スペック早見表

力率改善のコンデンサ容量 早見表(係数表・電力の三角形・kvar⇔μF換算)

有効電力P[kW]の負荷の力率をcosθ₁からcosθ₂に上げるのに要るコンデンサ容量は Qc = P×(tanθ₁−tanθ₂) [kvar]。例えば100kWを0.80から0.95にするなら約42.1kvarです。係数(kvar/kW)の表と、電力の三角形、kvarと静電容量μFの換算(単相・三相Δ/Y)を式から計算しました。

⚡ 力率改善 判断即答ボックス

100kW・力率0.80を0.95にするには?約42.1kvar係数0.421×100kW(表1)
力率0.80を1.00にするには?0.750kvar/kW= tanθ₁。100kWなら75.0kvar
三相200V・50Hzの10kvarは何μF?Δ結線で1相あたり265.3μFY結線なら1相あたり795.8μF(Δの3倍)
力率0.80→0.95で電流は?約84.2%に減る有効電力・電圧が同じとき(電源側)。抵抗の損失は約70.9%
60Hzで定格のコンデンサを50Hzで使うと?kvarは約0.833倍(5/6)Q=2πf·C·V²。電圧が1割低いと0.81倍
コンデンサを付けすぎると?進み力率になるコンデンサのkvarが負荷の遅れ無効電力より大きいとき。軽負荷時に起こりやすい
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表1: 力率改善に要るコンデンサ容量の係数(kvar/kW)

改善前
cosθ₁
→0.85→0.88→0.90→0.92→0.94→0.95→0.96→0.97→0.98→0.99→1.00
0.501.1121.1921.2481.3061.3691.4031.4401.4811.5291.5901.732
0.511.0671.1471.2021.2611.3241.3581.3951.4361.4841.5441.687
0.521.0231.1031.1581.2171.2801.3141.3511.3921.4401.5001.643
0.530.9801.0601.1161.1741.2371.2711.3081.3491.3971.4581.600
0.540.9391.0191.0741.1331.1961.2301.2671.3081.3561.4161.559
0.550.8990.9791.0341.0921.1561.1901.2271.2681.3151.3761.518
0.560.8600.9400.9951.0531.1161.1511.1881.2291.2761.3371.479
0.570.8220.9020.9571.0151.0791.1131.1501.1911.2381.2991.441
0.580.7850.8650.9200.9791.0421.0761.1131.1541.2011.2621.405
0.590.7490.8290.8840.9421.0061.0401.0771.1181.1651.2261.368
0.600.7140.7940.8490.9070.9701.0051.0421.0831.1301.1911.333
0.610.6790.7590.8150.8730.9360.9701.0071.0481.0961.1571.299
0.620.6460.7260.7810.8390.9030.9370.9741.0151.0621.1231.265
0.630.6130.6930.7480.8070.8700.9040.9410.9821.0301.0901.233
0.640.5810.6610.7160.7750.8380.8720.9090.9500.9981.0581.201
0.650.5490.6290.6850.7430.8060.8400.8770.9190.9661.0271.169
0.660.5190.5990.6540.7120.7750.8100.8470.8880.9350.9961.138
0.670.4880.5680.6240.6820.7450.7790.8160.8570.9050.9661.108
0.680.4590.5390.5940.6520.7150.7500.7870.8280.8750.9361.078
0.690.4290.5090.5650.6230.6860.7200.7570.7980.8460.9071.049
0.700.4000.4800.5360.5940.6570.6920.7290.7700.8170.8781.020
0.710.3720.4520.5080.5660.6290.6630.7000.7410.7890.8490.992
0.720.3440.4240.4800.5380.6010.6350.6720.7130.7610.8210.964
0.730.3160.3960.4520.5100.5730.6080.6450.6860.7330.7940.936
0.740.2890.3690.4250.4830.5460.5800.6170.6580.7060.7660.909
0.750.2620.3420.3980.4560.5190.5530.5900.6310.6790.7390.882
0.760.2350.3150.3710.4290.4920.5260.5630.6050.6520.7130.855
0.770.2090.2890.3440.4030.4660.5000.5370.5780.6260.6860.829
0.780.1830.2630.3180.3760.4390.4740.5110.5520.5990.6600.802
0.790.1560.2360.2920.3500.4130.4470.4840.5250.5730.6340.776
0.800.1300.2100.2660.3240.3870.4210.4580.4990.5470.6080.750
0.810.1040.1840.2400.2980.3610.3950.4320.4730.5210.5810.724
0.820.0780.1580.2140.2720.3350.3690.4060.4470.4950.5560.698
0.830.0520.1320.1880.2460.3090.3430.3800.4210.4690.5300.672
0.840.0260.1060.1620.2200.2830.3170.3540.3950.4430.5030.646
0.85—0.0800.1350.1940.2570.2910.3280.3690.4170.4770.620
0.86—0.0540.1090.1670.2300.2650.3020.3430.3900.4510.593
0.87—0.0270.0820.1410.2040.2380.2750.3160.3640.4240.567
0.88——0.0550.1140.1770.2110.2480.2890.3370.3970.540
0.89——0.0280.0860.1490.1840.2210.2620.3090.3700.512
0.90———0.0580.1210.1560.1930.2340.2810.3420.484
0.91———0.0300.0930.1270.1640.2050.2530.3130.456
0.92————0.0630.0970.1340.1750.2230.2840.426
0.93————0.0320.0670.1040.1450.1920.2530.395
0.94—————0.0340.0710.1120.1600.2200.363
0.95——————0.0370.0780.1260.1860.329

係数=tanθ₁−tanθ₂(有効電力1kWあたりのkvar)。コンデンサ容量Qc[kvar]=有効電力P[kW]×係数です。列は改善後の力率cosθ₂です。遅れ力率(誘導性の負荷)を改善する場合の値で、改善前が改善後以上の欄は「—」です。小数第3位に四捨五入しています。

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表2: 力率とsinθ・tanθ・皮相電力の比(電力の三角形)

力率
cosθ=P/S
sinθ
=Q/S
tanθ
=Q/P(kvar/kW)
S/P
=1/cosθ(kVA/kW)
0.500.8661.7322.000
0.550.8351.5181.818
0.600.8001.3331.667
0.650.7601.1691.538
0.700.7141.0201.429
0.750.6610.8821.333
0.800.6000.7501.250
0.850.5270.6201.176
0.900.4360.4841.111
0.950.3120.3291.053
0.980.1990.2031.020
1.000.0000.0001.000

P: 有効電力[kW]、Q: 無効電力[kvar]、S: 皮相電力[kVA]。S²=P²+Q²の直角三角形で、Pと斜辺Sのなす角がθです。例えばP=80kW・Q=60kvarならS=100kVA、cosθ=0.80です。S/Pは、同じ有効電力を力率1.00で送るときに比べた皮相電力の倍率(電圧が同じなら電流の倍率)です。小数第3位に四捨五入しています。

表3: 力率を改善したときの電流と損失(改善前=100%)

改善前
cosθ₁
改善後 0.95改善後 1.00
電流・皮相電力抵抗の損失電流・皮相電力抵抗の損失
0.6063.2%39.9%60.0%36.0%
0.6568.4%46.8%65.0%42.3%
0.7073.7%54.3%70.0%49.0%
0.7578.9%62.3%75.0%56.3%
0.8084.2%70.9%80.0%64.0%
0.8589.5%80.1%85.0%72.3%
0.9094.7%89.8%90.0%81.0%

有効電力と電圧が同じときの、コンデンサより電源側の電流・皮相電力(=cosθ₁÷cosθ₂)と、配線などの抵抗による損失I²R(=(cosθ₁÷cosθ₂)²)の割合です。負荷そのものの電流は変わりません。%の小数第1位に四捨五入しています(ちょうど5の値は切り上げ)。

表4: 1kvarあたりの静電容量(μF)と電流

電圧
三相は線間
50Hz μF/kvar60Hz μF/kvar電流 A/kvar
三相Δ
1相あたり
単相・三相Y
1相あたり
三相Δ
1相あたり
単相・三相Y
1相あたり
単相三相
線電流
200 V26.5379.5822.1066.315.0002.887
400 V6.63119.895.52616.582.5001.443
6,600 V0.024360.073070.020300.060890.15150.08748

Cは1相あたり(コンデンサ1個あたり)の静電容量です。三相Δ結線は線間電圧Vがかかるコンデンサ3個、三相Y結線は相電圧V/√3がかかるコンデンサ3個の合計で、表の無効電力(1kvar)になる値です。単相は電圧Vのコンデンサ1個です。μFの値に必要なkvarを掛けると、その容量に要る静電容量になります。有効数字4桁に四捨五入しています。

表5: 三相コンデンサの容量と静電容量の計算例

容量Δ結線 μF(1相あたり)Y結線 μF(1相あたり)線電流
A
50Hz60Hz50Hz60Hz
三相200 V
5 kvar132.6110.5397.9331.614.43
10 kvar265.3221.0795.8663.128.87
20 kvar530.5442.11,5921,32657.74
30 kvar795.8663.12,3871,98986.60
50 kvar1,3261,1053,9793,316144.3
三相400 V
10 kvar66.3155.26198.9165.814.43
20 kvar132.6110.5397.9331.628.87
50 kvar331.6276.3994.7828.972.17
三相6,600 V
50 kvar1.2181.0153.6543.0454.374
100 kvar2.4362.0307.3076.0898.748
300 kvar7.3076.08921.9218.2726.24

容量は計算の例として選んだ値です(製品の定格の一覧ではありません)。電流は定格電圧・定格周波数で流れる値で、Δ・Yどちらの結線でも同じです。有効数字4桁(1,000以上は整数)に四捨五入しています。

使い方

  1. 負荷の有効電力Pと今の力率cosθ₁を確かめる — 測定値や負荷の資料から。Pは有効電力(kW)で、皮相電力(kVA)ではありません。
  2. 表1で係数を引いてPに掛ける — 例: 100kWを0.80から0.95にするなら係数0.421で、Qc=100×0.421≒42.1kvar。
  3. 静電容量にする — 表4のμF/kvarにQcを掛けます。三相は結線(Δ・Y)と「1相あたり」を確かめます。例: 三相200V・50Hz・10kvarはΔで1相あたり265.3μF、Yで795.8μF。
  4. 周波数・電圧を確かめる — 同じコンデンサでも無効電力は周波数に比例し、電圧の2乗に比例します。

式と導き方

  • 電力の三角形 — 単相はS=V·I、P=V·I·cosθ、Q=V·I·sinθ。平衡三相はS=√3·V·I(V: 線間電圧、I: 線電流)で、P・Qも同じく√3倍です。S²=P²+Q²、tanθ=Q/P。
  • 必要なコンデンサ容量 — 有効電力Pは変えずに、無効電力をP·tanθ₁からP·tanθ₂に減らす分がコンデンサの容量です: Qc=P(tanθ₁−tanθ₂)、tanθ=√(1−cos²θ)÷cosθ。例: P=100kW、0.80→0.95なら Q=75.0kvar→32.87kvar、S=125.0kVA→105.3kVA、Qc=42.13kvar。
  • コンデンサの無効電力 — 静電容量Cのリアクタンスは Xc=1/(2πfC)。電圧Vをかけると Q=V²/Xc=2πf·C·V²(単相)。
  • 三相Δ結線 — 各コンデンサに線間電圧Vがかかるので Q=3×2πf·C·V²、C=Q÷(3×2πf·V²)(1相あたり)。
  • 三相Y結線 — 各コンデンサに相電圧V/√3がかかるので Q=3×2πf·C·(V/√3)²=2πf·C·V²、C=Q÷(2πf·V²)(1相あたり)。同じkvarならYの1相あたりの静電容量はΔの3倍です。
  • 単位 — Qをvar、Vをボルト、fをヘルツで入れるとCはファラドです。1μF=10⁻⁶F、1kvar=1,000varです。無効電力の単位varは、計量単位令では「バール」と呼びます(圧力のバール(bar)とは別の単位)。200V・50Hzで1μFなら、単相(1個)は約12.57var、三相Y結線は1相あたり1μF×3個の三相合計で約12.57var(1個あたり約4.189var)、Δ結線は三相合計で約37.70varです。

間違えやすいポイント

  • 三相の「μF」が1相分か合計か — 同じ10kvarでも、Δの1相あたり265.3μFとYの1相あたり795.8μF(三相200V・50Hz)で3倍違います。製品の表示のμFがどの結線の、何個分の値かは、メーカーの資料で確かめてください。
  • 周波数の違い — 同じ静電容量なら、kvarは周波数に比例します。60Hzで定格の容量になるコンデンサを50Hzで使うと約0.833倍(5/6)、50Hz用を60Hzで使うと1.2倍のkvarと電流になります。
  • 電圧の違い — kvarは電圧の2乗に比例します。電圧が1割低いと0.81倍です。
  • 付けすぎ(進み力率) — コンデンサのkvarが負荷の遅れ無効電力より大きいと、力率は進みになります。コンデンサの無効電力は負荷の大きさで変わらないので、負荷が軽いときに起こりやすくなります。
  • 直列リアクトル・高調波 — 直列リアクトル付きの設備や高調波のある回路では、コンデンサの端子電圧・電流と回路に出る無効電力が、このページの式の値と違います。

※ 本ページの値は、正弦波・平衡三相・電圧一定とした理論値で、コンデンサの損失、直列リアクトル、高調波、配線のインピーダンスは含みません。進相コンデンサの選定・設置など設計・施工・安全の判断は、実際の負荷の測定値とメーカーの資料を確かめ、電気主任技術者などの有資格者の確認のうえで行ってください。

よくある質問

Q1. 力率改善に必要なコンデンサ容量の計算式は?

A. Qc=P×(tanθ₁−tanθ₂)[kvar]です。Pは有効電力[kW]、cosθ₁は改善前・cosθ₂は改善後の力率で、tanθ=√(1−cos²θ)÷cosθです。例えば100kWを力率0.80から0.95にするなら、100×(0.7500−0.3287)≒42.1kvarです。

Q2. 力率0.8を0.95にするには1kWあたり何kvar?

A. 0.421kvar/kWです(表1)。50kWなら約21.1kvar、100kWなら約42.1kvarです。力率1.00まで上げるなら0.750kvar/kWです。

Q3. kvarをμFに換算するには?

A. 単相と三相Y結線の1相あたりは C=Q÷(2πf·V²)、三相Δ結線の1相あたりは C=Q÷(3×2πf·V²) です(Qはvarで三相はコンデンサ3個(3相)の合計、Vは三相なら線間電圧、Cはファラド)。三相200V・50Hzの10kvarは、Δで1相あたり265.3μF、Yで1相あたり795.8μFです。

Q4. Δ結線とY結線で静電容量が違うのはなぜ?

A. Δ結線では各コンデンサに線間電圧V、Y結線では相電圧V/√3がかかるためです。コンデンサの無効電力は電圧の2乗に比例するので、同じkvarを得るには、Y結線の1相あたりの静電容量がΔ結線の3倍になります。

Q5. 皮相電力・有効電力・無効電力の関係は?

A. S²=P²+Q²、P=S·cosθ、Q=S·sinθです(S: 皮相電力kVA、P: 有効電力kW、Q: 無効電力kvar)。平衡三相ではS=√3×線間電圧×線電流です。例えばS=100kVA・力率0.80なら、P=80kW、Q=60kvarです。

Q6. 50Hzと60Hzでコンデンサのkvarは変わる?

A. 変わります。同じ静電容量なら、無効電力は周波数に比例するので、60Hzでは50Hzの1.2倍、50Hzでは60Hzの約0.833倍です。電圧の2乗にも比例します。

Q7. 力率を改善すると電流はどれだけ減る?

A. 有効電力と電圧が同じなら、コンデンサより電源側の電流はcosθ₁÷cosθ₂倍になります。0.80から0.95なら約84.2%、配線などの抵抗による損失(電流の2乗に比例)は約70.9%です(表3)。負荷そのものの電流は変わりません。

関連する早見表

出典・参考

  • 計量単位令(平成4年政令第357号) — 第一条(力率)、第三条第一項・別表第二 第一号(無効電力: バール)・第二号(皮相電力: ボルトアンペア)、別表第一 第四号(アンペア)・第十六号(ヘルツ)・第三十六号(ボルト)・第三十八号(静電容量: ファラド)・第四十七号(電力: ワット)、第四条・別表第四(接頭語 キロ=10³、マイクロ=10⁻⁶) — e-Gov法令検索の現行版(令和5年政令第376号による改正、2023年12月28日施行)で確認(2026年11月1日取得)
  • 計算式(Qc=P(tanθ₁−tanθ₂)、S²=P²+Q²、Q=2πf·C·V² と三相Δ・Y結線の式)は、正弦波交流の電力の関係とコンデンサのリアクタンスXc=1/(2πfC)から当サイトが導いたものです(導き方は本文)。

※ 表1〜表5の値は、上の式で当サイトが計算した理論値です(正弦波・平衡三相・電圧一定。コンデンサの損失、直列リアクトル、高調波、配線のインピーダンスは含みません)。手計算できる値(cosθ=0.80のtanθ=0.75、cosθ=0.60のtanθ=4/3、200V・50Hz・100μFの単相で400π var)と一致することを確認しています。

※ 丸め(四捨五入): 表1・表2は小数第3位、表3は%の小数第1位、表4・表5は有効数字4桁(1,000以上は整数)です。

※ 電気料金の力率による割引・割増など、電力会社の制度は本ページでは扱っていません。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-11-01

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