スペック早見表

電線許容電流 早見表(IV/HIV/VVF/CV/EM-EEF 全21サイズ)・計算ツール

電線・ケーブル断面積1.25〜325mm² 全21サイズの基本許容電流、布設方法別(空中/管内/直埋)・周囲温度・条数による補正係数を収録。JIS C 3307 / 内線規程(JEAC 8001) 準拠。

このページについて

電線・ケーブルに流せる「許容電流」をサイズ別・絶縁種別ごとに一覧で確認できる早見表です。IV (600Vビニル絶縁電線)・HIV・VVF (住宅屋内配線の主流)・CV (架橋ポリエチレン)・EM-EEF (エコ電線)の主要5種について、断面積1.25〜325mm²と住宅用VVF1.6/2.0/2.6mm含む全21サイズを網羅しています。

第二種・第一種電気工事士、電気主任技術者、電気設計者、住宅リフォーム業者、自家用電気工作物の保安管理担当者まで、実務でよく直面する「このブレーカー容量にはどの電線?」「周囲温度40℃の工場ではどう補正する?」といった疑問に即答できる構成にしました。

許容電流は単に「流せる電流」ではなく、絶縁物の最高許容温度を超えないよう設計された値です。これを超えると絶縁劣化・短絡・火災の原因になるため、必ず布設方法・周囲温度・条数の補正を適用してください。本ページは内線規程JEAC 8001:2022の最新基準に基づいています。

⚡ 電線許容電流 計算機

電線種類・導体サイズ・布設方法・周囲温度を選ぶと、温度・布設補正を適用した許容電流と推奨ブレーカー容量を即計算します。

条件を選択すると結果が表示されます。

📐 計算式・出典

補正後許容電流 = 基本許容電流(空中・30℃)× 温度補正係数 × 布設補正係数

推奨ブレーカー: 補正後許容電流以下の最大の標準定格(JIS C 8201-2-1)

連続負荷(3時間超)では負荷電流をブレーカー定格の80%以下に抑えてください(内線規程125%ルール)。

出典: JIS C 3307, 内線規程 JEAC 8001:2022

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電線種類の違い

略号正式名称絶縁物最高許容温度用途
IV600Vビニル絶縁電線PVC60℃屋内配線、電線管内
HIV600V二種ビニル絶縁電線耐熱PVC75℃高温場所、重要回路
VVF600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル 平形PVC+PVC60℃住宅屋内配線の主流
VVRVVFの丸形PVC+PVC60℃屋内・多芯配線
CV架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルXLPE+PVC90℃幹線・動力回路・高負荷
CVTCVの3心より線(トリプレックス)XLPE+PVC90℃三相動力幹線
EM-EEFエコ電線(架橋ポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシース)XLPE+HFLS90℃ハロゲンフリー、環境配慮

基本許容電流表(単相2線・空中布設・周囲温度30℃)

単位: A(アンペア)。「—」= 該当なし。断面積欄の数値(1.25等)=mm²、VVF1.6等=導体直径mm。

断面積/呼びIV
(60℃)
HIV
(75℃)
VVF
(60℃)
CV
(90℃)
EM-EEF
(90℃)
主な用途
1.251923照明・コンセント小容量
2273234一般照明・制御
3.5374446エアコン・小動力
5.5495863動力・大型コンセント
8617378動力
1488105115幹線
22115138150幹線
30139167185主幹
38162195220主幹
50190229260主幹
60217261295大主幹
80257309350大主幹
100298358405大主幹
125344413470大主幹
150395475540大主幹
200469563635主幹
250556668750大主幹
325650780870大主幹
VVF1.61919一般住宅 照明・コンセント
VVF2.02424エアコン・大容量コンセント
VVF2.63333IH・動力分岐

布設方法による補正係数

布設方法補正係数備考
空中(がいし引き・ラック・メッセンジャー)1.00(基準)放熱◎
ビニル管内・金属管内(3本まで)0.70管内での熱こもり
ビニル管内・金属管内(4-6本)0.63
CD/PF管内(合成樹脂可とう管)0.70
ケーブルラック・トレイ0.80〜1.00間隔と段数による
直接埋設(土中・砂利埋設)0.80土壌の熱伝導による
暗渠内・ピット内0.65〜0.80換気状態による

周囲温度補正係数(内線規程 1340-1表より)

周囲温度IV (60℃絶縁)HIV (75℃絶縁)CV/EM (90℃絶縁)
25℃以下1.081.061.04
30℃(基準)1.001.001.00
35℃0.910.940.96
40℃0.820.870.91
45℃0.710.790.87
50℃0.580.710.82
55℃-0.610.76
60℃-0.500.71

高温環境(工場・屋根裏・高温炉近傍)では必ず補正を適用してください。補正なしだと絶縁劣化・火災リスクが増します。

複数条数による電流減少係数(管内・ラック)

同一管内の電流が流れる電線数減少係数
3本以下0.70
4本0.63
5〜6本0.56
7〜15本0.49
16〜40本0.43
41〜60本0.39
61本以上0.34

出典: 内線規程 1340-2表。電力線と制御線が混在する場合は電力線本数でカウント。

合成補正の計算例

例: IV 5.5mm²、金属管内3本布設、周囲温度40℃での許容電流:

基本許容電流(空中30℃) × 布設補正 × 温度補正 × 条数減少
= 49A × 1.00 × 0.82 × 0.70
28.1 A

(ただし管内では布設補正1.00ではなく0.70を使うケースもあり、規程により重複適用を避ける場合あり)

住宅用VVFの分岐回路容量

配線許容電流(A)ブレーカーコンセント容量
VVF1.6×2芯1915A15A×3個まで
VVF2.0×2芯2420A20A×2個または15A×5個まで
VVF2.6×2芯(または3.2mm²)3330Aエアコン・IH専用(単独回路)

電圧降下の計算と短絡電流対策

電圧降下の計算式

電線の抵抗による電圧降下は配線方式で異なります:

  • 単相2線式: ΔV = 2 × I × L × R / 1000 [V]
  • 単相3線式: ΔV = I × L × R / 1000 [V]
  • 三相3線式: ΔV = √3 × I × L × R / 1000 [V]

(I=電流[A], L=こう長[m], R=1km当たり抵抗[Ω])

内線規程では、電源〜分電盤で2%以内、分電盤〜末端負荷で2%以内、合計4%以内を目安にします。長距離配線(20m超)では電線太さを1サイズ上げる対策が一般的です。

主な電線の抵抗値 (20℃, Ω/km)

断面積(mm²)1.2523.55.58142238
抵抗(Ω/km)14.69.245.203.312.311.300.8240.487

短絡電流対策のポイント

短絡時の大電流による熱的・機械的損傷を防ぐため、ブレーカー(MCCB/MCB)の遮断容量(Icu/Ics)が想定短絡電流を上回ることを確認します。住宅用は2.5kA、小規模事業所5〜10kA、工場・大型ビル10〜25kA以上が目安。短絡電流計算は変圧器容量・電源側インピーダンス・電線インピーダンスから算出します。

よくある質問

Q1. IVとVVFの違いは?

A. IVは絶縁単線(裸の上にPVC1層)で電線管内使用が必須です。VVFはその電線をビニルシース(外装)で保護したケーブルで、露出配線や隠蔽配線に直接使えます。住宅の屋内配線はほぼVVFです。

Q2. CVは本当に許容電流が大きい?

A. 絶縁物が架橋ポリエチレン(XLPE)で耐熱90℃のため、60℃のIV/VVFに比べて許容電流が20-30%高くなります。発熱が大きい幹線や動力回路で採用されます。

Q3. EM-EEFとは?

A. エコマテリアル(EM)で作ったEEFケーブルです。鉛フリー・ハロゲンフリーで、燃焼時の有害ガスが少ない環境配慮型。公共施設・大型建築で採用されています。性能はCVとほぼ同等です。

Q4. 電線を太くしたほうが良い理由は?

A. 発熱減少・電圧降下減少・寿命延長に繋がります。長距離配線では電圧降下を2%以内に抑えるため、許容電流から逆算して太くする必要があります。

Q5. VVF1.6mmと2.0mmの使い分けは?

A. 一般的な照明・コンセント回路はVVF1.6mm(15Aブレーカー)、エアコン・大容量コンセント・電子レンジ専用回路はVVF2.0mm(20Aブレーカー)、IH調理器・エアコン200V専用はVVF2.6mm(30Aブレーカー)が目安です。

Q6. 周囲温度補正はどう適用する?

A. 工場・屋根裏・高温炉近傍など30℃を超える環境では、表中の補正係数を基本許容電流に乗じて使用します。例えばIV5.5mm²(基本49A)を周囲40℃で使う場合、49×0.82=40.2Aとなります。

Q7. 電線管に電線を何本まで入れられる?

A. 電気的には条数低減係数で計算しますが、内線規程では電線管断面積に対する電線の総断面積占有率を48%以下(同一径の電線3本以下時)、または32%以下(4本以上時)に制限しています。物理的にも入りません。

Q8. 電圧降下の計算式は?

A. 単相2線式: ΔV = 2×I×L×R/1000、三相3線式: ΔV = √3×I×L×R/1000 (Iは電流A、Lはこう長m、Rは1km当たり抵抗Ω)。許容電圧降下は電源〜分電盤2%以下、分電盤〜負荷2%以下が目安です。

Q9. 短絡電流対策はどう考える?

A. 短絡電流による熱的損傷を避けるため、ブレーカーの遮断容量(短絡時に瞬時遮断できる電流)が想定短絡電流より大きいことを確認します。住宅用なら2.5kA、工場では10〜25kA以上が必要なケースもあります。

Q10. アース線の太さはどう決める?

A. 電技解釈第17条で、ブレーカー定格別に最低サイズが定められています。30A以下は1.6mm/2mm²、60A以下は2.0mm/3.5mm²、100A以下は2.6mm/5.5mm²、それ以上は電線太さの1/2以上(最低14mm²)が目安です。

関連する早見表

出典・参考

JIS C 3307(600Vビニル絶縁電線), JIS C 3342(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル), JIS C 3605(600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル), 内線規程 JEAC 8001:2022, 電気設備技術基準

参考: kikakurui.com / 住友電工 / フジクラ / 古河電工 / 日本電線工業会 公開資料

※ 本表は代表値。実設計は必ず内線規程原文・最新版の数値を参照してください。補正係数の重複適用可否も規程条項で確認が必要。

最終更新: 2026-04-15

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