制御器具番号早見表|52=遮断器・51=過電流継電器(JEM 1090)全99番号
受変電設備の単線結線図・保護継電器の整定書に出てくる制御器具番号(デバイスナンバー)の逆引き一覧。52=交流遮断器、51=過電流継電器、27=不足電圧継電器——JEM 1090の1〜99を全収録。「この数字、何の機器?」が3秒で引けます。まず覚える頻出10番号と、51Gなどの補助記号の読み方も。
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このページについて
制御器具番号は日本電機工業会規格 JEM 1090が定める機器の機能番号で、単線結線図・展開接続図・継電器整定の共通言語です。番号だけで「その箱が何をする機器か」が伝わるため、受変電設備の図面はほぼこの番号で書かれています。本ページは1〜99の全番号(58・93は予備番号)の逆引き表です。米国のANSI/IEEE C37.2デバイスナンバーとも主要番号は整合しています。
まず覚える頻出10番号(高圧受電の定番)
| 番号 | 機器 | 現場での通称・役割 |
|---|---|---|
| 52 | 交流遮断器・接触器 | CB。事故電流を切る主開閉器 |
| 89 | 断路器・負荷開閉器 | DS/LBS。点検時の切り離し |
| 51 | 交流過電流継電器 | OCR。過負荷・短絡保護 |
| 51G | 地絡過電流継電器 | GR系。地絡電流で動作(補助記号G) |
| 27 | 交流不足電圧継電器 | UVR。停電・電圧低下検出 |
| 59 | 交流過電圧継電器 | OVR |
| 64 | 地絡過電圧継電器 | OVGR。零相電圧検出 |
| 67 | 交流電力方向・地絡方向継電器 | DGR。もらい事故防止の方向判別 |
| 87 | 差動継電器 | 変圧器・母線の内部故障保護 |
| 43 | 制御回路切替スイッチ | 自動/手動の切替など |
全99番号一覧(JEM 1090)
| 番号 | 機器の名称 | 番号 | 機器の名称 |
|---|---|---|---|
| 1 | 主幹制御器・スイッチ | 51 | 交流過電流継電器・地絡過電流継電器 |
| 2 | 始動・閉路限時(遅延)継電器 | 52 | 交流遮断器・接触器 |
| 3 | 操作スイッチ | 53 | 励磁継電器・励弧継電器 |
| 4 | 主制御回路用制御器・継電器 | 54 | 高速度遮断器 |
| 5 | 停止スイッチ・継電器 | 55 | 自動力率調整器・力率継電器 |
| 6 | 始動遮断器・スイッチ・接触器・継電器 | 56 | すべり検出器・脱調継電器 |
| 7 | 調整スイッチ | 57 | 自動電流調整器・電流継電器 |
| 8 | 制御電源スイッチ | 58 | (予備番号) |
| 9 | 界磁転極スイッチ・接触器・継電器 | 59 | 交流過電圧継電器 |
| 10 | 順序スイッチ・接触器・継電器 | 60 | 自動電圧平衡調整器・電圧平衡継電器 |
| 11 | 試験スイッチ・継電器 | 61 | 自動電流平衡調整器・電流平衡継電器 |
| 12 | 過速度スイッチ・継電器 | 62 | 停止・閉路限時(遅延)継電器 |
| 13 | 同期速度スイッチ・継電器 | 63 | 圧力スイッチ・継電器 |
| 14 | 低速度スイッチ・継電器 | 64 | 地絡過電圧継電器 |
| 15 | 速度調整装置 | 65 | 調速装置 |
| 16 | 表示線監視継電器 | 66 | 断続継電器 |
| 17 | 表示線継電器 | 67 | 交流電力方向継電器・地絡方向継電器 |
| 18 | 加速・減速接触器・継電器 | 68 | 混入検出器 |
| 19 | 始動・運転切替接触器・継電器 | 69 | 流量スイッチ・継電器 |
| 20 | 補機弁 | 70 | 加減抵抗器 |
| 21 | 主機弁 | 71 | 整流素子故障検出装置 |
| 22 | 漏電遮断器・接触器・継電器 | 72 | 直流遮断器・接触器 |
| 23 | 温度調整装置・継電器 | 73 | 短絡用遮断器・接触器 |
| 24 | タップ切替装置 | 74 | 調整弁 |
| 25 | 同期検出装置 | 75 | 制動装置 |
| 26 | 静止器温度スイッチ・継電器 | 76 | 直流過電流継電器 |
| 27 | 交流不足電圧継電器 | 77 | 負荷調整装置 |
| 28 | 警報装置 | 78 | 搬送保護位相比較継電器 |
| 29 | 消火装置 | 79 | 交流再閉路継電器 |
| 30 | 機器の状態・故障表示装置 | 80 | 直流不足電圧継電器 |
| 31 | 界磁変更遮断器・スイッチ・接触器・継電器 | 81 | 調速機駆動装置 |
| 32 | 直流逆流継電器 | 82 | 直流再閉路継電器 |
| 33 | 位置検出スイッチ・継電器 | 83 | 選択スイッチ・接触器・継電器 |
| 34 | 電動順序制御器 | 84 | 電圧継電器 |
| 35 | ブラシ操作装置・スリップリング短絡装置 | 85 | 信号継電器 |
| 36 | 極性継電器 | 86 | ロックアウト継電器 |
| 37 | 不足電流継電器 | 87 | 差動継電器 |
| 38 | 軸受温度スイッチ・継電器 | 88 | 補機用遮断器・スイッチ・接触器・継電器 |
| 39 | 機械的異常監視装置・検出スイッチ | 89 | 断路器・負荷開閉器 |
| 40 | 界磁電流継電器・界磁喪失継電器 | 90 | 自動電圧調整器・自動電圧調整継電器 |
| 41 | 界磁遮断器・スイッチ・接触器 | 91 | 自動電力調整器・電力継電器 |
| 42 | 運転遮断器・スイッチ・接触器 | 92 | 扉・ダンパ |
| 43 | 制御回路切替スイッチ・接触器・継電器 | 93 | (予備番号) |
| 44 | 距離継電器 | 94 | 引きはずし自由接触器・継電器 |
| 45 | 直流過電圧継電器 | 95 | 自動周波数調整器・周波数継電器 |
| 46 | 逆相・相不平衡電流継電器 | 96 | 静止器内部故障検出装置 |
| 47 | 欠相・逆相電圧継電器 | 97 | ランナ |
| 48 | 渋滞検出継電器 | 98 | 連結装置 |
| 49 | 回転機温度スイッチ・継電器・過負荷継電器 | 99 | 自動記録装置 |
| 50 | 短絡選択継電器・地絡選択継電器 | — | — |
※ 名称はJEM 1090の器具番号に基づく通用表記(「または」の併記は中黒で短縮)。正式な定義・用語はJEM 1090本文によります。
補助記号の読み方
同じ番号の機器が複数ある場合や、保護対象を区別する場合は、番号に英字・数字の添字を付けます。よく見る例:
| 表記例 | 読み方 |
|---|---|
| 51G | 地絡(Ground)用の過電流継電器 |
| 52R / 52F | 受電用(Receiving)/フィーダ用(Feeder)の遮断器 |
| 27B | 母線(Bus)用の不足電圧継電器 |
| 52-1, 52-2 | 同種機器の連番(1号機・2号機) |
| 3-52 | 52(遮断器)の操作スイッチ(3)のような組合せ表記 |
※ 補助記号の付け方は電力会社・設計事務所の標準で流儀が分かれます。初見の図面では必ず凡例(記号表)を確認してください。
よくある間違い
- 番号を機器の「型番」と誤解 — 器具番号は機能の分類番号で、製品型番ではありません。52と書かれた遮断器の実機はVCBかもしれないしACBかもしれません。
- 51と49の混同 — どちらも過負荷系ですが、51は電流で動く継電器、49は温度(または過負荷)で、モーター保護の文脈で使い分けられます。
- 64を「地絡過電流」と読む — 64は地絡過電圧(OVGR)。地絡過電流は51Gの系統です。電圧か電流かで番号が違います。
- 3Eリレー・文字記号(MC等)と器具番号の混同 — 3Eは通称、MCはシーケンス図の文字記号で、いずれもJEM 1090の番号体系とは別です。
- 補助記号を規格で一意だと思う — GやRの意味は慣行的で、事業者標準により異なります。凡例確認が原則です。
- 予備番号(58・93)に意味を探す — この2つは割り当てのない予備です。
器具番号のしくみと由来
この番号体系の原型は米国の電力業界で生まれたデバイスナンバー(現在のIEEE C37.2)で、日本ではJEM 1090として整備されました。発電機・変電所の保護制御盤には何十台もの継電器・開閉器が並ぶため、機器を「機能の番号」で呼ぶことで、図面・整定書・故障記録を言語に依存せずやり取りできるようにした——という、いわば電力設備の共通プロトコルです。52(遮断器)や51(過電流)が国境を越えて通じるのはこのためです。
読み方のコツは、番号を丸暗記するのではなく「よく組んで使われるセット」で覚えることです。高圧受電なら 89(断路器)→52(遮断器)→51/51G(過電流・地絡保護)、系統連系なら 27・59(電圧)+64・67(地絡方向)、変圧器保護なら 87(差動)+26/23(温度)。単線結線図は上流から下流へこのセットの繰り返しでできています。シーケンス図側の文字記号は電気図記号のページ、遮断器の定格はブレーカー容量のページが担当です。
よくある質問
Q1. 単線結線図の「52」「51」は何のこと?
A. JEM 1090(日本電機工業会規格)で定められた制御器具番号です。52=交流遮断器(または接触器)、51=交流過電流継電器(または地絡過電流継電器)。数字1つで機器の機能を表す共通言語で、受変電設備の図面・整定書はこの番号で書かれています。
Q2. 51と51Gの違いは?
A. 基本番号51(交流過電流継電器)に補助記号Gが付いたもので、慣行的に地絡(Ground)保護用の過電流継電器を指します。ほかにも52F(フィーダ用)・52R(受電用)のように添字で区別します。補助記号の細かい付け方は事業者・設計標準で異なるため、その図面の凡例で確認するのが確実です。
Q3. まず覚えるべき番号はどれ?
A. 高圧受電設備の定番は10個程度です。52(遮断器)・89(断路器/負荷開閉器)・51(過電流)・51G(地絡過電流)・27(不足電圧)・59(過電圧)・64(地絡過電圧)・67(地絡方向)・87(差動)・43(制御切替)。キュービクルの単線結線図はほぼこの範囲で読めます。
Q4. 3Eリレーの「3E」も器具番号?
A. 違います。3Eリレーは「3要素(過負荷・欠相・逆相)」を1台で保護するモーターリレーの通称で、JEM 1090の番号体系とは別物です。器具番号で書くなら過負荷は49または51、欠相・逆相は47などが対応します。
Q5. 米国のデバイスナンバー(ANSI/IEEE C37.2)と同じ?
A. ほぼ同じ体系です。52=Circuit Breaker、51=AC Time Overcurrent Relayなど主要番号は共通で、海外図面でも同じ感覚で読めます。細部の定義・補助記号の流儀は異なることがあるため、正式にはそれぞれの規格・図面凡例によります。
Q6. シーケンス図の文字記号(MC・THR等)との関係は?
A. 役割が違います。文字記号は低圧制御回路(シーケンス図)の機器略号、器具番号は受変電・保護継電の機能番号です。現場では併用されます。電気図記号のページもあわせて参照してください。
関連する早見表
出典・参考
- JEM 1090 — 制御器具番号(日本電機工業会規格。番号1〜99の定義)
- IEEE C37.2 — Standard Electrical Power System Device Function Numbers(対応する米国体系・参考)
※ 名称は通用表記で、正式な定義はJEM 1090本文によります。補助記号の運用は事業者標準により異なります。保護継電器の整定・変更は電気主任技術者の管理のもとで行ってください。
最終更新: 2026-08-05