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文書保存年限早見表|帳簿10年・領収書7年・賃金台帳5年などの法定保存期間

総務・経理の「この書類、捨てていい?」に答える法定保存期間の早見表。会社法系10年・税務系7年・労務系5年(当分の間3年)という大きな地図と、書類別の年数・根拠法・起算日が3秒で引けます。廃棄の最終判断は顧問税理士・社労士に確認を。

🗄️ 保存年限 即答ボックス

会計帳簿・決算書10年会社法432・435条
請求書・領収書7年欠損金の年度は10年
賃金台帳・出勤簿5年(当分3年)労基法109条・143条
源泉徴収簿7年翌年1月10日の翌日から
定款・登記書類実務上永久期間の定めなし
大原則長い方に合わせる複数法令が重なるため

このページについて

文書の保存期間は会社法・法人税法・労働基準法など複数の法律がそれぞれ別の年数を定めているため、「同じ書類に7年と10年が両方かかる」ことが普通に起きます。原則は最も長い年数に合わせること。もう一つの落とし穴が起算日で、多くは作成日ではなく「申告期限の翌日」「退職の日」「帳簿閉鎖の時」から数えます。本ページは代表的な書類の年数・根拠法・起算日を一覧化したものです。廃棄してよいかの最終判断は、必ず顧問税理士・社会保険労務士・弁護士に確認してください。

書類別の法定保存期間

よく使う:
書類保存期間根拠起算日
定款・登記関係書類・許認可書類実務上永久期間の定めなし
株主名簿実務上永久会社法(備置義務)
会計帳簿(総勘定元帳・仕訳帳)・事業に関する重要な資料10年会社法432条帳簿閉鎖の時
計算書類(貸借対照表・損益計算書など決算書)10年会社法435条作成した時
株主総会議事録(本店備置分)10年会社法318条総会の日
取締役会議事録10年会社法371条取締役会の日
法人税の帳簿書類(請求書・領収書・契約書・見積書・注文書など)7年法人税法126条・規則59条確定申告書の提出期限の翌日
欠損金(青色の赤字)が生じた事業年度の帳簿書類10年法人税法(繰越控除の要件)同上
源泉徴収簿・扶養控除等申告書など年末調整関係7年所得税法施行規則76条の3ほか翌年1月10日の翌日
労働者名簿5年(当分の間3年)労働基準法109条・143条労働者の退職・死亡の日
賃金台帳5年(当分の間3年)労働基準法109条・143条最後の記入をした日
出勤簿・タイムカードなど労働時間の記録5年(当分の間3年)労働基準法109条・143条完結の日
雇入れ・解雇・退職に関する書類5年(当分の間3年)労働基準法109条退職・死亡の日
労使協定(36協定など)の協定書5年(当分の間3年)労働基準法109条(重要書類として)完結の日
健康診断個人票5年労働安全衛生規則51条作成の日
雇用保険の被保険者に関する書類(資格取得等確認通知書など)4年雇用保険法施行規則143条完結の日
雇用保険に関するその他の書類2年雇用保険法施行規則143条完結の日
健康保険・厚生年金保険に関する書類2年健康保険法施行規則34条・厚生年金保険法施行規則28条完結の日
労災保険に関する書類3年労働者災害補償保険法施行規則51条完結の日

※ 個人事業主の場合: 青色申告の帳簿・決算関係書類は7年、請求書・見積書などは5年(消費税課税事業者は請求書等7年)と法人と異なります。※ 業法(建設業法・宅建業法・医療法など)による独自の保存義務は本表に含みません。

ざっくり地図: 3つの系統で覚える

系統年数対象の典型
会社法系10年会計帳簿・決算書・議事録。会社の背骨になる記録
税務系7年(欠損金10年)請求書・領収書・契約書など取引証憑。税務調査への備え
労務系5年(当分3年)・4年・3年・2年賃金台帳・名簿・出勤簿・保険関係。法改正で5年へ延長中

※ 迷ったら「その書類に一番厳しい法律」に合わせるのが原則。総勘定元帳が税法7年でなく実務10年なのはこのためです。

よくある間違い

  • 作成日から数える — 税務書類は「申告期限の翌日」起算なので、書類の日付からは実質8年前後残ります。労働者名簿は退職日起算です。
  • 7年経ったから領収書を捨てる(赤字年度) — 欠損金の繰越控除を受けるなら、その年度の帳簿書類は10年必要です。
  • 「当分の間3年」を恒久と思う — 労基法の3年は経過措置です。賃金請求権の消滅時効は既に5年に延びており、実務は最初から5年運用が安全です。
  • 電子取引の請求書を印刷して紙だけ保存 — 2024年1月以降、電子取引データは電子のまま保存が原則です(電子帳簿保存法)。
  • 契約書を期間満了と同時に廃棄 — 保存年限とは別に、消滅時効(民法166条: 5年/10年)の間は紛争の証拠になります。重要契約は長めに。
  • グループで一括廃棄 — 段ボール単位の廃棄で10年物の帳簿が混ざる事故が定番です。廃棄リストを作り、機密文書は溶解処理で。

保存年限のしくみ

保存期間の長さは、その書類が「何に備えるか」で決まっています。会社法の10年は株主・債権者が会社の記録を遡れる期間、税務の7年は国税の更正・決定ができる期間(重加算税の対象になる仮装隠蔽は7年遡及)、労務の5年は賃金請求権の消滅時効に対応します。つまり保存年限とは、実質的に「その書類で争いになり得る最長期間」の裏返しです。

2020年の労基法改正(賃金時効2年→5年、記録保存3年→5年・当分3年)のように、年数は法改正で動きます。また電子帳簿保存法により保存の「形」も紙から電子へ移行中です。本ページは廃棄判断の下調べ用の地図であり、個別の書類を廃棄してよいかは、会社の状況(訴訟・調査・欠損金の有無)によって変わります。最終確認は顧問税理士・社労士へ。法定耐用年数印紙税額と同じ棚に置いて使ってください。

よくある質問

Q1. 領収書・請求書は何年保存する?

A. 法人税法上7年です。ただし欠損金(赤字)が生じた事業年度のものは10年。起算日は「確定申告書の提出期限の翌日」なので、書類の日付からは実質8年前後になります。

Q2. 総勘定元帳は7年? 10年?

A. 実務上10年です。法人税法では7年ですが、会社法432条が会計帳簿に10年を求めており、長い方が優先です。決算書も会社法435条で10年です。

Q3. 賃金台帳・タイムカードは何年?

A. 労基法109条により原則5年、経過措置で当分の間3年です。賃金請求権の時効は既に5年のため、実務では最初から5年運用が安全です。

Q4. 保存期間の起算日はいつ?

A. 書類ごとに違います。税務書類=申告期限の翌日、会計帳簿=帳簿閉鎖の時、労働者名簿=退職・死亡の日、賃金台帳=最後の記入日、源泉徴収簿=翌年1月10日の翌日。作成日からではありません。

Q5. 契約書はいつまで保存する?

A. 税務上は7年(欠損金の年度は10年)。ただし契約終了後も消滅時効(民法166条: 5年/10年)の間は証拠になるため、重要契約は10年以上保存する実務が多いです。

Q6. 電子データで保存してもいい?

A. できます。電子取引データはむしろ電子保存が原則(電子帳簿保存法・2024年1月完全義務化)。スキャナ保存も要件を満たせば可。年限は紙と同じです。

関連する早見表

出典・参考

  • 会社法318条・371条・432条・435条 — 議事録・会計帳簿・計算書類の保存
  • 法人税法126条・法人税法施行規則59条 — 帳簿書類の7年保存(欠損金の生じた事業年度は10年)
  • 労働基準法109条・143条 — 労働関係書類の5年保存と経過措置(当分の間3年)
  • 労働安全衛生規則51条 / 雇用保険法施行規則143条 / 健康保険法施行規則34条 / 厚生年金保険法施行規則28条 / 労災保険法施行規則51条 — 労務・保険関係の保存期間
  • 電子帳簿保存法 — 電子取引データの保存義務

※ 本ページは2026-08時点の法令にもとづく一般的な整理です。法改正・経過措置の終了で年数は変わり得ます。また業法による独自の保存義務や、訴訟・税務調査中の書類は別の考慮が必要です。廃棄の最終判断は必ず顧問税理士・社会保険労務士・弁護士に確認してください。

最終更新: 2026-08-06