配管の保温厚さ 早見表(公共建築工事標準仕様書)
官庁施設の工事で配管の保温材の厚さを決めているのは、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)の表2.3.7「保温材の厚さ」です。給水・排水管は呼び径80以下で20mm、冷水・冷温水管は32〜200で40mm。管の種類から厚さの記号を引き、呼び径で厚さを読む2段の表を、呼び径の行を横に読むだけの1枚にしました。
♨️ 保温厚さ 判断即答ボックス
このページについて
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)は、国土交通省大臣官房官庁営繕部が官庁施設の営繕の基準として定める仕様書で、関係省庁で統一された基準です。保温の厚さは、まず表2.3.2(空気調和設備)・表2.3.5(給排水衛生設備)で管の種類ごとに「厚さの記号(Ⅰ〜Ⅺ)」が決まり、次に表2.3.7でその記号と呼び径から厚さが決まる、という2段の構成です。
厚さは施工箇所(屋内露出・機械室・天井内・暗渠内・屋外など)では変わらず、施工箇所で変わるのは外装などの保温の種別です(ダクトの記号Ⅺを除く)。寒冷地などで表によれない場合や、民間工事では、設計図書の特記が優先します。
表1: 呼び径別の保温材の厚さ(mm) — 表2.3.7
| 呼び径 | 給水管・排水管 Ⅶ ロックウール・グラスウール | 給水管・排水管 Ⅶ ポリスチレンフォーム | 温水管・給湯管 Ⅰ | 冷水管・冷温水管 Ⅲ | 冷水管(2〜4℃) Ⅳ | ブライン管(−10℃) Ⅴ | 冷媒管 Ⅵ | 蒸気管(低圧) Ⅱ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15 | 20 | 20 | 20 | 30 | 30 | 40 | 30 | 20 |
| 20 | 20 | 20 | 20 | 30 | 30 | 40 | 30 | 20 |
| 25 | 20 | 20 | 20 | 30 | 40 | 40 | 30 | 20 |
| 32 | 20 | 20 | 20 | 40 | 40 | 50 | 40 | 30 |
| 40 | 20 | 20 | 20 | 40 | 40 | 50 | 40 | 30 |
| 50 | 20 | 20 | 20 | 40 | 40 | 50 | 40 | 30 |
| 65 | 20 | 20 | 20 | 40 | 40 | 50 | 40 | 40 |
| 80 | 20 | 20 | 20 | 40 | 40 | 50 | 40 | 40 |
| 100 | 25 | 25 | 25 | 40 | 40 | 65 | 40 | 40 |
| 125 | 25 | 25 | 25 | 40 | 50 | 65 | 40 | 40 |
| 150 | 25 | 25 | 25 | 40 | 50 | 65 | 40 | 40 |
| 200 | 40 | 25 | 40 | 40 | 50 | 65 | 40 | 40 |
| 250 | 40 | 25 | 40 | 50 | 50 | 65 | 50 | 40 |
| 300 | 40 | 25 | 40 | 50 | 50 | 65 | 50 | 40 |
※ 単位mm。表2.3.7はセルを結合して呼び径の範囲ごとに厚さを示しているため、各呼び径の行に展開しました。蒸気管は低圧(0.1MPa未満)の蒸気、冷媒管は断熱材被覆銅管を除きます。ロックウール(ア)とグラスウール(イ)は同じ厚さです。
表2: 厚さの記号と呼び径の範囲 — 表2.3.7の原形
| 記号 | 参考使用区分 | 保温材 | 呼び径の範囲と厚さ(mm) |
|---|---|---|---|
| Ⅰ | 温水管・給湯管 | ア・イ | 15〜80: 20 / 100〜150: 25 / 200〜300: 40 |
| Ⅱ | 蒸気管(低圧 0.1MPa未満) | ア・イ | 15〜25: 20 / 32〜50: 30 / 65〜300: 40 |
| Ⅲ | 冷水管・冷温水管 | ア・イ・ウ | 15〜25: 30 / 32〜200: 40 / 250〜300: 50 |
| Ⅳ | 冷水管(冷水温度2〜4℃) | ウ | 15〜20: 30 / 25〜100: 40 / 125〜300: 50 |
| Ⅴ | ブライン管(ブライン温度−10℃) | ウ | 15〜25: 40 / 32〜80: 50 / 100〜300: 65 |
| Ⅵ | 冷媒管 | ア・イ | 15〜25: 30 / 32〜200: 40 / 250〜300: 50 |
| Ⅶ | 給水管・排水管 | ア・イ | 15〜80: 20 / 100〜150: 25 / 200〜300: 40 |
| ウ | 15〜80: 20 / 100〜300: 25 |
※ 保温材の記号: ア=ロックウール(JIS A 9504)、イ=グラスウール(JIS A 9504。保温筒などは40K以上)、ウ=ポリスチレンフォーム(JIS A 9511のビーズ法。保温板・保温筒は3号)。表2.3.1による。
表3: タンク・ヘッダー・ダクトなどの厚さ
| 記号 | 厚さ | 主な対象(表2.3.2・表2.3.5の厚さ欄) |
|---|---|---|
| Ⅷ | 25mm | 開放形膨張タンク、消音チャンバー・消音エルボ(消音内貼)、鋼板製のタンク(給排水) |
| Ⅸ | 50mm | 冷水・冷温水タンク、冷水・冷温水ヘッダー、温水タンク、還水タンク、温水・蒸気ヘッダー、熱交換器、サプライチャンバー、貯湯タンク、排気筒(隠ぺい箇所) |
| Ⅹ | 75mm | 煙道(長方形・円形) |
| Ⅺ | 25mm | 一般ダクト(長方形・スパイラル)、排煙ダクト。屋内露出(機械室・書庫・倉庫)と隠ぺい部は25mm、屋内露出(一般居室・廊下)・多湿箇所・屋外露出は50mm |
| 50mm |
断熱材被覆銅管(エアコンの冷媒配管)
冷媒用の断熱材被覆銅管は、表2.3.7ではなくJCDA 0009(冷媒用断熱材被覆銅管)によります。断熱厚さは液管10mm以上、ガス管20mm以上(表2.2.5の注)。配管周辺の温湿度条件によって結露のおそれがある箇所の断熱厚さは、特記によります。
施工で決まっていること — 3.1.3ほか
- 厚さの測り方 — 保温の厚さは保温材主体の厚さとし、外装及び補助材の厚さは含まない(3.1.3(1))。
- 床貫通部 — 屋内露出の配管・ダクトの床貫通部は、床面から少なくとも高さ150mmまでステンレス鋼板で被覆する(外装に塗装亜鉛系めっき鋼板等の金属板を使う場合を除く)。
- 蒸気管の壁・床貫通 — 蒸気管等が壁・床等を貫通する場合は、その面から25mm以内は保温を行わない。
- 防火区画の貫通部 — 準耐火構造の防火区画等を貫通する冷水・冷温水管、給水・排水・給湯管の保温は、貫通する部分をロックウール保温材で行う(表2.3.2・表2.3.5の注1)。
- 特記になるもの — 暗渠内・屋外露出の排水管、通気管、消火管、共同溝の配管、給水・排水の地中又はコンクリート埋設配管などは、保温の適用・種別・厚さを特記する(3.1.4.1・3.1.5.1)。
間違えやすいポイント
- 厚さに外装を含めてしまう — 表の厚さは保温材主体の厚さで、ラッキングやテープなどの外装・補助材は含みません。
- 冷温水管を給水管と同じ厚さにする — 冷温水管(Ⅲ)は呼び径15〜25で30mm、32〜200で40mm。給水管(Ⅶ)の20mmより厚くなります。
- 2〜4℃の冷水も普通の冷水管と同じと思う — 冷水温度2〜4℃の冷水管は記号Ⅳで、呼び径25〜100で40mm、125以上で50mmと、厚い範囲が広くなります。
- エアコンの被覆銅管を表2.3.7で読む — 断熱材被覆銅管は表2.3.7の対象外で、JCDA 0009により液管10mm以上・ガス管20mm以上です。
- 民間工事でもそのまま使う — この表は官庁営繕の標準仕様です。民間工事や寒冷地では、設計図書の特記が優先します。
よくある質問
Q1. 給水管の保温の厚さは?
A. ロックウール・グラスウールなら、呼び径15〜80は20mm、100〜150は25mm、200〜300は40mmです(記号Ⅶ)。ポリスチレンフォームは15〜80が20mm、100〜300が25mmです。
Q2. 冷温水管の保温の厚さは?
A. 呼び径15〜25は30mm、32〜200は40mm、250〜300は50mmです(記号Ⅲ)。
Q3. 給湯管の保温の厚さは?
A. 温水管と同じ記号Ⅰで、呼び径15〜80は20mm、100〜150は25mm、200〜300は40mmです。
Q4. 保温の厚さに外装は含む?
A. 含みません。保温の厚さは保温材主体の厚さとし、外装及び補助材の厚さは含まないとされています(3.1.3(1))。
Q5. エアコンの冷媒配管(被覆銅管)の断熱の厚さは?
A. 断熱材被覆銅管はJCDA 0009によるものとし、液管10mm以上、ガス管20mm以上です(表2.2.5の注)。
Q6. ダクトの保温の厚さは?
A. 記号Ⅺで、屋内露出(機械室・書庫・倉庫)と隠ぺい部は25mm、屋内露出(一般居室・廊下)・多湿箇所・屋外露出は50mmです。
Q7. 冷媒管の保温の厚さは?
A. 断熱材被覆銅管以外の冷媒管は記号Ⅵで、呼び径15〜25は30mm、32〜200は40mm、250〜300は50mmです。
関連する早見表
出典・参考
- 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 — 国土交通省大臣官房官庁営繕部(令和7年3月21日 国営設第184号、最終改定 令和7年5月12日 国営設第25号)。第2編第3章第1節 3.1.2(表2.3.1)・3.1.3・3.1.4(表2.3.2)・3.1.5(表2.3.5)・3.1.6(表2.3.7)、第2編第2章の表2.2.5注を、国土交通省公開PDFで確認
※ 表1は、表2.3.7の結合セルが示す呼び径の範囲を各呼び径に展開したものです。範囲は原本PDFの罫線の位置から読み取りました(記号Ⅳの行は罫線が列境界からわずかにずれて引かれていますが、最も近い列境界で判定しています)。
※ 本ページは標準仕様の数値を引くための早見表です。実際の工事の保温の種別・厚さは、設計図書(特記仕様書)を優先してください。
※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。
最終更新: 2026-09-27