HDMI規格 早見表|バージョン別の対応解像度・ケーブル種類
HDMIのバージョン(1.4/2.0/2.1/2.2)別の帯域・対応解像度、ケーブル認証5種類(スタンダード/ハイスピード/プレミアムハイスピード/ウルトラハイスピード/Ultra96)、コネクタ形状(タイプA/C/D)、DisplayPortとの比較を一覧にまとめました。テレビ・ゲーム機・PCの接続やケーブル選びに。HDMI Forum公開仕様に基づきます。
📌 即答:解像度別に必要なもの
- 4K 60Hz → 機器は HDMI 2.0以上、ケーブルはプレミアムハイスピード認証以上
- 4K 120Hz・8K → 機器は HDMI 2.1、ケーブルはウルトラハイスピード認証
- フルHD(1080p)や4K 30Hz → HDMI 1.4以上+ハイスピード認証ケーブルで足ります
※ 出力機器・ケーブル・(間に挟む)AVアンプ・テレビの入力端子のすべてが対応して初めて映ります。一番古い部分がボトルネックになります。
HDMIバージョン別 比較表
最大帯域はリンク全体の伝送レート(公称値)。対応解像度は代表例です。
| バージョン (策定年) | 最大帯域 | 主な対応解像度・ リフレッシュレート | 主な追加機能 |
|---|---|---|---|
| HDMI 1.0〜1.2 (2002〜2005) | 4.95Gbps | 1080p 60Hzまで | 基本仕様の確立(1.2でPC用途を拡充) |
| HDMI 1.3 (2006) | 10.2Gbps | 1080p 60Hz(Deep Color対応) | Deep Color(10/12/16bit)、Dolby TrueHD/DTS-HD MAのビットストリーム、ミニ(タイプC)コネクタ |
| HDMI 1.4 (2009) | 10.2Gbps | 4K 30Hz (4096×2160は24Hz) | ARC(音声リターン)、HEC(イーサネットチャンネル)、3D、マイクロ(タイプD)コネクタ ※1.4bで1080p 120Hz対応 |
| HDMI 2.0 (2013) | 18Gbps | 4K 60Hz | 最大32chオーディオ、21:9アスペクト比 ※2.0aでHDR10、2.0bでHLGに対応 |
| HDMI 2.1 (2017) | 48Gbps (FRL伝送) | 4K 120Hz・8K 60Hz (DSC併用で最大10Kまで規定) | eARC・VRR・ALLM、QMS、QFT、Dynamic HDR |
| HDMI 2.2 (2025) | 96Gbps (FRL伝送) | 4K 240Hz・8K 60Hz(非圧縮フルクロマ) (最大16K 60Hzまで規定) | Ultra96ケーブル、LIP(映像と音声の同期改善) ※対応製品は普及初期 |
※ ARC=音声リターン、eARC=その拡張(ロスレス音声対応)、VRR=可変リフレッシュレート、ALLM=自動低遅延モード。HDMI 2.1のこれらの機能は任意実装のため、「2.1対応」表記でも個々の機能の有無は機器の仕様表で確認が必要です。
映したい映像から引く 必要バージョン・ケーブル早見表
「この解像度・リフレッシュレートで映したい」から逆引きする表です。バージョンは出力側・入力側の機器両方に必要です。
| 映したい映像 | 必要なHDMIバージョン(機器側) | ケーブル認証 |
|---|---|---|
| フルHD(1080p) 60Hz | すべてのバージョンで可(HDMI 1.0以降) | ハイスピード以上を推奨 |
| フルHD(1080p) 120Hz | HDMI 1.4b以上 | ハイスピード以上 |
| 4K 24/30Hz | HDMI 1.4以上 | ハイスピード以上 |
| 4K 60Hz(SDR) | HDMI 2.0以上 | プレミアムハイスピード以上 |
| 4K 60Hz(HDR) | HDMI 2.0以上(色情報は4:2:2/4:2:0に間引き)、フルスペックならHDMI 2.1 | プレミアムハイスピード以上 |
| 4K 120Hz | HDMI 2.1 | ウルトラハイスピード |
| 8K 30Hz | HDMI 2.1 | ウルトラハイスピード |
| 8K 60Hz | HDMI 2.1(DSC圧縮を併用) | ウルトラハイスピード |
| 4K 240Hz・8K 60Hz(非圧縮フルクロマ) | HDMI 2.2(対応製品は普及初期) | Ultra96 |
HDMIケーブル認証 5種類と対応帯域
ケーブルには「バージョン」はありません。認証名で選びます。プレミアム以上の正規品にはパッケージに偽造防止の認証ラベルが付きます。
| 認証名 | 保証される帯域 | 対応する主な映像 | 備考 |
|---|---|---|---|
| スタンダード (カテゴリ1) | 1080i/720pまでの伝送を保証 | フルHD未満・旧機器向け | 現在はほぼ流通していない |
| ハイスピード (カテゴリ2) | 10.2Gbps | 4K 30Hz・3D・Deep Color | 「High Speed」表記で判別 |
| プレミアム ハイスピード | 18Gbps | 4K 60Hz・HDR | 認証ラベル(ホログラム+QRコード)付き |
| ウルトラ ハイスピード | 48Gbps | 8K 60Hz・4K 120Hz | 認証ラベル付き・低EMI設計が要件 |
| Ultra96 | 96Gbps | 4K 240Hz・8K 60Hz(非圧縮フルクロマ) | HDMI 2.2(2025年)で追加・認証ラベル付き |
※ スタンダード/ハイスピードには「イーサネット対応(HEC)」版もありますが、HECを利用する市販機器はほとんどありません。上位認証のケーブルは下位の用途にもそのまま使えます(後方互換)。
コネクタ形状(タイプA/C/D)
| タイプ | 通称 | 端子(レセプタクル)寸法の目安 | ピン数 | 主な搭載機器 |
|---|---|---|---|---|
| タイプA | スタンダードHDMI | 約13.9×4.45mm | 19 | テレビ・レコーダー・ゲーム機・PC |
| タイプC | ミニHDMI | 約10.42×2.42mm | 19 | ビデオカメラ・一眼カメラ・一部タブレット |
| タイプD | マイクロHDMI | 約6.4×2.8mm | 19 | アクションカメラ・小型ボードPC等 |
※ タイプB(29ピン・デュアルリンク)は市販機器では使われていません。タイプEは車載用です。ミニ/マイクロはピン配置(割り当て)こそタイプAと異なりますが、流れる信号は同じため、タイプA変換のケーブル・アダプタで機能そのままに接続できます。
DisplayPortとの比較
実効データレートは伝送符号のオーバーヘッドを除いた映像データに使える帯域の目安です。
| 規格 | 最大リンク帯域 | 実効データレート (目安) | 非圧縮での代表的な上限 (8bit RGBの目安) |
|---|---|---|---|
| HDMI 2.0 | 18Gbps | 約14.4Gbps | 4K 60Hz |
| HDMI 2.1 | 48Gbps | 約42.7Gbps | 4K 120Hz・8K 30Hz (8K 60HzはDSC併用) |
| DisplayPort 1.4 | 32.4Gbps (HBR3) | 約25.9Gbps | 4K 120Hz (8K 60HzはDSC併用) |
| DisplayPort 2.0/2.1 | 80Gbps (UHBR20) | 約77.4Gbps | 8K 60Hz(10bit HDR)も非圧縮可 |
使い分けの目安:テレビ・レコーダー・ゲーム機・サウンドバーなどAV機器はHDMI(ARC/eARC・機器連動のCECが使える)。PCと高リフレッシュレートのゲーミングモニタ、複数モニタのデイジーチェーン(MST)はDisplayPortが主流です。多くのグラフィックボードは両方の端子を備えています。
使い方・選び方のポイント
この早見表の使い方
①映したい解像度・リフレッシュレート(例:4K 60Hz)を決める → ②「映したい映像から引く早見表」で必要なHDMIバージョンを確認し、出力機器とテレビ双方の仕様表と照合する → ③ケーブルは対応する認証名(プレミアム/ウルトラハイスピード)で選ぶ、の3ステップです。
選び方のコツ
ケーブルはバージョン表記ではなく認証名と認証ラベルで選びます。迷ったらウルトラハイスピード認証を選べば下位の用途もすべてカバーできます。AVアンプ・セレクタ・切替器を経由する場合は、その機器の対応帯域も必ず確認してください。
よくある間違い
- 端子の形が同じでも古いケーブルでは4K 120Hzは出ない — タイプAコネクタの形状はHDMI 1.0から共通です。見た目では帯域は分からないため、認証名で確認します。
- 「HDMI 2.1ケーブル」という規格名のケーブルは存在しない — バージョンは機器側の仕様です。ケーブルはスタンダード/ハイスピード/プレミアムハイスピード/ウルトラハイスピード/Ultra96の認証名で選びます。
- 「HDMI 2.1対応」でも全機能が使えるとは限らない — 4K120Hz・VRR・ALLM・eARCなどは任意実装です。機器の仕様表で機能ごとに確認が必要です。
- HDMI 2.0の4K 60Hz HDRは色情報が間引かれることがある — 18Gbpsでは4K60Hzの10bit RGBが収まらないため、YCbCr 4:2:2/4:2:0での伝送になります。フルスペックのHDRにはHDMI 2.1が必要です。
- 経路の一番弱いところがボトルネック — 出力機器・ケーブル・AVアンプ・テレビの入力端子のうち1つでも古いと、そこで性能が頭打ちになります。
HDMIの仕組みと規格の背景
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)は、映像・音声・制御信号を1本のケーブルでデジタル伝送する規格です。HDMI 2.0まではTMDSという伝送方式(データ3チャンネル+クロック1チャンネル、8b/10b符号化)を使い、最大18Gbpsを実現していました。HDMI 2.1ではFRL(Fixed Rate Link)という新方式に切り替わり、4レーン×12Gbpsの計48Gbps、より効率の良い16b/18b符号化で実効約42.7Gbpsまで拡大しています。8K 60Hzなど帯域が足りない映像モードでは、視覚的に劣化がほぼ分からない圧縮技術DSC(Display Stream Compression)を併用します。2025年には帯域を96Gbpsへ倍増したHDMI 2.2が策定され、対応ケーブル認証「Ultra96」も新設されましたが、対応製品の普及はこれからです。
ケーブルの品質問題に対応するため、業界団体は認証プログラムを運用しています。プレミアムハイスピード(18Gbps)・ウルトラハイスピード(48Gbps)・Ultra96(96Gbps)の正規認証品には、スマホで真正性を確認できるQRコード付きの認証ラベルがパッケージに貼付されます。安価な無認証ケーブルでも短距離なら映ることがありますが、高解像度で映像が途切れる・砂嵐状のノイズが出るといったトラブルの多くはケーブルの帯域不足が原因です。
音声面では、テレビの音をサウンドバーやAVアンプに「戻す」ARC(Audio Return Channel)がHDMI 1.4で導入され、HDMI 2.1のeARC(enhanced ARC)では帯域が大幅に拡張されて非圧縮マルチチャンネルやロスレスサラウンドの伝送が可能になりました。光デジタルケーブルを別に引く必要がなくなり、HDMIケーブル1本で映像と高品質音声の双方向のやり取りが完結します。
よくある質問
Q1. 4K 60Hzで映すには何が必要?
A. 出力機器(レコーダー・ゲーム機・PC)とテレビの両方がHDMI 2.0以上に対応し、ケーブルはプレミアムハイスピード認証以上を使います。間にAVアンプやセレクタを挟む場合は、その機器も4K60Hz(18Gbps)対応が必要です。
Q2. 4K 120Hzや8Kで映すには何が必要?
A. HDMI 2.1(48Gbps)対応の端子とウルトラハイスピード認証ケーブルが必要です。テレビによっては一部の入力端子だけがHDMI 2.1のフル帯域に対応している機種もあるため、どの端子が4K120Hz対応かを取扱説明書で確認してください。
Q3. HDMIケーブルに「バージョン」はありますか?
A. ありません。1.4や2.1といったバージョン番号は機器側の仕様であり、ケーブルはスタンダード/ハイスピード/プレミアムハイスピード/ウルトラハイスピード/Ultra96の5つの認証名で区別します。「HDMI 2.1ケーブル」という表記は正式な規格名ではないため、認証名と認証ラベルで選ぶのが確実です。
Q4. ARCとeARCの違いは?
A. ARCはHDMI 1.4で追加された音声リターン機能で、圧縮5.1chサラウンド程度までの伝送が中心です。eARCはHDMI 2.1で追加された拡張版で、非圧縮マルチチャンネルやロスレスサラウンド(Dolby TrueHD・DTS-HD Master Audio等)を伝送できます。eARCの利用にはテレビ・サウンドバー双方のeARC対応が必要です。
Q5. 長いHDMIケーブルでも4Kは映りますか?
A. HDMI規格はケーブルの長さそのものを規定しておらず、認証試験は伝送性能で判定されます。ただし距離が長いほど高帯域の維持は難しくなり、4K60Hz以上では目安として5mを超えるあたりから、信号増幅を内蔵したアクティブケーブルや光ファイバーHDMIケーブルが定番になります。
Q6. HDMIとDisplayPortはどちらを使うべき?
A. テレビ・レコーダー・ゲーム機・サウンドバーはHDMI(ARC/eARCや機器連動のCECが使える)、PCと高リフレッシュレートのゲーミングモニタや複数モニタのデイジーチェーン接続はDisplayPortが向いています。同世代同士では一般にDisplayPortの方が帯域が広く、PCモニタ側の主流です。
Q7. 古い機器に新しいケーブルを使えますか?
A. 使えます。HDMIは後方互換があり、ウルトラハイスピードケーブルをフルHDのテレビに使っても問題ありません。逆に、古いケーブルを新しい機器に使うと帯域不足で4K120Hzなどの新機能が使えないため、ケーブルは新しい認証のものに揃えるのが安全です。
Q8. VRR・ALLMとは何ですか?
A. VRR(可変リフレッシュレート)は映像のコマ数に合わせて画面の書き換え周期を変え、ゲームのカクつきや画面の乱れ(ティアリング)を抑える機能です。ALLM(自動低遅延モード)はゲーム機を接続するとテレビが自動で低遅延モードに切り替わる機能です。いずれもHDMI 2.1で規格化されました。
関連する早見表
- テレビサイズ換算早見表 — インチ×視聴距離と4Kの適正距離
- USBコネクタ早見表 — USB-C映像出力(Alt Mode)との関係
- 同軸ケーブル早見表 — アンテナ線・映像伝送の物理層
- Wi-Fi規格早見表 — ワイヤレスの伝送速度と比較
- DPI・解像度早見表 — 4K/8Kの画素数と画面密度
関連規格・出典
- HDMI Forum公開仕様 — HDMI 2.1系仕様の概要(FRL・eARC・VRR・ALLM・DSC等)
- HDMI規格の公開情報 — バージョン1.4/2.0系の仕様概要とケーブル認証プログラム(プレミアム/ウルトラハイスピード認証)
- VESA DisplayPort公開仕様 — DisplayPort 1.4/2.0/2.1の帯域(比較用)
※ 本ページは各団体の公開仕様に基づく代表値をまとめたものです。個々の製品の対応機能は必ずメーカーの仕様表で確認してください。
最終更新: 2026-07-04