表面粗さ 早見表(旧JIS ▽記号 ↔ Ra/Rz/Rmax 換算)
旧JIS三角記号(▽〜▽▽▽▽)とRa値の対応、Ra/Rz/Rmax/Rzjisの関係と換算、加工方法別(旋削/フライス/研削/ラップ等)の達成可能粗さを収録。JIS B 0601:2013 / JIS B 0031:2003 準拠。
Ra / Rz / ▽記号 換算ツール
Ra またはRz を入力すると、他の表記に参考換算します。換算値はあくまで目安です(厳密な換算には測定が必要)。
換算式・注意事項
Rz ≒ Ra × 4(正弦波近似の参考値)。実加工面ではRz/Ra = 3〜7 の範囲で変動します。Rmax(旧JIS) は現行Rzと同概念。▽記号の境界値はJIS B 0601:1982の代表値を使用。数値は必ず実測で確認してください。
検索結果
上の欄に記号を入力してください。
旧JIS三角記号 ↔ Ra/Rz 対応表
| 旧JIS記号 | Ra (μm) | Rz (μm) | Rmax 旧 (μm) | ISO等級 | 用途の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜 (波線/鋳肌) | Ra 50以上 | Rz 200以上 | Rmax 200以上 | N12 | 黒皮・鋳肌、切削なし |
| ▽ | Ra 25 | Rz 100 | Rmax 100 | N11 | 粗仕上げ、鋳物まま、非接触面 |
| ▽▽ | Ra 6.3 | Rz 25 | Rmax 25 | N9 | 並仕上げ、一般機械加工面 |
| ▽▽▽ | Ra 1.6 | Rz 6.3 | Rmax 6.3 | N7 | 上仕上げ、嵌合・摺動面・ガスケット当たり |
| ▽▽▽▽ | Ra 0.2 | Rz 0.8 | Rmax 0.8 | N4 | 精仕上げ、Oリングシール・精密摺動・軸受嵌合 |
| (記号なし・超精密) | Ra 0.025-0.1 | Rz 0.1-0.4 | Rmax 0.1-0.4 | N1-N3 | 超精密、ゲージ・高圧シール・光学面 |
旧JIS(B 0601:1982以前)の三角記号は現在廃止。図面では現行JIS(Ra表記)の使用が推奨されます。古い図面の読み替えに利用してください。
Ra / Rz / Rmax / Rzjis の定義と関係
| 記号 | 正式名称 | 定義 | 規格 |
|---|---|---|---|
| Ra | 算術平均粗さ | 基準長さ内の粗さ曲線の絶対値平均。最も一般的な指標 | JIS B 0601:2013 / ISO 4287 |
| Rz | 最大高さ粗さ | 基準長さ内の山頂最高点から谷底最深点までの距離 | JIS B 0601:2013 (現行) |
| Rmax | 最大高さ (旧JIS) | 現行のRzと同概念。旧JIS B 0601:1982の表記 | JIS B 0601:1982 (旧) |
| Rzjis | 十点平均粗さ | 基準長さ内の高い山5+深い谷5の平均。現行JISから参考扱いに | JIS B 0601:1994 (旧) |
| Ry | 最大高さ (旧) | 1994年JISで規定。現行のRzと同概念 | JIS B 0601:1994 (旧) |
近似換算式(参考):
- Rz ≒ 4 × Ra(正弦波近似)
- 実加工面では Rz/Ra = 3〜7 の範囲で変動(加工方法により異なる)
- Rmax(旧) = Rz(現行)
- Rzjis ≠ Rz(現行)。Rzjis は十点平均のため現行Rzより若干小さい値になる傾向
※ Ra から Rz への換算は厳密には不可能。正確な値は測定が必要です。
加工方法別 達成可能粗さ(Ra μm)
| 加工方法 | 一般的範囲 Ra (μm) | 最良 Ra (μm) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 鋳造・鍛造まま | 12.5〜50 | 6.3 | 黒皮・鋳肌、精密鋳造で向上 |
| 粗旋削・粗フライス | 6.3〜25 | 3.2 | 切込み・送り大 |
| 中仕上げ旋削・フライス | 1.6〜6.3 | 0.8 | 一般的な機械加工 |
| 仕上げ旋削 | 0.4〜1.6 | 0.2 | 小送り・新鋭工具使用 |
| ドリル穴あけ | 1.6〜6.3 | 0.8 | リーマー後で更に向上 |
| リーマー仕上げ | 0.8〜3.2 | 0.4 | H7穴の標準 |
| ブローチ加工 | 0.4〜3.2 | 0.2 | 歯車内歯・キー溝 |
| ホーニング | 0.1〜0.8 | 0.05 | シリンダ内面仕上げ |
| 円筒研削 | 0.1〜1.6 | 0.025 | 軸受軌道・精密軸 |
| 平面研削 | 0.2〜1.6 | 0.05 | 金型ベース・ブロック |
| センタレス研削 | 0.1〜0.8 | 0.025 | シャフト連続加工 |
| 内面研削 | 0.2〜1.6 | 0.1 | 軸受内輪・精密穴 |
| 超仕上げ | 0.025〜0.2 | 0.012 | 軸受軌道面・カム |
| ラップ仕上げ | 0.025〜0.2 | 0.012 | ゲージ・光学・高精度シール |
| バフ研磨 | 0.05〜0.4 | 0.025 | 装飾・衛生機器 |
| 放電加工 (EDM) | 0.8〜6.3 | 0.4 | 金型キャビティ |
| ワイヤーカット | 0.8〜3.2 | 0.4 | 金型部品・型抜き |
| ショットブラスト | 1.6〜12.5 | 0.8 | 塗装前処理・意匠 |
加工方法別の到達粗さ範囲
上の詳細表を代表的な10加工法に絞ってまとめ直した早見用の一覧です。一般に到達可能とされるRa範囲の目安(下限側は好条件時)を示します(JIS B 0031解説等で広く公開されている標準的な範囲)。同じ加工法でも工具・送り・機械剛性・被削材により上下します。
| 加工法 | 到達可能なRa範囲 (目安・μm) | 備考 |
|---|---|---|
| 鋳造・熱間圧延 | 12.5〜50 | 黒皮・鋳肌のまま。精密鋳造では6.3程度まで向上 |
| 切断・ガス切断 | 6.3〜25 | のこ引き・ガス切断面。後加工を前提とすることが多い |
| 旋削 | 0.4〜6.3 | 仕上げ旋削で下限側。送り・ノーズR・工具状態で大きく変動 |
| フライス | 0.8〜6.3 | 正面フライス仕上げで下限側。一般機械加工面の代表 |
| ドリル | 1.6〜6.3 | 穴あけのまま。粗さ・精度が必要な穴はリーマ仕上げへ |
| リーマ | 0.8〜3.2 | H7穴仕上げの標準。条件次第で0.4程度まで可能 |
| 研削 | 0.05〜1.6 | 円筒・平面・内面研削を含む一般範囲。精密部品の標準仕上げ |
| ホーニング | 0.1〜0.8 | シリンダ内面など円筒内面の仕上げ。クロスハッチが油を保持 |
| ラップ | 0.012〜0.2 | 鏡面領域。ゲージ・光学面・高精度シール面 |
| バフ | 0.05〜0.4 | 装飾・衛生用途の光沢仕上げ。寸法精度は向上しない |
※ 数値はJIS B 0031解説等で公開されている標準範囲に基づく目安です。実際の到達粗さは被削材・工具・加工条件により変動します。
用途別 推奨粗さ
| 用途 | 推奨Ra (μm) | 旧記号 |
|---|---|---|
| 非機能面(塗装のみ) | Ra 25以上 | ▽ |
| ガスケット・平面パッキン当たり面 | Ra 1.6〜6.3 | ▽▽〜▽▽▽ |
| すべり軸受摺動面 | Ra 0.4〜1.6 | ▽▽▽ |
| 転がり軸受嵌合軸 | Ra 0.4〜0.8 | ▽▽▽ |
| Oリング シール面(静的) | Ra 0.8〜1.6 | ▽▽▽ |
| Oリング シール面(動的) | Ra 0.2〜0.4 | ▽▽▽▽ |
| 高圧・高速シール面 | Ra 0.1〜0.2 | ▽▽▽▽以上 |
| 測定面(ゲージ) | Ra 0.05以下 | - |
| 光学ミラー面 | Ra 0.025以下 | - |
現行JIS 表面性状図示記号(JIS B 0031:2003)
現行規格では三角記号に代わり、基本図示記号「√」+ 数値でRa値を記入します。
表面粗さが部品の機能を左右する理由
表面粗さは見た目の問題ではなく、摩擦・シール性・疲労強度・接触剛性といった機能に直接影響します。例えばしゅう動面では次の関係が成り立ちます。
- 粗すぎる面 → 相手を摩耗させる
- 滑らかすぎる面 → 油膜を保持できず焼き付くことがある
- 適度な粗さ → 「谷」が油だまりとして働き、潤滑が成立する
RaとRzを使い分けるのも機能上の理由があります。
- Ra(算術平均粗さ): 面全体の平均的な傾向を表す
- Rz(最大高さ): 突出した山や深い谷を捉える
シール面や疲労が問題になる部位では、漏れ経路や応力集中の起点となる「最大の谷・山」が効くため、Rzで規定することが適切な場合があります。
加工方法ごとに到達できる粗さには物理的な限界があり、旋削→研削→ラッピングと細かくなるほど工数とコストが増えます。だからこそ機能から必要な粗さを逆算し、必要十分なグレードを指定することが、品質とコストの最適点になります。
使い方・選び方のポイント
使用場面
図面の面性状指示、加工方法の選定、シール面・しゅう動面・はめあい面の品質指定に使います。要求機能から「どの程度の滑らかさが必要か」を数値で伝える場面が中心です。
よくある間違い
RaとRzの混同が最も多い間違いです。
- Raは算術平均粗さ、Rzは最大高さで、同じ面でもRzはRaより大きな数値になります
- 粗さを必要以上に細かく指定すると加工コストが急増します
旧JISの三角記号と現行のRa表記の対応取り違えにも注意が必要です。
選び方のコツ
機能から必要粗さを逆算します。
- シール面: Ra0.8〜1.6(目安)
- しゅう動面: Ra0.2〜0.8(目安)
- 一般的な仕上げ面: Ra3.2〜6.3程度(目安)
加工方法ごとの達成可能粗さ(旋削・研削・ラッピング)を踏まえ、必要十分な指定に留めるとコストと品質のバランスが取れます。
よくある質問
Q. ▽▽▽は何μm?
A. ▽▽▽(上仕上げ)はRa 1.6μm相当、Rz 6.3μm相当です。一般的な嵌合・摺動面の指定によく使われました。
Q. ▽▽は何μm?
A. ▽▽(並仕上げ)はRa 6.3μm相当、Rz 25μm相当です。一般的な機械加工面に相当します。
Q. ▽▽▽▽は何μm?
A. ▽▽▽▽(精仕上げ)はRa 0.2μm相当、Rz 0.8μm相当です。Oリング動的シール面や精密摺動面に使われました。
Q. RaとRzの換算は?
A. 厳密には換算不可です。
- 参考値として Rz ≒ 4×Ra(正弦波近似)
- 実加工面では Rz/Ra=3〜7 の範囲で変動します
上の換算ツールで目安値を確認できます。
Q. RaとRzどちらを使うべき?
A. 現行JIS・ISO規格ではRaが推奨指標です。機能上ピーク高さが重要な場合(シール面・軸受面等)はRzを追加指定します。
Q. RmaxとRzjisの違いは?
A. Rmaxは現行Rzと同概念、Rzjisは別概念(十点平均粗さ)です。
- Rmax: 旧JIS(1994以前)の最大高さ。現行JIS Rzと同概念
- Rzjis: JIS B 0601:1994の十点平均粗さ。現行Rzとは別概念
詳細は上の「Ra / Rz / Rmax / Rzjis の定義と関係」の表で確認できます。
Q. 鏡面仕上げの粗さは?
A. 一般に Ra 0.025〜0.1μm程度(ISO等級N1〜N3相当)。ラップ・超仕上げで達成でき、ゲージや光学ミラー面に用いられます。
Q. 研削仕上げのRaはどのくらい?
A. 円筒研削・平面研削で Ra 0.1〜1.6μm程度(最良 Ra 0.025μm)。超仕上げ・ホーニングでさらに向上できます。
Q. 古い図面の▽記号は現行でどう書く?
A. 現行JIS B 0031の表面性状図示記号(√+Ra値)に置き換えます。
- ▽ = Ra 25
- ▽▽ = Ra 6.3
- ▽▽▽ = Ra 1.6
- ▽▽▽▽ = Ra 0.2
旧JIS三角記号は現在廃止されており、新規図面では現行表記の使用が推奨されます。
Q. ISO等級(N等級)とRaの対応は?
A. N1〜N12の各等級がRa値(単位μm)に対応します。
- N1=Ra 0.025 / N2=0.05 / N3=0.1 / N4=0.2
- N5=0.4 / N6=0.8 / N7=1.6 / N8=3.2
- N9=6.3 / N10=12.5 / N11=25 / N12=50
各等級は約2倍ずつ増加します。
Q. 旋削・研削・ラップで到達できるRaの範囲は?
A. 目安として旋削 Ra 0.4〜6.3μm、研削 Ra 0.05〜1.6μm、ラップ Ra 0.012〜0.2μmです。同じ加工法でも工具・送り・加工条件により変動します。詳細は上の「加工方法別の到達粗さ範囲」の表で確認できます。
関連する早見表
出典・参考
JIS B 0601:2013(製品の幾何特性仕様—表面性状:輪郭曲線方式—用語・定義・表面性状パラメータ), JIS B 0031:2003(製品の幾何特性仕様—表面性状の図示方法), ISO 4287:1997, ISO 1302:2002
参考: kikakurui.com JIS B 0601/B 0031 公開資料, 機械製図便覧, メーカー各社技術資料
※ 加工方法別達成粗さは典型値。実際は工具状態・送り・切込み・材質により変動します。
最終更新: 2026-07-08