電線・ケーブル略号早見表|IV・CV・CVV・CPEV・VCTFの意味一覧
設計図・積算書・盤図に並ぶ電線・ケーブルの略号を正式名称と用途に読み替える逆引き辞典。IV・HIV・KIV(絶縁電線)、VVF・CV・CVT(電力)、CVV(制御)、CPEV・AE(弱電)、VCT・VCTF(移動用)、FP・HP(防災)、EM-系(エコ電線)——約25記号を1ページで。「この略号、何のケーブル?」が3秒で引けます。
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このページについて
電線・ケーブルの略号は、絶縁体・シースの材質と構造の頭文字を並べる命名です(例: CV=Crosslinked polyethylene絶縁+Vinylシース)。この規則を知ると初見の略号もある程度読めます。本ページは施工図・積算・盤図で頻出の約25記号の逆引き表です。太さ(sq)・許容電流・外径は別ページ(許容電流・仕上外径)が担当します。
略号一覧(用途グループ別)
| 略号 | 正式名称 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 絶縁電線(電線管・ダクト内で使用) | ||
| IV | 600Vビニル絶縁電線 | 屋内配線の基本。電線管・盤内の渡り |
| HIV | 600V二種ビニル絶縁電線(耐熱) | 耐熱75℃。盤内・機器周りでIVの上位 |
| KIV | 600V電気機器用ビニル絶縁電線 | 柔らかい細より線。盤内配線の定番 |
| EM-IE | 600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線(エコ) | IVのエコ置き換え。官公庁物件標準 |
| 電力ケーブル(そのまま布設できる) | ||
| VVF | 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(平形) | 住宅・一般屋内配線の主役 |
| VVR | 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形) | 引込み・丸形が必要な箇所 |
| EM-EEF | 600V耐燃性ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル(平形) | VVFのエコ置き換え |
| CV | 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル | 動力・幹線。耐熱90℃で許容電流大 |
| CVT | CVの単心3本より(トリプレックス形) | 幹線の主流。放熱・曲げに有利 |
| EM-CE | 600V耐燃性ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル | CVのエコ置き換え |
| 制御・計装ケーブル | ||
| CVV | 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル | 操作・監視信号の多心(7C・10C等) |
| CVVS | 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(遮へい付) | ノイズを嫌う制御信号。Sはシールド |
| 通信・弱電ケーブル | ||
| CPEV | 市内対ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル | 電話・インターホン等のツイストペア |
| AE | 警報用ポリエチレン絶縁ケーブル | 自火報・警報・計装の小電流信号 |
| 移動用(キャブタイヤ・コード) | ||
| VCT | 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル | 仮設電源・可動部の電源 |
| VCTF | ビニルキャブタイヤ丸形コード(300V) | 機器の電源コード・短距離の口出し |
| CT | 600V天然ゴム絶縁天然ゴムキャブタイヤケーブル | ゴム系の移動用(1種)。2PNCT等は強化形 |
| 防災・特殊用途 | ||
| FP | 耐火電線(消防庁認定品) | 非常電源回路など火災時も通電を保つ回路 |
| HP | 小勢力回路用耐熱電線 | 自火報の感知器回路など |
| MLFC | 難燃性ポリフレックス電線(600V) | 変圧器周り・高温部の機器配線 |
※ 名称はJIS(C 3307・C 3342・C 3605等)・JCS(日本電線工業会規格)・消防関係告示に基づく通用表記です。FP・HPの適用回路は消防法令で定められており、防災回路の電線種別は必ず設計図書・所轄消防の指導によります。
略号の読み方のルール
| 文字 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| V | ビニル(絶縁またはシース) | VVF=ビニル絶縁+ビニルシース+Flat |
| C(先頭) | 架橋ポリエチレン(Crosslinked PE) | CV・CVT |
| E | ポリエチレン(EM-系では耐燃性PE) | EM-EEF・CPEV |
| F(末尾) | 平形(Flat)・コードのF | VVF・VCTF |
| R(末尾) | 丸形(Round) | VVR |
| S(末尾) | 遮へい(シールド)付き | CVVS |
| T | トリプレックス(3本より)/キャブタイヤのT | CVT・VCT |
| EM- | エコマテリアル(ハロゲンフリー耐燃PE) | EM-IE・EM-EEF・EM-CE |
| H(先頭) | 耐熱(Heat resistant)の系統 | HIV・HP |
※ 「CVVのVは2つあるのになぜ制御用?」——最初のCが「Control」の意味で使われている例です。先頭のCは架橋PE(CV系)とControl(CVV)の両方があり得るのが最大の紛れポイントです。
よくある間違い
- CVとCVVの混同 — CVは電力(架橋PE絶縁)、CVVは制御(ビニル絶縁)。1文字違いで耐熱も用途も別物です。積算の拾い間違いの定番。
- VVFとEM-EEFを同一視 — 相当品ですが材質が違い、指定がEMの物件でVVFを納めると是正対象です。
- VCTFで動力を延長 — VCTFは300Vのコードです。仮設動力はVCT・キャブタイヤの領域。
- FP・HPを普通の耐熱電線と混同 — 消防用設備の回路は認定品の指定があります。「耐熱っぽいから可」は通りません。
- CPEVをLANケーブルの代わりに — CPEVは電話級のツイストペアで、LANのカテゴリ性能はありません(→LANケーブル)。
- 略号だけで発注して心数・sqが抜ける — 完全な呼びは「CVV 1.25sq-10C」のように略号+サイズ+心数です。
略号体系のしくみ
日本の電線略号は、JIS・JCS(日本電線工業会規格)の品名の頭文字をつないだもので、「絶縁体→シース→形状」の順に読むのが基本形です。VVFなら「ビニル絶縁・ビニルシース・平形」、CVなら「架橋ポリエチレン絶縁・ビニルシース」。この順序を覚えると、EM-EEF(耐燃PE絶縁・耐燃PEシース・平形)のような長い記号も分解して読めます。
体系が完全に機械的でないのは、歴史的な通称が混ざっているためです。CVVの先頭Cは Control、MLFCはメーカー製品名由来、FP・HPは消防法体系の呼び名——と出自がバラバラで、これが「1文字違いの別物」を生んでいます。だからこそ実務では、略号を見たら①電力か制御か弱電か(用途グループ)②エコ指定(EM)か③防災指定(FP/HP)かの3点をまず判定するのが安全な読み方です。サイズ・許容電流・外径はそれぞれ電線許容電流・ケーブル仕上外径のページで引けます。
よくある質問
Q1. CVVとCVの違いは?
A. CVは電力用の架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル、CVVは制御用のビニル絶縁ビニルシースケーブルで、別物です。CVVは操作・監視信号用の多心ケーブル(1.25sq・2sqの7心・10心など)。シールド付きはCVVSと書きます。
Q2. EM-やエコ電線の「EM」とは?
A. Ecomaterial(エコマテリアル)の略で、燃やしてもハロゲンガスを出さない耐燃性ポリエチレンを使った環境配慮型を表します。EM-IE(IV相当)、EM-EEF(VVF相当)、EM-CE(CV相当)のように従来品との置き換え対応があります。官公庁物件ではEM電線指定が標準的です。
Q3. FPとHPの違いは?
A. どちらも防災設備用ですが、FPは耐火電線(非常電源回路など火災中も一定時間通電を保つ)、HPは小勢力回路用耐熱電線(感知器回路など)です。適用できる回路が消防法令・告示で決まっているため、防災回路の電線種別は設計図書の指定に従います。
Q4. CPEVとAEはどう使い分ける?
A. CPEVは市内対ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(通信・電話用のツイストペア)、AEは警報用ポリエチレン絶縁ケーブルで、インターホン・警報・計装の小電流信号に使われます。どちらも弱電用で、対数(P)×導体径(0.9mm等)で呼びます。
Q5. VCTとVCTFの違いは?
A. VCTは600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル(移動用電源の本格派)、VCTFはビニルキャブタイヤ丸形コード(300V以下の小型機器用)です。工場の可動部・仮設電源はVCT系、家電・小型機器の口出しはVCTFが典型です。
Q6. MLFCとKIVはどんな電線?
A. どちらも盤内・機器内の配線用です。KIVは600V電気機器用ビニル絶縁電線(柔らかい細より線)、MLFCは難燃性ポリフレックス電線と呼ばれる耐熱・難燃タイプで、変圧器周りや高温部の渡り配線に使われます。MLFCは元はメーカー呼称由来ですが業界で通称化しています。
関連する早見表
出典・参考
- JIS C 3307 / C 3342 / C 3605 ほか — IV・VVF/VVR・CV等の製品規格(正式名称の出典)
- JCS(日本電線工業会規格)・電線メーカー総合カタログ — CVV・CPEV・AE・MLFC等の品名
- 消防法関係告示・登録認定機関の認定品リスト — FP(耐火電線)・HP(耐熱電線)の適用回路
※ 本表は略号と名称・用途の対照です。防災回路(FP・HP)の適用、エコ電線指定の有無、心数・サイズの選定は設計図書・法令・内線規程によります。
最終更新: 2026-08-05