LPガスの蒸気圧 早見表(プロパン・ノルマルブタン・イソブタン)
LPガスの主な成分であるプロパン・ブタンは、純物質なら、容器に液が残っているあいだの圧力が温度だけで決まります(製品のLPガスは混合物で、組成でも変わります)。純プロパンなら20℃でゲージ圧0.735MPa、40℃で1.268MPa。米国国立標準技術研究所(NIST)のChemistry WebBookから取得した純物質の飽和蒸気圧を、絶対圧とゲージ圧で一覧にしました。
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表1: 温度から引くLPガス成分の蒸気圧(−40〜60℃)
| 温度 ℃ | プロパン 絶対圧 MPa | プロパン ゲージ圧 MPa | ノルマル ブタン 絶対圧 MPa | ノルマル ブタン ゲージ圧 MPa | イソブタン 絶対圧 MPa | イソブタン ゲージ圧 MPa |
|---|---|---|---|---|---|---|
| −40 | 0.111 | 0.010 | 0.017 | −0.085 | 0.029 | −0.073 |
| −35 | 0.137 | 0.036 | 0.022 | −0.079 | 0.037 | −0.065 |
| −30 | 0.168 | 0.067 | 0.028 | −0.073 | 0.047 | −0.055 |
| −25 | 0.203 | 0.102 | 0.036 | −0.065 | 0.058 | −0.043 |
| −20 | 0.245 | 0.143 | 0.045 | −0.056 | 0.072 | −0.029 |
| −15 | 0.292 | 0.190 | 0.056 | −0.045 | 0.089 | −0.012 |
| −10 | 0.345 | 0.244 | 0.070 | −0.032 | 0.108 | 0.007 |
| −5 | 0.406 | 0.305 | 0.085 | −0.016 | 0.131 | 0.030 |
| 0 | 0.474 | 0.373 | 0.103 | 0.002 | 0.157 | 0.056 |
| 5 | 0.551 | 0.450 | 0.124 | 0.023 | 0.187 | 0.085 |
| 10 | 0.637 | 0.535 | 0.148 | 0.047 | 0.221 | 0.119 |
| 15 | 0.732 | 0.630 | 0.176 | 0.075 | 0.259 | 0.158 |
| 20 | 0.836 | 0.735 | 0.208 | 0.106 | 0.302 | 0.201 |
| 25 | 0.952 | 0.851 | 0.243 | 0.142 | 0.351 | 0.249 |
| 30 | 1.079 | 0.978 | 0.283 | 0.182 | 0.405 | 0.303 |
| 35 | 1.218 | 1.117 | 0.328 | 0.227 | 0.465 | 0.363 |
| 40 | 1.369 | 1.268 | 0.378 | 0.277 | 0.531 | 0.430 |
| 45 | 1.534 | 1.433 | 0.434 | 0.333 | 0.604 | 0.503 |
| 50 | 1.713 | 1.612 | 0.496 | 0.394 | 0.685 | 0.584 |
| 55 | 1.907 | 1.806 | 0.564 | 0.462 | 0.773 | 0.672 |
| 60 | 2.117 | 2.015 | 0.638 | 0.537 | 0.869 | 0.768 |
それぞれ純物質の飽和蒸気圧(液とガスが共存しているときの圧力)です。容器の中に液が残っていて、全体がその温度になっているときの圧力にあたります。ゲージ圧=絶対圧−0.101325MPa(標準大気圧)として計算しています。ゲージ圧がマイナスの欄は、蒸気圧が大気圧より低いことを示します。
表2: 飽和液の密度(kg/m³)
| 温度 ℃ | プロパン kg/m³ | ノルマルブタン kg/m³ | イソブタン kg/m³ |
|---|---|---|---|
| −40 | 578.4 | 641.9 | 624.1 |
| −30 | 566.6 | 631.9 | 613.6 |
| −20 | 554.5 | 621.7 | 602.9 |
| −10 | 541.8 | 611.4 | 591.9 |
| 0 | 528.6 | 600.7 | 580.6 |
| 10 | 514.7 | 589.8 | 568.9 |
| 15 | 507.5 | 584.3 | 562.9 |
| 20 | 500.1 | 578.6 | 556.9 |
| 30 | 484.4 | 567.0 | 544.3 |
| 40 | 467.5 | 554.9 | 531.2 |
| 50 | 448.9 | 542.3 | 517.4 |
| 60 | 428.0 | 529.1 | 502.7 |
飽和状態(その温度の蒸気圧の下)にある液の密度です。1kgの液の体積(L)は1000÷密度で、プロパンの15℃なら1000÷507.5≒1.97Lです。液は温度が上がると膨らみ、プロパンは15℃(507.5kg/m³)から40℃(467.5kg/m³)で同じ質量の体積が約8.6%増えます。
表3: 基本の値(標準沸点・臨界点)
| 物質 | 標準沸点 ℃ (0.101325MPa) | 臨界温度 ℃ | 臨界圧力 MPa(絶対圧) |
|---|---|---|---|
| プロパン | −42.1 | 96.74 | 4.2512 |
| ノルマルブタン | −0.5 | 151.975 | 3.7960 |
| イソブタン | −11.7 | 134.66 | 3.6290 |
標準沸点は絶対圧0.101325MPaでの飽和温度で、これより低い温度では蒸気圧が大気圧を下回ります。臨界温度・臨界圧力はNIST WebBookの補助データ(Auxiliary Data)の値をそのまま転記しています。
使い方
- 容器の中の圧力の見当をつける — 表1で温度の行を引きます。純プロパンなら20℃でゲージ圧0.735MPa、40℃で1.268MPaです。
- 寒いときに大気圧を上回るかを見る — 標準沸点(表3)より低い温度では、蒸気圧が大気圧を下回ります。ノルマルブタンは−0.5℃、イソブタンは−11.7℃、プロパンは−42.1℃が境目です。
- 液の質量と体積を換算する — 表2の密度で、体積(L)=質量(kg)×1000÷密度。温度で密度が変わるので、同じ温度の値を使います。
- 圧力計の読みと比べる — 多くの圧力計はゲージ圧を示すので、ゲージ圧の列と比べます。
蒸気圧の考え方(原理)
- 純物質の蒸気圧は温度で決まる — 純物質が密閉した容器で液とガスが共存していると、圧力はその温度の飽和蒸気圧になり、液の量では決まりません。圧力を変えるのは温度です(混合物では組成でも変わります。下の「製品のLPガスは混合物」)。
- 成分で大きく違う — 同じ温度ではプロパン>イソブタン>ノルマルブタンの順に蒸気圧が高く、20℃のゲージ圧はプロパン0.735MPa・イソブタン0.201MPa・ノルマルブタン0.106MPaです。
- 製品のLPガスは混合物 — 実際のLPガスはプロパン・ブタンなどの混合物で、蒸気圧は成分の割合で変わります。蒸気圧の高い成分(プロパン)が先にガスになって出ていくため、使うにつれて残った液の組成が変わり、同じ温度でも圧力が下がっていくことがあります。このページの一次資料(NIST WebBook)には純物質の表しかないため、混合物の値は載せていません。
- 液だけで満たされると危ない — 液で満たされてガスの空間がない容器・配管では、温度が上がったときに液の膨張の逃げ場がなく、圧力が急に上がるおそれがあります(表2のとおり、液は温度で膨らみます)。
間違えやすいポイント
- 絶対圧とゲージ圧を取り違える — プロパンの20℃は絶対圧0.836MPa、ゲージ圧0.735MPaで、約0.1MPa違います。
- 混合物のLPガスに純物質の値をそのまま当てはめる — 製品のLPガスの蒸気圧は組成で変わります。表の値は純物質のものです。
- 圧力で残量を判断する — 純物質では、液が残っている間は圧力は温度で決まり、残量では決まりません(混合物では組成でも変わります)。
- 標高の高い場所 — ゲージ圧は現地の大気圧を0とした圧力です。表のゲージ圧は標準大気圧で計算しているので、高地では現地の大気圧を足して絶対圧の列で比べると正確です(標高別の気圧)。単位の換算は圧力換算の早見表へ。
このページは物性値を引くための早見表です。LPガスの容器・設備の取扱い、高圧ガス保安法・液化石油ガス法にかかわる判断は、法令の原典・事業者の資料と有資格者の確認のうえで行ってください。
よくある質問
Q1. プロパンの蒸気圧は20℃で何MPa?
A. 20℃でゲージ圧0.735MPa(絶対圧0.836MPa)、40℃でゲージ圧1.268MPa(絶対圧1.369MPa)です(純プロパン)。ゲージ圧は絶対圧−0.101325MPaです。
Q2. ゲージ圧と絶対圧の違いは?
A. ゲージ圧は大気圧を0、絶対圧は真空を0とした圧力です。このページではゲージ圧=絶対圧−0.101325MPa(標準大気圧)です。
Q3. 寒いとブタンのガスが出にくいのはなぜ?
A. ノルマルブタンは−0.5℃より低いと蒸気圧が大気圧を下回るためです(−10℃でゲージ圧−0.032MPa)。イソブタンは−11.7℃、プロパンは−42.1℃が境目です。
Q4. 容器の圧力で残量はわかる?
A. 液が残っている間はわかりません。純物質では、圧力はその温度の蒸気圧で決まり、液の量では決まりません(混合物では組成でも変わります)。
Q5. 製品のLPガスの蒸気圧は?
A. 混合物なので成分の割合で変わります。このページは純物質の値だけを載せています。
Q6. 温度が上がると液はどれくらい膨らむ?
A. プロパンは15℃→40℃で密度が507.5→467.5kg/m³になり、体積が約8.6%増えます。
Q7. 表の値の出どころは?
A. NIST Chemistry WebBook(SRD 69)の飽和の表を2026年10月に取得し、圧力は0.001MPa、密度は0.1kg/m³、温度は0.1℃に丸めています。
関連する早見表
出典・参考
- NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Reference Database Number 69 — Thermophysical Properties of Fluid Systems(E.W. Lemmon, I.H. Bell, M.L. Huber, M.O. McLinden、米国国立標準技術研究所(NIST)、doi:10.18434/T4D303)— Propane・Butane・Isobutane の Saturation Properties(温度刻み: −40〜60℃・5℃刻みの Pressure と液相の Density、圧力刻み: 絶対圧0.101325MPaの飽和温度)と、各ページの Auxiliary Data(Critical temperature・Critical pressure・Normal boiling point)。2026年10月24日取得 — webbook.nist.gov/chemistry/fluid/
※ WebBookが値の計算に使っている状態方程式(WebBookのReferences and Notesに示されたもの): プロパンはLemmon・McLinden・Wagner(J. Chem. Eng. Data 54, 2009)、ノルマルブタンとイソブタンはBücker・Wagner(J. Phys. Chem. Ref. Data 35, 2006)。
※ 丸め(四捨五入): 圧力(絶対圧・ゲージ圧)は小数第3位(0.001MPa)、密度は小数第1位(0.1kg/m³)、標準沸点は小数第1位です。WebBookの表示桁(8桁)の値から丸めています。ゲージ圧は丸める前の絶対圧から0.101325MPaを引いてから丸めるため、表の絶対圧から引いた値と0.001ずれることがあります。臨界温度・臨界圧力は補助データの表示のままです。
※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。
※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。
最終更新: 2026-10-24