スペック早見表

ポンプの水動力・送風機の空気動力 早見表(流量×全揚程・風量×全圧)

ポンプの水動力は 密度×重力加速度×流量×全揚程 です。水(20℃)を流量1m³/min・全揚程10mで送るなら1.632kW。流量×全揚程の水動力、効率を仮定した軸動力の例、送風機の風量×全圧の空気動力の表です(水動力・空気動力は効率・余裕を含まない理論値)。

💧 ポンプ・送風機の動力 判断即答ボックス

1m³/min・全揚程10mの水動力は?1.632kW水(20℃)。水動力[kW]=0.1632×Q[m³/min]×H[m]
軸動力(ポンプに要る動力)は?水動力÷ポンプ効率効率60%と仮定すると1.632→2.719kW
密度1,200kg/m³の液なら?水(20℃)の1.202倍同じ流量・同じ全揚程(液柱m)のとき
圧力差で分かっているなら?流量×圧力差(密度は不要)1m³/min・0.1MPaで1.667kW
送風機100m³/min・全圧500Paの空気動力は?0.8333kW風量[m³/s]×全圧[Pa]=W。圧縮を無視した値
「0.163×Q×H」で計算してよい?20℃の水ならよい(差約0.1%)20℃の水は0.16315、ρ=1,000・g=9.8なら0.16333
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表1: ポンプの水動力(水20℃・kW)— 流量×全揚程

流量
m³/min
5m10m15m20m25m30m40m50m60m80m100m
0.02
20L/min
0.016320.032630.048950.065260.081580.097890.13050.16320.19580.26100.3263
0.05
50L/min
0.040790.081580.12240.16320.20390.24470.32630.40790.48950.65260.8158
0.1
100L/min
0.081580.16320.24470.32630.40790.48950.65260.81580.97891.3051.632
0.2
200L/min
0.16320.32630.48950.65260.81580.97891.3051.6321.9582.6103.263
0.3
300L/min
0.24470.48950.73420.97891.2241.4681.9582.4472.9373.9164.895
0.5
500L/min
0.40790.81581.2241.6322.0392.4473.2634.0794.8956.5268.158
0.75
750L/min
0.61181.2241.8352.4473.0593.6714.8956.1187.3429.78912.24
1
1,000L/min
0.81581.6322.4473.2634.0794.8956.5268.1589.78913.0516.32
1.5
1,500L/min
1.2242.4473.6714.8956.1187.3429.78912.2414.6819.5824.47
2
2,000L/min
1.6323.2634.8956.5268.1589.78913.0516.3219.5826.1032.63
3
3,000L/min
2.4474.8957.3429.78912.2414.6819.5824.4729.3739.1648.95
5
5,000L/min
4.0798.15812.2416.3220.3924.4732.6340.7948.9565.2681.58
7.5
7,500L/min
6.11812.2418.3524.4730.5936.7148.9561.1873.4297.89122.4
10
10,000L/min
8.15816.3224.4732.6340.7948.9565.2681.5897.89130.5163.2
15
15,000L/min
12.2424.4736.7148.9561.1873.4297.89122.4146.8195.8244.7
20
20,000L/min
16.3232.6348.9565.2681.5897.89130.5163.2195.8261.0326.3
30
30,000L/min
24.4748.9573.4297.89122.4146.8195.8244.7293.7391.6489.5
50
50,000L/min
40.7981.58122.4163.2203.9244.7326.3407.9489.5652.6815.8

水動力=ρ×g×Q×H(ρ: 20℃・大気圧の水の密度998.21kg/m³、g: 9.80665m/s²、Q: 流量m³/s、H: 全揚程m)で計算したkWの値です。流量の下の小さい字はL/minです。ポンプ効率・伝達効率・余裕を含まない値で、ポンプの軸動力・モーターの出力はこれより大きくなります。

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表2: 軸動力の例(水動力÷ポンプ効率・kW)

水動力
kW
効率30%効率40%効率50%効率60%効率70%効率80%
0.10.33330.25000.20000.16670.14290.1250
0.20.66670.50000.40000.33330.28570.2500
0.51.6671.2501.0000.83330.71430.6250
13.3332.5002.0001.6671.4291.250
26.6675.0004.0003.3332.8572.500
310.007.5006.0005.0004.2863.750
516.6712.5010.008.3337.1436.250
1033.3325.0020.0016.6714.2912.50
2066.6750.0040.0033.3328.5725.00
30100.075.0060.0050.0042.8637.50
50166.7125.0100.083.3371.4362.50
100333.3250.0200.0166.7142.9125.0

軸動力=水動力÷ポンプ効率です。効率30〜80%は計算の例として選んだ値で、実際の効率はポンプの種類・大きさ・運転点で変わります。効率・軸動力はメーカーの性能曲線などの資料で確認してください。

表3: 送風機の空気動力(kW)— 風量×全圧

風量
m³/min
50Pa100Pa200Pa300Pa500Pa750Pa1,000Pa1,500Pa2,000Pa3,000Pa
10
600m³/h
0.0083330.016670.033330.050000.083330.12500.16670.25000.33330.5000
20
1,200m³/h
0.016670.033330.066670.10000.16670.25000.33330.50000.66671.000
30
1,800m³/h
0.025000.050000.10000.15000.25000.37500.50000.75001.0001.500
50
3,000m³/h
0.041670.083330.16670.25000.41670.62500.83331.2501.6672.500
75
4,500m³/h
0.062500.12500.25000.37500.62500.93751.2501.8752.5003.750
100
6,000m³/h
0.083330.16670.33330.50000.83331.2501.6672.5003.3335.000
150
9,000m³/h
0.12500.25000.50000.75001.2501.8752.5003.7505.0007.500
200
12,000m³/h
0.16670.33330.66671.0001.6672.5003.3335.0006.66710.00
300
18,000m³/h
0.25000.50001.0001.5002.5003.7505.0007.50010.0015.00
500
30,000m³/h
0.41670.83331.6672.5004.1676.2508.33312.5016.6725.00
750
45,000m³/h
0.62501.2502.5003.7506.2509.37512.5018.7525.0037.50
1,000
60,000m³/h
0.83331.6673.3335.0008.33312.5016.6725.0033.3350.00
1,500
90,000m³/h
1.2502.5005.0007.50012.5018.7525.0037.5050.0075.00
2,000
120,000m³/h
1.6673.3336.66710.0016.6725.0033.3350.0066.67100.0

空気動力=風量(m³/s)×全圧(Pa)で、単位はWです(表はkW)。風量の下の小さい字はm³/hです。空気の密度は式に入りません。空気の圧縮を無視した(体積が変わらないとした)値で、風量を送風機の吸込み状態の値とした場合、全圧が大きいほど、圧縮を考えた計算より大きめに出ます。送風機の軸動力は、空気動力を送風機の効率で割った値になります。

表4: 液の密度・水温による違い(流量1m³/min・全揚程10mの例)

液密度
kg/m³
水動力
kW
揚程10mの
圧力 kPa
水(20℃)
に対する比
水(5℃)999.971.63498.061.002
水(20℃)998.211.63297.891.000
水(40℃)992.221.62297.300.994
水(60℃)983.211.60796.420.985
水(80℃)971.801.58895.300.974
密度700kg/m³の液7001.14468.650.701
密度800kg/m³の液8001.30878.450.801
密度900kg/m³の液9001.47188.260.902
密度1,000kg/m³の液1,0001.63498.071.002
密度1,100kg/m³の液1,1001.798107.91.102
密度1,200kg/m³の液1,2001.961117.71.202
密度1,300kg/m³の液1,3002.125127.51.302
密度1,500kg/m³の液1,5002.452147.11.503
密度1,800kg/m³の液1,8002.942176.51.803

水の密度はIAPWS-IF97の式で計算した大気圧(0.101325MPa)の値です。圧力が1MPa上がっても20℃の水の密度は約0.05%しか変わりません。密度700〜1,800kg/m³の行は計算の例で、特定の液の値ではありません。同じ流量・同じ全揚程(その液の液柱の高さm)なら、水動力も揚程に相当する圧力も密度に比例します。表1の値にこの比を掛ければ、ほかの流量・揚程でも換算できます。

使い方

  • 流量と全揚程から水動力を引く — 表1で流量の行と全揚程の列が交わる欄です(例: 0.5m³/min(500L/min)・30m → 2.447kW)。
  • 表にない値 — 水(20℃)なら 水動力[kW]=0.16315×流量[m³/min]×全揚程[m]。例: 0.4m³/min・35mなら2.284kW。流量がm³/hなら60で割ってm³/minにします(60m³/h=1m³/min)。
  • 軸動力の見当をつける — 水動力をポンプ効率で割ります(表2)。1m³/min・10mで効率60%なら1.632÷0.6≒2.719kWです。
  • 密度の違う液 — 表4の比を表1の値に掛けます。式で書くと 水動力[kW]=0.16344×(密度[kg/m³]÷1,000)×流量[m³/min]×全揚程[m]です。
  • 揚程ではなく圧力差で分かっているとき — 動力[kW]=流量[m³/min]÷60×圧力差[kPa]で、密度は要りません(例: 1m³/min・0.3MPa(300kPa)→5.000kW)。
  • 送風機 — 表3で風量の行と全圧の列を引きます(例: 100m³/min(6,000m³/h)・500Pa → 0.8333kW)。

式と考え方

  • 水動力=ρgQH — 1秒あたりに送る液の質量(ρQ kg/s)に働く重力(ρQg N)に逆らって、全揚程Hだけ持ち上げる仕事です。仕事J=N×m、仕事率W=J/s(計量単位令 別表第一 第二十六号・第二十七号)なので、ρ[kg/m³]×g[m/s²]×Q[m³/s]×H[m]がそのままWになります。
  • 係数0.163の出どころ — 流量をm³/min、動力をkWにすると 9.80665÷60≒0.16344(密度1,000kg/m³)で、20℃の水なら×998.21/1,000で0.16315です。国土交通省「揚排水ポンプ設備技術基準」(河川管理施設の揚排水機場のポンプ設備の基準)5.1.2はPw=(ρ/1,000)・g・Q・H(Qはm³/s)で、水の密度を1,000kg/m³、重力加速度を9.8m/s²としています。この値で計算すると、このページ(20℃の水・9.80665m/s²)より約0.11%大きく出ます(1m³/min・10mで1.633kWと1.632kW)。
  • 圧力で書くと流量×圧力差 — ρgHは揚程Hに相当する圧力(Pa)です。動力=流量×圧力差と書けるので、送風機の空気動力(風量×全圧)も同じ形です。圧力(N/m²)×流量(m³/s)=N・m/s=Wです(計量単位令 別表第一 第二十二号・第二十九号)。
  • 全揚程 — ポンプが液に与える揚程で、水面の高さの差(実揚程)より、配管・弁などの損失水頭などの分だけ大きくなります。同基準 4.1.2では、排水ポンプの計画全揚程を、計画実揚程に吸込み側・吐出し側・配管・弁などの損失水頭と残留速度水頭を加えて決めています。
  • 軸動力と原動機の出力 — 同基準 5.1.2では、ポンプ軸動力Pp=水動力Pw÷ポンプ効率ηp、原動機の定格出力P≧Pp×(1/ηG)×(1+α)(ηG: 減速機などの伝達効率、α: ポンプ運転点の変化に対する余裕率。参考値は同基準の表5.2・表5.3)としています。

間違えやすいポイント

  • 流量の単位 — 式の中の流量はm³/sです。m³/minのまま計算すると60倍、m³/hのままだと3,600倍に出ます。
  • 実揚程だけで計算する — 損失水頭の分だけ小さく出ます。表は全揚程で引きます。
  • 揚程(m)と圧力の取り違え — 揚程はその液の液柱の高さです。20℃の水で揚程10mは97.89kPa、0.1MPaは揚程10.22mです。密度が小さい液ほど、同じ圧力でも揚程(m)は大きくなります。
  • mmH2O(mmAq)の定義値との差 — 圧力換算の早見表の1mmH2O=9.80665Paは、密度1,000kg/m³・標準の重力加速度に当たる値です(計量単位令 別表第六 第十一号の水柱メートル=9,806.65Paも同じ)。20℃の水の水柱10m(97.89kPa)は、10mH2O=98.07kPaより約0.18%小さくなります。
  • 水動力をモーターの出力とみなす — 水動力にはポンプ効率・伝達効率・余裕が入っていません。モーターの選定はメーカーの資料で行ってください。
  • 送風機で静圧だけを使う — 全圧=静圧+動圧です。表3は全圧で計算しているため、静圧を入れると動圧の分だけ小さく出ます。

よくある質問

Q1. ポンプの水動力の計算式は?

A. 水動力=ρ×g×Q×Hです(ρ: 液の密度kg/m³、g: 重力加速度9.80665m/s²、Q: 流量m³/s、H: 全揚程m。結果はW)。流量をm³/min、動力をkWにすると 水動力[kW]=0.16344×(ρ÷1,000)×Q×H で、20℃の水なら0.1632×Q×Hです。

Q2. 流量1m³/min・全揚程20mのポンプの水動力と軸動力は?

A. 水(20℃)の水動力は3.263kWです。軸動力は水動力をポンプ効率で割った値で、効率60%と仮定すると約5.438kWです。効率は機種・運転点で変わるため、メーカーの資料で確認してください。

Q3. 水動力・軸動力・モーター出力の違いは?

A. 水動力は液が受け取る動力(ρgQH)、軸動力はポンプの軸に入れる動力(水動力÷ポンプ効率)です。国土交通省の揚排水ポンプ設備技術基準 5.1.2では、原動機の定格出力を、軸動力を減速機などの伝達効率で割り、(1+運転点の変化に対する余裕率α)を掛けた値以上としています(河川管理施設の揚排水機場のポンプ設備の基準)。

Q4. 全揚程と実揚程の違いは?

A. 実揚程は吸込み側と吐出し側の水面の高さの差、全揚程はそれに配管・弁などの損失水頭などを加えた、ポンプが液に与える揚程です。水動力は全揚程で計算します。揚排水ポンプ設備技術基準 4.1.2では、排水ポンプの計画全揚程を、計画実揚程に損失水頭と残留速度水頭を加えて決めています。

Q5. 密度(比重)の違う液を送るときの動力は?

A. 同じ流量・同じ全揚程(その液の液柱の高さm)なら、水動力は密度に比例します。20℃の水(密度998.21kg/m³)の値に、密度÷998.21を掛けます。例えば密度1,200kg/m³の液なら1.202倍で、1m³/min・10mで1.961kWです。ただし、圧力差で決まっている場合は動力=流量×圧力差で、密度によりません。

Q6. 揚程ではなく圧力(MPa)で分かっているときは?

A. 動力[kW]=流量[m³/min]÷60×圧力差[kPa]で計算できます。例えば1m³/min・0.1MPa(100kPa)なら1.667kWです。揚程に直すなら、20℃の水で0.1MPa=約10.22m、揚程1m=約9.789kPaです。

Q7. 送風機の空気動力の計算式は?

A. 空気動力[W]=風量[m³/s]×全圧[Pa]です。風量100m³/min(6,000m³/h)・全圧500Paなら100÷60×500≒833.3W(0.8333kW)です。空気の圧縮を無視した式で、風量を送風機の吸込み状態の値とした場合、全圧が大きいほど圧縮を考えた計算より大きめに出ます。軸動力はこれを送風機の効率で割った値です。

関連する早見表

出典・参考

  • 揚排水ポンプ設備技術基準(国土交通省、平成26年3月) — 第1章 第2節 適用範囲(p.1: 河川管理施設の揚排水機場のポンプ設備が対象)、第4章 4.1.2 主ポンプ性能諸元(p.35〜36: 計画全揚程=計画実揚程+損失水頭+残留速度水頭)、第5章 5.1.2 主原動機の出力(p.53〜54: ポンプ水動力Pw=(ρ/1,000)・g・Q・H、ρ=1,000kg/m³、g=9.8m/s²、Pp=Pw/ηp、P≧Pp・(1/ηG)・(1+α)) — mlit.go.jp(PDF)。国土交通省「機械設備」のページで現行の基準として掲載されていることを2026年10月29日に確認
  • 計量単位令(平成4年政令第357号) — 別表第一 第二十号(ニュートン)・第二十二号(パスカル)・第二十六号(ジュール)・第二十七号(ワット)・第二十九号(立方メートル毎秒・毎分)、別表第六 第十一号(水柱メートル=9,806.65Pa、生体内の圧力の計量) — e-Gov法令検索の現行版(令和5年政令第376号による改正、2023年12月28日施行)で確認
  • 国際度量衡総会(CGPM)第3回(1901年) Declaration 2(標準の重力加速度 980.665cm/s²) — 国際度量衡局(BIPM) — bipm.org
  • IAPWS R7-97(2012) Revised Release on the IAPWS Industrial Formulation 1997 for the Thermodynamic Properties of Water and Steam(IAPWS-IF97) — Region 1の式 Eq.(7)(5.1節・Table 2)、検証値 Table 5(p.9) — 国際水・蒸気性質協会(IAPWS) — iapws.org

※ 表の値は、水動力=ρ×g×Q×H、空気動力=Q×全圧(空気の圧縮を無視)で当サイトが計算した値です。重力加速度は標準の値9.80665m/s²、水の密度はIAPWS-IF97の式で計算した大気圧(0.101325MPa)の値(20℃で998.21kg/m³)です。計算した水の比体積がIAPWS-IF97のTable 5の検証値と一致することを確認しています。

※ 表の流量・全揚程・風量・全圧・効率・液の密度は、計算の例として選んだ値です。ポンプ・送風機の性能や効率を示すものではありません。

※ 丸め(四捨五入): 動力・圧力は有効数字4桁(1,000以上は整数)、水の密度は小数第2位、比は小数第3位です。

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。基準・法令は改正・改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 水動力・空気動力は損失・効率・余裕を含まない理論値です。ポンプ・送風機・モーターの選定や設備の設計の判断は、原典とメーカーの資料・有資格者の確認のうえで行ってください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-29

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