スペック早見表

圧着端子サイズ早見表|R形・Y形の呼びと適用電線(JIS C 2805)

銅線用裸圧着端子(JIS C 2805)のサイズを一覧化。R1.25-3〜R38-10の代表的な呼びごとに、適用電線範囲(JIS公表値)・主な適合電線・適合ねじ・取付穴径を掲載します。呼びの読み方、Y形(先開形)との使い分け、圧着工具のダイスと圧着マークまで、盤内配線・電気工事・保全の現場で必要な情報をまとめました。

📌 即答: 呼びの読み方「R5.5-5」とは

表記意味
R形状記号。R形=丸形(リング状)。先開形はY形
5.5適用電線の呼び。公称断面積5.5mm²のより線に対応(適用範囲は2.63〜6.64mm²)
5スタッド(ねじ)径の呼び。M5ねじに適合(取付穴径5.3mm)

※ つまり「R5.5-5」=丸形・5.5sq電線用・M5ねじ用。現場で「sq(スケア)」と呼ばれる単位はmm²(断面積)のことです。

R形(丸形)圧着端子 サイズ一覧

適用電線範囲はJIS C 2805の公表値(より線の計算断面積)。下の入力欄に「5.5」「M4」「R8」などと入力すると行を絞り込めます(未入力で全表示)。

呼び適用電線範囲
(mm²)
主な適合電線
(公称断面積)
適合ねじ取付穴径
(mm)
R1.25-30.25〜1.650.3・0.5・0.75・1.25sqM33.2
R1.25-3.50.25〜1.650.3・0.5・0.75・1.25sqM3.53.7
R1.25-40.25〜1.650.3・0.5・0.75・1.25sqM44.3
R1.25-50.25〜1.650.3・0.5・0.75・1.25sqM55.3
R2-3.51.04〜2.631.25・2sqM3.53.7
R2-41.04〜2.631.25・2sqM44.3
R2-51.04〜2.631.25・2sqM55.3
R2-61.04〜2.631.25・2sqM66.4
R5.5-42.63〜6.643.5・5.5sqM44.3
R5.5-52.63〜6.643.5・5.5sqM55.3
R5.5-62.63〜6.643.5・5.5sqM66.4
R5.5-82.63〜6.643.5・5.5sqM88.4
R8-56.64〜10.528sqM55.3
R8-66.64〜10.528sqM66.4
R8-86.64〜10.528sqM88.4
R14-610.52〜16.7814sqM66.4
R14-810.52〜16.7814sqM88.4
R22-616.78〜26.6622sqM66.4
R22-816.78〜26.6622sqM88.4
R38-826.66〜42.4238sqM88.4
R38-1026.66〜42.4238sqM1010.5

※ オレンジ網掛けは制御盤・動力配線で特に使用頻度の高いサイズ。上記は代表的な呼びで、同じ「電線呼び-ねじ呼び」の組み合わせ規則でこれ以外のサイズも流通しています。

呼び別の適用電線範囲(JIS C 2805 公表値)

適用電線範囲は端子の「電線呼び」だけで決まります(ねじ呼びには依存しません)。圧着工具のダイスも同じ呼び体系です。

電線呼び適用電線範囲(mm²)主な適合電線使用ダイス呼び
1.250.25〜1.650.3・0.5・0.75・1.25sq1.25
21.04〜2.631.25・2sq2
5.52.63〜6.643.5・5.5sq5.5
86.64〜10.528sq8
1410.52〜16.7814sq14
2216.78〜26.6622sq22
3826.66〜42.4238sq38
6042.42〜60.5760sq60

※ 3.5sq(3.5mm²)の電線は呼び5.5の範囲(2.63〜6.64mm²)に入るため、呼び5.5の端子・ダイスを使います。

Y形(先開形)圧着端子とは

Y形(先開形)は、圧着部の先端がU字に開いた形状の端子です。端子ねじを完全に外さず、緩めるだけで着脱できるのが最大の利点で、計測器の付け替えや保守で配線の付け外しが多い制御回路・弱電回路でよく使われます。なお、Y形はJIS C 2805には規定がなく(同規格が規定する裸端子は取付穴1つのR形と2つのRD形)、各メーカーの規格品として流通しています。呼びの体系はR形と同じで、「Y1.25-3」なら適用電線の呼び1.25・M3ねじ用を意味し、適用電線範囲の考え方もR形と共通です。

一方で、ねじが緩むと端子ごと脱落するリスクがあるため、振動の多い部位・電源回路・大電流回路にはR形(丸形)を使うのが原則です。R形はねじを貫通させる構造のため、ねじが多少緩んでも端子が外れて短絡・地絡に至る危険が小さく、確実性を優先する箇所の標準となっています。

絶縁被覆付圧着端子・圧着スリーブ

絶縁被覆付圧着端子は、圧着部にあらかじめ絶縁体の被覆(スリーブ)が付いた端子です。圧着後に絶縁キャップや絶縁テープで処理する手間が省け、充電部の露出を減らせるため、盤内配線で広く使われています。ただし裸端子とは圧着部の形状が異なるため、専用の圧着工具が必要で、裸端子用の工具とは兼用できません。

圧着スリーブは電線同士を接続するための筒状の部材で、突合せ用(B形)・重ね合わせ用(P形)などがJIS C 2806(銅線用裸圧着スリーブ)に規定されています。屋内配線の単線接続に使うリングスリーブ(E形)もこの系統の部材で、圧着端子(端子台・機器への接続用)とは用途が異なります。

圧着工具の対応(ダイス呼び・圧着マーク)

圧着工具のダイス(圧着歯)は端子と同じ呼び体系(1.25/2/5.5/8/14/22/38…)で作られており、端子の電線呼びと同じ呼びのダイスで圧着するのが大原則です。手動片手式の工具は1.25〜8程度まで、14以上は手動両手式や油圧式の工具が使われます。

ラチェット機構付きの工具は、規定の圧縮が完了するまでグリップが開かない構造になっており、不完全圧着を防ぎます。圧着が完了すると、使用したダイスの呼び数字が圧着部表面に刻印されます。これが圧着マークで、「どの呼びのダイスで圧着されたか」を後から確認でき、施工検査の判定基準になります。マークがない・端子の呼びと一致しない圧着は不良と判断されます。

国内では工具の柄(グリップ)の色で用途を区別する慣行が定着しており、裸圧着端子・スリーブ用は赤、絶縁被覆付端子用は青、リングスリーブ(E形)用は黄が一般的です。色の異なる工具を混用すると圧着形状が合わず、不良圧着の原因になります。

使い方・選び方のポイント

選定手順

①電線の公称断面積(sq)から電線呼びを決める(例: 5.5sq→呼び5.5) ②接続先の端子ねじの径からねじ呼びを決める(例: M5→-5) ③着脱頻度と振動の有無からR形/Y形を選ぶ ④絶縁処理の方針(絶縁被覆付か、裸端子+絶縁キャップか)を決める。

よくある間違い

電線より大きい呼びの端子を使う(オーバーサイズ圧着→圧縮不足で抜け・発熱)、端子とダイスの呼び不一致、単線対応をメーカー適用表で確認しない圧着、裸端子用と絶縁被覆付用の工具の混用、被覆の噛み込み(被覆を圧着部に入れて導体の圧縮不足)に注意します。

施工後の確認

圧着マークの有無と呼びの一致、素線のはみ出し・切れ、軽い引張りで抜けないことを確認します。圧着部をペンチで潰して代用する施工は保持力・導通とも保証されず不可です。

圧着接続の原理と適用範囲の意味

圧着接続は、端子の筒部(バレル)と電線の素線を工具で塑性変形させ、機械的に一体化する接続方法です。適切に圧縮されると素線同士・素線と端子の間の隙間がなくなり、表面の酸化被膜が破れて金属同士が直接接触した状態(ガスタイト接続)になります。はんだ付けと違って熱を使わず、作業者の技量差が出にくく品質が安定するため、工業配線の標準的な接続方法になっています。

呼びごとに適用電線範囲が定められているのは、圧着の品質が「圧縮率」で決まるためです。範囲より細い電線では圧縮が足りず保持力と導通が確保できず、範囲より太い電線では素線の切断や端子の割れを招きます。JIS C 2805はこの範囲を呼びごとに公表しており、工具のダイスも同じ呼び体系で作られています。端子・電線・ダイスの3つの呼びを一致させることが、圧着品質のいちばんの前提です。

呼びの数値(1.25/2/5.5/8/14/22/38…)は、IV・KIVなど国内の電線の公称断面積の系列に対応しています。一方で適用範囲の境界値(1.04、2.63、6.64mm²など)が中途半端な数字に見えるのは、公称サイズの中間にあたる断面積の電線も隙間なくカバーできるよう範囲が定められているためです。隣り合う呼びの範囲は連続または一部重複しており(例: 1.25mm²の電線は呼び1.25と呼び2の両方の範囲に入ります)、範囲の間に使える端子のない隙間はありません。

よくある質問

Q1. R5.5-5の「5.5」と「5」は何の数字ですか?

A. 前の数字5.5は適用電線の呼び(公称断面積5.5mm²のより線に対応。適用範囲は2.63〜6.64mm²)、後ろの数字5はスタッド(ねじ)径の呼びで、M5ねじに適合することを表します。Rは丸形(リング状)を表す形状記号です。

Q2. R形とY形はどちらを使うべきですか?

A. 原則はR形(丸形)です。ねじが緩んでも端子が脱落しません。Y形(先開形)はねじを緩めるだけで着脱できるため保守で付け外しの多い箇所に便利ですが、ねじが緩むと抜け落ちるリスクがあるため、振動の多い部位や電源回路にはR形を選びます。

Q3. 1.25mm²の電線に呼び2の端子を使ってもよいですか?

A. 1.25mm²は呼び2の適用電線範囲(1.04〜2.63mm²)に入るため規格上は使用できます。ただし圧着工具のダイスは電線ではなく端子の呼び(この場合は2)に合わせます。呼び1.25の端子が入手できるならそちらを使うのが基本です。

Q4. 単線(IV1.6mmなど)に圧着端子を使えますか?

A. 使えます。JIS C 2805は軟銅のより線と単線の両方を適用範囲としており、IV1.6mm単線(断面積約2.0mm²)なら呼び2の適用電線範囲(1.04〜2.63mm²)に入ります。ただし単線対応の呼び・範囲は使用する端子メーカーの適用表で必ず確認してください。屋内配線の単線同士の接続にはリングスリーブ(E形)や差込形コネクタを使うのが一般的です。

Q5. 2本の電線を1つの端子にまとめて圧着できますか?

A. 合計断面積が端子の適用電線範囲に収まる場合に限り施工されることがありますが、素線がばらけやすく圧着不良の原因になるため推奨されません。分岐や集約は端子台や圧着スリーブで行うのが確実です。

Q6. 圧着マーク(刻印)とは何ですか?

A. ラチェット式の圧着工具で圧着すると、使用したダイスの呼び数字が圧着部の表面に刻印されます。どの呼びのダイスで圧着したかを後から確認でき、検査の判定にも使われます。マークがない、または端子の呼びと一致しない場合は不良圧着と判断されます。

Q7. 電線より大きい端子(オーバーサイズ)で圧着するとどうなりますか?

A. 圧縮が不足し、電線の抜け・接触抵抗の増大・発熱の原因になります。適用電線範囲の下限を下回る細い電線には使用してはいけません。端子・電線・ダイスの3つの呼びを一致させることが品質の前提です。

Q8. 絶縁被覆付端子と裸端子の圧着工具は共用できますか?

A. 共用できません。裸圧着端子用(柄が赤)と絶縁被覆付端子用(柄が青)では圧着部の形状が異なり、間違えると被覆の破れや圧着不足になります。リングスリーブ(E形)用は柄が黄で区別されます。

関連する早見表

関連規格・出典

  • JIS C 2805「銅線用圧着端子」 — 裸圧着端子(R形)の呼び・適用電線範囲・寸法の規定
  • JIS C 2806「銅線用裸圧着スリーブ」 — 圧着スリーブ(B形・P形等)の規定
  • JIS C 9711「屋内配線用電線接続工具・手動片手式工具」 — 圧着工具の規定

数値はJISの公表値に基づきます。実際の施工では使用する端子・工具の適用表を必ず確認してください。

最終更新: 2026-07-04