電動機の枠番早見表|フレーム番号と軸中心高・取付寸法
三相誘導電動機(モーター)の枠番(フレーム番号)の数字は、据付面から軸中心までの高さ(軸中心高)をmmで表した値です。枠番90Lなら軸中心高90mm。末尾のS・M・Lは同じ軸中心高での鉄心長(取付穴間隔)の区分です。本ページはJIS C 4210・IEC 60072-1に基づき、標準枠番63〜200Lの取付寸法(A・B・軸径D・軸端長E)と4極200V級の対応出力の目安、B3/B5/B14の取付方式記号を一覧化しています。
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このページについて
電動機の枠番(フレーム番号)は、IEC 60072-1およびJIS C 4210で標準化されたフレーム寸法の呼びで、数字部分が軸中心高H(mm)、末尾の記号(S・M・L)が同じ軸中心高での鉄心長(脚取付では軸方向の取付穴間隔B)の区分を表します。枠番が分かれば、脚の取付穴位置や軸中心高といった据付側の基本寸法が決まるため、電動機の選定・更新・据付設計で最初に確認する番号です。
「枠番90Lってどんな寸法?」「1.5kWのモーターは何枠?」「90Sと90Lはどこが違う?」「B5とB14の違いは?」といった確認に即答できる構成です。枠番から出力を推定したあと、定格電流の目安はモーター定格電流早見表で確認できます。
下の入力欄に「90L」「112」「160」「フランジ」などと入力すると、表1〜2の行を絞り込めます(未入力で全表示)。
該当なし
表1: 標準枠番と軸中心高・取付寸法・対応出力の目安
脚取付(B3)の基準寸法(IEC 60072-1)と、4極・200V級・全閉外扇形での対応出力の一般的な目安です。対応出力はメーカー・シリーズ・効率クラスで異なるため、必ず銘板・カタログで確認してください。
| 枠番 | 軸中心高 H (mm) | 取付穴間隔 A 幅方向 (mm) | 取付穴間隔 B 軸方向 (mm) | 軸径 D (mm) | 軸端長 E (mm) | 4極の対応出力 (目安) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 63 | 63 | 100 | 80 | 11 | 23 | 0.2kW |
| 71 | 71 | 112 | 90 | 14 | 30 | 0.4kW |
| 80 | 80 | 125 | 100 | 19 | 40 | 0.75kW |
| 90S | 90 | 140 | 100 | 24 | 50 | 1.1kW(IEC系列) |
| 90L | 90 | 140 | 125 | 24 | 50 | 1.5kW |
| 100L | 100 | 160 | 140 | 28 | 60 | 2.2kW(IEC系列は〜3.0kW) |
| 112M | 112 | 190 | 140 | 28 | 60 | 3.7kW(IEC系列4.0kW) |
| 132S | 132 | 216 | 140 | 38 | 80 | 5.5kW |
| 132M | 132 | 216 | 178 | 38 | 80 | 7.5kW |
| 160M | 160 | 254 | 210 | 42 | 110 | 11kW |
| 160L | 160 | 254 | 254 | 42 | 110 | 15kW |
| 180M | 180 | 279 | 241 | 48 | 110 | 18.5kW |
| 180L | 180 | 279 | 279 | 48 | 110 | 22kW |
| 200L | 200 | 318 | 305 | 55 | 110 | 30kW |
※ A=幅方向の取付穴中心間距離、B=軸方向の取付穴中心間距離、D=軸径、E=軸端(シャフト突出部)の長さ。D・Eは標準円筒軸端の値で、この表の範囲(200枠まで)では2極〜8極共通です。225枠以上では極数(2極か4極以上か)によって軸径・軸端長が異なります。
※ 枠番63・71・80はメーカーにより「63M」「71M」「80M」と表記されることがあります。37kW以上の出力には225S・225M・250M・280S…とさらに大きい枠番が続きます。対応出力はあくまで目安で、2極・6極では同じ出力でも枠番が変わります。
➡ 出力・極数から定格電流の目安を知りたい場合は「モーター定格電流早見表」へ。
表2: 取付方式の記号(IEC 60034-7 / JIS C 4034-7)
電動機の取付姿勢・取付方法は「IM記号」で表します。よく使われる記号は次のとおりです。
| 記号 | 取付方式 | 軸の向き | 特徴 |
|---|---|---|---|
| B3 (IM1001) | 脚取付 | 横軸 | 床置きの最も一般的な形。フレーム下部の脚で据え付ける |
| B5 (IM3001) | フランジ取付 | 横軸 | 脚なし。フランジの取付穴が通し穴(FF形フランジ) |
| B14 (IM3601) | フェース取付 | 横軸 | 脚なし。フランジの取付穴がタップ穴(FT形フランジ)。小型機に多い |
| B35 (IM2001) | 脚+フランジ | 横軸 | B3の脚とB5のフランジを併用 |
| B34 (IM2101) | 脚+フェース | 横軸 | B3の脚とB14のフェースを併用 |
| B6 / B7 / B8 | 脚取付(壁・天井) | 横軸 | B3の姿勢を回転させて壁面(B6・B7)・天井(B8)へ取り付ける形 |
| V1 (IM3011) | フランジ取付 | 立軸(軸端 下向き) | ポンプ直結などの立形用途で使用 |
| V3 | フランジ取付 | 立軸(軸端 上向き) | V1の軸端上向き形 |
| V5 / V6 | 脚取付 | 立軸(V5: 下向き / V6: 上向き) | 脚取付フレームを縦姿勢で使用 |
| V18 / V19 | フェース取付 | 立軸(V18: 下向き / V19: 上向き) | B14のフェースを縦姿勢で使用 |
※ FF形・FT形フランジの数字(FF165・FT115など)は取付穴のピッチ円直径(P.C.D.)mmを表します。フランジ形は枠番が同じでもフランジ寸法の呼びを別途確認してください。
交換・更新時の確認手順(枠番一致でもここを確認)
枠番が一致すれば脚の取付穴位置と軸中心高は原則合いますが、それ以外の寸法は規格で統一されていません。交換時は次の順で確認します。
- 銘板の記録 — 枠番・定格出力・極数・電圧・周波数・定格電流・回転速度を控える。
- 取付方式の確認 — B3(脚)かB5/B14(フランジ・フェース)か。フランジ形はP.C.D.・インロー径・穴径(通し穴かタップ穴か)も確認。
- 軸まわりの確認 — 軸径D・軸端長E・キー溝寸法(→キー・キー溝早見表)。カップリング・プーリーがそのまま使えるかを判断。
- 端子箱の位置・配線口の向き — 同じ枠番でもメーカー・シリーズで上面・側面など位置が異なる。既設配線が届くか確認。
- 全長・外形の確認 — 全長やファンカバー径は規格で決まっていない。高効率形への更新では全長が伸びる機種があるため、周囲との干渉を外形図で確認。
- 電気側の再確認 — 高効率形は定格電流・始動電流が変わる場合がある。ブレーカー・配線サイズをモーター定格電流・ブレーカー容量で再チェック。
使い方・選び方のポイント
使用場面
電動機の故障更新・予備品手配、装置設計での電動機選定と据付寸法の検討、ポンプ・ファン・コンベヤなど回転機械の保全業務で、枠番から寸法の当たりを付けるのに使います。
確認の手順
①銘板の枠番を読む(例: 132S) ②数字=軸中心高(132mm)、記号=鉄心長の区分と読み替える ③表1で取付穴間隔A・B、軸径D、軸端長Eを確認 ④取付方式(B3/B5/B14)を表2で確認 ⑤対応出力の目安から定格電流の目安へ進む ⑥最終確認は必ずメーカーの外形図と銘板で行う。
よくある間違い
- 枠番=出力と誤解 — 枠番は寸法の呼びです。同じ枠番でも極数・効率クラス・メーカー設計で出力は異なります。「90L=1.5kW」は4極200V級での目安にすぎません。
- S・M・Lを「軸の長さ」と誤解 — S・M・Lは鉄心長(フレーム長)の区分で、脚取付では軸方向の取付穴間隔Bが変わります。軸端の長さEは同じ枠番数字なら共通が原則です。
- 枠番一致=完全互換と誤解 — 規格で決まるのは軸中心高・取付穴位置・軸端寸法など。全長・端子箱位置・ファンカバー径はメーカーごとに異なります。
- 高効率形更新で寸法据え置きと思い込む — トップランナー対応(IE3相当)品への更新では、損失低減のため鉄心が大きくなり枠番が1サイズ上がる機種があります。
- NEMAフレームとの混同 — 北米のNEMA規格のフレーム番号(56・143T・182Tなど)は別体系で、数字の意味もIEC/JISの枠番とは異なります。輸入機械では要注意です。
枠番標準化の背景
電動機のフレーム寸法は、かつてメーカーごとにまちまちで、故障時に同じメーカーの同じ機種しか取り付けられないという問題がありました。そこでIEC 60072-1が軸中心高(shaft height)を基準にフレーム寸法系列を国際標準化し、日本でもJIS C 4210(一般用低圧三相かご形誘導電動機)が標準出力と枠番号の対応を定めました。枠番の数字を軸中心高そのものにしたのは、据付側(ベース・架台)の設計で最も重要な寸法が軸中心高だからです。これにより、枠番さえ合えばメーカーが違っても脚の取付穴位置と軸心位置が合う、という互換性が実現しています。
同じ軸中心高でS・M・Lの区分があるのは、フレームの断面サイズ(軸中心高で決まる径方向の大きさ)を変えずに鉄心の長さを変えることで出力の系列を作る設計が合理的だからです。鉄心を長くすればトルク(出力)が増えるため、90S→90Lのように同じ断面のまま一段上の出力をカバーできます。これが「Lの方が高出力」となる理由で、脚の取付穴間隔B(軸方向)だけが変わります。
なお、省エネ法のトップランナー制度により、国内で製造・輸入される対象の三相誘導電動機は2015年度からプレミアム効率(IE3)相当の効率基準が適用されています。高効率化のために鉄心を大型化した結果、同じ出力でも従来品より枠番や全長が大きくなる機種があるため、古い電動機を更新する際は枠番の読み替えと据付寸法の確認が特に重要になっています。
よくある質問
Q1. 電動機の枠番90Lの「90」は何を表しますか?
A. 据付面から軸中心までの高さ(軸中心高)が90mmであることを表します。枠番の数字は原則として軸中心高H(mm)と一致します(IEC 60072-1・JIS C 4210)。末尾のS・M・Lは同じ軸中心高における鉄心長(脚の取付穴間隔B)の区分です。
Q2. 枠番の末尾のS・M・Lは何の違いですか?
A. 同じ軸中心高のフレームにおける軸方向長さの区分で、S(短)・M(中)・L(長)の順に鉄心が長くなり、脚取付では軸方向の取付穴間隔Bが異なります。例えば90Sと90Lは軸中心高90mm・幅方向の穴間隔A=140mmは共通ですが、Bは90Sが100mm、90Lが125mmです。軸(シャフト)の長さの区分ではありません。
Q3. 枠番が同じなら出力も同じですか?
A. いいえ。枠番は寸法の呼びであり、出力は極数・効率クラス・メーカーの設計で異なります。「90L≒1.5kW(4極)」のような対応はあくまで一般的な目安です。出力は必ず銘板の定格値で確認してください。
Q4. B3・B5・B14の違いは何ですか?
A. IEC 60034-7(JIS C 4034-7)で定める取付方式の記号で、B3は脚取付(床置き・横軸)、B5はフランジ取付(取付穴が通し穴のFF形フランジ)、B14はフェース取付(取付穴がタップ穴のFT形フランジ)です。B35はB3の脚とB5のフランジの併用形です。
Q5. 枠番が同じなら無加工で交換できますか?
A. 脚取付寸法(H・A・B)は原則一致しますが、軸径・軸端長・キー溝、端子箱の位置、全長、フランジ寸法はメーカーやシリーズで異なる場合があります。特に旧型から高効率形(トップランナー対応品)への更新では枠番自体が1サイズ大きくなる機種もあるため、必ずメーカーの外形図で確認してください。
Q6. 枠番90Lの取付寸法はいくつですか?
A. IEC 60072-1に基づく脚取付の基準寸法は、軸中心高H=90mm、取付穴間隔A(幅方向)=140mm・B(軸方向)=125mm、軸径D=24mm、軸端長E=50mmです。全長や端子箱位置は規格で統一されていないため外形図で確認します。
Q7. 枠番から定格電流は分かりますか?
A. 直接は分かりません。枠番から4極・200V級での出力の目安を推定し(例: 112M≒3.7kW)、出力・極数・電圧から定格電流の目安を確認する、という2段階になります。定格電流の目安はモーター定格電流早見表で確認でき、最終的には銘板値が優先です。
関連する早見表
出典・参考
- JIS C 4210(一般用低圧三相かご形誘導電動機) — 標準出力・枠番号の対応、特性
- IEC 60072-1(回転電気機械の寸法及び出力系列) — 軸中心高H・取付穴間隔A/B・軸径D・軸端長E・フランジ寸法(参考)
- JIS C 4034-7 / IEC 60034-7(回転電気機械 — 構造及び取付配置の記号による分類) — B3・B5・B14などのIM記号(参考)
※ 表1の取付寸法はIEC 60072-1に基づく基準値、対応出力は4極・200V級・全閉外扇形での一般的な目安です。全長・端子箱位置・フランジ詳細寸法・実際の対応出力はメーカー・シリーズにより異なるため、選定・交換の際は必ずメーカーの外形図・カタログと銘板で確認してください。
最終更新: 2026-07-11