)による低圧地中電線の施設」により施設する場合は、第4項によらないことができます。

  • 直接埋設式の防護(第4項第二号) — 次のいずれかによります。イ 堅ろうなトラフその他の防護物に収める。ロ 低圧・高圧の地中電線を重量物の圧力を受けるおそれがない場所に施設する場合は、上部を堅ろうな板又はといで覆う。ハ 第6項に規定するがい装を有するケーブルを使う(使用電圧が特別高圧なら、さらに堅ろうな板又はといで上部と側部を覆う)。ニ パイプ型圧力ケーブルを使い、かつ、上部を堅ろうな板又はといで覆う。
  • 表示(管路式は第2項第二号、直接埋設式は第4項第三号で同号に準じる) — 高圧・特別高圧の地中電線路には、物件の名称・管理者名・電圧を表示します。需要場所に施設する場合は物件の名称と管理者名は不要(電圧だけ)です。間隔はおおむね2mで、他人が立ち入らない場所又は電線路の位置が十分に認知できる場合はこの限りではありません。需要場所に施設する高圧地中電線路で長さ15m以下のものは表示自体が不要です。暗きょ式(第3項)には表示の規定はありません。

表4: 場所ごとの比較(低圧・高圧・引込線)

場所低圧架空電線高圧架空電線低圧架空引込線高圧架空引込線
道路を横断路面上6m路面上6m路面上5m
技術上やむを得ない場合において交通に支障のないとき 路面上3m
路面上6m
第68条第1項に準じる
鉄道・軌道を横断レール面上5.5mレール面上5.5mレール面上5.5mレール面上5.5m
横断歩道橋の上横断歩道橋の路面上3m横断歩道橋の路面上3.5m横断歩道橋の路面上3m横断歩道橋の路面上3.5m
上記以外地表上5m
道路以外の場所は 地表上4m
地表上5m地表上4m
技術上やむを得ない場合において交通に支障のないとき 地表上2.5m
地表上3.5m も可
ケーブル以外は下方に危険表示(原則は 地表上5m)

※ 表1(68-1表)・表2(116-1表・第117条)を場所ごとに当サイトが並べ替えたものです。「道路」の範囲は、68-1表では車両の往来がまれなもの及び歩行の用にのみ供される部分を除き、116-1表では歩行の用にのみ供される部分を除きます。対地電圧150V以下の屋外照明用の電線(絶縁電線又はケーブル)を交通に支障のないように施設する場合は、上記以外の場所で地表上4mです。

表5: 低圧・高圧・特別高圧の区分 — 電技省令 第2条

区分交流直流
低圧600V以下750V以下
高圧600Vを超え7,000V以下750Vを超え7,000V以下
特別高圧7,000Vを超えるもの

※ 電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条第1項。例えば100V・200Vは低圧、6,600Vは高圧に当たります。特別高圧の架空電線の高さは電技解釈 第87条で別に定められており、このページでは扱いません。

参考: 道路に電線を設けるときの道路法施行令の基準

設ける場所道路法施行令 第11条の2第1項の基準
地上(第一号イ)電線の最下部と路面との距離が5m以上(既設の電線に附属して設ける場合その他技術上やむを得ず、かつ、道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれの少ない場合は4.5m、歩道上は2.5m)
地下(第二号ロ)電線の頂部と路面との距離が、車道は0.8m、歩道は0.6mを超えていること(保安上又は道路に関する工事の実施上の支障のない場合を除く)

※ 道路に電柱・電線を設けて継続して使うには、道路法第32条の道路管理者の占用許可が必要です。同法第33条第1項により、許可は道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであり、かつ、政令で定める基準に適合する場合に限られ、上の表はその政令の基準(道路法施行令第11条の2)です。電技解釈の数値とは別の法令の基準です。実際の占用の条件は道路管理者に確認してください。

使い方・選び方のポイント

  • まず「架空電線」か「架空引込線」かを分ける — 電技解釈では、架空電線路の支持物(電柱など)から他の支持物を経ずに需要場所の取付け点に至る架空電線を架空引込線といいます(第1条第九号)。電柱と電柱の間は表1、電柱から建物までは表2です。
  • 次に低圧か高圧か — 交流600V以下が低圧、600Vを超え7,000V以下が高圧です(表5)。
  • 「道路」には私道も入る — 電技解釈の道路は「公道又は私道(横断歩道橋を除く。)」です(第1条第二十五号)。
  • 地中は施設方式で決まる — 埋設深さの数値(1.2m・0.6m)があるのは直接埋設式だけです。管路式・暗きょ式は、管や暗きょが重量物の圧力に耐えることが求められます。

間違えやすいポイント

  • 引込線も道路横断6mだと思う — 低圧架空引込線の道路横断は路面上5m(技術上やむを得ない場合において交通に支障のないときは3m)です。6mは低圧・高圧の架空電線と高圧架空引込線です。
  • 道路法の5mと電技解釈の6mを取り違える — 道路法施行令の5mは道路占用の許可の基準(電線の最下部と路面との距離)、電技解釈の6mは電気設備の技術基準としての道路横断の高さで、別々の基準です。
  • 管路式にも1.2mが要ると思う — 電技解釈の1.2m・0.6mは直接埋設式の規定です。道路に埋める場合は、道路法施行令の占用の基準(原則として車道0.8m・歩道0.6mを超える深さ)が別にかかります。
  • 高圧引込線を3.5mで道路の上に張る — 地表上3.5mにできるのは、道路・鉄道又は軌道の横断と横断歩道橋の上以外の場合だけで、ケーブル以外の電線では下方に危険表示が必要です。

高さと深さが決められている理由

電技省令 第25条第1項は、架空電線を「接触又は誘導作用による感電のおそれがなく、かつ、交通に支障を及ぼすおそれがない高さ」に施設するよう求めています。第47条第1項は、地中電線路を、車両その他の重量物による圧力に耐え、埋設している旨の表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設するよう求めています。省令は性能だけを定め、電技解釈がそれを満たす具体的な数値(6m・5m・1.2mなど)を示しています。電技解釈は省令に適合する技術的内容の例示で、十分な保安水準を確保できる技術的根拠があれば、これに限定されないとされています(電技解釈の前文)。

よくある質問

Q1. 低圧の架空電線の高さは何m以上?

A. 道路横断は路面上6m、鉄道・軌道横断はレール面上5.5m、横断歩道橋の上は3m、道路以外の場所は地表上4m、その他は地表上5mです(68-1表)。

Q2. 高圧の架空電線の高さは何m以上?

A. 道路横断は路面上6m、鉄道・軌道横断は5.5m、横断歩道橋の上は3.5m、その他は地表上5mです。

Q3. 低圧の引込線の高さは何m以上?

A. 道路横断は路面上5m(技術上やむを得ない場合において交通に支障のないときは3m)、それ以外の場所は地表上4m(同2.5m)です。鉄道横断は5.5m、横断歩道橋の上は3mです。

Q4. 高圧の引込線の高さは?

A. 原則は高圧架空電線と同じ(道路横断6mなど)。道路・鉄道・横断歩道橋以外なら地表上3.5mにでき、ケーブル以外の電線は下方に危険表示をします。

Q5. 地中電線の埋設深さは何m?

A. 直接埋設式は、車両等の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他の場所で0.6m以上です。

Q6. 管路式の地中電線路に埋設深さの決まりはある?

A. 電技解釈には数値の規定はなく、管が重量物の圧力に耐えることが要件です。道路に埋める場合は、道路法施行令で原則として車道0.8m・歩道0.6mを超える深さとされています。

Q7. 道路の上の電線は5mと6mのどちら?

A. 電技解釈の道路横断は6m(低圧引込線は5m)。5mは道路法施行令の道路占用の基準で、別の法令の値です。

Q8. 低圧と高圧の境目は何V?

A. 交流は600V、直流は750Vが低圧の上限で、7,000Vまでが高圧です。

関連する早見表

出典・参考

  • 電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、最終改正 令和7年11月20日 20251104保局第2号) — 第1条第九号・第二十五号(用語の定義)、第68条(68-1表 低高圧架空電線の高さ)、第116条(116-1表 低圧架空引込線の高さ、第4項 低圧連接引込線)、第117条第1項(高圧架空引込線)、第120条(地中電線路の施設) — 経済産業省公開PDFで確認
  • 電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号) — 第2条第1項(電圧の種別)、第25条第1項(架空電線等の高さ)、第47条第1項(地中電線路の保護) — e-Gov法令検索の現行条文(令和4年経済産業省令第96号による改正、2023年3月20日施行)で確認
  • 道路法施行令(昭和27年政令第479号) 第11条の2第1項(電線の占用の場所に関する基準)・道路法 第32条第1項(道路の占用の許可)・第33条第1項(道路の占用の許可基準) — e-Gov法令検索の現行条文(道路法施行令は令和7年政令第444号による改正・2026年4月1日施行、道路法は令和8年法律第65号による改正・2026年7月23日施行)で確認

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典(電技解釈は令和7年11月20日改正版)にもとづきます。改正されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 表1〜表3の区分と数値は条文の転記、表4は表1・表2を当サイトが場所ごとに並べ替えたものです。数値の丸めはしていません。

※ 本ページは条文の数値を引くための早見表です。電線路の工事・設計の判断は、原典(電技省令・電技解釈)を確認し、電気主任技術者・電気工事士などの有資格者のもとで行ってください。道路を使う場合は道路管理者の許可と条件も確認してください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-07