ガスの密度・比重 早見表(0℃・20℃、1気圧)
比重(空気=1)が1より大きいガスは空気より重く、小さいガスは軽いガスです。20℃・1気圧ならプロパン1.865kg/m³(比重1.549)、メタン0.6682kg/m³(比重0.5548)、空気1.204kg/m³。主なガス19種と空気の0℃・20℃の密度・比重・モル質量の表です。
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表1: 主なガスの密度・比重(1気圧=101.325kPa)
| ガス | モル質量 g/mol | 密度 0℃ kg/m³ | 密度 20℃ kg/m³ | 比重 (空気=1) 0℃ | 比重 (空気=1) 20℃ | 1kgの体積 20℃ m³ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 空気とその主な成分 | ||||||
| 空気 乾き空気(※1) | 28.96※1 | 1.293 | 1.204 | 1(基準) | 1(基準) | 0.8304 |
| 窒素 N₂ | 28.014 | 1.250 | 1.165 | 0.9672 | 0.9672 | 0.8585 |
| 酸素 O₂ | 31.998 | 1.429 | 1.331 | 1.105 | 1.105 | 0.7512 |
| アルゴン Ar | 39.95 | 1.784 | 1.662 | 1.380 | 1.380 | 0.6017 |
| 二酸化炭素 CO₂ | 44.009 | 1.977 | 1.839 | 1.529 | 1.527 | 0.5437 |
| 水素・炭化水素 | ||||||
| 水素 H₂ | 2.0160 | 0.08988 | 0.08375 | 0.06953 | 0.06954 | 11.94 |
| メタン CH₄ | 16.043 | 0.7175 | 0.6682 | 0.5550 | 0.5548 | 1.497 |
| エタン C₂H₆ | 30.070 | 1.355 | 1.260 | 1.048 | 1.046 | 0.7936 |
| エチレン C₂H₄ | 28.054 | 1.261 | 1.173 | 0.9755 | 0.9743 | 0.8523 |
| プロパン C₃H₈ | 44.097 | 2.011 | 1.865 | 1.555 | 1.549 | 0.5362 |
| プロピレン C₃H₆ | 42.081 | 1.914 | 1.776 | 1.480 | 1.475 | 0.5630 |
| ノルマルブタン n-C₄H₁₀ | 58.124 | 2.704 | 2.496 | 2.091 | 2.072 | 0.4007 |
| イソブタン i-C₄H₁₀ | 58.124 | 2.689 | 2.486 | 2.080 | 2.064 | 0.4023 |
| その他のガス | ||||||
| ヘリウム He | 4.0026 | 0.1785 | 0.1663 | 0.1381 | 0.1381 | 6.013 |
| アンモニア NH₃ | 17.031 | 0.7715 | 0.7161 | 0.5968 | 0.5946 | 1.397 |
| 一酸化炭素 CO | 28.010 | 1.251 | 1.165 | 0.9673 | 0.9673 | 0.8584 |
| 硫化水素 H₂S | 34.08 | 1.536 | 1.428 | 1.188 | 1.186 | 0.7001 |
| 二酸化硫黄 SO₂ | 64.06 | 2.928 | 2.712 | 2.265 | 2.252 | 0.3687 |
| 六ふっ化硫黄 SF₆ | 146.05 | 6.616 | 6.145 | 5.118 | 5.103 | 0.1627 |
| 亜酸化窒素 N₂O | 44.013 | 1.978 | 1.840 | 1.530 | 1.528 | 0.5434 |
圧力はすべて1気圧(絶対圧101.325kPa)です。比重は、同じ温度・同じ圧力の空気の密度に対する比で、1より大きいガスは空気より重く、1より小さいガスは空気より軽いことを表します。「1kgの体積」は20℃・1気圧での1kgあたりの体積(密度の逆数)です。
※1 空気は、窒素78.12%・酸素20.96%・アルゴン0.92%(モル分率)の乾き空気(二酸化炭素・水蒸気・微量成分を含まない)で、モル質量は28.9586g/molです(Lemmon et al. 2000)。この組成は、測定例で0.03〜0.04%ある二酸化炭素を無視できるとして除いたものです。二酸化炭素0.04%を含めると、モル質量・密度は約0.02%大きくなります(表示の4桁目が1変わる程度)。
表2: 空気より重いガス・軽いガス(比重の大きい順)
| ガス | 比重(空気=1) 20℃・1気圧 | 空気と比べて |
|---|---|---|
| 六ふっ化硫黄 | 5.103 | 重い |
| 二酸化硫黄 | 2.252 | 重い |
| ノルマルブタン | 2.072 | 重い |
| イソブタン | 2.064 | 重い |
| プロパン | 1.549 | 重い |
| 亜酸化窒素 | 1.528 | 重い |
| 二酸化炭素 | 1.527 | 重い |
| プロピレン | 1.475 | 重い |
| アルゴン | 1.380 | 重い |
| 硫化水素 | 1.186 | 重い |
| 酸素 | 1.105 | 重い |
| エタン | 1.046 | 重い |
| 空気 = 1 | ||
| エチレン | 0.9743 | 軽い |
| 一酸化炭素 | 0.9673 | 軽い |
| 窒素 | 0.9672 | 軽い |
| アンモニア | 0.5946 | 軽い |
| メタン | 0.5548 | 軽い |
| ヘリウム | 0.1381 | 軽い |
| 水素 | 0.06954 | 軽い |
20℃・1気圧での比重の大きい順です。この表のガスでは、0℃でも空気より重い・軽いの区別は同じです。
使い方
- 空気より重いか軽いかを見る — 表1の比重が1より大きければ空気より重いガスです(例: プロパン 1.549、二酸化炭素 1.527、メタン 0.5548。いずれも20℃)。
- 0℃・1気圧に換算した体積を質量にする — 0℃の密度を掛けます。例: 窒素100m³(0℃・1気圧換算) = 100×1.250 = 125.0kg。法令でも、排出ガスの量を「温度が零度であつて、圧力が一気圧の状態に換算した」体積で表す例があります(大気汚染防止法施行規則 第4条など)。Nm³などと書かれた体積は、基準の温度・圧力を資料で確かめてから使ってください。
- 質量を体積にする — 1kgの体積を掛けます。例: プロパン1kgは20℃・1気圧で0.5362m³(0℃なら0.4974m³)。
- 温度・圧力が違うときの概算 — 理想気体とみなすと、密度は絶対圧に比例し、絶対温度(℃+273.15)に反比例します。密度 ≒ 表1の20℃の値 ×(絶対圧kPa÷101.325)×(293.15÷(温度℃+273.15))。例: 窒素を20℃・ゲージ圧0.5MPa(絶対圧0.601325MPa)にすると約6.91kg/m³。プロパンを35℃にすると約1.774kg/m³。
- 圧力はゲージ圧ではなく絶対圧で — 圧力計の読み(ゲージ圧)には大気圧(約0.1MPa)を足します。単位の換算は圧力換算で。
原理: ガスの密度はモル質量で決まる(理想気体からのずれもある)
- 理想気体の密度 — 密度 = 圧力×モル質量÷(気体定数×絶対温度)。0℃・1気圧では1molの体積が22.414L(20℃では24.055L)なので、密度(kg/m³)≒モル質量(g/mol)÷22.414です。
- 比重とモル質量の比 — 理想気体なら、比重はモル質量の比(ガスのモル質量÷空気の28.96)と同じになります。例えばプロパンは44.097÷28.9586=1.523です。
- 実在気体のずれ — 実際のガス(実在気体)の密度は、1気圧でも理想気体の式の値から少しずれます。ずれの大きさはガスによって違い、表3のとおり水素・ヘリウム・窒素では0.1%未満(水素・ヘリウムは理想気体よりわずかに小さい側)ですが、プロパンは20℃で約1.7%、ノルマルブタンは0℃で約4.3%大きくなります。表1の値はこのずれを含んだ値(NISTの状態方程式による値)です。
- 温度の影響 — 0℃から20℃に上がると、理想気体では密度が約6.8%小さくなります(273.15÷293.15)。
表3: 理想気体で計算した密度との比較(0℃・1気圧)
| ガス | 理想気体で 計算した密度 0℃ kg/m³ | 表1の密度 (実在気体) 0℃ kg/m³ | 差 % | モル質量の比 (÷28.9586) |
|---|---|---|---|---|
| 水素 | 0.08994 | 0.08988 | −0.07 | 0.06962 |
| ヘリウム | 0.1786 | 0.1785 | −0.05 | 0.1382 |
| 窒素 | 1.250 | 1.250 | +0.04 | 0.9674 |
| メタン | 0.7158 | 0.7175 | +0.24 | 0.5540 |
| アンモニア | 0.7598 | 0.7715 | +1.54 | 0.5881 |
| 二酸化炭素 | 1.963 | 1.977 | +0.68 | 1.520 |
| プロパン | 1.967 | 2.011 | +2.19 | 1.523 |
| ノルマルブタン | 2.593 | 2.704 | +4.26 | 2.007 |
| 二酸化硫黄 | 2.858 | 2.928 | +2.45 | 2.212 |
| 六ふっ化硫黄 | 6.516 | 6.616 | +1.54 | 5.043 |
理想気体の密度は 101325Pa×モル質量÷(8.314462618J/(mol·K)×273.15K)で計算しました。「差」は表1の密度が理想気体の値より何%大きいか(−は小さいこと)です。モル質量の比で計算した比重(プロパン1.523)と実在気体の密度の比(0℃で1.555)はこのように違うため、ほかの資料の比重と比べるときは、どちらで計算した値かを確かめてください。
間違えやすいポイント
- 0℃の値と20℃の値の取り違え — 約7%違います。体積の基準になっている温度に合わせて使い分けます。
- ゲージ圧のまま比例換算する — 密度は絶対圧に比例します。ゲージ圧0.5MPaは絶対圧で約0.6MPaです。
- ノルマルブタンは0℃付近で液化する — 1気圧での沸点は−0.49℃で、表の0℃の値は沸点のわずか上の気体の値です。それより低い温度では1気圧で液体になります。
- 都市ガス・LPガスは混合物 — 成分の割合で密度・比重が変わるため、このページには載せていません。成分ごとの値(メタン・プロパン・ブタンなど)は表1にあります。
- 湿った空気は乾き空気より軽い — 水蒸気のモル質量(約18)は空気(約29)より小さいため、同じ温度・圧力なら水蒸気を含むほど空気の密度は小さくなります。表1の空気は乾き空気の値です。
よくある質問
Q1. 空気の密度は?
A. 1気圧の乾き空気で、0℃が1.293kg/m³、20℃が1.204kg/m³です(NISTなどの研究者による空気の状態方程式 Lemmon et al. 2000で計算。窒素78.12%・酸素20.96%・アルゴン0.92%の組成)。
Q2. ガスの比重(空気=1)とは?
A. 同じ温度・同じ圧力での、ガスの密度と空気の密度の比です。1より大きければ空気より重く、1より小さければ空気より軽いガスです。
Q3. プロパンの比重は1.52?1.55?
A. 実在気体の密度の比では、20℃・1気圧で1.549、0℃で1.555です。モル質量の比(44.097÷28.9586)で計算すると1.523になります。プロパンは1気圧でも理想気体より密度が約1.7%(20℃)大きいため、2つの値が違います。
Q4. 二酸化炭素は空気の何倍重い?
A. 1気圧で、20℃では1.527倍、0℃では1.529倍です(実在気体の密度の比)。モル質量の比では1.520です。
Q5. Nm³(ノルマル立方メートル)をkgに換算するには?
A. まず基準の条件(温度・圧力)を資料で確かめます。0℃・1気圧に換算した体積なら0℃・1気圧の密度を掛けます(窒素100m³なら100×1.250=125.0kg)。20℃・1気圧が基準なら20℃の密度を掛けます。
Q6. 温度や圧力が違うときの密度は?
A. 理想気体とみなした概算では、密度は絶対圧に比例し、絶対温度(℃+273.15)に反比例します。例えば窒素を20℃・ゲージ圧0.5MPa(絶対圧0.601325MPa)にすると、1.165×0.601325÷0.101325≒6.91kg/m³です。凝縮しやすいガスや高い圧力では、理想気体とのずれが大きくなります。
Q7. 都市ガス・LPガス・アセチレン・塩素が載っていないのは?
A. 都市ガスやLPガスは複数の成分の混合物で、成分の割合によって密度が変わるため載せていません(主な成分のメタン・プロパン・ブタンは表1にあります)。アセチレンと塩素は、このページの値のもとにしているNIST Chemistry WebBookの流体物性データ(流体の一覧)に含まれていないため載せていません。
関連する早見表
出典・参考
- NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Reference Database Number 69 — E.W. Lemmon, I.H. Bell, M.L. Huber, M.O. McLinden, "Thermophysical Properties of Fluid Systems"(Eds. P.J. Linstrom and W.G. Mallard、doi:10.18434/T4D303)— 各ガスの等圧(0.101325MPa)の表の密度(0℃・20℃)。2026年10月24日取得。各ガスの状態方程式(WebBookのページに示された文献): 窒素 Span et al. (2000)、酸素 Schmidt and Wagner (1985)、アルゴン Tegeler et al. (1999)、二酸化炭素 Span and Wagner (1996)、水素 Leachman et al. (2009)、メタン Setzmann and Wagner (1991)、エタン Bücker and Wagner (2006)、エチレン Smukala et al. (2000)、プロパン Lemmon et al. (2009)、プロピレン Lemmon et al.、ノルマルブタン・イソブタン Bücker and Wagner (2006)、ヘリウム Ortiz-Vega et al.、アンモニア Gao et al.、一酸化炭素・硫化水素・亜酸化窒素 Lemmon and Span (2006)、二酸化硫黄 Gao et al. (2016)、六ふっ化硫黄 Guder and Wagner (2009)
- E.W. Lemmon, R.T Jacobsen, S.G. Penoncello, D.G. Friend, "Thermodynamic Properties of Air and Mixtures of Nitrogen, Argon, and Oxygen From 60 to 2000 K at Pressures to 2000 MPa", J. Phys. Chem. Ref. Data 29, 331 (2000) — 空気の組成(Table 3)、固定点(p.334)、状態方程式 Eq.(25)(26)と係数(Table 13)、検証に使った0.101325MPaの値(Table A2) — NIST SRD 公開PDF
- CIAAW(IUPAC 原子量および同位体存在度委員会) Abridged Standard Atomic Weights 2024 — H・He・C・N・O・F・S・Ar の原子量の簡略値 — ciaaw.org
- 大気汚染防止法施行規則(昭和四十六年厚生省・通商産業省令第一号。e-Govの現行版: 令和八年環境省令第十九号による改正、2026年7月1日施行)第4条(排出ガスの量を温度零度・圧力一気圧の状態に換算して表す例) — e-Gov法令検索
- 計量単位令(平成四年政令第三百五十七号。e-Govの現行版: 令和五年政令第三百七十六号による改正、2023年12月28日施行)別表第一 第五号(ケルビン・セルシウス度)・第六号(モル)、別表第三 第二号(気圧 = 101325Pa) — e-Gov法令検索
※ 丸め(四捨五入): 密度・比重・1kgの体積・表3の値は有効数字4桁です。モル質量は原子量の簡略値から計算し、使った簡略値の小数の桁のうち最も少ない桁にそろえています(空気は28.9586を28.96と表示)。
※ 空気の密度は、Lemmon et al. (2000)の状態方程式を当サイトが実装して計算しました(0℃ 1.293kg/m³、20℃ 1.204kg/m³)。実装は論文のTable A2の1気圧の密度(200〜400Kの8点)と5桁で一致することを確認しています。この式の密度の不確かさは0.1%(論文の要旨)です。
※ 各ガスの密度の不確かさは、WebBookのページに示された状態方程式の記載で、この条件ではおおむね0.01%(窒素)〜0.4%(硫化水素)です。表示は有効数字4桁ですが、不確かさが0.1%以上のガス(一酸化炭素0.3%・硫化水素0.4%・二酸化硫黄0.25%など)では、最後の桁が数単位変わりうる精度です。不確かさが0.1%未満でも、密度の値が小さいアンモニア(0.05%)・メタン(0.03%)などは最後の桁が2〜4変わりえます。
※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。データベースや原典が改訂されることがあるため、最新の原典を確認してください。
※ 本ページはガスの密度・比重を引くための早見表です。ガスの漏えい対策・換気・検知器の設置などの安全の判断は、法令・原典・メーカーの資料と有資格者の確認のうえで行ってください。
※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。
最終更新: 2026-10-24