AQL抜取検査早見表|ロットサイズ→サンプル数→Ac/Re(JIS Z 9015-1)
受入検査・出荷検査・検品の定番、AQL指標型抜取検査(JIS Z 9015-1 / ISO 2859-1)の早見表。ロットサイズ→サンプル文字→抜取数n→合格判定個数Ac・不合格判定個数Reが3ステップで引けます。「ロット1,000個でAQL1.0なら何個検査? 何個までOK?」——答えはn=80・Ac2/Re3です。
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このページについて
JIS Z 9015-1(計数値検査に対する抜取検査手順・ISO 2859-1対応)は、①ロットサイズと検査水準からサンプル文字を決め、②文字ごとの抜取数nと、③AQLごとの判定数Ac/Reで合否を決める仕組みです。本ページは最頻出の通常検査水準II・なみ検査・1回抜取方式の範囲を早見表化したものです。きつい/ゆるい検査の表、2回抜取、矢印セルの詳細は規格の付表によります。
表1: ロットサイズ→サンプル文字→抜取数n(通常検査水準II)
| ロットサイズ | サンプル文字 | 抜取数 n |
|---|---|---|
| 2〜8 | A | 2 |
| 9〜15 | B | 3 |
| 16〜25 | C | 5 |
| 26〜50 | D | 8 |
| 51〜90 | E | 13 |
| 91〜150 | F | 20 |
| 151〜280 | G | 32 |
| 281〜500 | H | 50 |
| 501〜1,200 | J | 80 |
| 1,201〜3,200 | K | 125 |
| 3,201〜10,000 | L | 200 |
| 10,001〜35,000 | M | 315 |
| 35,001〜150,000 | N | 500 |
※ Iはアルファベットの紛れ防止で欠番(H→J)。150,001以上(P・Q)や特別検査水準S-1〜S-4は規格の付表1参照。
表2: なみ検査・1回抜取のAc/Re(文字E〜N × 主要AQL)
セルは「Ac/Re」。空欄(—)は矢印セル(規格では上下の方式へ誘導)のため本表では省略——該当する場合は規格の付表2-Aで矢印の先の方式を使ってください。
| 文字 (n) | AQL 0.65 | AQL 1.0 | AQL 1.5 | AQL 2.5 | AQL 4.0 | AQL 6.5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| E (13) | — | — | — | — | 1/2 | 2/3 |
| F (20) | — | — | — | 1/2 | 2/3 | 3/4 |
| G (32) | — | — | 1/2 | 2/3 | 3/4 | 5/6 |
| H (50) | — | 1/2 | 2/3 | 3/4 | 5/6 | 7/8 |
| J (80) | 1/2 | 2/3 | 3/4 | 5/6 | 7/8 | 10/11 |
| K (125) | 2/3 | 3/4 | 5/6 | 7/8 | 10/11 | 14/15 |
| L (200) | 3/4 | 5/6 | 7/8 | 10/11 | 14/15 | 21/22 |
| M (315) | 5/6 | 7/8 | 10/11 | 14/15 | 21/22 | — |
| N (500) | 7/8 | 10/11 | 14/15 | 21/22 | — | — |
※ 判定数は規格の主抜取表の対角構造に従う値で、代表点(J×2.5=5/6、L×1.5=7/8、L×2.5=10/11等)を複数資料と照合済み。AQL 0.65未満・6.5超の列、矢印セルの扱い、きつい/ゆるい検査の表はJIS Z 9015-1本文の付表によってください。
使い方の3ステップ(例: ロット5,000個・AQL2.5)
① 表1でロット5,000→文字L・抜取数n=200 → ② ロットからランダムに200個抜き取り検査 → ③ 表2のL行×AQL2.5列=Ac10/Re11。不良10個以下なら合格、11個以上なら不合格。アパレル・雑貨の第三者検品では「重欠点AQL2.5・軽欠点AQL4.0」の併用が定番で、その場合は同じn=200で重10/軽14が判定線になります。
よくある間違い
- AQLを「保証不良率」と誤解 — AQLは抜取方式を設計するための基準値で、「合格ロット=不良1%以下の保証」ではありません。抜取検査は統計的な網です。
- %でサンプル数を決める(10%抜取など) — ロットの1割を抜く方式は統計的根拠がなく、規格の方式ではありません。サンプル文字体系を使います。
- 切替ルールを使わない — なみ→きつい→中止の切替が品質圧力の本体です。表の値だけ固定で使うのは規格の趣旨に反します。
- ランダムサンプリングをしない — 箱の上だけ・端だけから抜くと前提が崩れます。ロット全体からの無作為抜取が条件です。
- Ac/Reの間に隙間があると思う — Re=Ac+1です。「Ac2/Re3」で不良2.5個はあり得ないので、判定は必ずどちらかに落ちます。
- 孤立ロットに使う — この方式は継続的な取引ロットの前提です。単発ロットにはJIS Z 9015-2(LQ指標型)が用意されています。
AQL抜取検査のしくみ
全数検査ができない(コスト・破壊検査)場面で、「サンプルの不良数からロット全体の品質を推し量る」のが抜取検査です。JIS Z 9015-1の体系(源流は米軍規格MIL-STD-105、現在はISO 2859-1)は、単なる表ではなく「供給者の工程品質がAQLより良ければほぼ合格し続け、悪化すれば、きつい検査への切替で急速に不合格が増える」という動的なゲーム設計になっています。切替ルール込みで運用して初めて、供給者に品質維持のインセンティブが働きます。
サンプルサイズがロットに比例しない(1,000個でも80、100,000個でも500)のは、統計的な判別力がロットサイズよりサンプル絶対数で決まるためです。これが「大きいロットほど抜取検査が相対的に安上がり」になる理由で、ロットをまとめる実務慣行の背景でもあります。逆に小ロットでは抜取の判別力が急落するため、重要特性は全数検査・工程内保証(ポカヨケ)側で担保するのが現代的な品質管理の分担です。検査記録の書き方・限界見本の管理などの実務は、社内の品質マニュアルと顧客との検査協定が優先します。
よくある質問
Q1. ロット1,000個・AQL1.0のときの抜取数と合否判定は?
A. 通常検査水準IIならロット501〜1,200はサンプル文字J、n=80。AQL1.0の列でAc=2、Re=3です。80個検査して不良2個以下なら合格、3個以上なら不合格です。
Q2. AQLとは何の数字?
A. Acceptance Quality Limit(合格品質限界)の略で、「工程平均としてこの不良率までなら合格とみなす」基準値(%)です。個々のロットの不良率保証ではありません。値は購入者と供給者の取り決めで決めます。
Q3. アパレル検品でよく聞く「AQL2.5、n=200」とは?
A. ロット3,201〜10,000(文字L)の抜取数n=200で、AQL2.5ならAc=10/Re=11(重欠点AQL2.5・軽欠点AQL4.0=Ac14/Re15の併用が検品業界の定番運用)です。
Q4. 「なみ・きつい・ゆるい」検査はどう切り替える?
A. 開始は「なみ検査」。連続5ロット中2ロット不合格→きつい検査へ、きつい検査で連続5ロット合格→なみへ復帰。なみで所定条件(連続10ロット合格など)を満たすとゆるい検査に移行できます。この切替ルールが規格の本体です。
Q5. サンプル文字の「水準II」とは?
A. 検査量の相対的な水準で、指定がなければ通常検査水準IIを使用します。水準I(少なめ)・III(多め)、破壊検査向けの特別検査水準S-1〜S-4もあり、どれを使うかは検査協定で決めます。
Q6. Ac/Reの間の数字(矢印)はどう読む?
A. 主抜取表の矢印セルは「矢印の先の最初の抜取方式を使う」ルールです。その結果サンプルサイズがロットサイズ以上になる場合は全数検査になります。本ページで省略した組合せは規格の付表で確認してください。
関連する早見表
出典・参考
- JIS Z 9015-1:2006 — 計数値検査に対する抜取検査手順 第1部: ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式(ISO 2859-1対応。付表1・付表2-A)
- JIS Z 9015-2 — 孤立ロットの検査に対するLQ指標型抜取検査方式(単発ロット用・参考)
※ 本表は通常検査水準II・なみ検査・1回抜取の抜粋です。矢印セル・きつい/ゆるい検査・2回/多回抜取・分数Ac(0.65未満のAQL)は規格本文の付表によってください。検査方式の選定・AQL値の設定は顧客との検査協定事項です。
最終更新: 2026-08-05