スペック早見表

冷媒の飽和圧力 早見表(温度⇔圧力・R32/R134a/R744/R717)

純物質の冷媒(R32・R134a・CO₂・アンモニアなど)の圧力は、液とガスが共存している(飽和)あいだは温度だけで決まります。R32なら0℃でゲージ圧0.712MPa、45℃で2.693MPa。米国国立標準技術研究所(NIST)のChemistry WebBookから取得した飽和圧力を、絶対圧とゲージ圧の両方で、温度から引く表とゲージ圧から引く表にまとめました。

❄️ 冷媒の圧力 判断即答ボックス

R32の低圧側が0.8MPa(ゲージ)。蒸発温度は?約3.3℃飽和温度。過熱度はこれとの差
R32で凝縮温度45℃。高圧側は?ゲージ圧2.693MPa絶対圧2.795MPa
停止中のR134a、全体が25℃なら?ゲージ圧0.564MPa液とガスが共存しているとき
何℃より低いと負圧になる?R134a −26.1℃・R717 −33.3℃R32は−51.7℃。標準大気圧が基準
CO₂(R744)の飽和圧力は何℃まで?30.98℃まで臨界点。7.377MPa(絶対圧)
R410A・R404Aの値は?載せていない混合冷媒。一次資料に表がない
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表1: 温度から引く冷媒の飽和圧力(−50〜70℃)

温度
℃
R32
絶対圧
MPa
R32
ゲージ圧
MPa
R134a
絶対圧
MPa
R134a
ゲージ圧
MPa
R744(CO₂)
絶対圧
MPa
R744(CO₂)
ゲージ圧
MPa
R717(NH₃)
絶対圧
MPa
R717(NH₃)
ゲージ圧
MPa
−500.1100.0090.029−0.0720.6820.5810.041−0.061
−450.1410.0390.039−0.0620.8320.7310.054−0.047
−400.1770.0760.051−0.0501.0040.9030.072−0.030
−350.2210.1200.066−0.0351.2021.1010.093−0.008
−300.2730.1720.084−0.0171.4281.3260.1190.018
−250.3350.2330.1060.0051.6831.5810.1510.050
−200.4060.3040.1330.0311.9701.8680.1900.089
−150.4880.3870.1640.0632.2912.1890.2360.135
−100.5830.4810.2010.0992.6492.5470.2910.189
−50.6910.5890.2430.1423.0462.9450.3550.253
00.8130.7120.2930.1913.4853.3840.4290.328
50.9510.8500.3500.2483.9693.8680.5160.414
101.1071.0060.4150.3134.5024.4010.6150.513
151.2811.1790.4880.3875.0874.9860.7280.627
201.4751.3730.5720.4705.7295.6280.8570.756
251.6901.5880.6650.5646.4346.3331.0030.901
301.9281.8260.7700.6697.2147.1121.1671.065
352.1902.0890.8870.786——1.3501.249
402.4782.3771.0170.915——1.5551.453
452.7952.6931.1601.059——1.7821.680
503.1413.0401.3181.217——2.0331.932
553.5203.4191.4921.390——2.3102.209
603.9333.8321.6821.580——2.6142.513
654.3844.2831.8901.788——2.9482.847
704.8774.7752.1172.015——3.3123.211

その温度で液とガスが共存しているとき(飽和)の圧力です。ゲージ圧=絶対圧−0.101325MPa(標準大気圧)として計算しています。ゲージ圧がマイナスの欄は、大気圧より低い(真空側の)圧力です。R744(CO₂)の35℃以上が「—」なのは、臨界温度30.9782℃を超えると液とガスの区別がなくなり、飽和圧力が存在しないためです。

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表2: ゲージ圧から引く飽和温度(0〜4.0MPa)

ゲージ圧
MPa
絶対圧
MPa
R32
℃
R134a
℃
R744(CO₂)
℃
R717(NH₃)
℃
0.00.101325−51.7−26.1—−33.3
0.10.201325−37.2−9.9—−18.7
0.20.301325−27.60.8—−9.1
0.30.401325−20.39.0—−1.8
0.40.501325−14.315.8—4.2
0.50.601325−9.121.6−53.19.4
0.60.701325−4.526.8−49.313.9
0.70.801325−0.531.4−46.017.9
0.80.9013253.335.6−42.921.6
0.91.0013256.739.4−40.125.0
1.01.1013259.843.0−37.528.1
1.11.20132512.846.4−35.031.0
1.21.30132515.649.5−32.733.7
1.31.40132518.252.5−30.636.3
1.41.50132520.755.3−28.538.7
1.51.60132523.057.9−26.541.1
1.61.70132525.360.5−24.743.3
1.71.80132527.462.9−22.945.4
1.81.90132529.565.3−21.147.4
1.92.00132531.567.5−19.549.4
2.02.10132533.469.7−17.951.3
2.12.20132535.271.8−16.353.1
2.22.30132537.073.8−14.854.8
2.32.40132538.775.7−13.456.5
2.42.50132540.477.6−12.058.2
2.52.60132542.079.4−10.659.8
2.62.70132543.681.2−9.361.3
2.72.80132545.182.9−8.062.9
2.82.90132546.684.6−6.864.3
2.93.00132548.086.2−5.565.8
3.03.10132549.487.8−4.367.2
3.13.20132550.889.4−3.268.5
3.23.30132552.290.9−2.069.9
3.33.40132553.592.3−0.971.2
3.43.50132554.893.70.272.4
3.53.60132556.095.11.273.7
3.63.70132557.296.52.374.9
3.73.80132558.597.83.376.1
3.83.90132559.699.14.377.3
3.94.00132560.8100.45.378.4
4.04.10132561.9—6.379.6

圧力計の読み(ゲージ圧)から、その圧力で冷媒が沸騰・凝縮する温度(飽和温度)を引く表です。絶対圧はゲージ圧+0.101325MPaです。R134aの4.0MPaが「—」なのは臨界圧力4.05928MPa(ゲージ圧で約3.958MPa)を超えるため、R744の0〜0.4MPaが「—」なのは三重点の圧力0.518MPa(絶対圧。ゲージ圧で約0.417MPa)より低く、液体のCO₂が存在しないためです。

表3: R744(CO₂)の高い圧力の飽和温度(4.2〜7.2MPa)

ゲージ圧
MPa
絶対圧
MPa
R744(CO₂)
飽和温度 ℃
4.24.3013258.2
4.44.50132510.0
4.64.70132511.8
4.84.90132513.5
5.05.10132515.1
5.25.30132516.7
5.45.50132518.3
5.65.70132519.8
5.85.90132521.3
6.06.10132522.7
6.26.30132524.1
6.46.50132525.5
6.66.70132526.8
6.86.90132528.1
7.07.10132529.3
7.27.30132530.5

CO₂は同じ温度での圧力がほかの冷媒より高いため、表2の続きを0.2MPa刻みで載せています。臨界圧力7.3773MPa(絶対圧)を超える圧力には飽和温度がありません。

表4: 冷媒ごとの基本の値(標準沸点・臨界点)

冷媒物質名標準沸点
℃
(0.101325MPa)
臨界温度
℃
臨界圧力
MPa(絶対圧)
R32ジフルオロメタン−51.778.1055.782
R134a1,1,1,2-テトラフルオロエタン−26.1101.064.05928
R744二酸化炭素—
1気圧では液にならない
30.97827.3773
R717アンモニア−33.3132.4111.3634

標準沸点は絶対圧0.101325MPaでの飽和温度(表2のゲージ圧0の行と同じ値)で、これより低い温度では飽和圧力が大気圧を下回ります。臨界温度・臨界圧力はNIST WebBookの補助データ(Auxiliary Data)の値をそのまま転記しています。R744(CO₂)は三重点(−56.558℃・0.518MPa)より低い圧力では液体にならず、1気圧では固体(ドライアイス)が直接気体になります(WebBookの補助データでは−78.464℃が標準沸点の欄に示されていますが、三重点より低い圧力なので液体の沸点ではなく、固体が気体になる温度にあたります)。

使い方

  • 低圧側の圧力から蒸発温度を知る — 低圧側の圧力計の読み(ゲージ圧)で表2を引きます(例: R32で0.8MPa → 約3.3℃)。
  • 過熱度を出す — 過熱度=吸入管(蒸発器の出口側)で測った温度−低圧側の圧力の飽和温度です。例: R32で0.8MPa・吸入管8.0℃なら、8.0−3.3=4.7K。
  • 過冷却度を出す — 過冷却度=高圧側の圧力の飽和温度−液管(凝縮器の出口側)で測った温度です。
  • 凝縮温度から高圧側の圧力の見当をつける — 表1で温度の行を引きます(例: R32で凝縮温度45℃ → ゲージ圧2.693MPa)。
  • 停止中の圧力を見る — 液とガスが共存し、全体が同じ温度になっていれば、圧力はその温度の飽和圧力になります(例: R134aで全体が25℃ → ゲージ圧0.564MPa)。

飽和圧力の考え方(原理)

  • 飽和 — 液とガスが同じ温度・圧力で共存している状態です。純物質の冷媒では、このとき温度が決まれば圧力は1つに決まり、液の量やガスの量には左右されません。蒸発器・凝縮器の中はおおむねこの状態です。
  • 臨界点 — 温度を上げていくと液とガスの密度の差が小さくなり、臨界点で区別がなくなります。臨界温度より高い温度では、圧力をいくら上げても液にならず、飽和圧力がありません。R744(CO₂)は臨界温度が30.98℃と低いため、夏の外気温でも臨界温度を超えることがあります。
  • 三重点 — 固体・液体・気体が共存する点で、それより低い圧力では液体が存在しません。CO₂の三重点の圧力は0.518MPa(絶対圧)で大気圧より高いため、大気圧の下では液体のCO₂はできません。
  • 混合冷媒(R410A・R404Aなど)は載せていません — 成分の割合で圧力が決まり、同じ温度でも沸き始める圧力(泡点)と沸き終わる圧力(露点)が分かれることがあります(凝縮では、凝縮し始めるのが露点、凝縮し終わるのが泡点です)。このページの一次資料(NIST WebBook)の流体の表は純物質だけで、混合冷媒の表がないため載せていません。冷媒の種類・GWPは冷媒の種類の早見表にまとめています。

間違えやすいポイント

  • 絶対圧とゲージ圧を取り違える — R32の0℃は絶対圧0.813MPa、ゲージ圧0.712MPaで、約0.1MPa違います。圧力計の読みはゲージ圧の列で引きます。
  • 標高の高い場所でそのまま引く — ゲージ圧は現地の大気圧を0とした圧力です。この表のゲージ圧は標準大気圧で計算しているため、大気圧が低い高地では、現地の大気圧を足して絶対圧に直してから絶対圧の列を引くと正確です(標高別の気圧)。
  • 単位がkgf/cm²やbarの圧力計 — MPaに換算してから表を引きます(圧力換算の早見表)。
  • ゲージ圧がマイナスの読み — R717(アンモニア)の−40℃はゲージ圧−0.030MPaで、大気圧より低い圧力です。標準沸点(R134a −26.1℃・R717 −33.3℃・R32 −51.7℃)より低い温度では、飽和圧力が大気圧を下回ります。

このページは冷媒の物性値を引くための早見表です。冷凍・空調設備の設計・施工・点検や冷媒の充塡・回収の判断は、法令の原典・機器メーカーの資料と有資格者の確認のうえで行ってください。

よくある質問

Q1. R32の圧力は0℃・45℃で何MPa?

A. 0℃でゲージ圧0.712MPa(絶対圧0.813MPa)、45℃でゲージ圧2.693MPa(絶対圧2.795MPa)です。ゲージ圧は絶対圧−0.101325MPa(標準大気圧)で計算しています。

Q2. ゲージ圧と絶対圧はどちらを見ればいい?

A. 多くの圧力計は大気圧を0とするゲージ圧を示すので、ゲージ圧の列で引きます。このページではゲージ圧=絶対圧−0.101325MPa(標準大気圧)です。高地では現地の大気圧を足して絶対圧で引くと正確です。

Q3. 過熱度・過冷却度はどう求める?

A. 過熱度=吸入管の温度−低圧側の圧力の飽和温度、過冷却度=高圧側の圧力の飽和温度−液管の温度です。例: R32で0.8MPa(約3.3℃)・吸入管8.0℃なら4.7Kです。

Q4. CO₂(R744)は31℃を超えるとどうなる?

A. 温度が臨界点(30.9782℃・7.3773MPa、絶対圧)の温度を超えると、圧力をいくら上げても液にならず、飽和圧力はありません。三重点(−56.558℃・0.518MPa)より低い圧力では液体のCO₂は存在しません。

Q5. R410A・R404Aなど混合冷媒の値はなぜない?

A. 一次資料(NIST WebBook)に純物質の表しかなく、混合冷媒の表がないためです。混合冷媒は成分の割合で圧力が決まり、沸き始め(泡点)と沸き終わり(露点)で圧力が分かれることがあります。種類・GWPは冷媒の種類の早見表へ。

Q6. 停止中の圧力で冷媒の量はわかる?

A. 圧力だけではわかりません。液とガスが共存し、全体が同じ温度になっていれば、圧力は液の量に関係なくその温度の飽和圧力になります(R134a・25℃ならゲージ圧約0.564MPa)。

Q7. 圧力計がマイナス(負圧)を示すのはなぜ?

A. 飽和温度が標準沸点(R134a −26.1℃・R717 −33.3℃・R32 −51.7℃)より低いと、飽和圧力が大気圧を下回るためです。R717の−40℃はゲージ圧−0.030MPaです。

Q8. 表の値の出どころは?

A. NIST Chemistry WebBook(SRD 69)の飽和の表を2026年10月に取得し、圧力は0.001MPa、温度は0.1℃に丸めています。

関連する早見表

出典・参考

  • NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Reference Database Number 69 — Thermophysical Properties of Fluid Systems(E.W. Lemmon, I.H. Bell, M.L. Huber, M.O. McLinden、米国国立標準技術研究所(NIST)、doi:10.18434/T4D303)— R32・R134a(1,1,1,2-tetrafluoroethane)・Carbon dioxide・Ammonia の Saturation Properties(温度刻み: −50〜70℃・5℃刻み、圧力刻み: 絶対圧0.101325〜7.301325MPa)と、各ページの Auxiliary Data(Critical temperature・Critical pressure・Normal boiling point)。2026年10月24日取得 — webbook.nist.gov/chemistry/fluid/

※ WebBookが値の計算に使っている状態方程式(WebBookのReferences and Notesに示されたもの): R32はTillner-Roth・Yokozeki(J. Phys. Chem. Ref. Data 26, 1997)、R134aはTillner-Roth・Baehr(同23, 1994)、CO₂はSpan・Wagner(同25, 1996)、アンモニアはGao・Wu・Bell・Lemmon(2018)。

※ 丸め(四捨五入): 圧力(絶対圧・ゲージ圧)は小数第3位(0.001MPa)、飽和温度・標準沸点は小数第1位です。WebBookの表示桁(8桁)の値から丸めています。ゲージ圧は丸める前の絶対圧から0.101325MPaを引いてから丸めるため、表の絶対圧から引いた値と0.001ずれることがあります。臨界温度・臨界圧力は補助データの表示のままです。

※ 本ページの数値は2026年10月時点で確認した出典にもとづきます。改定されることがあるため、最新の原典を確認してください。

※ 本ページの表・数値は、上記の出典をもとに当サイトが計算・編集(加工)して作成したものです。出典元の機関・団体が作成したものではありません。

最終更新: 2026-10-24