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電線・配線色 規格早見表

電線・配線の色規格を 内線規程(JEAC 8001)JIS C 0446 に基づき体系的に解説。三相3線式(RST)・単相3線式(L1/N/L2)・接地線(緑・緑黄)の色分け、IEC 60446国際規格との対応を全網羅。電気工事・制御盤設計・改修工事の実務参照用。

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内線規程における電線色の規定

内線規程(JEAC 8001-2022) は、(一社)日本電気協会が発行する民間自主規格で、電気設備技術基準を補完する形で電気工事の実務基準を定めています。低圧屋内配線の接地側電線(中性線)は白色(1315節「極性標識」。灰色も可とされます)、接地線(保護導体PE)は緑色または緑/黄の縞模様(1350節「接地」)と規定されています。

特に接地線については、緑または緑黄の2色が基本です。

  • 他の色を接地用途に使うことは原則禁止(やむを得ず他色の線心を使う場合は端末・要所に緑色表示を施す例外規定あり)
  • 感電事故・誤接続防止のための重要規定
  • 電気工事士法・電気事業法に基づく電気設備技術基準と整合

なお、三相回路の各相色(R・S・T)については内線規程内で明確な統一指定はなく、業界慣例または図面・仕様書によります。

出典: 内線規程 JEAC 8001-2022(日本電気協会) 1315節「極性標識」・1350節「接地」/ 電気設備技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)

JIS C 0446における電線識別色

JIS C 0446:1999「色又は数字による電線の識別」は、IEC 60446(1989年版)を翻訳採用した日本産業規格です。

  • 電線・導体の識別色を国際整合の形で規定
  • 電気機器・制御盤・産業用装置の内部配線を中心に適用
  • 保護導体・中性線・相導体の色を規定(日本独自の追加事項として中性線に白も認める)

国際規格のIEC 60446はその後改正を経て、2010年にIEC 60445へ統合されて廃止されました。輸出機器では現行のIEC 60445(旧IEC 60446)系の色別に合わせます。

JIS C 0446 / IEC 60446(現60445) 導体識別色の規定

導体種別規定色備考
保護導体 (PE)緑/黄 縞模様緑/黄・緑は接地以外への使用禁止。IEC/EUでは緑/黄のみ可
PEN導体(保護中性線)緑/黄+末端青または青+末端緑/黄保護兼中性導体(IEC 60445の規定)
中性線 (N)青(ライトブルー)JIS C 0446では白(薄い灰色)も可
相導体 L1 (単相L)三相時のL1も同色
相導体 L2三相時
相導体 L3三相時
制御回路赤・青・橙 ほかJIS B 9960-1で詳細規定

※相導体の優先色はJIS C 0446:1999では黒・茶(現行IEC 60445では黒・茶・灰)。L1=茶/L2=黒/L3=灰の割当は欧州の整合規格(HD 308)に基づく慣行で、輸出機器・EU向け設備で広く用いられます。

出典: JIS C 0446:1999「色又は数字による電線の識別」(対応国際規格 IEC 60446:1989) / IEC 60446:2007(2010年にIEC 60445:2010へ統合・廃止)

三相3線式(RST)の色分け表

三相3線式200V(動力回路)で使用される配線色。日本の内線規程では明確統一されておらず、業界慣例・図面指定によります。

用途R相 (L1)S相 (L2)T相 (L3)接地線適用基準
配電盤・制御盤(標準)JEM 1134(中性=黒)
動力用(一般工場)業界慣例の一例(関東)
動力用(西日本慣例)業界慣例の一例(関西)
制御盤AC動力回路緑/黄JIS B 9960-1
IEC(国際)標準緑/黄IEC 60445(旧60446)/HD 308
輸出機器(EU向け)緑/黄IEC 60445(旧60446)

動力用と制御用の使い分け:

  • 動力用(主回路・電源側): モーター・ヒーター等の主動力。R/S/Tの相識別が必要
  • 制御用(補助回路): PLC・リレー・センサー等。JIS B 9960-1で別色体系(赤=AC制御、青=DC制御等)
  • 接地は必ず緑または緑/黄: 動力・制御を問わず
⚠ 誤配線による事故事例: 三相モーターの相順を誤ると逆回転し、ポンプ・コンプレッサーが破損する事故が発生します。 また、海外製機器では青=中性線(N)のため、日本の慣例(青=三相T相など)のまま結線すると誤接続となり、感電・機器破損につながるおそれがあります。 改修・更新時は必ず検相器・テスタで通電確認し、図面と現場の色を照合してから接続してください。

単相3線式(L1/N/L2)の色分け表

一般住宅・小規模事業所で最汎用の配電方式。100Vと200Vの両方を取り出せます。内線規程準拠の標準色を以下に示します。

電線取り方(電圧)用途備考
L1 (電圧線1)L1-N=100V / L1-L2=200V非接地側内線規程
N (中性線)L1-N=100V / L2-N=100V接地側白が標準(内線規程1315節)
L2 (電圧線2)L2-N=100V / L1-L2=200V非接地側内線規程
PE (保護接地)緑 または 緑/黄D種接地必ず緑系

電圧別の使い分け(VVFケーブル)

用途取り方VVF配線主な負荷
100V回路(一般コンセント)L1-N または L2-NVVF 2C(黒-白)照明・コンセント・小型家電
200V回路(エアコン・IH等)L1-L2VVF 2C(黒-赤)エアコン・IHクッキングヒーター・乾燥機
3線式(混合)L1+N+L2VVF 3C(黒-白-赤)分電盤主幹・3路スイッチ
接地付きコンセントL+N+PEVVF 2C+E(黒-白+緑)洗濯機・冷蔵庫・電子レンジ

出典: 内線規程 JEAC 8001 1315節「極性標識」 / 電気設備技術基準の解釈 第149条(低圧分岐回路等の施設)

接地線の色規定

接地線は感電・漏電・落雷から人体・機器を保護する最重要回路です。色は内線規程・JIS C 0446により厳格に規定されており、緑単色または緑/黄縞模様の2色のみが認められています。

緑単色 vs 緑/黄縞模様 の使い分け

用途適用基準備考
緑 単色日本国内 屋内配線(住宅・事務所・小規模工場)内線規程 JEAC 8001日本の伝統的な接地線色。単色IV線(EM-IE)で使用
緑/黄 縞模様機械装置・制御盤・輸出機器・国際規格対応JIS C 0446 / IEC 60446 / JIS B 9960-1国際標準。緑単色は使用禁止地域(EU等)向け
裸線(被覆なし)接地工事の幹線・等電位ボンディング電技解釈 第17条機械的保護必須(配管内・盤内のみ)

接地工事の種類と接地線の用途

種類接地抵抗適用主な対象機器
A種接地10Ω以下高圧/特別高圧機器の鉄台・金属製外箱キュービクル・高圧機器
B種接地計算値(150/I 〜)変圧器の二次側中性点柱上トランス・キュービクル変圧器
C種接地10Ω以下(地絡時0.5秒以内なら500Ω)300Vを超える低圧用機器動力モーター(400V級)・三相機器
D種接地100Ω以下(地絡時0.5秒以内なら500Ω)300V以下の低圧用機器家庭電化製品・洗濯機・電子レンジ・パソコン

いずれの種類でも接地線の色は緑または緑/黄で統一されます。種類による色の使い分けはありません。

※内線規程には、多心ケーブルの1心を接地線に使う場合など、やむを得ず緑・緑/黄以外の線心を用いるときは端末・要所に緑色テープ等で接地線であることを表示する例外規定があります。

⚠ 接地線を他用途に使ってはいけない理由:
  • 接地線は通常時 電流が流れない「最後の安全装置」。漏電時の遮断器動作・人体の感電防止に必須
  • 緑色の電線を電源線に使うと、修理者が接地と誤認して感電・短絡事故を起こす危険
  • 内線規程・JIS C 0446の規定(緑・緑/黄は接地専用)に反する
  • 機器メーカーの保証対象外となる

出典: 電気設備技術基準・解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法) / 内線規程 JEAC 8001 第1350節「接地」

IEC 60446 国際規格との比較

IEC 60446(国際電気標準会議)は欧州・アジア多数国で採用されてきた電線識別色の国際規格で、JIS C 0446:1999はその1989年版の翻訳版です。IEC 60446は2010年にIEC 60445へ統合されて廃止され、現行の国際規格はIEC 60445です(色の規定内容は引き継がれています)。日本の内線規程(屋内配線)とは中性線・相導体の色が異なるため、海外製機器・輸出設計では特に注意が必要です。

日本(内線規程) vs 国際(IEC 60446) 配線色の違い

導体日本 内線規程IEC 60446→60445(国際)EU(EN規格)米国(NEC)
保護接地 (PE)緑 または 緑/黄緑/黄(必須)緑/黄(必須)緑 または 緑/黄
中性線 (N)青(明青)白 または 灰
L1 (単相L / 三相L1)黒 または 赤
L2 (三相)白 または 赤
L3 (三相)赤 / 青 / 黒(慣例)

海外製機器を扱う際の注意点

  • ★最重要: 青の意味が真逆 — 日本では三相補助に青を使うが、IEC/EUでは青=中性線(N)専用。海外製機器の青を電源線として接続すると重大事故
  • 白の意味が異なる — 日本では中性線=白、米国NEC基準も白=中性線だが、IEC/EUは中性線=青で白は使わない
  • 緑単色は欧州不可 — EU向け輸出機器・設備は必ず緑/黄縞模様で施工
  • 輸入機器の改修時 — 既存色を保持するか、内線規程準拠に全交換するかを判断。混在は誤接続の温床
  • 機械装置内部 — JIS B 9960-1(=IEC 60204-1)準拠で日本国内でも国際色を使う

出典: IEC 60446:2007「Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification - Identification of conductors by colours or alphanumerics」(2010年にIEC 60445:2010へ統合・廃止) / JIS C 0446:1999

色の対応表(全12色 × 配電方式 × 国際比較)

日本 単相2線日本 単相3線日本 三相3線IEC 60446→60445備考
L (非接地側)L1R相 / L1L2(三相)日本=非接地側の主色 / IEC=三相L2
N (接地側・中性線)N (中性線)N / 中性線使用しない日本の中性線標準色。IECでは未使用
L2S相 / L2使用しない(米国はL2)単相3線L2、三相S相
T相補助N (中性線) ★要注意★日本=三相補助 / IEC=中性線専用
PE (保護接地)PEPE単色は不可日本の接地色。EU輸出機器は緑/黄必須
緑/黄PE (国際規格)PEPEPE 必須色JIS C 0446/IEC 60446 標準
L1 / L (単相L)IEC標準の非接地側色(L1)
L3IEC規格の三相L3
制御線制御線制御線単色は使用制限あり業界慣例の制御色(規格指定なし)
制御・補助制御制御外部電源制御JIS B 9960-1 除外回路(非停電)
補助補助補助予備・特殊補助回路(業界慣例)
水色N (機械装置内)JIS B 9960-1 機械装置の中性線

工場・機械装置内配線(JIS B 9960-1 / IEC 60204-1)

産業機械の制御盤・機械内部配線は JIS B 9960-1「機械の安全性-機械の電気装置」(対応国際規格 IEC 60204-1) の色規定が適用されます。屋内配線(内線規程)とは異なる色体系である点に注意。

用途推奨色適用条文
動力回路(AC・DCとも)JIS B 9960-1 13.2.4
AC制御回路JIS B 9960-1 13.2.4
DC制御回路JIS B 9960-1 13.2.4
除外回路(外部電源から給電され主開閉器で遮断されない回路)橙 (Orange)JIS B 9960-1 13.2.4
保護接地 PE緑/黄(必須)JIS B 9960-1 13.2.2
中性線 N水色 (ライトブルー)JIS B 9960-1 13.2.3

※黒・赤・青・橙の色分けは規格上の推奨(任意)であり、社内規格・顧客仕様が優先される場合があります。緑/黄(保護導体)とライトブルー(中性線)の識別は要求事項です。

出典: JIS B 9960-1:2019「機械類の安全性-機械の電気装置-第1部:一般要求事項」(対応国際規格 IEC 60204-1:2016)

電線の色分けが安全を支える理由

電線の色分けは、誤接続を防ぎ、保守点検時に相や極性を一目で識別できるようにする安全のための仕組みです。とくに接地線の色は、感電や火災の防止に直結するため、規格で明確に定められています。

色は国や規格によって異なる歴史的経緯があり(日本の従来規格と国際規格IECの違いなど)、規格が混在する環境では色の取り違えが重大事故につながります。採用する規格を最初に統一することが重要です。

装置内の配線はIEC 60204-1(JIS B 9960-1)で、交流・直流・接地・制御回路の色が体系的に定められています。これに従うことで、国際的にも通用する安全な配線になります。

使い方・選び方のポイント

使用場面

配線の識別、結線作業、保守点検時の相・極性の確認に使います。どの線がどの役割かを色で素早く判断する場面が中心です。

よくある間違い

最も多い間違いは、国や規格による色の違いの見落としです。

  • 日本とIEC/欧州では接地線や中性線の色が異なる
  • 単相と三相の色順の混同にも注意
  • 古い設備の旧色規格を新規格と解釈してしまう誤りにも注意

選び方のコツ

まず採用する規格(内線規程/JIS/IEC)を決めます。

  • 接地線は緑または緑/黄
  • 交流の相はL1/L2/L3で区別
  • 直流は正負の色を明確にする

装置内配線はJIS B 9960-1(IEC 60204-1)に従うと国際的にも通用します。

よくある質問

Q. 接地線に緑以外を使ってもいい?

A. 不可。接地線は「緑」または「緑/黄縞模様」の2色が基本です。

  • 根拠: 内線規程 1350節(接地線の緑色標識)により限定
  • 他の色を接地に使うと感電事故・誤接続の原因となる
  • やむを得ず他色の線心を接地線とする場合は端末等に緑色表示を施す規定あり

海外製機器の改修でも必ず緑系に統一してください。

Q. 古い建物で色が違う場合はどうする?

A. 色を信用せず、必ず検電器・テスタで通電状態を確認してから作業します。

  • 昭和30年代以前の建物では現行内線規程と色が異なる場合がある
  • 改修時は現行規程(緑/緑黄=接地、白=中性線、黒=非接地側)に準拠して全更新する

判断に迷う場合は電気工事士・電気主任技術者へ相談を。

Q. 制御盤内の配線色は何が正解?

A. JIS B 9960-1 準拠が標準です。

  • 動力回路(AC・DCとも)=
  • AC制御回路= / DC制御回路=
  • 外部電源から給電される除外回路=
  • 保護接地=緑/黄 / 中性線=水色(ライトブルー)
  • 輸出機械もIEC 60204-1で同じ色規定

屋内配線(内線規程)とは別体系なので混同注意。

Q. 単相3線の色は?

A. 内線規程では L1=黒、N(中性線)=白、L2=赤 が標準です。

  • 100V取り出し=L1-N または L2-N
  • 200V取り出し=L1-L2

住宅のVVFケーブル配線も同じ色分けです。

Q. 三相3線(RST)の色は?

A. 内線規程では明確統一されておらず、規格・慣例によります。

  • 配電盤・制御盤: JEM 1134R=赤/S=白/T=青(中性=黒)
  • 現場慣例の例: 関東 R=黒/S=赤/T=青、関西 R=赤/S=白/T=黒
  • IEC(旧60446、現60445)準拠: L1=茶/L2=黒/L3=灰

元請仕様・図面に従い統一が必須です。

Q. 青は日本と海外で意味が違う?

A. はい、真逆です。

  • 日本: 三相のT相補助に青を使う場合がある
  • IEC 60446(現IEC 60445)/JIS C 0446: 青(ライトブルー)=中性線(N)の色

海外製機器の青を電源線と取り違えると重大事故の原因となるため、必ず規格を確認してください。

Q. JIS C 0446と内線規程はどちらが優先?

A. 優先関係ではなく、適用範囲が異なります。

  • 屋内固定配線(住宅・事務所): 内線規程
  • 機械装置内・制御盤・輸出機器: JIS C 0446(旧IEC 60446、現IEC 60445)やJIS B 9960-1

両者は併用関係で、現場で使い分けます。

関連する早見表

出典・参考

  • 内線規程 JEAC 8001-2022(日本電気協会)1315節「極性標識」/ 1350節「接地」
  • JIS C 0446:1999「色又は数字による電線の識別」(対応国際規格 IEC 60446:1989)
  • JIS B 9960-1:2019「機械類の安全性-機械の電気装置-第1部:一般要求事項」
  • IEC 60446:2007「Identification of conductors by colours or alphanumerics」(2010年にIEC 60445:2010へ統合・廃止)
  • IEC 60204-1:2016「Safety of machinery - Electrical equipment of machines」
  • JEM 1134「配電盤・制御盤の交流の相又は直流の極性による器具及び導体の配置及び色別」(日本電機工業会)
  • 電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)・電気設備技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)/ 第149条(低圧分岐回路等の施設)
  • (一社)日本電気協会・(一社)電気設備学会・(一社)日本電機工業会(JEMA) 公開資料

※三相電線の色分けは業界・元請指定で異なります。実際の工事は必ず図面・仕様書を確認し、有資格者(電気工事士)が施工してください。

最終更新: 2026-07-11