スペック早見表

現場の資格区分早見表|フォークリフト1t・ユンボ3t・高所作業車10mの境目

現場の機械は、能力値がいくつかで必要な資格が変わります。フォークリフトは最大荷重1t、ユンボは機体重量3t、高所作業車は作業床10m——境目を超えれば技能講習、下回れば特別教育。よく問われる機械の境目を、根拠の条文つきで並べました。

🎓 資格区分 判断即答ボックス

フォークリフト最大荷重1tが境目1t以上=技能講習/未満=特別教育
ユンボ(車両系建設機械)機体重量3tが境目3t未満でも特別教育は必要
高所作業車作業床10mが境目10m以上=技能講習
玉掛けつり上げ荷重1tが境目クレーン運転の5tとは別
移動式クレーン1t・5tの3段5t以上は免許・1〜5tは技能講習
公道を走るとき別途 運転免許令20条は「道路上の走行を除く」

このページについて

現場の機械は「何トンか」「何メートルか」で必要な資格が変わります。境目を超えると技能講習、下回れば特別教育、さらに大きいものは免許——この3段階を機械ごとに引くための表です。区分は労働安全衛生法第61条と施行令第20条(就業制限に係る業務)、およびその下限側を定める安衛則第36条(特別教育)にもとづきます。資格の有無の最終確認は、修了証の現物と社内の有資格者名簿によってください。

表1: 機械別の資格区分(境目の数字)

よく使う:
機械(現場での呼び方)境目境目以上境目未満
フォークリフト最大荷重1tフォークリフト運転技能講習特別教育
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用/掘削用)
ユンボ・バックホウ・ドラグショベル・ブルドーザー・トラクターショベル
機体重量3t車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習特別教育
車両系建設機械(基礎工事用)
くい打機・アースドリル・アースオーガー
機体重量3t車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習特別教育
車両系建設機械(解体用)
ブレーカ・鉄骨切断機・コンクリート圧砕機等
機体重量3t車両系建設機械(解体用)運転技能講習特別教育
高所作業車作業床の高さ10m高所作業車運転技能講習特別教育
移動式クレーン
ユニック車・ラフター
つり上げ荷重1t/5t5t以上=移動式クレーン運転士免許
1t以上5t未満=小型移動式クレーン運転技能講習
1t未満=特別教育
クレーン(天井クレーン等)つり上げ荷重5tクレーン・デリック運転士免許
床上操作式は床上操作式クレーン運転技能講習でも可
5t未満=特別教育
玉掛けつり上げ荷重1t玉掛け技能講習特別教育
ショベルローダー・フォークローダー最大荷重1tショベルローダー等運転技能講習特別教育
不整地運搬車(クローラダンプ等)最大積載量1t不整地運搬車運転技能講習特別教育
デリックつり上げ荷重5tクレーン・デリック運転士免許5t未満=特別教育
揚貨装置(船舶の荷役設備)制限荷重5t揚貨装置運転士免許5t未満=特別教育
ローラー(締固め用機械)大きさによらず特別教育(就業制限の対象外)
コンクリートポンプ車作業装置の操作は特別教育

※ 技能講習・免許が必要な業務(就業制限業務)は労働安全衛生法第61条・施行令第20条、資格の対応は安衛則別表第三によります。特別教育で足りる範囲は安衛則第36条。技能講習のかわりに建設機械施工管理技術検定の合格者等が認められる場合があります(安衛則別表第三)。

表2: 荷重・重量の「どこを測った数字か」

用語意味使う機械
最大荷重構造・材料に応じ、基準荷重中心に負荷させることができる最大の荷重フォークリフト/ショベルローダー等
機体重量機械本体の重量(作業装置を含む。積載物は含まない)車両系建設機械
つり上げ荷重構造・材料に応じてつり上げることができる最大の荷重(フック等の重量を含む)クレーン/移動式クレーン/玉掛け
最大積載量積載できる最大の荷重不整地運搬車
作業床の高さ作業床を最も高く上昇させたときの高さ高所作業車

「吊れる重さ」ではなく「機械の能力値」で区分が決まります。たとえば2.9tのバックホウで軽い荷を扱っても、区分は機体重量3t未満のままです。カタログの機体重量が境目付近の機械は、現物の銘板で確認してください。

表3: 機械以外でよく問われる特別教育

業務必要なもの
研削といしの取替え・取替え時の試運転特別教育
アーク溶接等(アーク溶接機を用いる溶接・溶断)特別教育
ガス溶接・溶断・加熱(可燃性ガス+酸素)ガス溶接技能講習またはガス溶接作業主任者免許(就業制限業務)
動力により駆動される巻上げ機(ウインチ)の運転特別教育
足場の組立て・解体・変更の作業特別教育(地上・堅固な床上の補助作業を除く)
高さ2m以上で作業床が困難な箇所でのフルハーネス使用作業特別教育
ロープ高所作業(ブランコ作業等)特別教育

公道を走るときは別の話になる

施行令第20条の各号には「道路上を走行させる運転を除く」という括弧書きが入っています。つまり技能講習・特別教育が守っているのは現場内での運転・操作で、公道の走行は道路交通法の運転免許の世界です。ホイール式のバックホウやユニック車を現場間で移動させるなら、技能講習に加えて車両区分に応じた大型・中型・準中型などの運転免許が要ります。免許の区分は運転免許の区分早見表で確認できます。

逆にいえば、公道を走らないフォークリフトでも、荷役運転そのものには技能講習または特別教育が必要です。「構内だけだから要らない」は誤りです。

間違えやすいポイント

  • 「3t未満なら無資格でいい」 — 誤りです。3t未満は特別教育が必要で、無資格運転にはなりません。
  • 移動式クレーンの区分を1段で覚える — 1t未満=特別教育/1t以上5t未満=小型移動式クレーン技能講習/5t以上=免許、の3段です。
  • 玉掛けの境目をクレーン側と混同する — 玉掛けはつり上げ荷重1tが境目。クレーン運転の5tとは別です。
  • 技能講習修了証を携帯していない — 就業制限業務では、免許証・修了証等の携帯が必要です(安衛法第61条第3項)。
  • 高所作業車を「高さ10mまで使える」と読む — 10mは作業床を最大上昇させたときの高さで、機械側の能力値です。

よくある質問

Q1. フォークリフトは何トンから技能講習が必要?

A. 最大荷重1t以上で技能講習です(令第20条第十一号・安衛則別表第三)。1t未満は特別教育が必要で(則第36条)、無資格でよいわけではありません。

Q2. ユンボ(バックホウ)の資格は機体重量3tが境目?

A. はい。機体重量3t以上=技能講習(令第20条第十二号)、3t未満=特別教育(則第36条)。区分は荷ではなく機械の機体重量で決まるため、境目付近は銘板で確認します。

Q3. 高所作業車の資格の境目は?

A. 作業床の高さ10mです。10m以上=高所作業車運転技能講習(令第20条第十五号)、10m未満=特別教育。10mは機械の能力値(最大上昇時の高さ)です。

Q4. 玉掛けは1トン以上で技能講習?

A. はい。つり上げ荷重1t以上で玉掛け技能講習(令第20条第十六号)、1t未満は特別教育。クレーン運転の5tとは別の境目です。

Q5. 移動式クレーン(ユニック)の資格は何段階?

A. 3段階です。5t以上=移動式クレーン運転士免許/1t以上5t未満=小型移動式クレーン運転技能講習/1t未満=特別教育。玉掛けは別資格です。

Q6. 現場内だけで使うなら運転免許は要らない?

A. 現場内の運転には技能講習・特別教育が必要です。令第20条は「道路上を走行させる運転を除く」ため、公道走行は別途 運転免許。両方必要になる場面が多くあります。

Q7. 技能講習の修了証は携帯が必要?

A. 必要です。安衛法第61条第3項により、就業制限業務では免許証・修了証など資格を証する書面の携帯が義務づけられています。

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出典・参考

  • 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) 第61条 — 就業制限。資格を証する書面の携帯義務(第3項)
  • 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号) 第20条 — 就業制限に係る業務(第六号〜第十六号の荷重・重量・高さの区分)、別表第七(建設機械の種類)
  • 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号) 別表第三 — 令第20条の各号に対応する免許・技能講習の種類
  • 労働安全衛生規則 第36条 — 特別教育を必要とする業務(1t未満・3t未満・10m未満等の下限側、研削といし・アーク溶接・巻上げ機・足場・フルハーネス)

※ 本ページは区分の境目を引くための早見表です。実際の就業可否は、修了証の現物、作業内容、元請の入場基準によって判断してください。技能講習の代替として認められる資格(建設機械施工管理技術検定の合格者等)や、厚生労働大臣が定める者の範囲は安衛則別表第三に定めがあります。

最終更新: 2026-09-14