冷媒配管サイズ早見表|2分3分・銅管径とフレア寸法
エアコン・空調の冷媒配管(銅管)の呼び径「2分・3分・4分…」とインチ表記・外径mmの対応、フレアナット対辺・締付トルクの目安、銅管の肉厚・ペアコイルまで、空調工事で頻出の数値を一覧化。2分=6.35mm、3分=9.52mm、4分=12.7mm(いずれも外径)。ルームエアコンは「2分3分」ペアが主流です。
❄️ 冷媒配管サイズ 即答ボックス
※ 呼び径の「分(ぶ)」は1インチの1/8。2分=2/8インチ、3分=3/8インチ。サイズはすべて外径です。
このページについて
冷媒配管とは、エアコンの室内機と室外機の間で冷媒を循環させる銅管(JIS H 3300のC1220りん脱酸銅管)です。呼び径は尺貫法由来の「分(ぶ)」で呼ばれ、1分=1/8インチに対応します。本ページでは呼び径×インチ×外径mmの対応表を軸に、フレア加工の寸法(フレア外径・ナット対辺・締付トルクの目安)、銅管の肉厚、被覆銅管(ペアコイル)まで、据付・更新工事で確認する数値をまとめています。
エアコンの機種選定・配管流用の判断・フレア施工のトルク管理など、現場で頻発する「この配管は何ミリ?」に即答する構成です。締付トルクや肉厚など機種・冷媒に依存する値は目安として示し、実施工ではメーカー据付説明書の指定値を優先してください。
冷媒配管サイズ一覧表(呼び径×インチ×外径mm)
サイズはすべて銅管の外径。用途欄は日本の空調機器で一般的な使われ方(目安)です。
| 呼び径 | インチ | 外径 (mm) | 主な用途(目安) |
|---|---|---|---|
| 2分 | 1/4 | 6.35 | 液管: ルームエアコンほぼ全機種・業務用小型(家庭用・業務用) |
| 2.5分 | 5/16 | 7.94 | 空調機器での採用はまれ(用途は機器の仕様表・規格表を参照) |
| 3分 | 3/8 | 9.52 | ガス管: ルームエアコン2.2〜4.0kWクラスの主流(家庭用) |
| 4分 | 1/2 | 12.70 | ガス管: 大型ルームエアコン(5.6kWクラス〜)・業務用(家庭用・業務用) |
| 5分 | 5/8 | 15.88 | ガス管: 業務用パッケージエアコン(業務用) |
| 6分 | 3/4 | 19.05 | ガス管: 業務用大容量・ビル用マルチ(業務用) |
※ オレンジ網掛けの2分・3分が「2分3分ペア」=ルームエアコンの定番構成。接続径は必ず機種の据付説明書・仕様表で確認してください。
フレア加工の寸法とフレアナット・締付トルク目安(JIS B 8607)
フレア外径A寸法(フレア加工後のラッパ状部分の外径)はJIS B 8607の2種(R410A・R32用)の値、締付トルクはJIS B 8607 表8の規定値(中心値±許容差)です。フレアナット対辺は流通品の一般値(目安)。メーカー指定トルクはこの範囲と異なる場合があるため、実施工では必ず据付説明書の指定値に従ってください。
| 呼び径 | 銅管外径 (mm) | フレア外径A (mm・2種) | フレアナット対辺 目安 (mm) | 締付トルク (N・m) |
|---|---|---|---|---|
| 2分 | 6.35 | 9.1 | 17 | 14〜18 (16±2) |
| 3分 | 9.52 | 13.2 | 22 | 34〜42 (38±4) |
| 4分 | 12.70 | 16.6 | 26 | 49〜61 (55±6) |
| 5分 | 15.88 | 19.7 | 29 | 68〜82 (75±7) |
| 6分 | 19.05 | 24.0 | 36 | 100〜120 (110±10) |
※ R22時代の旧機器ではフレア寸法・ナット対辺が一回り小さい場合があります(R410A以降は高圧化に伴いフレアが大径化)。旧配管をR410A・R32機に接続する際はフレアの切り直しが必要です。
※ トルクレンチはナット対辺に合った専用サイズ(17/22/26/29mm等)を使用します。
銅管の肉厚と材質(JIS H 3300 C1220T)
空調用冷媒配管はりん脱酸銅(C1220)の継目無管。肉厚は下表がR410A・R32用として流通する一般値(目安)です。必要肉厚は冷媒圧力・機種ごとにメーカーが規定しており、指定を下回る薄肉管は使用できません。
| 外径 (mm) | 肉厚の一般値 (mm) | 質別(材質状態) |
|---|---|---|
| 6.35(2分) | 0.8 | O材(軟質・なまし)— 手曲げ可 |
| 9.52(3分) | 0.8 | O材(軟質・なまし)— 手曲げ可 |
| 12.70(4分) | 0.8 | O材(軟質・なまし) |
| 15.88(5分) | 1.0 | O材(軟質・なまし) |
| 19.05(6分) | 1.0 | 1/2H材(半硬質)が一般的 |
被覆銅管(ペアコイル)とは
液管とガス管の2本の銅管に、あらかじめ断熱材(ポリエチレンフォーム等)を被覆して1組にまとめた配管材がペアコイル(被覆銅管)です。「2分3分」「2分4分」などの組み合わせで20m巻などのコイル状で流通し、現場での断熱施工の手間を大幅に減らせるため、ルームエアコン工事の標準材料になっています。1本ものは「シングルコイル」と呼ばれます。断熱材の厚みには複数の仕様があり、高温多湿環境や冷媒温度条件によって使い分けます。
実務上の注意点
- オーバートルク厳禁 — フレアナットの締めすぎはフレア部の変形・割れ・ナット割れによるガス漏れの原因。トルクレンチで規定値管理を(「強く締めるほど安心」は誤り)。
- フレア面の仕上がり確認 — 傷・バリ・偏心・寸法不足は漏えいの主因。パイプカッター切断後の面取り(リーマ掛け)とフレア寸法の確認を確実に。
- ろう付け時は窒素ブロー — 配管内に窒素を流しながら加熱しないと内面に酸化被膜(スケール)が生成し、膨張弁・キャピラリ詰まりの原因になります。
- R410A機の配管をR32機に流用する場合 — 設計圧力はほぼ同等ですが、流用可否の条件(配管径・肉厚・汚れや水分・冷凍機油の残留・配管長)はメーカーごとに基準が定められているため必ず確認してください。R22時代の薄肉管・小フレアはそのまま流用できません。
- 真空引きの徹底 — 配管内の空気・水分は能力低下や酸化・凍結の原因。真空ポンプによる真空引き(エアパージ)が必須で、冷媒を吹かせて追い出す方法は不可です。
「分」という呼び方と配管サイズの背景
冷媒配管の「2分・3分」という呼び径は、尺貫法の長さの単位「分(ぶ)」をインチの分数に当てはめた業界慣習です。1分=1/8インチと読み替え、2分=2/8インチ(1/4インチ=6.35mm)、3分=3/8インチ(9.52mm)、4分=4/8インチ(1/2インチ=12.7mm)となります。冷凍空調分野は米国規格由来のインチ系寸法が国際的に共通で、日本ではそれを「分」で呼ぶ習慣が定着しました。水道・ガス配管の「13A・20A」といったA呼称(ミリ系)とは体系が異なる点に注意が必要です。
材質に銅管が使われるのは、加工性(手曲げ・フレア加工・ろう付けが容易)、耐食性、そして冷媒や冷凍機油と反応しにくい安定性を兼ね備えるためです。JIS H 3300に規定されるC1220(りん脱酸銅)は、水素脆化の心配がなくろう付け性に優れるため、冷媒用銅管の標準材となっています。軟質のO材はコイル状で流通して現場で曲げて使え、太径では強度を確保するため半硬質(1/2H材)の直管が使われます。
液管とガス管で太さが違うのは、冷媒の状態による体積の差のためです。凝縮した液冷媒は密度が高く細い管で十分流せますが、蒸発したガス冷媒は体積が数十倍に膨らむため、圧力損失を抑えるには太い管が必要になります。このため「細い方が液管・太い方がガス管」という組み合わせが基本になり、能力が大きい機種ほどガス管側が3分→4分→5分と太くなっていきます。
使い方・選び方のポイント
使用場面
エアコンの新設・移設・更新時の配管材選定、既設配管の流用可否判断、フレア施工のトルク管理、見積り時の材料拾い出しに使います。まず機種の据付説明書で「接続配管径(液側/ガス側)」を確認し、本表で外径・フレア寸法・トルクを照合する流れが基本です。
よくある間違い
①「2分=直径2mm」という誤解(正しくは1/4インチ=6.35mm) ②内径と外径の混同(呼びはすべて外径) ③R22時代の薄肉管・小フレア配管をR410A/R32機にそのまま流用 ④トルクレンチを使わない感覚締めによるオーバートルク ⑤水道配管のA呼称(13A等)との混同、が定番の失敗です。
選び方のコツ
①機種の指定接続径を最優先(2.2〜4.0kW級ルームエアコンなら2分3分が大半) ②肉厚はメーカー指定を満たすものを選ぶ(2〜4分は0.8mmが一般値) ③断熱材付きペアコイルを使うと施工が確実 ④配管長・高低差の制限(機種ごとの最大値)を超えないこと ⑤流用時は径・肉厚・汚れの3点をメーカー基準で確認、が要点です。
よくある質問
Q1. 2分3分(にぶさんぶ)とは何ですか?
A. 外径6.35mm(2分)と9.52mm(3分)の銅管を組み合わせた配管ペアの呼び方です。ルームエアコンの大半は細い2分を液管、太い3分をガス管として使用します。「分」は1インチの1/8を表す呼称で、2分=2/8インチ=6.35mm、3分=3/8インチ=9.52mmです。
Q2. エアコンの配管サイズはどこで確認できますか?
A. 室外機の据付説明書またはカタログの「接続配管径(液側/ガス側)」の欄で確認できます。ルームエアコンは2.2〜4.0kWクラスで液2分・ガス3分、5.6kWクラス以上では液2分・ガス4分(12.7mm)が多い構成ですが、機種により異なるため必ず該当機種の仕様表を確認してください。
Q3. フレアナットの締め付けトルクはどのくらいですか?
A. JIS B 8607の規定値で2分(6.35mm)は14〜18N・m(16±2)、3分(9.52mm)は34〜42N・m(38±4)、4分(12.7mm)は49〜61N・m(55±6)です。締めすぎ(オーバートルク)はフレア部の変形・割れによるガス漏れの原因になるため、トルクレンチを使用し、メーカー据付説明書の指定値を優先してください。
Q4. R410AのエアコンをR32機に更新するとき既設配管は流用できますか?
A. R32とR410Aは設計圧力がほぼ同等のため、配管径・肉厚が適合し、汚れ・水分・旧冷凍機油の残留がないなどの条件を満たせば流用できる場合があります。ただし流用可否の条件(配管長・肉厚・洗浄要否)はメーカーごとに基準が定められているため、必ず該当メーカーの流用基準を確認してください。
Q5. 空調用銅管の肉厚は何mmですか?
A. ルームエアコンで使う外径6.35〜12.7mmでは肉厚0.8mm(軟質O材)が一般的で、15.88mmでは1.0mmが目安です。R410A・R32などの高圧冷媒では必要肉厚が冷媒・機種ごとに規定されるため、メーカー指定の肉厚を下回る銅管は使用できません。
Q6. ペアコイル(被覆銅管)とは何ですか?
A. 液管とガス管の2本の銅管に断熱材(ポリエチレンフォーム等)をあらかじめ被覆し、1組にまとめたエアコン用配管材です。「2分3分」「2分4分」などの組み合わせで20m巻などのコイル状で販売され、現場での断熱施工の手間を減らせます。
Q7. なぜ液管とガス管で太さが違うのですか?
A. 液管を流れる液冷媒は密度が高く体積流量が小さいため細い管で足り、ガス管を流れるガス冷媒は体積が大きいため圧力損失を抑えるのに太い管が必要だからです。同じ冷媒量でも状態(液体・気体)によって必要な管径が変わります。
Q8. フレア接続とろう付け接続はどう使い分けますか?
A. 外径6.35〜19.05mm程度の細径管は、火気を使わず着脱もできるフレア接続(JIS B 8607)が現地施工の標準です。それより太い管や振動の大きい箇所などは、気密信頼性の高いろう付け接続が用いられます。ろう付け時は配管内に窒素を流して酸化被膜の生成を防ぐ「窒素ブロー」が必須です。
関連する早見表
出典・参考
- JIS H 3300 — 銅及び銅合金の継目無管(C1220 りん脱酸銅管の寸法・質別)
- JIS B 8607 — 冷媒用フレア及びろう付け管継手(フレア寸法・継手の要求事項)
※ 外径・インチ対応・フレア外径A・締付トルクはJIS規格値、フレアナット対辺・肉厚・用途は空調機器で広く用いられる一般値(目安)です。実施工では機器メーカーの据付説明書・施工要領の指定値を必ず優先してください。
最終更新: 2026-07-10