スペック早見表

接地工事早見表|A種・B種・C種・D種の接地抵抗値と適用区分

電気設備技術基準の解釈(第17条・第24条・第29条ほか)に基づき、A種〜D種接地工事の接地抵抗値・適用区分・接地線の太さを一覧化。C種・D種の500Ω緩和条件、B種の計算式(150÷1線地絡電流)、内線規程による接地線サイズまで、電気工事・設計・試験勉強で必要な規定値に即答します。

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D種100Ω以下300V以下の低圧機器(家庭のアースはこれ)
C種10Ω以下300Vを超える低圧機器(400V級など)
A種10Ω以下高圧・特別高圧の機器、避雷器
B種150/Ig Ω以下変圧器低圧側の系統接地(計算値)
緩和条件500Ω以下に緩和C種・D種: 地絡時0.5秒以内に自動遮断する装置施設時
アース線の色緑(緑/黄)C種・D種の接地線は軟銅線 直径1.6mm以上

このページについて

接地工事(アース)は、漏電時の感電・火災を防ぐために電気設備の金属部分や電路を大地とつなぐ工事で、電気設備技術基準の解釈(電技解釈)第17条でA種・B種・C種・D種の4種類が規定されています。本ページはその規定値(接地抵抗値・接地線の太さ)と、第24条・第28条・第29条などによる適用区分を一覧化した早見表です。

「D種は何Ω以下?」「400V級のモーターはC種とD種どっち?」「B種の接地抵抗はどう計算する?」「アース線の太さは?」といった、電気工事・受変電設備の設計・電気工事士/電験の学習で頻発する確認に即答できる構成です。

下の入力欄に「A種」「D種」「300」「100Ω」などと入力すると、表1〜2の行を絞り込めます(未入力で全表示)。

よく使う:

表1: 接地工事の種類と規定値(電技解釈 第17条)

種類接地抵抗値主な適用対象接地線の太さ(軟銅線)
A種10Ω以下高圧用・特別高圧用機器の金属製外箱、避雷器、特別高圧計器用変成器の2次側電路 など直径2.6mm以上
B種150/Ig Ω以下(計算値)
遮断条件により300/Ig・600/Ig
高圧・特別高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点(低圧側が300V以下で中性点に施し難い場合は低圧側の1端子)直径4mm以上
(高圧または15,000V以下の特別高圧架空電線路との結合変圧器は2.6mm以上)
C種10Ω以下
(0.5秒以内遮断で500Ω以下)
300Vを超える低圧用機器の金属製外箱 など直径1.6mm以上
D種100Ω以下
(0.5秒以内遮断で500Ω以下)
300V以下の低圧用機器の金属製外箱、高圧計器用変成器の2次側電路 など直径1.6mm以上

※ Ig = 変圧器の高圧側・特別高圧側電路の1線地絡電流(A)。低圧とは交流600V以下・直流750V以下をいいます(電技 第2条)。

表2: 適用区分の詳細(何にどの接地工事を施すか)

対象施す接地工事根拠(電技解釈)
300V以下の低圧用機械器具の金属製外箱等D種第29条
300Vを超える低圧用機械器具の金属製外箱等C種第29条
高圧用・特別高圧用機械器具の金属製外箱等A種第29条
高圧・特別高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点(低圧側が300V以下で中性点に施し難い場合は低圧側の1端子)B種第24条
高圧計器用変成器の2次側電路D種第28条
特別高圧計器用変成器の2次側電路A種第28条
高圧・特別高圧電路に施設する避雷器A種第37条
金属管工事の金属管(使用電圧300V以下)D種第159条
金属管工事の金属管(使用電圧300V超)C種(接触防護措置を施す場合はD種可)第159条

C種・D種の緩和条件(500Ω以下)

C種(10Ω以下)・D種(100Ω以下)は、低圧電路において地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときに限り、接地抵抗値を500Ω以下とすることができます(電技解釈 第17条)。実務では高感度・高速形の漏電遮断器の施設がこの条件に該当します。

  • 緩和が適用されるのはC種とD種のみ。A種は常に10Ω以下、B種は常に計算値です。
  • 条件は「0.5秒以内の自動遮断」。遮断装置がなければ原則値(C種10Ω・D種100Ω)が必要です。

B種接地抵抗値の計算

B種接地工事は、変圧器内部で高圧・特別高圧と低圧が接触(混触)した際に、低圧電路の対地電圧の上昇を抑えるための系統接地です。接地抵抗値は次式で計算します(電技解釈 第17条)。

  • 原則: 150 ÷ Ig (Ω以下) — 低圧電路の対地電圧上昇を150V以下に抑える趣旨
  • 1秒を超え2秒以内に自動的に高圧・特別高圧電路を遮断する装置を設けるとき: 300 ÷ Ig (Ω以下)
  • 1秒以内に遮断する装置を設けるとき: 600 ÷ Ig (Ω以下)

※ Igは変圧器の高圧側または特別高圧側電路の1線地絡電流(A)。計算値が2A未満の場合は2Aとして扱うため、原則の場合の上限は150÷2 = 75Ωです。300・600への緩和は、高圧または35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合する場合の規定です。

B種接地抵抗値の計算例

1線地絡電流 Ig原則 (150/Ig)2秒以内遮断 (300/Ig)1秒以内遮断 (600/Ig)
2A(最小値)75Ω以下150Ω以下300Ω以下
3A50Ω以下100Ω以下200Ω以下
5A30Ω以下60Ω以下120Ω以下
10A15Ω以下30Ω以下60Ω以下
20A7.5Ω以下15Ω以下30Ω以下

接地線(アース線)の太さ

電技解釈 第17条の規定

接地工事の種類接地線の太さ備考
A種直径2.6mm以上の軟銅線または引張強さ1.04kN以上の金属線
B種直径4mm以上の軟銅線または引張強さ2.46kN以上の金属線。高圧または15,000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路を結合する変圧器では直径2.6mm以上(引張強さ1.04kN以上)で可
C種・D種直径1.6mm以上の軟銅線または引張強さ0.39kN以上の金属線

※ 移動して使用する機器では、多心コード・多心キャブタイヤケーブルの1心(断面積0.75mm²以上)等を接地線にできる緩和規定があります(C種・D種、電技解釈 第17条)。

内線規程による接地線太さ(参考・抜粋)

内線規程では、機器に至る電路の過電流遮断器の定格電流に応じてC種・D種接地線の太さを定めています。代表的な値は次のとおりです。

過電流遮断器の定格電流接地線の太さ(銅線)
20A以下直径1.6mm以上 (断面積2mm²以上)
30A以下直径1.6mm以上 (断面積2mm²以上)
60A以下直径2.0mm以上 (断面積3.5mm²以上)
100A以下直径2.6mm以上 (断面積5.5mm²以上)

※ 100Aを超える回路や特殊な条件は最新版の内線規程(1350節)を必ず確認してください。表は参考値です。

A種・B種の施工方法(埋設の規定)

A種・B種接地工事を人が触れるおそれがある場所に施設する場合、電技解釈 第17条で次のように定められています。

  • 接地極は地下75cm以上の深さに埋設すること。
  • 接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合は、接地極を地中でその金属体から1m以上離して埋設すること(接地極を鉄柱等の底面から30cm以上の深さに埋設する場合を除く)。
  • 接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分は、合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管・CD管を除く)またはこれと同等以上の絶縁効力・強さのあるもので覆うこと。

接地工事を省略できる主な場合(電技解釈 第29条)

機械器具の金属製外箱等への接地(C種・D種)は、次のような場合に省略できます。

  • 交流の対地電圧150V以下(直流300V以下)の機械器具を乾燥した場所に施設する場合
  • 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床など絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合
  • 電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具を施設する場合
  • 電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧300V以下・容量3kVA以下)を施設し、負荷側の電路を接地しない場合
  • 水気のある場所以外に施設する低圧用機械器具の電路に、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型漏電遮断器(電気用品安全法適用品)を施設する場合

※ 省略規定には細かい条件があります。適用可否は電技解釈 第29条の条文で必ず確認してください。

使い方・選び方のポイント

使用場面

電気工事の設計・施工・竣工検査、受変電設備の保守点検、電気工事士・電験の試験対策で、接地工事の種類判定と規定値の確認に使います。

判定の手順

①対象が機器の外箱か、変圧器低圧側(系統)かを区別する(系統ならB種) ②機器なら使用電圧で判定: 高圧・特別高圧→A種、300V超の低圧→C種、300V以下→D種 ③緩和条件(0.5秒以内遮断で500Ω)の適用可否を確認 ④接地線の太さを電技解釈と内線規程で選定 ⑤施工後に接地抵抗計で測定し記録を残す。

よくある間違い

  • 300Vちょうどの扱い — D種は「300V以下」、C種は「300Vを超える」。300VちょうどはD種です。
  • 500Ω緩和の適用範囲 — 緩和されるのはC種・D種のみ。A種は常に10Ω以下、B種は常に計算値です。
  • B種を機器の接地と混同 — B種は変圧器低圧側の中性点等に施す系統接地で、機器外箱の接地(A種・C種・D種)とは目的が異なります。
  • アース線の色 — 接地線は緑(または緑/黄しま)が原則。白は接地側電線(中性線)用の色で別物です。
  • 接地抵抗と絶縁抵抗の混同 — 接地抵抗(Ω)は接地極と大地間の抵抗、絶縁抵抗(MΩ)は電路と大地間の絶縁性能。測定器も規定値も別です。

接地の目的と規定値の背景

機器の絶縁が劣化して金属製外箱に漏電すると、外箱は対地電圧を持ち、触れた人体に電流が流れます。外箱を接地しておけば漏えい電流は接地線を通って大地へ流れ、外箱の対地電位上昇が抑えられるとともに、漏電遮断器が動作して電路を遮断できます。A種・C種・D種はこの「機器接地」であり、電圧が高く危険度の大きい高圧・特別高圧機器(A種)ほど厳しい値(10Ω)が要求されます。

D種の100Ωという値は、漏電遮断器などの保護装置との協調を前提に、感電の危険を実用上許容できる範囲に抑える趣旨の値です。地絡時0.5秒以内に電路を自動遮断できる場合に500Ωまで緩和されるのは、通電時間が短ければ人体への危険が大きく低下するためです。

一方B種は、変圧器内部で高圧巻線と低圧巻線が接触する「混触」事故の対策です。混触時に低圧電路へ高圧が侵入すると重大事故になるため、低圧側の対地電圧上昇を150V以下(遮断時間に応じて300V・600V以下)に抑えるよう、1線地絡電流Igから逆算した接地抵抗値(150/Ig等)が定められています。計算式の分子150・300・600は、この許容上昇電圧に由来します。

よくある質問

Q1. D種接地工事の接地抵抗値は何Ω以下ですか?

A. 原則100Ω以下です。ただし、低圧電路において地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置(漏電遮断器など)を施設するときは500Ω以下に緩和されます(電気設備技術基準の解釈 第17条)。

Q2. C種接地工事とD種接地工事の違いは?

A. 適用の境界は使用電圧300Vです。300Vを超える低圧(400V級など)の機械器具の金属製外箱等にはC種(10Ω以下)、300V以下(100V・200Vなど)にはD種(100Ω以下)を施します。300Vちょうどは「300V以下」に含まれるためD種です。

Q3. B種接地工事の接地抵抗値はどう計算しますか?

A. 原則「150 ÷ 変圧器の高圧側・特別高圧側電路の1線地絡電流(A)」のΩ数以下です。混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に1秒を超え2秒以内に自動的に電路を遮断する装置を設けるときは150を300に、1秒以内に遮断する装置を設けるときは600に置き換えます。1線地絡電流は計算値が2A未満でも2Aとして扱うため、原則の場合の上限は75Ωです。

Q4. 家庭のコンセントのアースは何種接地ですか?

A. 一般住宅の100V・200V機器は「300V以下の低圧」に該当するため、D種接地工事(100Ω以下)です。洗濯機・電子レンジ・エアコンなどのアース端子をつなぐ接地極付コンセントの接地はD種接地工事です。

Q5. アース線(接地線)の色は何色ですか?

A. 緑(または緑/黄のしま模様)が原則です(内線規程)。白色は接地側電線(中性線)用の色で、接地線(アース線)とは役割が異なるため混同しないよう注意してください。

Q6. 接地抵抗が規定値まで下がらないときはどうする?

A. 一般的な方法(目安)として、①接地棒を複数本並列に打ち増す ②接地棒を連結して深打ちする ③接地抵抗低減剤を使う ④銅板・メッシュ接地に変更する、などがあります。並列本数を増やしても本数に反比例して下がるわけではないため、接地抵抗計で測定しながら施工します。

Q7. 接地抵抗はどうやって測定しますか?

A. 接地抵抗計(アーステスタ)による測定が基本です。測定対象の接地極(E)と2本の補助接地極(P・C)を約10m間隔(目安)で一直線に配置する3極法(電圧降下法)が広く使われます。補助極の間隔・配置は測定器の指定に従ってください。

Q8. 接地工事を省略できる場合はありますか?

A. 機械器具の金属製外箱等への接地(C種・D種)は、対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に施設する場合、二重絶縁構造の機器の場合、水気のある場所以外に施設する機器の電路に定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型漏電遮断器を施設する場合などに省略できます(電気設備技術基準の解釈 第29条)。

関連する早見表

出典・参考

  • 電気設備の技術基準の解釈(経済産業省) — 第17条(接地工事の種類及び施設方法)、第24条(高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設)、第28条(計器用変成器の2次側電路の接地)、第29条(機械器具の金属製外箱等の接地)、第37条(避雷器等の施設)、第159条(金属管工事) ほか
  • 電気設備に関する技術基準を定める省令 — 第2条(電圧の種別: 低圧・高圧・特別高圧)ほか
  • 内線規程(JEAC 8001) — 接地線の太さ・接地線の色別(参考)

※ 本ページの接地抵抗値・接地線太さは電気設備技術基準の解釈の規定に基づきます。条文は改正されることがあるため、設計・施工の際は最新の電技解釈および内線規程の原文を必ず確認してください。

最終更新: 2026-07-08