スペック早見表

ワイヤロープ早見表(JIS G 3525 6×7/6×19/6×37 全46サイズ)

JIS G 3525 ワイヤロープ 6×7(硬)・6×19(汎用)・6×37(柔)、径6〜50mm 全46サイズについて、破断荷重・安全荷重(安全率6)・単位重量・ワイヤクリップ必要個数を収録。

よく使う径:

検索結果

上の欄に径を入力してください。同径の3構成が表示されます。

構成の読み方と使い分け

ワイヤロープの構成表記 a×b は「ストランド数 a 本 × 1ストランドあたりの素線数 b 本」を意味します。すべてIWRC(中心が鋼製ロープ)またはFC(繊維芯)の選択があります。

構成ストランド×素線柔軟性耐摩耗性主な用途
6×76本 × 7素線 (計42本)△ 硬い◎ 素線が太い支索(ガードレール支柱)・スタティックロープ・船舶固定
6×196本 × 19素線 (計114本)○ 中間最も汎用。クレーン・エレベーター・一般玉掛け
6×376本 × 37素線 (計222本)◎ 柔らかい△ 素線が細い大径ロープ(径12mm以上)・曲げ繰返しが多い・大型クレーン

一覧表(全46件: 6×7=15 / 6×19=15 / 6×37=16)

破断荷重はJIS G 3525 A種・裸・普通撚り(Z)の代表値。安全荷重 = 破断荷重 ÷ 6(玉掛け用・クレーン等安全規則第213条準拠)。

径 d
(mm)
構成破断荷重
(kN)
安全荷重
(kN, 安全率6)
単位質量
(kg/m)
クリップ
必要個数
66×721.43.570.1344
86×738.16.350.2374
96×748.28.030.3004
106×759.59.920.3714
126×785.614.270.5344
146×711719.50.7274
166×715225.330.9504
186×719332.171.205
206×723839.671.485
226×7288481.805
246×734357.172.145
266×7402672.515
286×746677.672.915
306×753589.173.346
326×7609101.53.806
66×1919.43.230.1314
86×1934.65.770.2334
96×1943.87.30.2954
106×195490.3644
126×1977.812.970.5244
146×1910617.670.7134
166×19138230.9324
186×1917529.171.185
206×19216361.465
226×1926143.51.765
246×1931151.832.105
266×1936560.832.465
286×1942470.672.855
306×19486813.276
326×1955392.173.726
126×3776.512.750.5174
146×3710417.330.7044
166×3713622.670.9204
186×3717228.671.165
206×3721235.331.445
226×3725742.831.745
246×37306512.075
266×3735959.832.435
286×3741669.332.825
306×3747879.673.236
326×3754490.673.686
366×37688114.74.666
406×37850141.75.757
446×371030171.76.967
486×371220203.38.287
506×3713202208.987

※ 1kN ≒ 101.97 kgf。例: 破断荷重59.5kN ≒ 6068kgf ≒ 6.07トン

逆引き: 吊り荷重から必要径を選ぶ(6×19・1本吊り垂直・安全率6)

吊り荷重必要な最小径その径の安全荷重
0.5 t8 mm5.77 kN(約0.59 t)
1 t12 mm12.97 kN(約1.32 t)
1.5 t14 mm17.67 kN(約1.80 t)
2 t16 mm23 kN(約2.34 t)
3 t20 mm36 kN(約3.67 t)
5 t24 mm51.83 kN(約5.28 t)
8 t30 mm81 kN(約8.26 t)
10 t36 mm(6×37)114.7 kN(約11.69 t)

※ 1t = 9.807kNで換算。3tで18mm(安全荷重29.17kN ≒ 2.97t)がわずかに不足するように、境界付近は必ずkNで比較すること。2本吊り・角度付きでは1本あたりの張力が増えるため、この表のままでは選定できません(下記「実務でよくある取り違え」参照)。

ワイヤクリップ必要個数(JIS B 2809 / 安衛則)

ロープ径 d (mm)クリップ最少個数クリップ間隔
d ≤ 164個ロープ径の6倍以上
16 < d ≤ 285個ロープ径の6倍以上
28 < d ≤ 386個ロープ径の6倍以上
38 < d7個以上ロープ径の6倍以上

装着ポイント:

  • Uボルトは必ず死側(短い側)に、サドルは活側(荷重のかかる長い側)に
  • 締付トルクはJIS B 2809の規定値(締め付けすぎはロープを傷める)
  • 初回使用後の増し締め必須(荷重でロープが潰れるため)
  • ワイヤクリップ止めはアイスプライスより効率が約80%に低下する(設計上の考慮必要)

安全率の規定

用途安全率根拠
玉掛け用ワイヤロープ6以上クレーン等安全規則 第213条
玉掛け用フック・シャックル5以上クレーン等安全規則 第214条
ガイロープ・控えロープ4以上慣行
人体支持用(ゴンドラ吊り)10以上ゴンドラ安全規則
エレベーター主索10以上建築基準法施行令

廃棄基準(点検で以下のいずれか該当時)

  • 1よりの間で素線(フィラ線を除く)の10%以上が断線
  • 直径の減少が公称径の7%を超える
  • キンク・著しい形崩れ・腐食
  • ロックアイ・クランプ部の変形・損傷

出典: クレーン等安全規則 第215条(不適格なワイヤロープの使用禁止)ほか

破断荷重と安全係数の考え方

ワイヤロープは、多数の細い素線を撚り合わせることで、柔軟性と強度を両立させた部材です。破断荷重はロープが切れる限界の荷重で、実際に使ってよい荷重は、これを安全係数で割った値に抑えます。

玉掛け作業で安全係数6以上が求められるのは、吊り上げ時の衝撃荷重・偏った荷重・素線切れ・腐食といった、実使用での不確実性を見込むためです。破断荷重ぎりぎりで使うことは決してありません。

撚り方や構成(6×24・6×37など)によって、柔軟性と耐摩耗性のバランスが変わります。素線切れ・摩耗・腐食・キンクを定期点検で管理し、劣化したロープは早めに交換します。

実務でよくある取り違え

単位の読み違い(kNとトン)。本表の破断荷重はkN表記ですが、メーカーカタログや古い便覧にはトン(tf)表記が残っています。1kN ≒ 0.102t なので、径10mm 6×7の破断荷重59.5kNは約6.07トンです。これを「59.5トン」と読むと約10倍の過大評価、逆にカタログの「破断荷重6.07t」を6.07kNと転記すると10分の1の過小評価になります。kN⇔トンの往復は「9.81で割る/掛ける」で、境界付近の選定では必ずkNのまま比較してください。

破断荷重と使用荷重の取り違え。本表の「安全荷重」は破断荷重を6で割った値です。カタログの「基本使用荷重」はすでに安全率で除した値であることが多く、それをさらに6で割ると過剰設計に、逆に破断荷重の列を使用荷重と誤読するとちょうど6倍の過負荷になります。いま見ている数字が「切れる荷重」なのか「使ってよい荷重」なのかを、選定のたびに確認してください。

吊り角度の無視。本表の安全荷重は1本吊り・垂直の値です。2本吊りで吊り角度がつくと1本あたりの張力は増え、吊り角度60°で約1.16倍、90°で約1.41倍、120°では2倍——つまり120°では各ロープに荷の全重量ぶんの張力がかかります。例えば2tの荷を2本吊り120°で吊ると1本あたり約2t(19.6kN)となり、12mm 6×19(安全荷重12.97kN)では不足、16mm(23kN)が必要です。あわせて端末効率(ワイヤクリップ止めで約80%)も忘れずに見込みます。

この表での径の決め方(玉掛けの手順)

手順

吊りたい荷の質量をkNに直し(1t ≒ 9.81kN)、吊り本数と吊り角度から1本あたりの張力を求め、その値を本表の「安全荷重」列と突き合わせて径を選びます。例: 3tの荷を2本吊り・吊り角度90°で吊る場合、1本あたりの張力は 3×9.81÷2×1.41 ≒ 20.8kN。6×19なら16mm(安全荷重23kN)が最小です。

構成の選び方

滑車を通す・ドラムに巻き取るなど曲げの繰返しが多い用途は素線の細い6×37、静的な支持・固定が主体なら耐摩耗性の高い6×7、迷ったら汎用の6×19を選びます。6×37は細径の流通が少なく、本表でも12mmからの収録です。端末処理(アイスプライスかワイヤクリップ止めか)で効率が変わる点も選定段階で織り込んでください。

使用開始後

上の廃棄基準(1よりの間で素線10%以上の断線、径の7%超の減少など)で定期管理し、キンクしたロープは見た目が戻っても強度が回復しないため即交換します。

よくある質問

Q. 6×7と6×19と6×37の違いは?

A. 数字は「ストランド数×素線数」。6×7は硬くて耐摩耗性◎・柔軟性△、6×19は汎用バランス型、6×37は素線が細く柔軟性◎で大径向き。

Q. 安全率はなぜ6倍?

A. 一般の玉掛け用ワイヤロープはクレーン等安全規則(第213条)により安全係数6以上と定められています。玉掛け用フック・シャックルは5以上、人体支持(ゴンドラ等)では10以上が必要です。

Q. ワイヤクリップの個数の決め方は?

A. JIS B 2809準拠で、ロープ径16mm以下=4個、16-28mm=5個、28-38mm=6個、38mm超=7個以上。Uボルトは必ずロープの死側(短い側)に向けて装着します。

Q. A種とB種の違いは?

A. ロープの素線引張強さの違いで、A種=1620 N/mm² 級、B種=1770 N/mm² 級、T種=1910 N/mm²級など。本表はA種基準。B種以上を使うと同径で破断荷重が約10〜20%向上します。

Q. 破断荷重のkN表記をトンに換算するには?

A. 1kN ≒ 0.102t(101.97kgf)なので、kN値を9.81で割るとほぼトン数になります。例: 径10mm 6×7の破断荷重59.5kNは 59.5÷9.81 ≒ 6.07トン。逆にトン表記のカタログ値は9.81を掛けるとkNに戻せます。

Q. 現場でよく使う6×24はこの表にない?

A. 本表はJIS G 3525のうち6×7・6×19・6×37の3構成を収録しており、繊維芯を多く含む6×24は収録していません。6×24の破断荷重は同径の6×19より低くなるため、6×19の値を流用せず、使用製品の仕様書またはJIS G 3525の該当表で確認してください。

関連する早見表

出典・参考

JIS G 3525:2013(ワイヤロープ), JIS B 2809(ワイヤグリップ), クレーン等安全規則, 労働安全衛生規則

参考: kikakurui.com の JIS G 3525 公開資料、およびワイヤロープメーカー各社の公開技術資料。

※ 破断荷重はA種・普通撚り・裸ロープのJIS値。B種・T種・メッキ品・編組工法などで値が異なります。実使用では使用製品の仕様書を確認してください。

本表の数値はJIS G 3525:2013(ワイヤロープ)の公表値と照合済み(2026-07-19。単位質量はJIS表記の有効3桁で掲載)。

最終更新: 2026-07-19