スペック早見表

断面二次モーメント・断面係数 早見表(公式と丸棒・角棒・平板の値)

断面二次モーメントIは曲げにくさ(たわみ)、断面係数Zは曲げ応力σ=M÷Zに使う断面の値です。長方形 I=bh³/12・Z=bh²/6、円 I=πd⁴/64・Z=πd³/32。公式と、丸棒・角棒・平板の値を式から計算した表です。

📐 断面性能 判断即答ボックス

φ20丸棒の断面係数は?785.4mm³=0.7854cm³。I=7,854mm⁴
平板は縦使いと平使いでどれだけ違う?Iは(幅÷厚さ)²倍50×6ならIは69.4倍、Zは8.33倍
丸棒の直径を2倍にすると?Iは16倍・Zは8倍I∝d⁴、Z∝d³。断面積(重さ)は4倍
外径そのまま内径0.8倍の中空にすると?I・Zは59.0%に重さは36.0%。表5
角棒を対角線の向きに曲げると?Iは同じ・Zは約0.707倍縁までの距離がa/√2に伸びる
mm⁴をcm⁴にするには?÷10,000mm³→cm³は÷1,000(1cm=10mm)
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表1: 断面積・断面二次モーメント・断面係数・断面二次半径の公式

断面(曲げの軸)断面積 A断面二次
モーメント I
断面係数 Z断面二次
半径 i
長方形 幅b×高さh
図心を通り幅bに平行な軸
bhbh³/12bh²/6h/√12
≒0.2887h
正方形 辺a
辺に平行な軸
a²a⁴/12a³/6a/√12
正方形 辺a
対角線の軸
a²a⁴/12√2·a³/12
≒0.1179a³
a/√12
中実円 直径dπd²/4πd⁴/64πd³/32d/4
中空円 外径D・内径dπ(D²−d²)/4π(D⁴−d⁴)/64π(D⁴−d⁴)/(32D)√(D²+d²)/4
中空長方形 外B×H・内b×h
中心が同じ。高さH・hが曲げの向き
BH−bh(BH³−bh³)/12(BH³−bh³)/(6H)√(I/A)
H形・I形(強軸)
フランジ幅B・せいH・ウェブ厚t₁・フランジ厚t₂。隅の丸みなし
2Bt₂+(H−2t₂)t₁{BH³−(B−t₁)(H−2t₂)³}/122I/H√(I/A)
三角形 底辺b・高さh
図心を通り底辺に平行な軸
bh/2bh³/36頂点側 bh²/24
底辺側 bh²/12
h/√18
≒0.2357h
中実円のねじり 直径d—極 Ip=πd⁴/32極 Zp=πd³/16—
中空円のねじり 外径D・内径d—極 Ip=π(D⁴−d⁴)/32極 Zp=π(D⁴−d⁴)/(16D)—

断面係数Z=I÷e(eは曲げの軸から最も遠い縁までの距離)、断面二次半径i=√(I÷A)です。軸はいずれも図心(断面の重心)を通ります。三角形は縁までの距離が頂点側(2h/3)と底辺側(h/3)で違うため、Zが2つあります。ねじりの欄は、軸心まわりの極断面二次モーメントIpと極断面係数Zp(=Ip÷外半径)で、円・円環の断面にだけ使える式です。

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表2: 丸棒(中実円)の値

直径
mm
断面積
mm²
I
mm⁴
cm⁴
Z
mm³
cm³
i
mm
φ628.2763.62
0.006362
21.21
0.02121
1.500
φ850.27201.1
0.02011
50.27
0.05027
2.000
φ1078.54490.9
0.04909
98.17
0.09817
2.500
φ12113.11,018
0.1018
169.6
0.1696
3.000
φ13132.71,402
0.1402
215.7
0.2157
3.250
φ16201.13,217
0.3217
402.1
0.4021
4.000
φ19283.56,397
0.6397
673.4
0.6734
4.750
φ20314.27,854
0.7854
785.4
0.7854
5.000
φ22380.111,499
1.150
1,045
1.045
5.500
φ25490.919,175
1.917
1,534
1.534
6.250
φ28615.830,172
3.017
2,155
2.155
7.000
φ30706.939,761
3.976
2,651
2.651
7.500
φ32804.251,472
5.147
3,217
3.217
8.000
φ361,01882,448
8.245
4,580
4.580
9.000
φ401,257125,664
12.57
6,283
6.283
10.00
φ451,590201,289
20.13
8,946
8.946
11.25
φ501,963306,796
30.68
12,272
12.27
12.50
φ602,827636,173
63.62
21,206
21.21
15.00
φ703,8481,178,588
117.9
33,674
33.67
17.50
φ805,0272,010,619
201.1
50,265
50.27
20.00
φ906,3623,220,623
322.1
71,569
71.57
22.50
φ1007,8544,908,739
490.9
98,175
98.17
25.00

上段がmm⁴・mm³、下段の小さい字がcm⁴・cm³です。ねじりの極断面二次モーメントIpはIの2倍、極断面係数ZpはZの2倍です(例: φ20でIp=15,708mm⁴、Zp=1,571mm³)。直径は計算の例として選んだ値で、丸鋼の規格の径は丸鋼・フラットバーの重量表にあります。

表3: 角棒(正方形)の値

辺
mm
断面積
mm²
I
mm⁴
cm⁴
Z(辺に平行)
mm³
cm³
Z(対角線)
mm³
cm³
i
mm
636108.0
0.01080
36.00
0.03600
25.46
0.02546
1.732
864341.3
0.03413
85.33
0.08533
60.34
0.06034
2.309
10100833.3
0.08333
166.7
0.1667
117.9
0.1179
2.887
121441,728
0.1728
288.0
0.2880
203.6
0.2036
3.464
162565,461
0.5461
682.7
0.6827
482.7
0.4827
4.619
1936110,860
1.086
1,143
1.143
808.3
0.8083
5.485
2040013,333
1.333
1,333
1.333
942.8
0.9428
5.774
2248419,521
1.952
1,775
1.775
1,255
1.255
6.351
2562532,552
3.255
2,604
2.604
1,841
1.841
7.217
3090067,500
6.750
4,500
4.500
3,182
3.182
8.660
321,02487,381
8.738
5,461
5.461
3,862
3.862
9.238
401,600213,333
21.33
10,667
10.67
7,542
7.542
11.55
502,500520,833
52.08
20,833
20.83
14,731
14.73
14.43
603,6001,080,000
108.0
36,000
36.00
25,456
25.46
17.32
654,2251,487,552
148.8
45,771
45.77
32,365
32.36
18.76
755,6252,636,719
263.7
70,313
70.31
49,718
49.72
21.65
806,4003,413,333
341.3
85,333
85.33
60,340
60.34
23.09
10010,0008,333,333
833.3
166,667
166.7
117,851
117.9
28.87

Iはどちらの軸でも同じ(a⁴/12)です。対角線の軸で曲げると縁までの距離がa/√2に伸びるため、Zは辺に平行な軸の約0.707倍になります。角の丸みは考えていません。

表4: 平板(幅×厚さ)の強軸・弱軸

幅×厚さ
mm
断面積
mm²
強軸 I
mm⁴
cm⁴
強軸 Z
mm³
cm³
弱軸 I
mm⁴
cm⁴
弱軸 Z
mm³
cm³
25×61507,813
0.7813
625.0
0.6250
450.0
0.04500
150.0
0.1500
32×619216,384
1.638
1,024
1.024
576.0
0.05760
192.0
0.1920
38×934241,154
4.115
2,166
2.166
2,309
0.2309
513.0
0.5130
50×630062,500
6.250
2,500
2.500
900.0
0.09000
300.0
0.3000
50×945093,750
9.375
3,750
3.750
3,038
0.3038
675.0
0.6750
65×6390137,313
13.73
4,225
4.225
1,170
0.1170
390.0
0.3900
65×9585205,969
20.60
6,338
6.338
3,949
0.3949
877.5
0.8775
75×9675316,406
31.64
8,438
8.438
4,556
0.4556
1,013
1.013
100×6600500,000
50.00
10,000
10.00
1,800
0.1800
600.0
0.6000
100×9900750,000
75.00
15,000
15.00
6,075
0.6075
1,350
1.350
100×121,2001,000,000
100.0
20,000
20.00
14,400
1.440
2,400
2.400
125×121,5001,953,125
195.3
31,250
31.25
18,000
1.800
3,000
3.000
150×121,8003,375,000
337.5
45,000
45.00
21,600
2.160
3,600
3.600
150×162,4004,500,000
450.0
60,000
60.00
51,200
5.120
6,400
6.400
200×122,4008,000,000
800.0
80,000
80.00
28,800
2.880
4,800
4.800
200×193,80012,666,667
1,267
126,667
126.7
114,317
11.43
12,033
12.03
200×255,00016,666,667
1,667
166,667
166.7
260,417
26.04
20,833
20.83

強軸は幅の向きに荷重がかかる使い方(縦使い: I=t×b³/12)、弱軸は厚さの向きに荷重がかかる使い方(平使い: I=b×t³/12)です。Iの比は(幅÷厚さ)²、Zの比は幅÷厚さで、50×6なら強軸のIは弱軸の69.4倍、Zは8.33倍です。寸法は計算の例で、角の丸みは考えていません。

表5: 外径を変えずに中空にしたとき(中実円=100%)

内径÷外径
(d÷D)
断面積(重さ)
=1−(d/D)²
I・Z
=1−(d/D)⁴
断面積あたりのI
=1+(d/D)²
0.391.0%99.2%1.09倍
0.484.0%97.4%1.16倍
0.575.0%93.8%1.25倍
0.664.0%87.0%1.36倍
0.751.0%76.0%1.49倍
0.7543.8%68.4%1.56倍
0.836.0%59.0%1.64倍
0.8527.8%47.8%1.72倍
0.919.0%34.4%1.81倍
0.959.8%18.5%1.90倍

同じ外径の中実円と比べた割合です。中心に近い部分ほどIへの寄与が小さいため、中空にすると重さほどはIが減りません。鋼管(STK)の規格の断面性能はSTK鋼管の寸法表にあります。

使い方

  • 曲げ応力 — σ=M÷Z。Mを N·mm、Zを mm³で入れると N/mm²(=MPa)です。例: φ20の丸棒にM=100N·m(100,000N·mm)なら100,000÷785.4≒127.3N/mm²。
  • たわみ — はりのたわみの式では、ヤング率EとIの積EIが分母に入ります。材料・荷重・支え方・長さが同じなら、Iが2倍でたわみは半分です。
  • 座屈 — 細長比=座屈長さ÷iです。座屈長さが同じなら、iが小さい向き(平板なら弱軸)に座屈しやすくなります。
  • ねじり — 丸棒のねじり応力τ=T÷Zp(Zp=πd³/16)。φ20にT=50N·mなら50,000÷1,571≒31.83N/mm²。

公式の導き方

  • 定義 — 断面二次モーメントI=∫y²dA(yは軸から微小面積dAまでの距離)。軸から遠い面積ほど効きます。
  • 長方形 — 幅bの帯を−h/2からh/2まで積分: ∫y²·b dy=bh³/12。縁までの距離はh/2なので Z=I÷(h/2)=bh²/6。
  • 円 — 極断面二次モーメントIp=∫r²dA=∫r²·2πr dr(0〜d/2)=πd⁴/32。r²=x²+y²なので直交する2軸のIの和がIpで、円では2軸が等しいため I=πd⁴/64、Z=I÷(d/2)=πd³/32です。
  • 中空の形 — 同じ軸まわりなら、外形のIから穴のIを引きます。Zは引いた後のIを外形の縁までの距離で割ります。
  • 三角形 — 底辺まわりのbh³/12から、平行軸の定理(I=図心まわりのI+A×距離²)で図心まわりに移すと bh³/12−(bh/2)(h/3)²=bh³/36。
  • 正方形の対角線 — 正方形は図心を通るどの向きの軸でもIが同じ(a⁴/12)です。縁までの距離がa/√2になるので Z=√2·a³/12。

間違えやすいポイント

  • 強軸と弱軸の取り違え — 長方形のbh³/12のhは、荷重の向き(曲げの向き)の寸法です。平板を平使いするとIは小さくなります(表4)。
  • mm⁴とcm⁴の換算 — 1cm=10mmなので、1cm⁴=10,000mm⁴、1cm³=1,000mm³、1cm²=100mm²です。
  • 中空断面のZを引き算で出す — Zは外形のZ−穴のZではありません。外径40・内径32の中空円は π(40⁴−32⁴)/(32×40)=3,710mm³で、引き算では3,066mm³と小さく出ます。
  • 形鋼にこの式を使う — 形鋼は隅の丸みなどの形が入るため、式の値とは少し違います。H形鋼・C形鋼・鋼管は規格の表の値(関連する早見表)を使ってください。

よくある質問

Q1. 断面二次モーメントと断面係数の違いは?

A. 断面二次モーメントI(mm⁴)は曲げにくさを表し、はりのたわみの計算に使います。断面係数Z(mm³)はIを軸から縁までの最大距離で割った値で、曲げ応力σ=M÷Zの計算に使います。

Q2. 長方形の断面二次モーメントの公式は?

A. I=bh³/12、断面係数はZ=bh²/6です。hは荷重の向き(曲げの向き)の寸法です。例えば幅50mm・厚さ6mmの平板は、縦使いでI=6×50³/12=62,500mm⁴、平使いでI=50×6³/12=900mm⁴です。

Q3. 丸棒の断面二次モーメント・断面係数は?

A. I=πd⁴/64、Z=πd³/32です。φ20なら I=7,854mm⁴(0.7854cm⁴)、Z=785.4mm³(0.7854cm³)です。断面二次半径はd/4です。

Q4. パイプ(中空円)の断面係数は?

A. Z=π(D⁴−d⁴)/(32D)です(D: 外径、d: 内径)。外形のZから穴のZを引くのではなく、I=π(D⁴−d⁴)/64を外半径D/2で割ります。外径40mm・内径32mmなら3,710mm³です。

Q5. 断面二次半径とは?

A. i=√(I÷A)で、断面二次モーメントを断面積で割った値の平方根です(単位は長さ)。柱の座屈の細長比(座屈長さ÷i)に使います。長方形はh/√12、円はd/4です。

Q6. cm⁴とmm⁴の換算は?

A. 1cm=10mmなので 1cm⁴=10,000mm⁴、1cm³=1,000mm³です。cm⁴の値を10,000倍するとmm⁴、mm⁴の値を10,000で割るとcm⁴になります。

Q7. ねじりのときに使う値は?

A. 極断面二次モーメントIpと極断面係数Zpです。丸棒はIp=πd⁴/32、Zp=πd³/16で、ねじり応力τ=T÷Zpです。φ20ならZp=1,571mm³です。

関連する早見表

出典・参考

  • 計量単位令(平成4年政令第357号) — 別表第一 第一号(メートル)、第四条・別表第四(接頭語: センチ=10の2乗分の1、ミリ=10の3乗分の1)。cm⁴・mm⁴などの換算に使用 — e-Gov法令検索の現行版(令和5年政令第376号による改正、2023年12月28日施行)で確認
  • 公式(表1)は、断面二次モーメントの定義 I=∫y²dA・極断面二次モーメントの定義 Ip=∫r²dA と、Z=I÷e、i=√(I÷A)から当サイトが導いたものです(導き方は本文)。

※ 表2〜表5の値は、表1の公式で当サイトが計算した値です。各公式は、断面を細かく分けて数値積分した値とも一致することを確認しています。寸法は計算の例として選んだ値で、規格の標準寸法を示すものではありません。角・隅の丸みは考えていません。

※ 丸め(四捨五入): 断面積・I・Z・iは有効数字4桁(1,000以上は整数)です。角棒・平板の断面積は割り切れる整数です。表5の割合は小数第1位、倍率は小数第2位です。

※ 本ページの値は、断面の形だけから決まる幾何学的な値です。部材の強度・たわみの検討や設計の判断は、材料の規格値・設計基準を確かめ、有資格者の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-29

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