勾配換算ツール(寸・度・%・‰)
寸勾配(10寸基準)・角度(度)・パーセント(%)・パーミル(‰)・比率(1:N) の5表記を相互換算します。屋根勾配・道路スロープ・配管勾配の法定基準値も収録。
換算結果
屋根勾配の標準値と用途
| 区分 | 寸勾配 | 角度 | % | 適用屋根材・用途 |
|---|---|---|---|---|
| 陸屋根(平らな屋根) | 0〜0.5寸 | 0°〜2.86° | 0〜5% | RC陸屋根・FRP防水・シート防水。完全フラットは水溜り注意 |
| 緩勾配 | 0.5〜1寸 | 2.86°〜5.71° | 5〜10% | 金属板(立て葺き)・アスファルト防水・モダン住宅 |
| 並勾配(やや緩) | 1〜3寸 | 5.71°〜16.7° | 10〜30% | ガルバリウム板金・横葺き金属屋根・キューブ型住宅 |
| 標準勾配 | 3〜4寸 | 16.7°〜21.8° | 30〜40% | スレート(コロニアル)・アスファルトシングル(最低3寸) |
| 標準勾配(瓦下限) | 4〜5寸 | 21.8°〜26.6° | 40〜50% | 住宅で最も一般的。瓦・スレート・板金すべて対応可 |
| 急勾配 | 5〜6寸 | 26.6°〜30.96° | 50〜60% | 瓦屋根の標準・洋風住宅・寒冷地(雪滑落) |
| 強急勾配 | 6〜10寸 | 30.96°〜45° | 60〜100% | 急傾斜瓦・神社仏閣・寒冷地(豪雪地帯) |
| 超急勾配 | 10寸超 | 45°超 | 100%超 | マンサード屋根・教会・特殊意匠 |
※屋根材別の最小勾配: 瓦4寸以上(粘土瓦・厚型スレート)、スレート3寸以上(コロニアル等)、ガルバリウム板金0.5寸以上(立て葺き)、ステンレス板金1寸以上。
道路・スロープの法定基準値
| 区分 | 最大勾配 | %換算 | 根拠法令・備考 |
|---|---|---|---|
| 車椅子スロープ(屋内) | 1/12 以下 | 8.33% | バリアフリー法施行令第18条。1/15以下が望ましい |
| 車椅子スロープ(屋外) | 1/15 以下 | 6.67% | バリアフリー法。1/20以下が望ましい |
| 視覚障害者誘導用ブロック | 段差水平に | — | バリアフリー法施行令第10条 |
| 歩道の縦断勾配 | 5%以下(やむを得ぬ場合8%) | 5〜8% | 道路構造令第24条 |
| 歩道の横断勾配 | 2%以下(やむを得ぬ場合5%) | 2〜5% | 道路構造令 |
| 車道の縦断勾配 | 第1種2%・第4種9%等 | 2〜9% | 道路構造令第20条(設計速度別) |
| 車道の横断勾配(舗装) | 1.5〜2% | 1.5〜2% | 道路構造令第24条(排水勾配) |
| 駐車場・車路 | 17%以下(駐車場法) | 17% | 駐車場法施行令第8条。17%超は不可 |
| 建築基準法 階段の代替傾斜路 | 1/8 以下 | 12.5% | 建築基準法施行令第26条 |
| 非常用進入口前の通路 | 勾配制限なし | — | 建築基準法施行令第126条の6 |
※スロープは高さ75cmを超えるごとに踊場(長さ150cm以上)が必要(バリアフリー法)。手すりは両側設置が原則。
配管・排水の標準勾配
| 配管種類 | 標準勾配 | %換算 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 汚水管 (管径65以下) | 1/50 以上 | 2% | SHASE-S 206 |
| 汚水管 (管径75〜100) | 1/100 以上 | 1% | 住宅排水で最一般 |
| 汚水管 (管径125〜150) | 1/150 以上 | 0.67% | — |
| 汚水管 (管径200以上) | 1/200 以上 | 0.5% | 大型集合排水 |
| 雨水管 | 1/50〜1/100 | 1〜2% | 軒樋は1/200以上 |
| 給湯返湯管 | 1/200 以上の登り | 0.5% | 湯切れ防止 |
| 蒸気還水管 | 1/200 以上 | 0.5% | — |
| 軒樋(横樋) | 1/200〜1/300 | 0.33〜0.5% | — |
| U字溝・側溝 | 1/100〜1/200 | 0.5〜1% | 道路排水 |
主要勾配の換算早見
| 寸勾配 | 角度(°) | % | ‰(パーミル) | 比 1:N |
|---|---|---|---|---|
| 0.5寸 | 2.86° | 5.0% | 50‰ | 1:20 |
| 1寸 | 5.71° | 10.0% | 100‰ | 1:10 |
| 2寸 | 11.31° | 20.0% | 200‰ | 1:5 |
| 3寸 | 16.70° | 30.0% | 300‰ | 1:3.33 |
| 4寸 | 21.80° | 40.0% | 400‰ | 1:2.5 |
| 4.5寸 | 24.23° | 45.0% | 450‰ | 1:2.22 |
| 5寸 | 26.57° | 50.0% | 500‰ | 1:2 |
| 6寸 | 30.96° | 60.0% | 600‰ | 1:1.67 |
| 10寸 | 45.00° | 100.0% | 1000‰ | 1:1 |
逆引き:1mあたりの高低差(水勾配・スロープ施工用)
| 勾配表記 | % | 1mあたり高低差 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 1/300 | 0.33% | 3.3mm | 軒樋(下限) |
| 1/200 | 0.5% | 5mm | 給湯返湯管・大口径汚水管 |
| 1/150 | 0.67% | 6.7mm | 汚水管(管径125〜150) |
| 1/100 | 1% | 10mm | 汚水管(管径75〜100)・水勾配の基本 |
| 1/50 | 2% | 20mm | 汚水管(管径65以下)・ベランダ防水・土間 |
| 1/20 | 5% | 50mm | 歩道の縦断勾配の上限 |
| 1/15 | 6.67% | 66.7mm | 屋外スロープの推奨上限(バリアフリー法誘導基準) |
| 1/12 | 8.33% | 83.3mm | 屋内スロープの上限(バリアフリー法) |
| 1/8 | 12.5% | 125mm | 階段代替傾斜路の上限(建築基準法) |
※水勾配の墨出しは「1mあたり◯mm下げる」に換算すると、水糸・レーザー墨出し器でそのまま施工できます。
屋根勾配の伸び率(勾配係数)
| 寸勾配 | 伸び率(勾配係数) | 水平投影100m²あたりの屋根実面積 |
|---|---|---|
| 1寸 | 1.005 | 100.5m² |
| 2寸 | 1.020 | 102.0m² |
| 3寸 | 1.044 | 104.4m² |
| 4寸 | 1.077 | 107.7m² |
| 5寸 | 1.118 | 111.8m² |
| 6寸 | 1.166 | 116.6m² |
| 8寸 | 1.281 | 128.1m² |
| 10寸(矩勾配) | 1.414 | 141.4m² |
※伸び率=√(1+(寸勾配/10)²)。屋根材・ルーフィングの数量拾いは「水平投影面積×伸び率」で概算します。
勾配の表し方と相互換算
勾配は、水平距離に対する高さの比を表します。%(高さ÷水平×100)、度(角度)、寸(水平10に対する高さ)など複数の表現があり、屋根は寸、土木は%、角度は度というように分野で使い分けられます。
これらは三角関数で相互に換算できます(tanθ=高さ÷水平)。たとえば45度は勾配100%、屋根の10寸(矩勾配)に相当します。単位が違っても同じ傾きを別の物差しで表しているにすぎません。
用途によって基準が決まっています。バリアフリーのスロープは1/12(約8.3%)以下、排水の水勾配は1/100前後が目安です。目的に合った単位と基準で勾配を扱います。
実務でよくある取り違えと注意点
「1/12」と「12%」は別物——分数表記と%表記の読み違え
スロープ設計で最も多いのが、分数勾配「1/12」を「12%」と読んでしまう取り違えです。1/12は「高さ1に対して水平12」、つまり約8.33%であり、12%(=約1/8.3)とは傾きが約1.44倍も違います。バリアフリー法施行令の上限は1/12(8.33%)なので、「12%」で施工すると明確に不適合になります。逆に配管の「1/100」は1%、「1/50」は2%というように、分数勾配は分母が大きいほど緩くなります。分数と%が逆数の関係にあることを常に意識してください。
%と度の混同——10%勾配は10度ではない
道路標識の勾配は%表記で、10%は約5.7°、20%でも約11.3°にすぎません。%と度がほぼ一致するのは0付近だけで、45°で100%、90°では無限大%になります。また、表計算ソフトのTAN/ATAN関数はラジアン単位のため、度の値をそのまま渡すと結果が大きく狂います(4寸勾配なら =TAN(RADIANS(21.8))*10 ≒ 4寸が正)。屋根の寸勾配は「水平10寸に対する立ち上がり寸」という比率であり、長さの単位の寸(1寸≒30.3mm)とは無関係です。
勾配は「水平距離」基準——斜辺で測ると過小評価になる
勾配=高さ÷水平距離(tanθ)です。レーザー距離計などで斜面に沿った長さを測って割ると、高さ÷斜辺(sinθ)となり、急勾配ほど値が小さく出ます(10寸勾配ではtan基準100%に対しsin基準は70.7%)。逆に屋根材の数量拾いでは水平投影面積に勾配伸び率√(1+(寸/10)²)を掛けます(4寸で1.077倍、6寸で1.166倍)。水勾配の施工は「1mあたり◯mm下げる」に換算するのが実務的で、1/100なら10mm/m、2%なら20mm/mです。
よくある質問
Q. 屋根勾配の標準は?
A. 日本の住宅は4寸〜5寸勾配(角度21.8°〜26.6°)が一般的。瓦屋根は最低4寸以上、スレート3寸以上、ガルバリウム板金は0.5寸〜が可能。
Q. 車椅子用スロープの最大勾配は?
A. バリアフリー法施行令で1/12以下(約4.76°/8.3%)、屋外は1/15以下が望ましい。高さ75cm以上ごとに踊場(長さ150cm以上)が必要。
Q. 4寸勾配は何度?何%?
A. 4寸勾配 = atan(4/10) ≒ 21.8° ≒ 40%。住宅屋根の最汎用勾配です。
Q. 配管勾配の標準は?
A. 汚水配管 1/100(管径100以下)〜1/200(管径200超)、雨水 1/50〜1/100。給湯返湯は1/200以上の登り勾配。
Q. パーミル(‰)とは?
A. 千分率(per mille)。100‰=10%=1割。鉄道・上下水道・道路の縦断勾配でよく使われます。
Q. 1/12勾配と12%勾配は同じ?
A. 別物です。1/12は高さ1÷水平12=約8.33%(バリアフリー法の屋内スロープ上限)。12%は約1/8.3に相当し、約1.44倍急になります。分数勾配とパーセントは逆数の関係です。
Q. 屋根の勾配伸び率(勾配係数)とは?
A. 水平投影面積から屋根の実面積を求める係数で、√(1+(寸勾配/10)²)で計算します。4寸勾配で1.077倍、6寸で1.166倍、10寸(矩勾配)で1.414倍です。
関連する早見表
出典・参考
- 建築基準法施行令 第26条(階段に代わる傾斜路)
- バリアフリー法(高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)施行令 第18条(傾斜路)
- 道路構造令 第20条・第24条(縦断・横断勾配)
- 駐車場法施行令 第8条(車路勾配)
- SHASE-S 206「給排水衛生設備規準」
- 日本瓦工事業連合会・全日本瓦工事業連盟 屋根勾配指針
※実設計では、建築場所の地域条例・特定行政庁規定・各製品メーカー仕様も併せて確認してください。
※本表の法定基準値は建築基準法施行令・バリアフリー法施行令(平成18年政令第379号)・道路構造令・駐車場法施行令の公表条文と照合(2026-07-18)。
最終更新: 2026-07-18