スペック早見表

面取り・C面R面早見表|図面記号の読み方と加工目安

JIS B 0001(機械製図)に基づき、面取り記号(C面・R面・糸面取り)の読み方と、用途別の面取り量の目安を一覧化。C1=45°で1mmの面取り、R1=半径1mmの丸み。C記号の正確な定義、45°以外の面取りの指示方法、ねじ穴の面取りの慣用値、CとRの混同などのよくある間違いまで、図面を読む・描く・加工する場面の疑問に即答します。

⚡ 面取り記号 即答ボックス

C145°で1mmの面取り数値=かどから面に沿った距離(面取りの大きさ)
R1半径1mmの丸み円弧状。Cの平らな斜面とは形状が別物
C記号の定義45°面取り専用JIS B 0001。C2=「2×45°」と同じ意味
糸面取りC0.1〜0.3程度慣用の目安。JISの定義はない(バリ取り程度)
丸軸のC1直径は2mm細くなる全周に付くため片側1mm×2(直径換算)
ねじ穴の面取り呼び径×1.05程度・90°慣用の目安。M6→約6.3mm、M10→約10.5mm

このページについて

面取りは、部品のかど(稜)を斜めに削り落とす加工です。図面ではC(45°面取り)R(かどの丸み)糸面取り(注記)などで指示され、表記法はJIS B 0001(機械製図)で定められています。本ページは、これらの記号の正確な読み方と、バリ取り・組付けガイド・ねじ穴口元など用途別の面取り量の目安(機械加工の一般慣行)をまとめた早見表です。

「C1ってどういう意味?」「CとRは何が違う?」「糸面取りってどのくらい?」「タップ穴の面取りはいくつにする?」といった、図面の読み書きや加工現場で頻発する確認に即答できる構成です。目安と記した数値は規格値ではなく慣用値のため、図面指示・社内基準がある場合はそちらが優先です。

下の入力欄に「C1」「糸面」「ねじ穴」「バリ」などと入力すると、表1〜2の行を絞り込めます(未入力で全表示)。

よく使う:

表1: 面取り記号の読み方(図面表記と意味)

図面表記意味形状備考
C145°の面取り・大きさ1mm45°の平らな斜面。かどから各面に沿って1mmずつ落ちるCは45°面取り専用の記号(JIS B 0001)
1×45°C1と同じ(45°・1mm)同上「面取り寸法×角度」で記入する方法。C1はその簡便表記
C0.5 / C2 / C345°で0.5mm / 2mm / 3mmの面取り数値=かど(稜)から面に沿って測った距離斜面の幅(斜辺)は数値の約1.41倍(√2倍)
2×30°など45°以外の面取り(例: 30°で2mm)指定角度の斜面45°以外にC記号は使えない。寸法と角度を並記する
R1半径1mmの丸み(かどの丸み・R面取り)半径1mmの円弧Cとは断面形状が別物。混同注意
糸面取り(注記)ごく小さい面取り(慣用でC0.1〜0.3程度・目安)バリが取れ、手が切れない程度の微小な面JISの定義はない。「糸面」「バリ取りのこと」とも書かれる
指示なしのかど図面の注記に従う「指示なき角部は糸面取りのこと」等の一括注記が一般的。注記もなければ設計者に確認

※ C1の「1」は45°斜面の幅(斜辺の長さ)ではなく、かどから面に沿って落とす距離です。詳しくは「よくある間違い」を参照してください。

表2: 用途別の面取り量の目安(機械加工の一般慣行)

用途・場面面取り量の目安補足
バリ取り・けが防止糸面(C0.1〜0.3程度)機能寸法に影響しない最小限の処理。指示なき角部の標準的な扱い
組付けガイド(軸を穴に挿入する側)C0.5〜C1程度面取りが挿入の案内(呼び込み)になり、かじり・引っ掛かりを防ぐ
ボルト頭・座金が当たる座面のかどC0.5〜C1程度相手部品の隅R・バリとの干渉を逃がす
ねじ穴(タップ穴)の口元面取り径=呼び径×1.05程度・90°M6→約6.3mm。ねじ山の不完全部を除きタップの食い付きを良くする
めっき・塗装前のかど処理糸面〜C0.5程度鋭いかどは塗膜が薄くなり、めっきは膜厚が不均一になりやすい。欠け・さびの起点にもなる
応力集中を緩和したいかどCではなく丸み(R)を検討同じ大きさなら平らなC面より滑らかなR面のほうが応力集中の緩和に有利

※ 表2の数値はいずれも機械加工の一般慣行に基づく目安で、規格で定められた値ではありません。図面指示・客先仕様・社内基準がある場合は必ずそちらに従ってください。

JIS製図での表記法(JIS B 0001)

JIS B 0001(機械製図)では、45°の面取りは「面取りの寸法数値×45°」(例: 2×45°)、または寸法数値の前に記号Cを付けて(例: C2)表すと定められています。つまりC記号は「45°であること」と「面取りの大きさ」をひとまとめにした記号で、45°以外の面取りには使えません。

  • C2 = 2×45° — 同じ意味。図面の流儀によりどちらの書き方もある。
  • 数値の意味 — かど(稜)から面に沿って測った距離。45°なので交わる2面がそれぞれ同じ量だけ落ちる。
  • 45°以外 — 「2×30°」のように寸法と角度を並記する(C記号は不可)。
  • 丸み(R面) — 半径寸法に記号Rを付けて指示する(例: R1=半径1mm)。
  • 一括指示 — 全周や多数のかどに同じ処理をする場合、「指示なき角部は糸面取りのこと」のように注記でまとめて指示するのが一般的。

面取り・丸み寸法の普通公差(JIS B 0405)

面取り寸法に個別の公差指示がない場合は、普通公差(JIS B 0405)の「かどの丸み及びかどの面取りの寸法に対する許容差」が適用されます。

基準寸法の区分f(精級)・m(中級)c(粗級)・v(極粗級)
0.5mm以上 3mm以下±0.2mm±0.4mm
3mmを超え 6mm以下±0.5mm±1mm
6mmを超えるもの±1mm±2mm

※ 適用する公差等級(f・m・c・v)は図面の注記(例:「普通公差はJIS B 0405-mによる」)で指定されます。0.5mm未満の基準寸法については個別に許容差を指示します。

ねじ穴(タップ穴)の面取り

タップを立てる下穴の口元には、ねじ山の不完全部と口元のバリを除き、タップやボルトの食い付きを良くするために面取り(座ぐり状の口元処理)を施すのが一般的です。慣用的な目安は「面取り径=ねじの呼び径×1.05程度、角度90°」で、90°(片側45°)の面取りカッターで加工します。

ねじの呼び面取り径の目安(呼び径×1.05)ねじの呼び面取り径の目安(呼び径×1.05)
M3約3.2mmM8約8.4mm
M4約4.2mmM10約10.5mm
M5約5.3mmM12約12.6mm
M6約6.3mmM16約16.8mm

※ 「呼び径×1.05」はJISの規定値ではなく加工現場の慣用的な目安です(ねじの外径よりわずかに大きい径まで面取りし、山の頂が口元に残らないようにする趣旨)。図面に面取り指示がある場合や、皿ねじの皿もみ(皿頭用の座ぐり)とは別の話なので混同しないでください。タップの下穴径はタップ下穴径 早見表を参照してください。

面取りの加工方法

  • 面取りカッター(面取りドリル) — ボール盤・フライス盤・マシニングで使う定番工具。刃先角90°(片側45°)のものでC面取りとねじ穴口元の両方に対応できる。60°・120°などの刃先角もある。
  • 旋盤での面取り — 丸物の外径・端面のC面は、バイトを45°に当てるか刃先角付きのバイトで加工する。プログラム加工なら面取り寸法を直接指定できる。
  • ヤスリ・ペーパー — 少量・仕上げ・糸面取り向き。かどに対して約45°に当てて均一にストロークする。
  • リューター(ハンドグラインダー) — 複雑な形状・穴の内側・鋳物のバリ取りに便利。削り過ぎやすいので糸面〜小さい面取り向き。
  • 面取り専用工具 — 手回しのバリ取りナイフ(スクレーパー)、穴用の回転面取り工具、板金端面用の面取り機など。数が多い場合は専用工具化すると品質が安定する。

※ どの方法でも、面取りの大きさが図面指示(公差含む)に収まっているかはノギスやスケールルーペ等で確認します。糸面取りは「バリがなく手が切れないこと」が実質的な合否基準になることが多い(目安)です。

使い方・選び方のポイント

使用場面

図面を読むとき(C・R・糸面の指示の解釈)、図面を描くとき(表記法と目安値の選定)、加工・検査のとき(面取り量と公差の確認)に使います。

読み方・決め方の手順

①記号を確認する: Cなら45°面取り、Rなら丸み、注記の糸面取りなら微小面取り ②数値を読む: C1=かどから1mm、R1=半径1mm ③丸軸・穴では直径への影響(両側で2倍)を考える ④図面を描く側は、用途(バリ取りか、組付けガイドか、応力緩和か)から表2の目安でC/Rと大きさを選ぶ ⑤公差指示がなければ普通公差(JIS B 0405)の適用等級を注記で確認する。

よくある間違い

  • CとRの混同 — C1は45°の平らな斜面、R1は半径1mmの丸み。断面形状が違うため、Rの指示をC面で加工する(またはその逆)と形状不良です。見た目が似ていても検査で区別されます。
  • C1の数値の読み違い — C1の正確な意味は「45°の面取り・大きさ1mm」で、数値はかどから面に沿って落とす距離です。45°なので結果的に両面が1mmずつ落ち、断面は1mm×1mmの直角三角形になりますが、「斜面の幅(斜辺)が1mm」ではありません(斜辺は約1.4mm)。また、Cは45°専用なので「C1だが角度は任意」という読み方も誤りです。
  • 直径換算(両側合計)との混同 — 丸軸・穴の面取りは全周に付くため、直径はC寸法の2倍変化します。φ20軸のC1→端面は約φ18。「C1=直径1mm減」と読むのは誤りです。
  • 糸面取りを規格値と思い込む — 糸面取りの大きさはJISで定義されていません。C0.1〜0.3程度という慣用の目安はあるものの、大きさが機能に効く箇所では数値指示(C0.3など)が必要です。
  • ねじ穴の面取りと皿もみの混同 — タップ穴口元の面取り(呼び径×1.05程度・目安)はバリ・不完全ねじ部の処理、皿もみは皿ねじの頭を沈める座ぐりで、径も深さも別物です。

面取りの目的と記号の背景

面取りの第一の目的は安全とバリの除去です。機械加工したままのかどには鋭利なエッジやバリが残り、作業者のけが、他部品や配線の傷付き、めっき・塗装の膜切れの原因になります。図面に個別の指示がなくても「指示なき角部は糸面取り」と一括注記されるのはこのためで、バリのない状態で納めることが実質的な標準になっています。

第二の目的は組付け性と機能の確保です。軸を穴に挿入する側の面取りは呼び込みとして働き、かじりや圧入時の傷を防ぎます。ねじ穴の口元面取りはタップの食い付きと不完全ねじ部の処理を兼ねます。一方、繰り返し荷重を受ける部品のかどでは、平らなC面より滑らかにつながるR面のほうが応力集中の緩和に有利なため、強度部材の隅・かどはRで設計されることが多くなります。CとRは「どちらでもよい飾り」ではなく、機能で使い分けられています。

記号Cは面取りを意味する英語 chamfer に由来し、JIS B 0001で「45°の面取りに限り、寸法数値の前に付けて使える」記号として規定されています。45°が特別扱いされるのは、加工で圧倒的に多く、45°なら1つの数値で形状が一意に決まるためです。逆に言えば、C記号を見たら角度の確認は不要で「45°・数値ぶんの面取り」と読み切ってよい、というのがこの記号の約束事です。

よくある質問

Q1. C1とはどういう意味ですか?

A. JIS B 0001(機械製図)で、Cは45°の面取りを表す記号です。C1は「45°の角度で、大きさ1mmの面取り」を意味し、数値はかど(稜)から面に沿って測った距離を示します。45°なので、交わる2つの面がそれぞれ1mmずつ削り落とされる形になります。

Q2. C面取りとR面取りの違いは何ですか?

A. C面取りは45°の平らな斜面でかどを落とす加工、R面取り(丸み)は半径Rの円弧でかどを丸める加工です。C1は45°×1mmの斜面、R1は半径1mmの丸みで、断面形状がまったく異なります。図面のCとRを混同すると形状不良になるため注意してください。

Q3. 糸面取りとはどのくらいの大きさですか?

A. JISに明確な定義はなく、慣用的にC0.1〜0.3mm程度(目安)のごく小さな面取りを指します。バリを除去して手が切れない程度にかどを軽く落とすもので、「糸面」「バリ取り程度」とも呼ばれます。大きさが機能に影響する場合は数値で指示します。

Q4. 図面に面取りの指示がない角はどう処理しますか?

A. 多くの図面では「指示なき角部は糸面取りのこと」「かどのバリなきこと」といった注記で一括指示されています。まず図面の注記欄を確認し、注記もない場合は自己判断せず設計者に確認するのが原則です。無指示のかどでも、バリが残ったままの納品は通常許容されません。

Q5. C1の面取りをすると軸の直径はいくら細くなりますか?

A. 丸軸の端面にC1を加工すると、面取りは全周(両側)に付くため、端面側の直径は1mm×2=2mm小さくなります。「C1=直径が1mm減る」ではない点に注意してください。φ20の軸端にC1を施すと、端面の径は約φ18になります。

Q6. ねじ穴(タップ穴)の面取りはどのくらいにしますか?

A. 慣用的に「面取り径=ねじの呼び径×1.05程度、角度90°」が目安とされます。M6なら面取り径約6.3mm、M10なら約10.5mmです。ねじ山の不完全部やバリを除き、タップやボルトの食い付きを良くするための処理で、JISの規定値ではなく加工現場の目安です。

Q7. 45°以外の面取りはどう指示しますか?

A. 記号Cが使えるのは45°の面取りだけです。30°や60°などの面取りは「2×30°」のように面取り寸法と角度を並べて記入します。C2と「2×45°」は同じ意味ですが、C2を「2×30°」のような他の角度の面取りに流用することはできません。

Q8. 面取り寸法の公差はどのくらいですか?

A. 個別に公差指示がない場合は、普通公差(JIS B 0405)の「かどの丸み及びかどの面取りの寸法に対する許容差」が適用されます。中級(m)の場合、0.5mm以上3mm以下で±0.2mm、3mmを超え6mm以下で±0.5mm、6mmを超えるもので±1mmです(適用する公差等級は図面の注記で指定されます)。

関連する早見表

出典・参考

  • JIS B 0001(機械製図) — 45°面取りの寸法記入方法(寸法数値×45°、記号Cの使用)、半径(R)の指示方法
  • JIS B 0405(普通公差 第1部) — かどの丸み及びかどの面取りの寸法に対する許容差
  • 機械加工の一般慣行 — 糸面取りの大きさ、用途別の面取り量、ねじ穴口元の面取り径(呼び径×1.05程度)は、いずれも規格値ではなく慣用の目安として記載

※ 記号の定義・公差はJISの規定に基づきますが、規格は改正されることがあります。設計・加工・検査の際は最新のJIS原文および図面・社内基準を必ず確認してください。目安と記した数値は参考情報であり、図面指示が常に優先します。

最終更新: 2026-07-11