スペック早見表

塗料量 計算ツール

塗装面積・塗料種別・塗り回数・ロス率から必要塗料量を即計算。塗料種別の使用量目安、ロス係数(道具別)、計算式の詳細も収録。

必要塗料量

計算式: 塗装面積(㎡) × 塗布量(L/㎡) × 塗り回数 × (1 + ロス率)

計算式の詳細

必要塗料量(L) = 塗装面積(m²) × 塗布量(L/m²) × 塗り回数 × (1 + ロス率)

塗布量を kg/m² で扱う場合(粉体・固形分基準):

必要塗料量(kg) = 塗装面積(m²) × 塗布量(kg/m²) × 塗り回数 ÷ 固形分率 × (1 + ロス率)

  • 塗装面積: 実塗装する面の㎡数(凹凸・狭所は実面積×1.1〜1.3で見積)
  • 塗布量: 1㎡あたり1回で塗る量(kg/㎡ または L/㎡)。塗料カタログに記載
  • 塗り回数: 通常3回(下塗り1+中塗り1+上塗り1)
  • 固形分率: 乾燥後に残る成分の割合(%)。希釈剤や水分を除いた率
  • ロス率: 飛散・付着・残液による損失の割合

塗料種別 × 塗り回数別 使用量目安

標準的な塗布量(kg/m²)。1m²×1回塗りに必要な塗料量です。塗り回数を掛けて全体量を算出します。

塗料種別 下塗り
(kg/m²)
中塗り
(kg/m²)
上塗り
(kg/m²)
合計
(3回塗り)
標準塗装面積
(m²/缶)
外壁:水性アクリル0.15(シーラー)0.130.130.4114L缶: 約30〜40㎡
外壁:水性シリコン0.15(シーラー)0.120.120.3915kg缶: 約40〜50㎡
外壁:水性フッ素0.15(シーラー)0.100.100.3515kg缶: 約45〜55㎡
外壁:無機ハイブリッド0.15(シーラー)0.110.110.3715kg缶: 約40〜50㎡
屋根:遮熱塗料0.20(下塗り)0.130.130.4615kg缶: 約30〜40㎡
屋根:シリコン0.18(下塗り)0.120.120.4214L缶: 約35〜45㎡
床:エポキシ樹脂0.20(プライマー)0.300.300.8014kg缶: 約15〜20㎡
床:ウレタン樹脂0.15(プライマー)0.250.250.6510kg缶: 約12〜18㎡
さび止め:エポキシ0.200.200.40 (2回)16kg缶: 約30〜40㎡
さび止め:変性エポキシ0.180.180.36 (2回)16kg缶: 約35〜45㎡
木部用:キシラデコール0.100.100.20 (2回)3.4L缶: 約30〜40㎡

※塗布量・塗り面積は塗料カタログの中央値で、メーカー・色・素地状況で±20%程度変動します。

ロス係数(道具別)

塗装方法標準ロス率適用箇所備考
ローラー塗り15%外壁・大面積平面最一般的。砂骨ローラー使用時は20%
刷毛塗り20%窓枠・サッシ周り・狭所細部・付帯部用。ローラーと併用
エアレススプレー30%大面積・倉庫・吹付塗装飛散ロス大。養生範囲も広く必要
エアスプレー35%細吹き・自動車・木工飛散最大だが仕上り◎
コテ塗り(吹付タイル材)10%吹付タイル・ジョリパット道具に残る量が少ない
塗装ガン(タイル)40%吹付タイル・リシン仕上げ飛散最大

※凹凸面・モザイクタイル・サイディング目地・狭所では上記ロス率に+5〜10%加算。風の強い屋外吹付では+10〜20%。

塗料の耐久年数比較

塗料種別耐久年数価格目安(/m²)特徴
アクリル5〜8年1,000〜1,500円安価・色数豊富。短期向け
ウレタン7〜10年1,500〜2,500円密着性◎・木部にも◎
シリコン10〜15年2,500〜3,500円外壁の主流・コスパ◎
ラジカル制御型12〜16年2,800〜3,800円シリコンの上位互換
フッ素15〜20年3,500〜5,000円高耐候・公共建築
無機ハイブリッド20〜25年4,500〜5,500円最高耐候・初期コスト高
光触媒15〜20年5,000〜5,500円セルフクリーニング機能

計算例

例1: 30坪戸建て住宅 外壁塗装

  • 外壁実面積: 約150m²(延床99m²×1.5の概算)
  • 水性シリコン3回塗り(下塗り0.15+中塗り0.12+上塗り0.12=0.39kg/m²)
  • ローラー塗り(ロス率15%)
  • 必要量 = 150 × 0.39 × (1+0.15) = 67.3kg → 15kg缶 × 5缶

例2: 鉄骨倉庫 外部さび止め塗装

  • 塗装面積: 800m²
  • 変性エポキシさび止め2回塗り(0.18kg/m² × 2)
  • エアレススプレー(ロス率30%)
  • 必要量 = 800 × 0.36 × (1+0.30) = 374.4kg → 16kg缶 × 24缶

延べ床坪数からの逆引き(戸建て外壁・水性シリコン3回塗り)

見積書の缶数を確かめたいときの逆引きです。外壁面積は「延床面積(m²)×1.2〜1.5」の概算(2階建て・開口部込みの拾い面積)、塗料量は下塗りシーラー込み0.39kg/m²×ローラーロス15%で算出しています。

延床面積外壁面積の目安塗料総量
(下塗り込み)
15kg缶換算
20坪(約66m²)約80〜100m²約36〜45kg3缶
25坪(約83m²)約100〜125m²約45〜56kg3〜4缶
30坪(約99m²)約120〜150m²約54〜67kg4〜5缶
35坪(約116m²)約140〜175m²約63〜79kg5〜6缶
40坪(約132m²)約160〜200m²約72〜90kg5〜6缶

※外壁面積は形状・階数で大きく変わるため、実発注では立面図からの拾い出しを優先してください。付帯部(軒天・破風・雨樋)の塗料は別途です。

塗料量の計算と塗り重ねの意味

塗装は、素地の保護・美観・機能(防錆・遮熱など)を担います。必要な塗料量は「面積×塗布量×塗り回数×(1+ロス率)」で見積もります。塗布量は、規定の膜厚を得るために必要な単位面積あたりの量です。

下塗り・中塗り・上塗りと塗り重ねるのは、それぞれ密着(下塗り)、膜厚と色の形成(中・上塗り)と役割が異なるためです。1回塗りでは膜厚や耐久性が不足するため、複数回の塗り重ねが前提になります。

ロス率は、塗料の飛散や容器・道具への付着残りで生じ、塗装方法で変わります(ローラー15%・刷毛20%・スプレー30%が目安)。塗料の種類によって耐久年数も大きく異なります。

実務でよくある取り違え・発注ミス

いちばん多いのは単位の取り違えです。業務用カタログの所要量は「kg/m²/回」、DIY向けの缶は「L」や「塗り面積(m²)」で書かれており、水性塗料の比重は約1.2〜1.4あるため、15kg缶の実容量は約11〜13Lしかありません。kg基準とL基準を混ぜて計算すると、それだけで2〜4割ずれます。さらに缶に記載された「塗り面積」は、メーカーによって1回塗り基準のものと標準塗り回数(2回塗り)基準のものがあり、後者に塗り回数を掛け直すと必要量を約2倍に過大計上し、逆に1回塗り基準と気づかず掛け忘れると半分しか届きません。缶やカタログの注記で基準回数を確認してから式に入れてください。

希釈の扱いも定番の落とし穴です。カタログの所要量は原則として希釈前の製品量で規定されています。水性上塗り材は清水0〜10%程度の希釈がカタログで規定されています(上限は製品により5〜10%)が、「水で増えた分だけ広く塗れる」と塗り伸ばすと乾燥膜厚が不足します。所要量0.12kg/m²の中塗りを0.09kg/m²まで伸ばせば膜厚は単純計算で25%不足し、耐久年数の前提が崩れます。希釈率は必ずカタログの規定範囲内に収めてください。

2液型(床用エポキシ・変性エポキシさび止めなど)は、硬化剤を混合した瞬間から可使時間(ポットライフ)が進行します。目安は23℃で3〜6時間、真夏の30℃超では概ね半分です。混合後に塗り残した分は全量ロスになるため、総量計算とは別に「1回に混合する量=2〜3時間で塗り切れる量」で小分け計量します。また戸建て外壁では窓・ドアなどの開口部が外壁面積の15〜20%を占めますが、実務の見積では開口部を控除せず、その分を凹凸面や付帯部のロス増と相殺させる拾い方も一般的です。他社見積と缶数を比較する際は、開口部控除の有無を先に確認すると差の原因がすぐ分かります。

よくある質問

Q. 塗料の必要量はどう計算する?

A. 必要塗料量(L) = 塗装面積(m²) × 塗布量(L/m²) × 塗り回数 × (1+ロス率)。例: 50m²×0.13L/m²×2回×1.15=14.95L。

Q. ロス係数(ロス率)とは?

A. 塗料が缶や塗装具に残ったり、飛散・乾燥でロスする割合。ローラー15%・刷毛20%・スプレー30%が標準。凹凸面・狭所はさらに5〜10%増。

Q. 外壁塗装は何回塗り?

A. 標準は3回塗り(下塗り1回+中塗り1回+上塗り1回)。下塗りはシーラー/フィラー、中・上塗りで色と保護膜を形成。耐久性重視は中・上塗り各2回(計5回)も。

Q. フッ素とシリコン塗料の違いは?

A. 耐久年数: フッ素15〜20年・シリコン10〜15年・ウレタン7〜10年・アクリル5〜8年。フッ素は高価(シリコンの1.5倍)だが長期コスパ◎。

Q. 塗布量と固形分の関係は?

A. 塗布量=塗装する塗料の量(液体)、固形分=乾燥後の塗膜成分。固形分が多いほど少ない塗布量で必要膜厚が得られます。固形分%は塗料カタログに記載。

Q. 15kg缶と15L缶は同じ量?

A. 別物です。水性塗料の比重は約1.2〜1.4で、15kg缶の実容量は約11〜13L。kg/m²表記とL/m²表記を混ぜて計算すると2〜4割ずれるため、単位はどちらかに揃えて計算します。

Q. 2液型塗料の余りは翌日使える?

A. 使えません。硬化剤を混合した後の可使時間(ポットライフ)は23℃で3〜6時間程度、高温期はさらに短縮。混合分は使い切る前提で、塗り切れる量だけ小分け計量します。

関連する早見表

出典・参考

  • 関西ペイント 標準施工要領書(参考値)
  • 日本ペイント 塗料カタログ・施工仕様書
  • SK化研(エスケー化研) 製品技術資料
  • 菊水化学工業 標準施工指針
  • (一社) 日本塗料工業会 公開技術資料
  • 建築工事標準仕様書 JASS 18「塗装工事」
  • 本表の塗布量・ロス率は上記各メーカー公表カタログおよび建築工事標準仕様書JASS 18(塗装工事:2013年版)の公表値と照合(2026-07-18)

※塗布量・ロス率はあくまで標準目安です。実発注では使用する塗料メーカーの製品カタログ・施工要領書に記載の塗布量・所要量・ロス率に必ず従ってください。下地の凹凸・吸込み・気温・湿度で変動します。

最終更新: 2026-07-18