スペック早見表

ベアリング寸法早見表(深溝玉軸受 6000/6200/6300/6800/6900系列)

ベアリング(深溝玉軸受)の5系列 全89型番(6000系19・6200系19・6300系19・6800系16・6900系16)について、内径d・外径D・幅B・基本動定格荷重Cr・基本静定格荷重C0rを収録。JIS B 1521準拠。ベアリングの型番の読み方・内径番号対応・接尾記号(シール形式)も解説します。

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型番の読み方

深溝玉軸受の基本型番は (形式記号)(寸法系列)(内径番号)(接触角記号)(補助記号) の構成です。

6 2 05 ZZ/2RS/CM/P6
位置記号例意味
1桁目 形式6単列深溝玉軸受(1=自動調心, 7=アンギュラ玉, N=円筒ころ…)
2桁目 寸法系列2径系列(外径規模)。8=極薄, 9=薄, 0=最軽, 2=軽, 3=中, 4=重
3〜4桁目 内径番号0500=10mm, 01=12mm, 02=15mm, 03=17mm, それ以降は番号×5
補助記号 シール形式ZZ/2RS/LLUZ/ZZ=鋼板シールド, RS/2RS/LLU=接触シール, OPEN=開放形
すきま記号C2/C3/C4/CMC2=小、CN=普通、C3/C4=大、CM=電動機用
精度等級P6/P5/P4/P2P0(普通)→P6→P5→P4→P2 の順に高精度

接尾記号(シール・シールド記号)の読み方

ベアリングの基本番号の後ろに付く接尾記号は、密封装置(シール・シールド)の形式を表します。同じ基本番号(例: 6205)であれば、接尾記号が違っても内径・外径・幅の主要寸法は同一です。

記号形式特徴使い分けの目安
なし(開放形)シール・シールドなし回転抵抗が最も小さい。防塵性はなく、潤滑は外部からの給油・給脂が前提潤滑を外部で管理できる箇所、洗浄後にグリースを選定したい場合
ZZ(片側はZ)両側鋼板シールド(非接触)金属板が内輪に接触しないため回転トルクの増加がほぼなく、高速回転向き。防塵性は中程度で、水・液体への密封性は低いモーター・ファンなど高速回転で、粉塵が少ない環境
2RS / DDU(片側はRS / DU)両側接触ゴムシールゴムリップが内輪に接触するため密封性が高く、防塵・防滴に優れる。回転トルクは増え、許容回転数は低くなる粉塵・水分の多い環境、農機・搬送機器など
LLB / VV / 2RZ両側非接触ゴムシールゴムシールだがリップが接触しないため低トルクのまま、シールドより高い密封性が得られる高速回転と防塵性をある程度両立したい場合

接尾記号はメーカーごとに表記が異なる点に注意してください。両側接触ゴムシールは一般表記の2RSのほか、NSKではDDU、NTNではLLUと表記されます。両側非接触ゴムシールはNTNがLLB、NSKがVV、SKFが2RZです。形式(接触/非接触、鋼板/ゴム)を読み替えれば互換品の特定ができます。

使い分けの基本は「高速・低トルク優先ならZZ(シールド)、密封性優先なら2RS・DDU(接触シール)、その中間がLLBなどの非接触シール」です。交換時は元の接尾記号と同等の形式を選ぶのが原則で、グリース封入形(ZZ・シール形)は原則メンテナンスフリーで追加給脂を前提としません。

内径番号と実内径の対応

内径番号内径d(mm)内径番号内径d(mm)内径番号内径d(mm)内径番号内径d(mm)
00100840168024120
01120945178528140
02151050189032160
03171155199536180
042012602010040200
052513652110544220
063014702211048240
073515752311552260

04以上: 内径番号 × 5 = 内径(mm)。00〜03は例外(10/12/15/17mm)。

寸法系列による外径・負荷の違い

系列特徴同内径での比較主な用途
6800系極薄形(Extra Thin)外径・幅・負荷容量すべて最小小型軽量・精密機器・ロボット関節
6900系薄形(Thin)6800より大きく6000より小さい自転車ハブ・薄型機構
6000系最軽荷重(Extra Light)標準的な細身家電・事務機器・汎用機械
6200系軽荷重(Light)最も使われる標準系列最汎用。モーター・ポンプ・ファン
6300系中荷重(Medium)外径・幅・負荷容量が大重荷重・低速・大型機械

一覧表(全89型番)

Cr: 基本動定格荷重(N) / C0r: 基本静定格荷重(N)。荷重値は代表メーカー公開値の代表値。「—」はメーカーカタログ参照推奨(値の差異が大きい範囲)。

型番系列内径 d
(mm)
外径 D
(mm)
幅 B
(mm)
Cr
(N)
C0r
(N)
60006000102683,5311,922
60016000122883,9242,246
60026000153294,3162,579
600360001735104,6092,903
600460002042127,2074,561
600560002547127,7505,149
6006600030551310,1057,259
6007600035621412,2608,977
6008600040681512,8509,903
6009600045751616,08112,948
6010600050801616,77214,030
60116000559018
60126000609518
601360006510018
601460007011020
601560007511520
601660008012522
601860009014024
6020600010015024
62006200103093,9242,246
620162001232105,2502,991
620262001535115,8863,532
620362001740127,3564,513
620462002047149,8106,232
6205620025521510,7887,160
6206620030621615,00810,296
6207620035721719,71814,033
6208620040801822,35216,183
6209620045851925,19718,438
6210620050902026,96720,597
621162005510021
621262006011022
621362006512023
621462007012524
621562007513025
621662008014026
621862009016030
6220620010018034
630063001035116,2303,580
630163001237127,4554,415
630263001542138,7745,345
6303630017471410,4926,473
6304630020521512,2617,705
6305630025621715,78810,592
6306630030721920,49014,128
6307630035802125,68818,048
6308630040902331,38822,558
63096300451002540,69130,419
63106300501102747,55435,818
631163005512029
631263006013031
631363006514033
631463007015035
631563007516037
631663008017039
631863009019043
6320630010021547
68006800101951,325736
68016800122151,471893
68026800152451,5991,050
68036800172652,0201,324
6804680020327
6805680025377
6806680030427
6807680035477
6808680040527
6809680045587
6810680050657
68126800607810
68146800709010
681668008010010
681868009011513
6820680010012513
69006900102262,0791,148
69016900122462,2271,304
69026900152873,3352,010
69036900173073,5322,236
6904690020379
6905690025429
6906690030479
69076900355510
69086900406212
69096900456812
69106900507212
69126900608513
691469007010016
691669008011016
691869009012518
6920690010014020

軸受の寿命計算

玉軸受の定格寿命(L10寿命、90%信頼度):

L10 = (Cr ÷ P)³ × 10⁶ 回転 (Cr: 基本動定格荷重, P: 動等価荷重 N)

時間寿命に換算: L10h = L10 ÷ (60 × n) 時間 (n: 回転数 rpm)

純ラジアル荷重の場合 P = Fr。アキシアル荷重併用時は当量荷重計算が必要。

軸受の寿命が荷重で決まる理由

転がり軸受の寿命は接触部の金属疲労(フレーキング)で決まり、荷重のおよそ3乗〜10/3乗に反比例します。

  • 転がり軸受は、玉やころ(転動体)と軌道面が点または線で接触して荷重を支える
  • 回転のたびに接触部へ繰り返し応力がかかり、金属が疲労して最終的に表面が剥がれる(フレーキング)のが寿命の主因
  • 寿命は荷重のおよそ3乗(玉軸受)から10/3乗(ころ軸受)に反比例。荷重が2倍になると寿命は約8分の1にまで激減するため、荷重に対して余裕のある選定が決定的に重要
  • したがって、適切なはめあい・潤滑・異物の排除が寿命を大きく左右する

荷重の方向と大きさ、回転数から形式(汎用の深溝玉、高荷重の円すいころ、軸方向荷重のスラスト等)を選ぶのが設計の筋道です。

使い方・選び方のポイント

使用場面

軸受の選定、呼び番号からの寸法確認、交換時の互換品特定に使います。荷重と回転条件に合った形式・サイズを選ぶ場面が中心です。

よくある間違い

呼び番号の内径コードの読み違いが多い間違いです(04以上は数字×5がmm内径、例: 6204は内径20mm)。荷重方向(ラジアル/スラスト)に合わない形式を選んだり、はめあい・内部すきまの指定漏れで異音・短寿命を招くこともあります。

選び方のコツ

  1. 荷重の種類・大きさ・方向を把握
  2. 回転数と必要寿命を確認
  3. 軸径から内径を決める
  4. 汎用は深溝玉軸受、高荷重は円すいころ軸受、軸方向荷重はスラスト軸受
  5. 軸・ハウジングのはめあいと内部すきまを適切に選ぶ

よくある質問

Q. 型番「6205」の意味は?

A. 6205は内径25mmの軽荷重形深溝玉軸受です。

  • 6 = 深溝玉軸受(形式記号)
  • 2 = 寸法系列(軽荷重)
  • 05 = 内径番号で内径25mm

後ろにZZ/2RS(シール形式)やC3(すきま)などの補助記号が付く場合があります。

Q. ZZとRS/2RS/LLUの違いは?

A. ZZは非接触の鋼板シールド、RS/2RS/LLUはゴム接触シールです。

  • ZZ: 鋼板シールド(非接触)で高速回転向き
  • RS/2RS/LLU: ゴム接触シールで密封性が高いが高速回転は苦手
  • 2RS = 両側接触シール

回転数と密封性のどちらを優先するかで使い分けます。

Q. すきま記号C3とCNの違いは?

A. CNは普通すきま、C3は普通より大きめのすきまです。

  • CN = 普通すきま
  • C3 = 普通より大きめ。温度上昇が大きい用途や軸の熱膨張がある場合に選択
  • CM = 中間値。電動機は一般にCMを使用

使用時の温度上昇・熱膨張の条件からすきま記号を選定します。

Q. Cr(動)と C0r(静)は使い分け?

A. 回転する軸受の寿命計算にはCr、静止・低速揺動時の永久変形評価にはC0rを使用します。

  • Cr(基本動定格荷重): 回転時の寿命計算に使用(L10 = (Cr/P)³×10⁶ 回転)
  • C0r(基本静定格荷重): 静止・低速揺動時の永久変形評価に使用

回転の有無と用途でどちらの定格荷重を使うかを使い分けます。

Q. 6800系と6900系の違いは?

A. 同内径では6800系が最も小さく、6900系はその中間サイズです。

  • 6800系: 同内径で外径・幅ともに最も小さい
  • 6900系: 6800系と6000系の中間的なサイズ
  • 6000系: 標準

軽量・省スペース用途は6800系、汎用には6200系が第一選択です。

関連する早見表

出典・参考

JIS B 1521(転がり軸受-単列深溝玉軸受), JIS B 1512-1〜3(転がり軸受の主要寸法), ISO 15

荷重値参考: 軸受メーカー各社の公開寸法表・カタログ値を集約した参考値です。

※ 本表の定格荷重は代表メーカー公表値の代表値です。型番が同一でもメーカー・仕様(内部すきま・シール形式)により若干異なります。厳密な設計にあたっては使用メーカーのカタログ値を優先してください。

最終更新: 2026-07-04